腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
試験当日のDクラスにて……
「俺に投票入れるなんて間違ってるからな!」
「良いかテメェら!俺に批判票を入れて俺が退学になったら俺の近くにいる奴を殺すからな!」
池と須藤が騒ぎまくっていて、クラスメイトらは呆れた眼差しを向けつつ、鼻歌を歌う由比ヶ浜と平然としている雪ノ下を睨みつける。
由比ヶ浜は試験が発表された翌日から授業中に携帯を操作し始めたが、クラスメイトは他クラスと賞賛票の取引をしたのだと確信したので、問い詰めたらアッサリ認め……
ーーー悪いのはあたしじゃない!あたしは自分の身を守るだけで、悪いのは間違った理由であたしを退学させようとするしてる方だから!ーーー
当たり前のようにそう返して、クラスメイトの大半はあまりの馬鹿さに説得は無理と匙を投げてしまった。
結果として、彼らの大半は以前八幡がグループディスカッションで提示した「Dクラスの生徒でもしっかり努力をして実力を上げれば、Aクラスの特権を与えるべき」って方針に希望を抱き、試験日まで学力や体力の向上を図った。
そして試験日が過ぎてからも努力を続ける事を決めている。由比ヶ浜がいる以上、希望なんかないのだから。
一方、雪ノ下は余裕の表情だ。彼女はクラスメイトに嫉妬から逆恨みされている事を不満に思っているが、自分には使い道があるとも思っているので退学の心配はしていない。
それに由比ヶ浜から授業中にクラスポイントを減らす行為をすれば賞賛票を入れる取引をBクラスとしたと聞いているので余裕がある。
そんな事もあり、須藤と池に対して嘲笑を浮かべ、2人が退学する事を楽しみにしている。
他の候補では山内は静かだ。山内はここ最近、授業は真面目に聞いて奉仕活動も真面目に取り組み、懲罰部屋でも自慰行為をやめて勉強に励むようにしている。
その頑張りから周りからの評価は多少マシになってきて、教師からも今後次第では矯正プログラムの解除も考えられているので、池のように騒いだら退学候補に挙げられてしまうので静かに時を待っている。
辛い時もあるが、最高の娯楽を得た上、矯正プログラムからの解除の可能性がある以上、耐えるつもりでいた。
また平田は死んだような表情を浮かべている。ポイントを借りれなかったので、「せめて1人は助けたいから僕に批判票を入れてくれ」と訴えたが却下された。確かに五馬鹿を庇う事から平田は疎まれているが、学力や運動能力はトップクラスなので退学候補に選ばれることはなかった。
「待たせたな。それでは名前を呼ばれた者から教室を出て投票室に行ってた貰う。Dクラスは家庭科室だ。まず綾小路だ」
そんな中、茶柱先生が教室に入るなりそう告げる。綾小路は立ち上がり教室の外に向かうが……
(今日の乱交パーティー、網倉と小橋も参加のようだが楽しみだな)
考えているのは今夜行われる乱交パーティーだけだった。
数十分後……
ガラガラガラ
ドアの音と共に茶柱先生が丸まった紙を持って教室に入ってくる。しかし若干複雑な表情を浮かべている。
「集計が終わった。これより発表する。まずは上位3人から発表する」
いよいよ発表になるが池はガタガタ震えて、須藤は歯軋りする。由比ヶ浜と雪ノ下は余裕の表情で、山内は若干緊張している。
「第3位は18票で軽井沢恵。今後は退学になり難くなる」
茶柱先生の言葉に軽井沢は安堵の息を吐く。
「続いて2位と1位を発表する。2位が23票で綾小路清隆、1位が30票で櫛田桔梗だ」
「はぁ?!何で綾小路が2位なんだよ?!あり得ないだろ!」
「そうだし!あり得ないし!」
この結果に池と由比ヶ浜がキレると、軽井沢が馬鹿を見る眼差しを向ける。
「いや、実力もあるし、盗撮犯から女子の裸を守ったんだし妥当でしょ」
「だよね。私も入れた」
「私も」
「私も入れました」
女子を中心に声が上がる。加えてクラスポイントをマイナスからプラスに変えた功績もあるので、男子からも一定の評価を得ている。
「何にせよ結果は結果だ。2人にはプロテクトポイントが与えられる……そして下位3人の発表する」
その言葉に緊張が走る。誰が退学になるのか皆が気になっている。
「まずはワースト3位だがマイナス10票で須藤健。今後は退学になりやすくなる」
「なっ!ビリかブービーじゃないのかよ?!」
「ふぅ……」
退学候補の池は慌て出し、須藤は安堵の息を吐く。退学に比べたら遥かにマシだからだ。
しかしクラスメイトは驚いている。明らかに少な過ぎるからだ。
同時に理解する。AクラスとBクラスが干渉したのだと。
「続いて……ワースト1位とワースト2位を発表する。わかっていると思うが、ここで名前を呼ばれた2名は退学となる。この後に荷物をまとめて私と一緒に職員室に来て貰う。他の生徒については解散して帰って構わない」
「認めねえ!こんなの俺は認めねえよ!」
池はヒステリックに騒ぐが茶柱はそれを無視して、一度深呼吸をして……
「ワースト2位はマイナス26票で池寛治、最下位はマイナス27票で雪ノ下雪乃だ」
そう告げる。
「っ!うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「………………………は?」
結果を告げられると池は今まで以上に叫び、雪ノ下は理解出来てないのかポカンとした表情になる。
そんな中、茶柱が紙を黒板に貼る。そこには結果が書かれているが……
1位 櫛田桔梗 30点
2位 綾小路清隆 23点
3位 軽井沢恵 18点
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14位 由比ヶ浜結衣 3点
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24位 山内春樹 0点
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37位 堀北鈴音 マイナス6点
38位 須藤健 マイナス10点
39位 池寛治 マイナス26点
40位 雪ノ下雪乃 マイナス27点
このような結果となった。それに対して山内は安堵の息を吐き、堀北は山内以下である事に歯軋りをする。
結果が発表されると由比ヶ浜が立ち上がる。
「どういう事だし!何でゆきのんが退学なの?!Bクラスはあたしとゆきのんに賞賛票を入れるって約束したよ!」
「その証拠となる物をお前は持ってるのか?」
「持ってないけど確かに約束したし!」
「正式な契約書や音声があるならやり直しがきくだろうが、無いなら無理だ……雪ノ下と池は来て貰う。他の生徒は帰って構わない」
茶柱は由比ヶ浜の叫びを一蹴して退学者2人を見る。
本音を言えば由比ヶ浜に退学して欲しかった茶柱だが、五馬鹿の内の2人が消えるなら……と考え、喜ぶを出さないように注意しながら呼びかける。
「……っ!こんな結果は認めないわ!私のような優秀な人間が退学だなんてあり得ない!だからこの結果は無効よ!今すぐやり直しなさい!」
雪ノ下は周りを見ながら怒鳴りつける。そんな雪ノ下にクラスメイトらは「さっさと出ていけや」って眼差しを向けていた。
そんな中……
ガラガラ……
「おっと、結果が出てるな」
「大体狙い通りだな」
「しかし堀北さんは無様ですね」
「干渉していないのにこのクラスでマイナスだからね」
教室のドアが開きAクラスとBクラスのリーダーと幹部が教室に入ってきた。
「どういう事だし!」
教室に入るなり由比ヶ浜が怒鳴りながら入ってくる。
「何の話だ?テメェには約束通り賞賛票を40票入れてやったのに何が不満なんだ?」
まあ由比ヶ浜に入れたのはAクラスだが、実際のところ由比ヶ浜に40票入った事には変わらないので文句を言われる筋合いはない。
というか40票入れて3点って……
「ゆきのんには入ってないじゃん!約束を破るなんて最低!今すぐ退学しろし!」
「約束ってこれだよな」
龍園はそう言ってボイスレコーダーを取り出す。
『……はぁ、で?賞賛票を入れる事に対する見返りは?』
『見返り?同じ学校の生徒が困ってるなら助けるのは当たり前じゃん!見返りを要求するなんて間違ってるから!』
『……悪いが、こっちも救済措置について1人分考えてるから無理だ。他クラスより自分のクラスを優先する』
『そんなのほっとけば良いじゃん。逆恨みされてるあたしと違って、どうせ無能なんだし』
『……わかったわかった。じゃあ今日から授業中に喋ったり、携帯を弄ってDのクラスポイントを減らす行動を取れ。そしたらお前に賞賛票を入れるようにクラスに話しとく』
『本当!わかった!絶対だよ!』
改めて聞くと酷い内容だな……
「取引内容はこれで間違いないよな?」
「そうだし!なのに騙すなんて最低!」
「んな訳あるか。俺はお前に賞賛票を入れるように話したから問題ない」
龍園は再度音声を流すが……
『……わかったわかった。じゃあ今日から授業中に喋ったり、携帯を弄ってDのクラスポイントを減らす行動を取れ。そしたらお前に賞賛票を入れるようにクラスに話しとく』
『本当!わかった!絶対だよ!』
「俺はお前“に“賞賛票を入れるようにクラスメイトに話すと言ったが、お前と雪ノ下に入れるなんて言ってない」
確かにそうだな。お前らに、ではなくお前に、と言っているな。
「確かにこれなら約束は守ってるな」
茶柱は納得したように頷く。それを聞いた雪ノ下と由比ヶ浜は震え出す。
「ふ、ふざけんなし!こんなの認めないし!」
「お前の認可など不要だ。学校が認めるのだから」
「っ!今すぐ私を救済するために貴方達は1000万支払いなさい!そうすればこれまでの愚行を業腹だけど特別に許してあげるわ!」
茶柱先生の一蹴に雪ノ下は俺達にポイントを出すように言ってくるが……
「いや、別にお前の許しなんか要らないし」
「だな」
「ですね」
「全くよ」
俺の返答に龍園と有栖と神室が一斉に頷く。
「良いから出しなさいって言ってるのよ!下等な癖に反対しないで頂戴!」
ここで雪ノ下がキレて詰め寄ってくるので、龍園が真鍋と諸藤にやった時みたいにわざと攻撃を受けるか。
そう思っていると……
「はーい、そこまで」
聞き覚えのある声が聞こえてきたかと思えば、俺と龍園の間を人が通り過ぎて……
「姉さ……かはっ!」
人……雪ノ下陽乃さんがこっちにやってくる雪ノ下に対して綺麗な一本背負いを叩き込んだ。
雪ノ下がピクピクする中、俺達は余りにも綺麗な弧を描いた一本背負いに息を呑むのだった。
読者の皆さんは森の声を聞いた事がありますか?
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はい。
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