腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「今から紙に自分にとって退学になるべき生徒の名前を3人書いて坂上に渡せ。坂上は休み時間などに集計して放課後に発表しろ」
龍園が出した指示に俺は即座にノートの一部を切り取り、そこに真鍋と諸藤と山下の名前を書く。
「ちょっ!幾ら何でも早くない!?そんな直ぐに決めれないでしょ」
「直感で決めろ。嫌っている奴でも無能な奴でも良い。退学になるべきって思う生徒を選べ。時としてその直感が役立つ」
西野が焦りながら反論するが龍園は一蹴する。無駄に時間を与えたら周りに流されて本心と違う考えを実行するかもしれないな。
そう思いながら俺は書き終えて、坂上先生に渡す。
「お願いします」
「確かに受理した。次の授業の移動もあるから後3分以内に済ませてくれ」
「急げ。間に合わなかった生徒は無効票にするが、今後そいつらは自分の直感に従えない無能と判断して、無能に相応しい扱いにする」
龍園の言葉に大半の生徒が慌ててノートを破り始める。そんな中、ひよりと金田と時任と伊吹は坂上先生に提出するが、コイツらは俺と同じように龍園の言葉に即座に動いていたのだろう。
出した人がいると他の面々も次々に出していき、最終的には全員提出して、坂上先生は出て行く。
大半は多少緊張しているが、真鍋のグループは昨日散々否定されたからか真っ青になっているが、今更遅いって話だ。
「じゃあ次だ。ひよりは白波を介して一之瀬にポイントの貸し出しを提案しろ。救済措置を使わせてCクラスの財源を削る。ただし比企谷から借りるって流れにしろ。で、比企谷はポイントの交渉を持ちかけられたら一之瀬が聞きたくない正論をCクラスの面々の前で言ってCクラスの士気を削れ」
それも正しい戦術だ。一之瀬の性格的に救済措置を使うだろうから、プライベートポイントとクラスポイントを削るためにポイントを貸すのは正しい。
更に俺がCクラス全体に救済措置に不満を持たせれば、一之瀬の精神にもダメージを与えられるからな。
「わかりました。では「Cクラスは救済措置を使うと思いますが、宜しければポイントを大量に持っている八幡君を紹介しましょうか?」と送っておきます」
「で、一之瀬が交渉を持ちかけたら、Cクラスの中堅以上に対して救済措置に対する不満を持たせれば良いんだな、任せろ」
クラス間の交渉には俺が出た方がいい。龍園が出たら相手は警戒心剥き出しになるだろうしな。
そう返しながら俺は授業の準備をするのだった。
それにしてもDクラスはラッキーだろうなぁ……
そんな風に考えていると、ガラッとドアが開き……
「邪魔するし!試験当日にあたしとゆきのんに賞賛票を入れて貰うから!」
由比ヶ浜が教室に入ってそう言ってくる。
「ちっ……」
そして舌打ちをするひよりがメチャクチャ怖いです。
Dクラス
「そしてペナルティについてはビリと39位が退学、38位の生徒は今後退学になりやすくなる。普通の赤点ラインが40点ならその生徒だけは45点未満が赤点となる感じだ」
茶柱がクラス投票試験のペナルティについて説明すると、Dクラスの生徒は一瞬だけ無言になるが……
『おっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』
大歓声があがる。大半の生徒が喜びを露わにする。綾小路ですらガッツポーズをして、高円寺も心の底から嬉しそうに顔を綻ばせる。
「やめてくれ!退学者が出るなんて許されない!」
平田が大声を上げる。彼からしたら1人も欠けるなんて許されない。
しかしそんな言葉はクラスメイトには無価値だ!
「うっせぇよ!テメェの許しなんかいらねぇよ!」
「そうよ!絶対由比ヶ浜と雪ノ下の2人を消してやるわ!」
「待て!そこは由比ヶ浜と須藤にするべきだ!」
「はぁ?由比ヶ浜と山内にするべきよ!」
「いや!由比ヶ浜と池よ!」
「落ち着いて!とりあえず全員五馬鹿以外に批判票を入れないのを最優先に!」
『了解!』
誰を退学させるか揉めていたが、松下の「五馬鹿以外には批判票を入れるな」って命令が出たら、全員が一斉に了解の返事をする。Dクラスの大半からしたら五馬鹿以外から退学者を出すのは愚の骨頂でしかない。
「ふざけんなし!何であたしとゆきのんが対象なんだし!盗撮魔3人で良いでしょ!」
由比ヶ浜が怒りを露わにしながら怒鳴る。普段のDクラスなら面倒だからスルーするが……今回は由比ヶ浜を退学させれるチャンスもあって、怒りが爆発する。
「うるせぇよ!この屑野郎が!」
「クラスポイントを下げまくった奴が偉そうに言ってんじゃねぇよ!」
「お前と雪ノ下だけは絶対に退学にさせてやる!」
「全員俺の話を聞け!批判票についてだが、1票は絶対に由比ヶ浜に入れろ!残り2人は誰でも良い!何なら賞賛票を由比ヶ浜以外の五馬鹿に多少入れても良いから、確実に由比ヶ浜を落とせ!」
『了解!』
幸村がそう叫ぶとクラスメイトは一斉にする。普段勉強に集中して他人と交流しない幸村だが、近くの席の由比ヶ浜の幼稚っぷりに精神が疲弊してストレスが溜まっていた。よって由比ヶ浜を消せるチャンスが生まれたとなれば形振り構ってはいられなかった。
クラスメイトも確実に由比ヶ浜を落とすべく力強く幸村も命令に頷く。個人によって退学させたいランキングは多少違うが、1位が由比ヶ浜である事は皆の共通であった。
「な、何だし!何であたしが……!」
由比ヶ浜は心底理解出来ないといった表情でブツブツ呟く。自分は退学するべき生徒ではないと本気で思っている由比ヶ浜からしたら幸村達の言葉はありえなかった。
「ふざけないで!由比ヶ浜さんに手出しは「黙れよ屑!」「偉そうに物語る無能が!」「テメェも退学しろ!」「無能が2人消えるなんて最高の試験ね!」だ、黙りなさい……」
由比ヶ浜を庇おうとする雪ノ下もクラスメイトの怨嗟の声に押されてしまう。
「そこまでにしろ。話を続けさせて貰うが、救済措置については1人について1000万プライベートポイントと100クラスポイントだ。つまり2人助けたい場合は2000万プライベートポイントと200クラスポイントだ。お前達はクラスポイントが足りないが、クラスポイントはマイナスにして救済は可能だ」
茶柱は話を続けるがクラスの大半からしたら救済措置を使うつもりはなかった。
「皆、どうにかしてポイントを集め「ふざけんじゃねぇよ平田!」「何で私達は助けないといけないのよ!」「俺達からしたらこの試験は大歓迎なんだよ!」「俺は絶対にポイントを払わないからな!」「俺も出さないぜ!」「私も!」……っ!」
平田が救済について提案をするが当然のように一蹴される。退学候補筆頭の五馬鹿を助けたくないし、そもそも金が圧倒的に足りない。
綾小路と高円寺、松下、みーちゃん、軽井沢や櫛田がグループディスカッションでクラスポイントやプライベートポイントを稼ぎ、クラスの大半がバイトをしても長い間クラスポイントが0だったので全然足りない。
「これ以外の方法で救済方法はないと断言しておく。後はお前達で決める事だ」
茶柱は説明を終えたので、若干足を弾ませながら教室から出て行く。一部の生徒は気づいたが、茶柱の境遇に同情して敢えて何も言わなかった。
クラスメイトの大半が由比ヶ浜と雪ノ下に怒りの眼差しを向ける。そんな中、由比ヶ浜は怒りに震えながら教室から出ていき……
「邪魔するし!試験当日にあたしとゆきのんに賞賛票を入れて貰うから!」
隣のBクラスに賞賛票を入れるように頼むのだった。
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