腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「何でこんな点数なんだよ!あり得ないだろうが!」
「普通に0点だろうが!」
「一之瀬も高い点数出してるし、普段の優しさは嘘みたいだなこのヤリマン!」
石崎達の結果が出ると須藤達が猛反発する。改めてモニターを見れば……
南雲 16点/20点
桐山 14点/20点
溝脇 16点/20点
殿川 16点/20点
一之瀬 15点/20点
難易度ボーナス 18点/20点
合計 95点/120点
この点数に不満があるようだ。
「ふざけんじゃないわよ盗撮魔!帆波ちゃんを馬鹿にしてんじゃないわよ!」
「寧ろ生徒会役員は全員低い点を出してるだろうが!俺からしたら一之瀬がBクラスを貶めたって学校側に疑われないか心配だからな!」
「そうよ!私だったら満点評価よ!」
それに対して一之瀬の所属するCクラスの生徒らは一之瀬の評価が低過ぎ、学校側から不正と疑われないかと反論する。
「でも実際テーマの好き嫌いを抜きにしたらどのくらいの評価かな?」
「まあ妥当な評価ですね。問題に対する考え方や解決方法を提示したのは良かったですが、最後のスライドに引用した資料の表記が無かったり、スピーチ中に「えーっと」などを使用がありました。これは問題点であり私なら私情を入れたら16点に、私情を挟まなくても13点以上にします」
軽井沢の呟きに有栖がそう返す。確かにスピーチ中に「えーっと」とか「確か」なんて言葉を使うのは宜しくない。戸惑った時は深呼吸をして落ち着いて資料などを見直すのが1番だ。
後引用資料については著作権問題もあるししっかり記入するってのも間違いじゃない。そう考えると5人の評価はあからさまに贔屓されてるわけではない。
「静かにしろ。不満があるなら配られたプリントに書いて、試験後に提出しろ。次の小野寺と三宅と木下は前に出ろ」
南雲会長の言葉に石崎達は一礼してから壇上から降りて、入れ替わりにウチのクラスの木下とDクラスの小野寺と三宅が壇上に上がる。木下は陸上部、小野寺は水泳部、三宅が弓道部で都大会でそこそこの成績を出しているし、スポーツ関係についてだろう。
そう思いながら意識を壇上に向けると案の定「部活の実績による報酬増加とプライベートポイントの追加要素の増加」というお題のスピーチをする。
話す内容としては部活の実績によるボーナス追加についてであったが、運動部は金がかかる場合もあるのでプライベートポイントによる支援やモチベーションの増加としては悪くないスピーチだ。
しかし難易度ボーナスは余り高くなくて120点中80点と石崎達とは差がある。
次にCクラスの渡辺と米津と清水による「敷地内における煙草や飲酒の制限」というテーマを星之宮先生のゲロを引き合いに出してユーモラスなスピーチをして笑いを獲得した。星之宮先生については他の教師に睨まれて引き攣った笑みを浮かべていたが気にしない。
面白かった事が評価されたのか93点とかなり高い。難易度ボーナスは8点と低い。やはり難易度ボーナスは馬鹿に出来ないな。
そして……
「うわ、遂に来たよ……」
「胃薬ありますよ」
「エチケット袋はありますから我慢しなくて大丈夫ですよ」
「うん、ありがとうね」
櫛田が嫌そうな表情になりながら壇上に向かう雪ノ下と由比ヶ浜を見て、ひよりと有栖が優しく櫛田の方を叩く。皆はブーイングをしないで壇上を見る。ブーイングをしたら馬鹿が騒ぐのは明白だからな。
「それでは発表します」
雪ノ下がリモコンを操作するとスライドが表示される。そこには「高度育成高等学校における問題の矯正」と書かれている。
(確かにこの学校には問題はあるが、お前らの問題に比べたらマシだろうに)
そう思いながら前を見る。
「私達がこのお題にしたのはこの学校には救いようのない問題が多いからです。坂柳有栖や龍園翔、比企谷八幡のように不良品なのにDクラスにいなかったり、綾小路清隆や高円寺六助のようにズルをして嘘の成績を出したり、虐めをする最低な同じ学年の人間、理不尽な理由で私達に罰を与える前生徒会長、暴力行為を見逃す教師、有能な私を採用しないケヤキモールの従業員など無能が揃っていることは大きな問題です」
堂々としているが内容は全員に喧嘩を売っている内容だ。
「その問題を解決する方法として私を始め、本当に優秀な人間に生徒や教員に対してクビにする権利を与え、無能を消して、優秀な人間を正当に評価する人間を代わりに学校に入れるべきです」
つまり雪ノ下を支持する人間のみにしたいと?考え方が独裁者のそれであるが、お前を支持する人間なんて由比ヶ浜以外いるとは思えないんだが。
「まあ能力の低い人間は礼儀も知らないので、私が無能と判断した人間は私が冤罪でやらされている矯正プログラムをやらせるべきです」
スライドが変わると矯正プログラムのスケジュールが表示されるが、かなりキツい内容だ。
「私の問題解決案が実現出来たら優秀な人間が正当な評価を得られ、無能な人間も実力を向上出来る環境を得られるので素晴らしい学校になるでしょう」
当然のように結論を出しているが、主観的にも程があるし論外だろう。
皆が白けた表情になる中、続いて由比ヶ浜が一歩前に出て、あろう事か紙を取り出す。
(うわ、アイツ最初からカンニングペーパー持ちかよ)
別に発表の最中に忘れたからカンペを出すのは仕方ないかもしれないが、最初から出して広げるってのは発表内容を全く覚えてない事になる。
「あたしもゆきのんと同じ気持ちで、この学校には最低な人間が沢山いるからあたしとゆきのんで変えていくべきだと思うし!」
いや、お前だけは絶対に変えるな。世紀末になるからな。
「その為にも……わあっ!」
と、ここで講堂の横の開いているドアから強い風が吹いてカンペがこっちに飛んでいき、由比ヶ浜が壇上を降りて追いかける。どうやら本当に内容を覚えてないようだ。
そして紙は龍園の手元に飛んでいき、近くの床に落ちる。同時に龍園は紙を踏みつける。
「ちょっと退くし!邪魔!」
由比ヶ浜は自分と龍園の間に座っている生徒に上から目線でそう口にする。
「いや、拾いに行く暇があるなら紙なしで発表すれば良いじゃん」
「無理に決まってんじゃん!覚えてないんだし!」
いや、そこは覚えろや。
「良いから退けし!人の邪魔すんなし!」
由比ヶ浜は強引に突き進み、龍園の近くに到着する。
「どこだし!邪魔!」
「へいへい。さっさと探せ」
龍園は面倒臭そうに、ただし口元に笑みを浮かべながら立ち上がって横にズレる。靴底にメモを隠しながら。
由比ヶ浜は身を屈めて探すがメモは龍園の足元にあるから見つからないだろう。
「あー!もうどこだし!アンタ隠したでしょ!」
由比ヶ浜は龍園の近くにいた白波と網倉と小橋に怒鳴るが、白波の額に青筋が浮かぶ。
「知らないから。ちゃんとメモを覚えなかった自分が悪いんじゃん」
「というか最初からカンニングペーパーを使うのはどうなの?」
「私達は知らないから」
「ふざけんなし!ゆきのんに矯正されるべき屑の癖に!」
3人が素っ気ない態度を取ると由比ヶ浜がブチ切れるが、もう早く終わってくれないかな?
「後1分」
「由比ヶ浜さん!メモを無理に探さないで覚えている事を話して!」
雪ノ下が由比ヶ浜に戻るように促す。
「わ、わかったよゆきのん……ふんっ!」
由比ヶ浜は白波達に怒りの一瞥をしてから壇上に戻るが、壇上に立つ時には20秒を切っていた。
「もう20秒しかないの?!だ、だったら……皆、ゆきのんの言ってることは間違ってないから大人しくゆきのんの言うことを聞くし!それが1番皆の為になるんだから!馬鹿は黙ってゆきのんに従うのが1番だからね!」
最後にそう締めくくるが、講堂にいる全員の額に青筋が浮かんでいるように見えたのは気のせいではないだろう。
「……じゃあ採点をするぞ。モニターに点数を発表する」
額に青筋を浮かばせる南雲会長がそう口にするとモニターのスライドが消えて……
南雲 0点/20点
桐山 0点/20点
溝脇 0点/20点
殿川 0点/20点
一之瀬 0点/20点
難易度ボーナス 20点/20点
合計 20点/120点
(あー、もう!本当にあの馬鹿の相手は疲れるなぁ!今日は月曜日だから比企谷君と綾小路君相手にセックスは出来ないし、龍園君に付き合って貰おうっと!今度麻子ちゃんや夢ちゃんも楽しかった乱交パーティーに誘ってみようかな?)
読者の皆さんは森の声を聞いた事がありますか?
-
はい。
-
いいえ