※この作品はR-18です。

腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ   作:トラファルガー

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亀裂

  

 

「やれやれ……来て早々に馬鹿をやらかしてるとはね……っと、比企谷君ひゃっはろ〜、有栖ちゃんに六助君もひゃっはろ〜」

 

突如現れて雪ノ下に見事な一本背負いを決めた陽乃さんは何事もなかったように俺や有栖や高円寺に挨拶をする。

 

「……どうもっす」

 

「え、えーと、ご機嫌よう」

 

「はっはっはっ、ユニークな挨拶だな陽乃。久しぶりではないか」

 

「うんうん。3人とも元気そうで何よりだよ。馬鹿な妹が散々迷惑をかけたわね」

 

「ちょっ!いきなりゆきのんに暴力を振るって、馬鹿呼ばわりなんて酷すぎませんか!」

 

陽乃さんがそう口にすると由比ヶ浜が文句を口にするが、陽乃さんは馬鹿を見る目を由比ヶ浜に向ける。

 

「何だガハマちゃんか。私は事実を言っただけよ、小学校時代から学校の先生から雪乃ちゃんに関する苦情が沢山送られたし、どうせこの学校でも迷惑をかけてばかりでしょ?」

 

当たりです、はい。

 

「そんな事ないです!この学校では皆、ゆきのんをよってたかって虐めたんです!」

 

「どうせ雪乃ちゃんが調子こいた事を言って周りを見下したんでしょ、自業自得じゃん」

 

当たりです、はい。教室に入る皆がうんうん頷いている。

 

「何で?!何で姉妹なのにここまで酷い事を言えるんですか?!ゆきのんが可哀想だと思わないんですか?!」

 

「全然。私のデッドコピーな上、人間性に問題があるからって実家の手伝いから逃げて、家の手伝いはしないのに一人暮らしがしたいって我儘を言う図々しさを持って、その癖自分を絶対視する出来損ないに同情する必要ないから。それにこの退学が、今回の仕事に支障をきたす可能性もあるし、お父さんもカンカンだから」

 

そんな風に口にする陽乃さんの目は絶対零度の眼差しだった。しかし……

 

「今回の仕事って何ですか?というか何でここにいるんですか?」

 

基本的に外部からの来校は出来ないはずだ。

 

「それはね、この学校内にあるショッピングモールの改装工事の依頼が雪ノ下建設に回ってきたからだよ。で、私は今大学に通いながらお父さんの秘書のバイトもやってるからこの学校に来たんだけど、打ち合わせ最中に学校から「おたくの娘さん、退学処分になったんで迎えをお願いします」って来たんだよ」

 

わーお、そう来ましたか。

 

しかし打ち合わせ中にそんな連絡が来たら、メチャクチャ気まずいだろうな。

 

「で、私が校舎に来たらガハマちゃんの騒ぎ声が聞こえてきたから行ってみたら雪乃ちゃんが暴れたから取り押さえて今に至る訳」

 

なるほど……

 

「そんな訳だから雪乃ちゃんは回収するから。どうせこれまでも他人に迷惑をかけてたんだろうし、これ以上身内の恥を晒すのはゴメンだから」

 

「待ってください!退学になったらゆきのんは……!」

 

「大丈夫だよ。雪乃ちゃんは退学になっても、彼女を性奴隷にしたいお偉いさんがいるから、雪ノ下家とのパイプに使えるから」

 

まあ雪ノ下の性格を考えたらそれくらいの使い道しかないよな。

 

「い、嫌よ……何で、私が、そんな……」

 

ここで雪ノ下が床に倒れながら弱々しく反論する。

 

「何?起きてたの?雪乃ちゃんに拒否権はないからね。雪乃ちゃんの政略結婚は入学前から決まってたから……まあ予想より無能だし性奴隷か肉便器が関の山だろうけど」

 

そういや入学前にもそんな事を言っていたな。

 

「ちなみに政略結婚を拒否するなら絶縁だから。これも入学前から決まってた事だから、どっちを選ぶかお母さんと話し合ってね」

 

陽乃さんの容赦ない指摘に雪ノ下は後がないと判断したのか真っ青になってガタガタと震え出す。

 

「そんな……実の妹に対してあんまりですよ!」

 

「何で?義務教育の中学までは面倒を見るのは当たり前だけど、今後高校や大学の学費を出す義理はないよ」

 

由比ヶ浜の文句に陽乃さんは冷たい眼差しで一蹴する。

 

「というか他人の家の問題に口挟まないでくれない?ガハマちゃんは関係ないじゃん」

 

「関係あります!ゆきのんの友達です!」

 

「あらあら、それは可哀想ですね」

 

ここで有栖が嘲笑を浮かべると由比ヶ浜の怒りの矛先が有栖に向けられる。

 

「どういう意味だし!」

 

「言葉通りです。私達は賞賛票を貴女や須藤君や山内君に入れました。雪ノ下さんに入れなかった理由ですがね……由比ヶ浜さんの友達だからですよ」

 

「っ!」

 

その言葉に雪ノ下は目を見開く。

 

「元々雪ノ下さんは気に食わないですが、1番気に食わないのは由比ヶ浜さんです。ですから由比ヶ浜さんに対する1番の嫌がらせとして、唯一の親友の雪ノ下さんを狙いました。由比ヶ浜の親友で無かったら雪ノ下さんを狙っていません」

 

その言葉に雪ノ下は戸惑いながら由比ヶ浜を見て、由比ヶ浜は激昂する。

 

「ふざけんなし!そんな理由でゆきのんを狙ったの?!最低!」

 

「というか何で俺には賞賛票を入れなかったんだよ!」

 

ここで池も激昂するが……

 

「元々、須藤君か山内君も消す候補でしたのでサイコロで決めた結果、貴方が標的になっただけです。運が悪かったと諦めてください」

 

しょせんはそんなものだ。同じくらい消えて欲しい相手が複数いたら、サイコロとかで充分だろう。

 

「ふざけんじゃねぇよ!」

 

池は激昂しながら有栖に突撃するが、神室に足払いで転ばされてからそのまま拘束される。

 

「クソッ!離せよ!」

 

池は喚くが学年上位の身体能力の神室の拘束かは逃れられずにいる。

 

「ありがとうございます真澄さん……それにしても雪ノ下さんはどうですか?由比ヶ浜さんの友人になったから退学になった気分は?」

 

「黙り、なさい……!」

 

雪ノ下は怒りに満ちた表情になるが、一本背負いのダメージがデカいのか起き上がれずにいた。

 

「しかし雪ノ下さんは何故由比ヶ浜さんの友達になったのですか?由比ヶ浜さんは学力も身体能力も学習能力も低い人です。貴方はそう思わないのですか?」

 

「っ……でも、由比ヶ浜さんは優しくして「ただ都合のいい存在と思っているだけでしょう?貴女の家はお金持ちですから」そんな筈は……!」

 

雪ノ下は反論しようとするが、退学が決まったからか、一本背負いを食らったからか、陽乃さんから暗い未来を告げられたからか、いつもより弱気になっている。

 

「適当な事言うなしチビ!そんな陰湿だからチビなんじゃないの!これだから貧乳は!」

 

ピキッ ピキッ

 

「「…………っ」」

 

由比ヶ浜の罵倒に有栖は額に青筋を浮かばせ、龍園と神室は震えながらそっぽを向く。

 

「由比ヶ浜さん……」

 

雪ノ下は信じられないといった表情を浮かべる。まあ雪ノ下も貧乳だからな。精神がボロボロになっている状態で今の発言はキツいだろう。

 

「相変わらず幼稚な発言ですね。それにしても雪ノ下さんと離れ離れになるのが嫌なら貴女も自主退学すれば良いじゃないですか?」

 

「はぁ?!嫌に決まってるじゃん!退学するなんて馬鹿じゃないの?!」

 

「っ!」

 

売り言葉に買い言葉……いや、有栖が狙っているのだろうが、さっきから由比ヶ浜の発言は雪ノ下に多大なダメージを与えているな。

 

「なるほど……どうやら友達と思っていたのは雪ノ下だけみたいだな」

 

龍園が嘲笑を浮かべながら雪ノ下を見る。雪ノ下を見れば由比ヶ浜に対して負の感情を宿し始める。

 

「みたいですね。どうですか雪ノ下さん?由比ヶ浜さんは全てにおいて弱者であるのに、優しくしてあげた貴女に対して雑な対応をする本当の屑です。そんな屑の友達として退学は実に惨めですね」

 

「っ!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

有栖の容赦ない一撃に雪ノ下はヒステリックに叫び出す。怒り、屈辱ら悲しみなど様々な負の感情が爆発したようだ。

 

「ゆきのんっ!大丈夫?!ゆきのんっ!」

 

由比ヶ浜が雪ノ下を呼ぶが……

 

「……りなさいっ」

 

「え?」

 

「黙りなさいって言ったのよこの無能がっ!」

 

雪ノ下は敵愾心剥き出しの表情になって由比ヶ浜を睨む。

 

「ゆきのん……?」

 

「その気色悪い名前で私を呼ばないで!貴女の無能の所為でこんな事になったのよ!ふざけないで!」

 

「待ってよ、ゆきのん。あたしは無能なんかじゃ「毎回赤点ギリギリの癖にどの口が言うのよ!」ひ、酷いよぉ……」

 

「どこがよ!私の人生滅茶苦茶よ!貴女みたいな無能、助けるべきじゃなかったわ!」

 

「っ……!なにその言い方!ゆきのんだって人を悪く言ったばかりじゃん!それが敵を作ってんじゃないの?!」

 

「貴女の存在の方が敵を作ったわよ!この屑!」

 

「はぁ?!高飛車女よりマジだし!さっさと退学してよ!邪魔!」

 

物凄い醜いぶつかり合いが展開される。仲の良かった者同士がこれだから人間は恐ろしいな……

 

そんな風に思っていると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーい、煩い」

 

「がはっ!」

 

陽乃さんが雪ノ下に2回目の一本背負いを放ち、黙らせるのだった。

 

やっぱり暴力は立派な武器だな、うん。

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