腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
3月に入り、期末試験が終わってから数日が経過した。
朝のHRのチャイムと同時に坂上先生が教室にやってくる。
「おはようこざいます。早速ですが、期末試験の発表をします」
そう言ってから持っている紙を広げるが、最下位は石崎で全科目45点だ。狙い通りだな。
「赤点獲得者はおらず、平均点は65.1で3番目です。これなら他クラスも警戒心を緩めるでしょう」
坂上先生は薄く笑いながらそう言ってくるが、俺達の作戦を理解したのだろう。
何にせよ一之瀬のクラスの平均は72.9と8点近く差があるし、警戒心は薄れただろう。
「それと来週の月曜日から特別試験があるので気を引き締めるように。ルールは毎年違いますが、場合によっては200以上のクラスポイント増減する試験です」
それは鬼龍院先輩から聞いたが、やはり大きいな。問題は学校が無人島試験のようにクラスポイントを出すタイプか、ペーパーシャッフルのように対戦相手からクラスポイントを奪うタイプかだ。後者なら下手したら他クラスと400ポイント以上の差がつくかもしれないからな。
坂上先生がそう言ってから教室から出て行くので俺が壇上に立つ。
「さて、試験は終わって俺の想定の点数だったから良い結果だった……が、これはあくまで布石の1つだ。特別試験が発表されるまでの1週間、死ぬ気で勉強して更に成績を伸ばせ」
「は?!テストが終わったから少しくらい休んでもいいじゃん!」
俺の命令に真鍋が立ち上がって文句を言ってくる。真鍋のグループメンバーも似た表情になる。
俺が口を開こうとしたら時任が口を開ける。
「何でクラスで実力のないお前が、クラストップクラスの比企谷に偉そうな態度を取るんだよ?身の程を弁えろよ」
「そうですな。真鍋氏の立場でこれまでクラスのために色々考えてきた比企谷氏に文句を言うのは実に烏滸がましい」
「なっ……なっ……!」
金田も追従してそう答えると真鍋は真っ赤になって口をパクパクする。
「お前ら落ち着け……まあよく考えてみれば勉強するべきなのは得意科目が一点特化してる生徒や中堅どころだしな。真鍋のグループは勉強しなくて良いぞ、お前らはクソの役にも立たないし」
「何ですって?!」
「え?何でキレるの……おい龍園、真鍋のグループって肉壁以外で使い所はあるか?」
「あん?あるわけ……あっ、鉄砲玉には使えるな」
龍園が思いついたのように手を叩く。実際真鍋のグループの真鍋、諸藤、藪、山下は特に利用価値はない。
ひよりや金田は身体能力は低いが学力や洞察力があり、石崎や伊吹は単細胞な面があるが腕っぷしがあるので短所を互いに補える。しかも短所を克服しようと頑張っているから期待値は高い。
しかし4人は学力も運動能力も低い挙句、普段クラスで態度がデカいので肉壁が鉄砲玉以外に使い道が見つからない。
「まあそうだよな……話を戻すが、真鍋と諸藤と藪と山下は勉強したくないみたいだししなくて良い。で、他のメンバーに告げるが自分の得意科目を磨いとけ。ただし勉強する場所は絶対に自室にしろ。図書室で勉強したら警戒される可能性もある。また龍園から盤外戦術に関する命令が来たらそっちに行って構わない。俺はあくまで参謀、クラスの底上げ戦術担当でリーダーじゃないからな」
中には時任のように俺をリーダーに据えようとしている奴もいるが俺は今のポストで充分だからな。
他の面々は頷く。それなら何の問題はないな。
「俺の話は終わりだ。授業の準備をしてくれ」
そう言って席に着こうとする中、真鍋のグループは睨んでくるが向上心がない奴が睨むな。
元々俺は真鍋達の向上心の無さや態度のデカさからグループディスカッションで話す内容を「向上心のない奴はAクラス所属でも特権剥奪」に決めたんだしな。
そう思いながら俺は席に着いて授業の準備をするのだった。
数時間後……
授業が終わった俺は自室に戻り、今日の復習を済ませてから1年間の復習を始める。試験内容がわからなくても言い出しっぺの俺が勉強しないのは論外だからな。実際ひよりや金田みたいに体力のない奴はジムに行っているからな。
とりあえず文系科目は確実に落とさないようにして、理系科目についても文系レベルにしないといけない。
暫くの間、勉強していると携帯が鳴るので見れば、「乱交パーティー」って名前のグループLINEからメッセージが来ていた。
櫛田:綾小路君か比企谷君か龍園君、暇なら今からセックスしない?
長谷部:何?またあの馬鹿が騒いだの?
佐藤:私と櫛田さんと姫野さんと白波さんとお茶にケヤキモールに向かってたら、清掃をしてた由比ヶ浜と雪ノ下に絡まれた。私もセックスしたい
松下:本当に迷惑ね
白波:私もおちんちんが欲しいな。
姫野:私も。誰か空いてない?
龍園:今忙しい、比企谷か綾小路に頼め
比企谷:そもそも週1の約束を破ったら怒られる
櫛田:坂柳さんと軽井沢さんも一部始終を見てて、許してくれた
比企谷:どのみち今忙しいから綾小路に頼め
綾小路:オレは良いぞ
櫛田:決まりね
松下:というか男3人は少なくない?
王:誰かセックスが上手な男子はいませんかね
比企谷:高円寺あたりは女慣れしてないか?
綾小路:下品と忌避すると思う
龍園:Aクラスの橋本は女慣れしてそうだな
比企谷:何でも良いが、増やし過ぎはやめろよ
姫野:だよね。まあ何にせよ綾小路はよろしくね
櫛田:乱交部屋で待ってるからね
白波:楽しみにしてるから
佐藤:私的には綾小路君のおちんぽが好きだからラッキーだね
会話が一段落したので携帯をテーブルの上において勉強を再開する。それにしてもセックスがストレス解消方法の最善案って……客観的に見ればぶっ飛んでるな。
今後どうなるかわからないが、少しでも皆のストレスが改善されるも良いんだがな……
同時刻……
「……以上です。解散してください」
職員室にて穏やかな表情を浮かべた男性が告げて、職員室から出て行く。同時に男性の目の前にいた真嶋、星之宮、坂上、茶柱も動く。
「それにしても厄介な試験を追加してくれましたよねー、ウチのクラスなんか地獄を見そうですよ」
星之宮がそう呟く。
「確かに理不尽な試験です。しかしウチのクラスの龍園は嬉々として受け入れるでしょう」
「まあ龍園や比企谷あたりは割り切るでしょう。ウチのクラスの坂柳も説明が終わり次第、切り捨てる相手を選ぶ光景が目に見えます」
星之宮の呟きに坂上と真嶋がそう返すと星之宮が頷く。
「その辺りはリーダーの性質が違いますから……まあサエちゃんのクラスは簡単に……サエちゃん?気持ちはわかるけど、口元が緩み過ぎだよ?」
星之宮はジト目で茶柱を見るが、今の茶柱は星之宮が初めて見るくらい口元が緩んでいた。茶柱と星之宮が仲違いする要因となった男と話してる時もこれほど喜んだ表情を浮かべてないだろう、と星之宮は見ている。
「別に緩んでない。何にせよ上が決めた以上、我々は教師として生徒に説明するだけだ。そんなことより仕事に戻るべきでしょう」
茶柱は3人に背を向けて自分の机に戻るが足取りが軽く、口笛も吹いている。
「アレは凄く喜んでるな」
「あんなに喜んでるサエちゃん、初めて見るよ」
「教師としては最低の態度ですが、彼女の立場を考えると責める気が起こりませんねぇ……」
真嶋、星之宮、坂上、この場にいる教員は茶柱の言動を同情に満ちた眼差しで暫くの間見るのだった。
(良しっ……良しっ!今日は何で素晴らしい日だ!坂柳理事長には悪いが謹慎する事になってくれてありがとうございます!私のストレスが軽減される……!)
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