腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
学年末特別試験が発表された翌日……
「んじゃ先に行きますよ、なずな先輩」
「行ってらっしゃい……ちゅっ」
なずな先輩からおはようのキスを貰った俺は恋人2人を左右に部屋を出る。なずな先輩の関係は公にはなっていないので、朝の登校はひよりと有栖の2人と行くのが基本だ。
そしてエレベーターを待っているとドアが開き……
「あっ!3人ともおはよう」
「ご機嫌よう櫛田さん。それにしても問題児と同じエレベーターは付いていないですね」
エレベーターの中には櫛田と堀北がいた。ただし堀北は苛立ちに満ちた表情だ。
「まあね。普段からクラスを仕切りたがっている癖に、クラスメイトが皆司令塔になる事を望んでるのを無視して逃げ出したからね」
やはり堀北についてもクラスメイトから人柱になる事を望まれていたようだ。
由比ヶ浜?由比ヶ浜については望まれても、由比ヶ浜本人がギャーギャー叫んで拒否したのは容易に想像出来る。
堀北を見れば歯を食いしばりながらも櫛田の毒に耐えている。
「仕方ないですよ。彼女はお兄さんと違って、どうしようもない人なんですから、責めるのは酷ですよ」
「まあそうだけどさ、普段は誰とも仲良くしない癖に特別試験が関わると、出しゃばるんだよ。その度にクラスメイトはストレスが溜まって、フォローするのは私なんだよ?」
「馬鹿女の件といい、櫛田さんってトラブルに巻き込まれ過ぎてませんか?」
「……言わないで椎名さん。自覚はあるんだからさ……まあ池君と雪ノ下さんが消えたから多少マシになったかな」
「悩みがあるなら相談しますよ。まだ問題児は4人もいるのですから」
「ありがとね。今のところの悩みは煩い由比ヶ浜さんと司令塔は辞退した癖に出しゃばり続ける堀北さんくらいだね」
「やはりお兄さんに相談した方が良いのでは?身内に叱って貰った方がいいかもしれません」
「黙りなさい!さっきから黙って聞いていればっ!」
大量の毒に遂に堀北がキレるが、エレベーター内にいる面々はメンタルが強いので気圧される事はない。
「事実じゃん。堀北さんって自分が偉いって勘違いしてるけど、クラス投票試験じゃ五馬鹿を除いたら最下位なんだし、立場を理解してくれない?」
そういやコイツ、クラス投票で五馬鹿を除いたら最下位だったよな。
そんな事を考えているとエレベーターのドアが開く。どうやら一階に到着したようだ。
「っ!」
堀北は悔しそうに一瞥してから走り去っていく。去っていくと櫛田は息を吐く。
「はぁ……マジで司令塔なんかやりたくない。もう1人のプロテクトポイント保有者の綾小路君は司令塔より種目をやらせる方が良いから仕方ないけど……司令塔も投票で決めれば良いのに」
それだったら100%由比ヶ浜が司令塔になるだろうな。
「まあ消えて欲しい人がいればそう思いますよ。ところで平田君は?」
まあアイツから司令塔を引き受けてもおかしくないな。何せ我慢の限界を迎えた櫛田と違って、執拗に五馬鹿をかばっていたからな。
「平田君なら2人が退学してから廃人みたいになっちゃった。誰に何を言われても反応しなくてね。放課後も話し合いに参加しないで直ぐに帰っちゃったし、司令塔を任せたら本番でも不参加になってトラブルになるかもって断念したよ」
理解に苦しむな。池や雪ノ下が消えただけで廃人になるなんて。普通は喜ぶ所だろうに。前から思っていたが、平田はなぜ無能の為にあそこまで頑張れるのだろうか?
「そんな訳で私が司令塔。坂柳さんが兵士なのは学力系の種目で戦うから?」
「選ばれる種目次第ですが、その解釈で結構です。真澄さんも運動能力は高いですが絶対的ではないのでDクラスの土俵で争うのは厳しいと判断しました」
まあそうだろう。プロテクトポイント保有者が司令塔になるのは基本だが、戦い方次第でどっちを選ぶかは悩みどころだ。
そんな風に話しながら登校して教室に入ると、教室の隅にいる龍園が手招きしてくるので近寄る。
「何だよ?」
「単刀直入に言うが今週中に白波を完璧に快楽堕ちさせろ」
龍園は小声でそう告げる。もう大分堕ちてると思うが、改めてそう告げるって事は……
「スパイに仕立て上げろ、と?」
「そうだ。ユキは昨日は快楽堕ちさせたが、確実性を高める。網倉と小橋はまだセックスを楽しむレベルだから快楽堕ちは無理だ」
「ん?姫野は快楽堕ちしたのか?」
「ああ。卒業してもセフレとして置いて欲しいと懇願しまくってきたからな」
「まあ話はわかった。次の「キーンコーンカーンコーン」っと、また後でな」
チャイムが鳴るので俺達は席に着く。チャイムが鳴り終わると坂上先生が入ってくる。
「おはよう。朝のHRを始めるが先ず比企谷君の申請だが全て通ったから、種目選びに役立ててくれ」
「ありがとうございます。ちなみにですが本番では持ち込むんですか?そっちが用意するんですか?」
前者なら最高なんだがな。
「公平を期する為、後者だ。これはどの種目でもそうだ。筆記試験ではこっちの用意した筆記用具を使って貰うし、野球とかなら学校が用意したバットやグローブを使って貰う」
まあそんなに甘くはないか。何にせよ申請は通ったし、良しとしよう。
「次に午後の特別棟は水道工事が行われるので……」
坂上先生が話を続けるのだった。
数時間後……
「すみません。これください」
放課後のケヤキモールにあるゲーム屋で俺はモンハンの2GとPSPを、スマブラとゲームキューブ、NEWスーパーマリオブラザーズとDSを買う。その背後にはクラスメイトも並んで同じゲームを持っている。
全部古いゲームな上、中古だから格安で買えるが、これが俺達の狙いだ。
ゲームを種目に選ぶのは決めていたが、対戦ゲームを古いものにしたのだ。古いゲームソフトやハードなら中古で格安で買えるから買い占めても大した出費にはならないからな。
何故最新のゲームにしないか?その場合、Cクラスの生徒も入学してから買ってるだろうからな。
しかし10年以上前のゲームなら実家にはあるかもしれないが、この学校でやっている可能性は極めて低いだろうし、俺達が買い占めて練習出来ないようにするのだ。
ロックマンエグゼは最近リメイクしたばかりだから除外した。してなかったら種目に入れていただろう。
で、俺が昨日坂上先生にしたのは「古いゲームは種目として認められるか?」で名作ならOKとなった。
で、俺は試しに今言った3本を申請したら、馬鹿売れしたゲームだから許された。実際これらのゲームは世界で500万本以上売れているゲームだからな。
しかもウチのクラスには昔やった経験がある奴が多かったし、勉強も運動も苦手な奴にやらせれば2週間あれば勘を取り戻せるだろうし、戦力になるだろう。
一方のCクラスは金欠な上、俺達の選ぶ種目を1週間先までわからない挙句、わかっても練習出来ない環境なのだ。
今回の試験で重要な点は沢山あるが「自分達の選んだ種目では負けない」「対戦クラスが選んだ種目に勝つ」事は絶対だ。
その為、前者を達成する為には相手が練習出来ない環境を作れる種目を選ぶのは大切だからな。
そんな風に思いながら会計を済ませ、他の連中を待っていると携帯が鳴るので取り出してみると……
ーーーお前の恋人3人と話はつけた。今週末の乱交パーティーは欠席して、2人きりの状態になった白波を肉便器に変えて従順なスパイにしろーーー
龍園からそんな一文が送られてくる。
アイツ……完膚なきまでにCクラスを破壊する気だな……
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