腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
3つ目の種目は棒倒し。シンプルながら危険な競技で男子専門の競技だ。試合のルールは二本先取だ。
「行くぞ。無様な姿を見せた奴は後で制裁な」
龍園の言葉にクラスメイト震えるも、やる気を見せる。BC連合の戦術はウチのクラスがオフェンスでBクラスがディフェンスだ。
対するAD連合は有栖と綾小路からの情報によれば、オフェンスとディフェンスをクラス毎に交互に、最初はDクラスがオフェンス担当らしい。
正直言ってやりたくないが、我慢するしかない。
そうこうしていると試合開始の合図が鳴り、両陣営のオフェンスが走り出す。Dクラスの中でも須藤は真っ先に棒に向かうが、1人で突っ走っても封殺されるのがオチだ。
ちなみに攻撃陣同士がぶつかり合うのはルール違反だ。
「殺されたい奴からかかってこいやぁ!」
背後から須藤の物騒な声が聞こえる中、俺達も赤組の棒に近付く。
同時に……
「アルベルト」
「OK、Boss」
アルベルトは言うなり近くにいる俺の手を掴み、そのまま棒にぶん投げる。この人間ミサイル作戦にAクラスの男子が呆然とする中、俺は棒にしがみつく。
痛みに耐えながらも棒の上に登って揺らし始める。
「比企谷を引き摺りおろせ!」
「畳み掛けな」
葛城と龍園の指示が同時に放たれて、Aクラスの男子も棒に登ってきて、ウチのクラスはアルベルトを中心に攻め始める。
そして1人が俺の足を掴み、引き摺り下ろそうとするので、わざと下を向き……
「やべっ……吐きそう……うぉぇっ」
辛そうな表情を浮かべながら吐く真似をする。
「っ!」
しかし足を掴んだ男子は本当に吐くと思ったようで、慌てて手を離してくれる。
男子は直ぐにハッタリとわかったようだが、その前に更に登って距離を取る。
同時にアルベルトが棒に辿り着いてAクラス男子にタックルをする。学年1の巨体のアルベルトのタックルは男子どころか棒すらも纏めて倒す。
俺は倒れる棒にしがみついたまま、地面に落ちるが激突する直前にアルベルトに助けられる。
「Good job」
アルベルトはそう言ってくるが、ミサイルになった事を言ってくるのだろう。
「そっちもな」
言いながら元の陣地に戻る中、須藤が怒鳴る。
「何やってんだお前ら!死ぬ気でいけよ!」
「んなこと言われてもよ……あいつら強いぜ?擦りむいちまったよ」
「かすり傷だろ!噛み付くなり膝蹴り入れるなりして抵抗しろよ、使えねーな!」
偉そうに言っているが、由比ヶ浜の次に役立たずのお前は文句を言える立場じゃ無かろうに。
そう思いながらも俺達は元の場所に戻り、待機する。
そして再度開始の合図が鳴り、俺達は一斉に走り出す。対するAD連合は情報通りAクラスが攻めてDクラスが守りに入っている。
今回は人間ミサイル作戦は使わないと思う。初回だから通用したが、2回目は撃ち落とされる可能性が高いからな。まあチャンスがあるなら使うがな。
よって今回は奇策ではなく、ラフプレーで戦うつもりだ。
アルベルトを中心に体格が良い連中を前方において突撃を仕掛けると、Dクラスから悲鳴が生まれる。
「起き上がれ。足を掴んで引きずり倒せ!」
須藤が叫ぶ中、クラスメイトらは須藤に近寄りラフプレーをしかける。
「ぐっ!誰だ殴りやがったのは?!」
須藤は怒鳴るが、棒を支える役目のために反撃する事が出来ずにいる。
そして棒を守りながらも膝をついた瞬間、我らがリーダーである龍園が須藤に近寄り、その背中を踏みつける。
「がっ!?て、めぇ!」
須藤が文句を言おうとしたら、龍園は再度踏みつけて黙らせる。それにより棒が一際大きく揺れるので、俺はトドメを刺しに行く。龍園から好プレーを見せたらポイントをやると事前に言われたからな。
よって俺はDクラスの防衛を全壊させようとしているアルベルトの背中を蹴って、棒に飛びかかる。
しかし途中で飛距離が足りないことに気付き、棒の手前にいる須藤と龍園に向かってしまう。
龍園はそれに気付き回避するが、龍園に踏まれてそれどころじゃない須藤は俺に気付かず……そのまま俺のフライングボディプレスをモロに受けた。
「がぁぁぁぁぁぁっ!?」
それにより須藤は俯けになりながら地面に叩きつけられて、一拍おいて棒も倒れる。
結果として白組が勝った。それを理解した俺は須藤の上から退くと龍園は楽しそうに話しかけてくる。
「今のは良かったし、次からも頼むぜ」
「いや、狙ってやった訳じゃないんだが……」
本来は棒を倒す予定だったのだが、須藤にフライングボディプレスをしちまったからな。
「はあ、はあっ……てめえらふざけんじゃねぇよ!反則だろうが……!」
「なんだ、そんなところにいたのか。気づかなかったぜ」
そう言って悪びれる様子もなくヘラヘラ笑いながら龍園は去っていくので、俺もそれに続く。
審判からは特に文句を言われないが、龍園の件は砂煙で見えず、おれの件は故意ではないと判断したのだろう。1試合目でも人間ミサイルをやっていたし。
次は女子の玉入れだが、これについては棒倒しと違って土煙が出ない為、ラフプレーは不可能でガチンコ対決となる。
俺達がグラウンドが出ると一年女子がグラウンドに入り、赤組白組に別れて待機する。
暫くすると先生方が籠を用意して玉を辺り一面にばらまく。
そして直ぐに開始の合図が鳴って、女子達は一斉に玉を投げ始める。遠目にしか見えない為、どっちが勝っているかいまいち判断がしにくい。
「そういや、龍園よ。Dクラスに対しては負けはないが、Cクラスについては作戦を立ててないのか?」
「一応立てた。が、Cクラスの参加表は入手出来なかったから、組み合わせ次第では実行しないつもりだ」
やはり作戦を立てていたか。しかし実行しない可能性もあるって事は博打色がかなり強いのは間違いない。
「なるほどな。で?俺はなんかやったほうが良いか?」
「ああ。作戦についてはまだ言えないが、俺がCクラスを責めるのを見たら、兎に角俺の行動に反対しろ」
どういう事だ?援護射撃じゃなくて龍園の行動に反対するって……
(何を企んでるんだコイツは?まあ龍園を王と認めた以上、やらないって選択肢はないがな)
「わかった。兎に角お前の行動に反対すれば良いんだな?」
「寧ろ俺の味方をしたら怪しまれるからな」
なるほどな。作戦については理解出来ないが、怪しまれたら成功しにくい作戦なのだろう。
「了解した。けど、やらない可能性もあるんだよな?」
「ああ。実行するのはあくまで運が良い時だ」
そう言うと同時にグラウンドにホイッスルの音が響き渡るが、龍園と話をしていたから玉入れを見てなかった。
俺はグラウンドに視線を戻してみると、教員が籠に入った玉の数を確認している。
「合計54個で赤組の勝利です」
その言葉に赤組からは歓声が上がるが、棒倒しではこちらが勝っているのでまだ焦る必要はない。団体競技はまだまだあるからな。
そう思いながらも2年3年の玉入れも終わり、次は綱引きだ。
「さて、行くぞお前ら」
龍園がそう口にするとクラスの男子は立ち上がりグラウンドに向かう。その際に向かい側にいる須藤が怒りを露わにしながら見てくるが、龍園は鼻で笑う。
それにより須藤は更に怒りを高めるが、コイツの場合、暴力を振るって失格になるかもな。
そう思いながらも俺達は綱に近寄るのだった。
次回から仕事が忙しく更新が遅くなると思います。
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