腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
お待たせしました。
仕事やコロナ影響が重なって投稿が遅れてしまいました。
今後は週一を目標に頑張ります。
「これで残りは兎グループのみですが……早く結果発表の時間になってほしいです」
竜グループの部屋を後にして部屋に戻ろうとする中有栖は薄い笑みを浮かべながらそう呟くが、彼女は2日後にある結果発表を待ち望んでいるようだ。そして本格的にDクラス、というより雪ノ下と由比ヶ浜を叩きに行くのだろう。
しかし俺はどうこう言うつもりはない。雪ノ下にしろ由比ヶ浜にしろ、有栖に対する暴言は酷過ぎるからな。
「で?甚振るだけ甚振って退学がかかった試験になったら潰す腹か?」
「そのつもりです。雪ノ下さんは成績が優秀ですから難しいかもしれないですが、由比ヶ浜さんから簡単に消せるでしょう」
龍園の問いに有栖が小さく頷く。というか由比ヶ浜が退学したら雪ノ下はどんな理由でも俺に突っかかってきそうだな。
ため息を吐きながらも俺達はエレベーターに乗って宿泊する階層に向かう。
そして女子が寝泊まりする階層に到着すると有栖とひよりがエレベーターから降りて、エレベーターでは必然的に龍園と2人きりになる。
「さて、比企谷。今回の試験はウチとAクラスの勝ちは決まったが、今後お前はどうするべきと考える?」
「一応考えは2つある。Aクラスと正式に同盟を結んでBクラスとDクラスに宣言するべきだな」
俺は即答する。それがウチのクラスにとって最善だ。
「今回の試験……優待者の法則がわかれば大量のポイントが約束されるから、独り占めする為に他クラスと協力するのは極めて難しい」
「が、坂柳のDクラス、正確にはお前と同中の2人に対する恨みの強さが協力に漕ぎ着けた。その事から長期にわたる同盟を結ぶのは可能だな」
「ああ。だから今はこの関係を維持してDクラスを徹底的に叩く。そんで浮上が出来ないくらい叩き潰したらAクラスと協力して一之瀬を叩く」
「で、Bクラスも浮上が出来ないくらいダメージを受けたらAクラスと同盟を破棄して一騎打ちにする、と?」
龍園の問いに頷く。もちろん他にも理由がある。今のCクラスはどう足掻いてもAクラスには勝てない。
龍園が有栖よりも弱いとは思ってないが、兵の質が違い過ぎる。大将の質が互角なら勝敗を決めるのは兵力だ。
だからAクラスと同盟を結んでから同盟を破棄するまでの時間をCクラスの兵の質を上げる事に使いたい。
「同盟については俺も戦術の1つに入れている。坂柳は由比ヶ浜と雪ノ下を恨んでるし、俺もDクラスをオモチャにしたいからな。で?もう1つは?」
龍園は改めてそう尋ねるが言ったら龍園は絶対に笑うだろう。コイツは面白いことを望むからな。
そう思いながらも俺は口を開ける。
「もう1つは……2千万ポイントを用意して有栖をウチのクラスに引き入れる」
瞬間、龍園の顔はポカンとする。しかしそれも一瞬で……
「ははっ!なるほどなるほど!ソイツは傑作だな!」
案の定楽しそうに笑う。
実際のところ、龍園と有栖が同じクラスに入ったら最強のドSクラスが誕生して、ウチのクラスの勝ちは殆ど確定するだろう。
龍園と葛城を比べると、総合力ならまだしも大将の質は葛城が遥かに劣っている。
仮に有栖がこの学校に通ってなかったら、十中八九Aクラスはウチのクラスに負けるだろう。葛城の戦術は龍園のそれとは相性が最悪で、兵の質で埋めれるとは思えない。
そんなCクラスに有栖を引き入れたらウチのクラスはAクラスの地位は確実だろう。
もちろん有栖がわざわざ下位のクラスに行く事を望むかはわからないが、有栖はAクラスの地位よりも刺激的な日々を望んでいるのは知ってるし、「面白そうですね」と乗ってくるかもしれない。
「発想は面白いな。だが上手くいくのか?俺も坂柳も誰かの下につくのを望まないし、下手したら坂柳派と葛城派の争いよりも激しい争いが起こるぞ?」
「争えばな。だから争わなきゃ良いだけだ」
「あん?」
「有栖を引き入れたら、お前と有栖は不干渉でお互いにやりたいようにやる。んで他クラスに嫌がらせをする時だけ、今回の試験のように2人で協力して、「相手をどれだけ苦しめるか」を話し合って実行すれば良い話だ」
有栖は龍園と性格が似てるし、葛城以上にぶつかり合う可能性はあるのは否定しない。
ならば両者と関係が深い俺が、2人の緩衝材となる。日々の日常では2人が相互不干渉の状態になるようにして、特別試験などが始まったら2人が協力出来るように動けば良い。
難しいかもしれないが成功すれば大量のポイントが入ってAクラスで卒業する事も不可能じゃない。
そしてこれと同じ戦術を有栖が使う事は出来ない。
俺と龍園は無人島試験で葛城を嵌めて、Aクラスは大ダメージを受けて、大半が俺と龍園と葛城を憎んでるだろう。
結果的に坂柳派が強くなったが、坂柳派リーダーの有栖が龍園をAクラスに引き入れた場合、生徒の不満が爆発して葛城派が巻き返す可能性が高く暴動が起こる可能性が高い。
逆に有栖がウチのクラスに来て場合、警戒はあるだろうが暴動はないだろう。
「なるほどな……面白い話だが、上手く実行出来るかわからないし、とりあえず保留だ」
まあそうだろうな。言うは易し行うは難しだ。
「どの道今はAクラスと争うつもりはないし、橋渡しを頼むぞ」
「了解した。同盟の件は試験最終日までに話を済ませて、結んだら試験結果が発表された直後にBとDに宣言する感じか?」
「そんな流れで問題ない。残るグループは兎グループだけ、それも裏切るのはAクラスだから俺達の仕事は終わりだ。ゆっくり休め。まあもしひよりと一夜を過ごしたいなら、俺と石崎とアルベルトは違う部屋で寝てやるよ」
「アホか。一夜を明かしたら一線を越えちまいそうだからな?」
ただでさえひよりと昼寝をすると、ドキドキを通り越してムラムラするのだ。夜一緒に寝たら理性を吹っ飛ばす自信がある。
「それはそれで面白そうだがな……あ、お前らの体液の臭いが充満したら堪らないから、ヤるなら帰ってから自室でヤれ」
「お前マジでぶっ殺すぞ」
そんな生々しい話をすんじゃねぇよ。おかげで次にひよりと一緒に寝る事になったらマジで理性を吹っ飛ばしそうだし。
「悪い悪い」
俺の文句に龍園はヘラヘラ笑いながら謝罪する。殴りたい、あの笑顔。
内心ため息を吐きながらも俺はエレベーターから降りる。そして自室に行き、以前借りた水着を持ってビニールに入れる。
「何だ?プールに行くのか?」
「スパ温泉の方だ。この時間帯は人が殆ど居ないから休むには最適だ」
自室でも休めるが、今はなんとなく1人になりたいし、ベッドを見るとひよりの事を考えてしまいそうだからな。
そのまま部屋を出てスパ施設に向かう。前は有栖や伊吹もいたが、今回もいそうな気がする。
そう思いながら男子更衣室に入り、パパッと水着に着替えて温泉に繋がっている扉を開ける。
そして扉を閉めると同時に隣のドアが開き……
「比企谷?奇遇ね」
そこから出て来たのは有栖の側近且つパシリである神室だった。
「神室か。一応聞いとくが偶然か?」
Cクラスでそれなりに地位が高い俺とAクラスリーダーの側近の神室が同じタイミングで温泉に入るのは些か出来過ぎかもしれないし、もしかしたら有栖が俺に関する事で神室に命令しているのかもしれない。
「偶然。最近の坂柳はアンタに夢中になってるから自由時間が増えてるの。だからリラックスとしてスパ施設に行ったらアンタがいたの」
そういや最近は有栖と過ごす時間が多いな。まあ一緒に過ごす相手が少ないってのもあるけど。
(しかし神室のスタイル、抜群だな)
神室は紫色のシンプルなビキニを着ているが、出るところは出ていて、引き締まっているところは引き締まっていて、手足もスラっとしていて理想的なスタイルだ。
ひよりや有栖は小柄故に可愛らしさがあるが、神室は綺麗さがある。
とはいえガン見したら神室に悪いし目を逸らす。
「そうか。それと神室。俺達Cクラスは有栖がリーダーとなったらAクラスと同盟を組みたいから、温泉から出たら有栖に伝えてくれないか?」
「わかった。坂柳も同盟を考えてるみたいだしね」
そんな風に会話をしながらも俺はジャグジーに入る。既に何度も足を運んでいるが、ジャグジーに入りながら外を見るのは疲れが癒されるんだよなぁ。
対する神室も同じ考えのようで俺に続く形でジャグジーに入ろうとするが……途中で足を滑らせてこっちに倒れる。
だから俺は急いで身体を起こして神室を受け止める。同時に重みを感じ神室の手が俺の背中に回される。
「大丈夫か?足を攣ったりしてないか?」
「ん……大丈夫。アンタこそ怪我してない?」
「俺は大丈夫だ。それよりも大丈夫なら離れてくれないか?」
咄嗟のことだから仕方ないが、現在俺は神室と抱き合った状態となっている。
ひよりや有栖とはよく抱き合っているから多少は慣れたが、神室とは特別棟で1回だけしか抱き合ってないので妙にドキドキしてしまう。
これを有栖に見られたら、からかわれるのはめいは「おや、中々面白い光景ですね」……oh
後ろを振り向けばワンピース水着を着た有栖がクスクスと笑っていた。
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