※この作品はR-18です。

腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ   作:トラファルガー

86 / 223
長らくお待たせしました。

モチベーションが上がらず、遅れました。

改めてよろしくお願いします


二人三脚

「で?今度は何を企んでんだ?」

 

障害物競走が終わり、二人三脚の準備をする俺はパートナーの龍園に質問をする。

 

障害物競走でウチのクラスの山峰とCクラスの網倉って女子は激突して、山峰はリタイアとなってしまった。

 

山峰はウチのクラスの女子でも運動能力が高く、推薦競技にも出るので大きな戦力を失ったのは間違いない。

 

一方Cクラスの網倉は平均より少し上程度の存在で、足を動かすのは難しそうだがリタイアはしてない。どう考えてもこっちが不利だ。

 

「色々だ。詳しい内容は昼休みにわかるが、さっきも言ったように俺がCクラスと揉めていたら兎に角俺を否定しろ」

 

「それはわかってるから安心しろ。さて……」

 

そう返しながら俺と龍園は整列して順番を待つ。先に走る生徒を見れば平田綾小路ペアや須藤池ペアあたりはウチとAクラスの雑魚を蹴散らしている。

 

そして遂に俺達の番になり、スタートすると俺と龍園のペアは一歩前に出て、同盟を組んでいるAクラスは僅かに遅れながらも付いてきている。

 

一方Cクラスはハズレペアのようでかなり遅れていて、Dクラスのペアについては参加表通り中堅レベルであり、Aクラスより僅かに遅れている。

 

俺は龍園より若干足は遅いが、練習の際には思った以上に相性が良かったので本番でも組んでいる。

 

結果、他のペアに差をつけて1位でゴールした。現在龍園は全種目1位をキープしている。1年生だけでみれば全種目1位をキープしてるのは須藤だけなので順調だろう。

 

それから男子の二人三脚は続き、女子の番になるが女子最初のペアにはCクラスのリーダーの一之瀬と先ほど怪我をした網倉のペアがいた。

 

男子が見守る中、スタートするが案の定Cクラスペアが遅い。本来なら上位に入るペアだろうが網倉の足が鈍く、クラスメイト第1の一之瀬が気遣っているが故にCクラスペアは他の3組と差をつけられ、ビリでゴールする。

 

 

 

それによりCクラス男子からは残念そうな声が聞こえてくる。やはりあのペアは期待されていたようだ。

 

「くくっ、無様だな」

 

そしてここでニヤニヤ笑う龍園はゲスだろう。

 

しかし俺は龍園を咎めるつもりはない。龍園の性格は屑だが実力はあるし、一之瀬とはベクトルは違うが人を惹きつける力を持っている。

 

一方の雪ノ下とか由比ヶ浜は実力がないのに傲慢で有栖を見下してるし。

 

そう思う間にも競技は続き、次の番となるがDクラスのペアは由比ヶ浜と雪ノ下だった。由比ヶ浜については組む相手が居なかったら雪ノ下が組んだのだろう。

 

そしてスタートするとAクラスとウチのクラスのペアが転んでしまい、もつれ込んでしまう。二人三脚は一度転ぶと差がついてしまうので実質CクラスとDクラスの一騎打ちとなった。

 

暫く勝負を見ているが僅かにリードしていたCクラスのペアが石に躓いたのか転んでしまい雪ノ下と由比ヶ浜のペアが抜き去り、1位でゴールした。

 

しかしDクラスの陣営からは喜びの声は上がらず2人、正確には由比ヶ浜を睨みつけていた。

 

それも当然だ。1学期に由比ヶ浜は過去問があるのに赤点を取った事で退学になりかけ、救済される為にクラスメイトのプライベートポイントは大きく減り、他クラスからの借金をした。

 

しかし由比ヶ浜はその後にクラスに貢献をしないどころか、ウチのクラスと有栖のクラスが同盟を結ぶ要因となったり、俺を階段から突き落としてクラスポイントを1になるまで減らすなど、最早Dクラスの疫病神だ。

 

そんな疫病神が少し活躍しただけでクラスメイトの態度は変わらないだろう。

 

(つかさっきの転倒についてもウチとAクラスのペアは由比ヶ浜を勝たせる為にわざとだろうな)

 

理由としては転倒してからの動きだ。同じように転倒したCクラスのペアは足が鈍くなっているが、ウチとAクラスのペアの動きは全然鈍ってない。

 

アレは多分龍園と有栖が由比ヶ浜にペナルティを与えないようにする為、わざと転んでも怪我しないように練習させたのだろう。

 

そこまでして由比ヶ浜を勝たせるのには理由がある。

 

この体育祭は種目ごとに順位を決め、それに応じて報酬やペナルティがある。上位に入ることが出来れば、次回の中間試験の点数を増やすことも可能だ。

 

中間試験や期末試験で赤点を取れば即退学で、馬鹿な由比ヶ浜は退学になる可能性が高い。しかし由比ヶ浜に散々罵倒された有栖としては由比ヶ浜を長く嬲りたいと思っている。

 

よって中間試験で赤点を取って退学なんて事は認められず、由比ヶ浜に各種目で上位を取らせて中間試験で赤点を取る可能性を低めているのだ。

 

龍園もDクラスを簡単に潰せると思ったのか由比ヶ浜の無様っぷりを見たいからかわからないが有栖に積極的に協力している。

 

人間は明確な敵を前にすると団結するようだ。

 

そう思う間にも競技は進み、漸く1年生の部の二人三脚が終了した。

 

各クラス40人いるので20レースやったが、やはり団結力を武器とするCクラスペアが多く1位を獲得している。

 

その数は7で、ウチとAクラスが5レースで、Dクラスは3レースだ。これでDクラスの最下位は殆ど確実、少なくとも2位以上にはならないし体育祭が終わった時のDクラスのクラスポイントは0になるだろう。

 

とはいえどのクラスのクラスポイントは下がるだろう。理由としては簡単な話で4クラスの中で1位になっても所属する組が負けたらポイントが減るからだ。

 

1年において現在1位であろう一之瀬らCクラスだが、このまま1位をキープすれば50クラスポイントが入るだろう。

 

しかしCクラスが所属するのは白組であり、白組は現在2年と3年の所為で大差で負けている。赤組に勝つのは不可能だ。

 

そして所属する組が負けたら100のクラスポイントを失う。

 

つまりこの状態が続けば1年で1番点数が高いCクラスもマイナス50ポイントとなるのだ。

 

そして俺達Bクラスは現在2位だが、これをキープしたままなら1年生における争いではポイントが入らず、白組は負けるのでマイナス100ポイントとなるのだ。

 

ハッキリ言ってこの体育祭はハイリスクノーリターンのクソイベントでしかない。

 

(しかし龍園の奴、何を企んでるんだか)

 

こんなメリットが少な過ぎる体育祭なのにニヤニヤ笑いを浮かべるし。さっきの事故で慰謝料を請求するのが濃厚だが、それについてはとある理由で悪手である。

 

さっき龍園は自分がCクラスを責めたら咎めろと言ったが、言うまでもなく咎めるつもりだ。

 

今のCクラスと問題を起こすのはリスクが大きいし。

 

そう思っている間にも上級生の二人三脚は進んで、やがて全て終了する。

 

赤組と白組の得点を見るが、既に逆転不可能というレベルで赤組が勝っている。クラスポイントのマイナスは避けれないな。

 

『ただいまより10分間の休憩とします』

 

そんなアナウンスが流れたので生徒らは立ち上がり、自販機やトイレに向かう。

 

俺も飲み物を買おうと自販機に向かおうとしたら……

 

「八幡君。一緒に飲み物を買いに行きませんか?」

 

体操着姿のひよりがそんな提案をしてくる。断った悲しそうな顔になって謝るのはこれまでの経験上わかっているので断るつもりはない。

 

「良いぞ、行こうか」

 

「はいっ」

 

言うなりひよりは腕に抱きついて歩き始めるが、登校の時ならまだしも自販機に行くだけで抱きつくのは勘弁なんだけど。

 

周りからは視線が集まるし、龍園はニヤニヤ笑いを浮かべるし、赤組陣営にいる有栖なんか満面の笑み(ドス黒いオーラ付き)を浮かべてるし!

 

「どうしましたか八幡君?」

 

一方のひよりは天然故に注目が集まっている事を理解してないし……

 

「いや、何でもない」

 

俺はため息を吐いてから半ば逃げるようにこの場を後にして、ひよりと自販機に向かった。

読者の皆さんは森の声を聞いた事がありますか?

  • はい。
  • いいえ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。