※この作品はR-18です。

腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ   作:トラファルガー

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「で?実績を上げると言ったが、最初は何をやるんだ?何でもBクラスにはちょっかいかけたが、次はDクラスにちょっかいをかけるのか?」

 

龍園に協力する事を決めた俺は開き直って龍園に質問をする。

 

「もちろんDクラスにちょっかいをかけるつもりだが、今すぐじゃない。今やるべき事は中間試験についてだ」

 

「なるほどな。確かに小テストで赤点を取った石崎を始め、馬鹿が予想以上に多いからな」

 

あの小テストで50点以下をとった奴が何人もいたが、そいつらは中間試験において赤点候補だろう。

 

「ただ退学するだけならどうでも良いが、退学した場合に発生するであろうペナルティが厄介だ」

 

だらうな。遅刻や私語でマイナスポイントがつくんだし、退学者が出たら相当デカいマイナスが付くだろう。

 

「入学して早々それは避けたいな」

 

「ああ。坂上は石崎を始め、一部の生徒が馬鹿みたいな点数を取ったにもかかわらず、赤点を取らずに済む方法があると確信していると言っていた。おそらく攻略の鍵はそこにある」

 

まああの言い方は独特だな。これまでの坂上先生の言い回しからして攻略法はあるはずだ。

 

「ちなみに比企谷。お前は既に攻略法を考えてるか?」

 

「……一応あるが、実行出来ない可能性があるし、実行出来ても大赤字を食らう可能性が高いから、絶対正しい攻略法じゃないぞ」

 

「それでも良いから言ってみろ」

 

そこまで言うなら……

 

「簡単な話だ。赤点候補の生徒はプライベートポイントを払って坂上先生から「カンニングをする権利」を買うって作戦だな」

 

「くはっ!そうきたか!まさか学校のルールをぶっ壊すって考えを出すとはな」

 

龍園はケラケラ笑うがそんなおかしいか?坂上先生は敷地内にあるものは全て学生証カードの中にあるポイントで購入が可能と言っていたし、敷地内でカンニングをする権利を買うって事も可能かもしれない。

 

「まあルールをぶっ壊すのは学校も認めない可能性が高いし、仮に認めても相当高いだろう」

 

少なくとも1人につき数十万単位だろう。もしも数万で買えるなら退学者は1人も出ないのは絶対だ。

 

「だろうな。が、今の比企谷の考えを聞いて点数を買うって考えも出た。コイツもそれなりに値段が張るだろうがカンニングよりは安いだろう」

 

「そうかもな。とりあえず坂上先生には聞いとけ」

 

幾ら俺達が考えを生み出しても、先生が売るのを拒否したら何の意味もないからな。

 

「そのつもりだ。話を戻すがもし正しい攻略法を発見し、俺に提示したら5万やる」

 

随分と太っ腹と考えたが、そうでもないな。もしも俺が正しい攻略法を発見して龍園に提示し、龍園がクラスに教えたら龍園はクラスメイトから信用を得る事が出来る。信用ってのは王にとって重要だ。無くしたら今後の活動に支障が出る可能性もあるしな。

 

「……わかった。一応こっちでも考えておく」

 

ポイントは学校生活において重要だ。貯めておけば強力な武器になるだろうし。

 

「決まりだな。期待しておくぞ?」

 

「過度な期待はすんな」

 

 

そう返して弁当を食べるのを再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3時間後……

 

「さていきなりだが今後の話をするが……今後Cクラスは俺が王となって指揮をする」

 

午後の授業が終わると、龍園が教卓に座ってそんな宣言をする。まさかあそこまで堂々と口にするとはな。

 

龍園の発言に一部からは不愉快そうなオーラが出るが、龍園の背後には石崎とアルベルトがいるから堂々と反対する奴はいない。

 

 

「お前らもわかってるだろうがこの学校は異質だ。教師どもはハッキリと説明しないし、普通の学校ではあり得ない事ばかり。そんな中でAクラスの座を手に入れるにはクラスを纏める存在は絶対だ。そして纏め役に必要なのは常識にとらわれない思考力、敵を潰す事に一切の躊躇いを持たない精神力、何らかの形であれ敵を潰す為に必要な暴力など色々あるが、Cクラスにおいて1番持ってるのは俺だ」

 

言葉からは物凄く自信を感じる。

 

「まあ俺の意見に不満がある奴が多いみたいだから、先ずは王を決めようぜ。俺はいつでも不満を持つ連中の相手をしてやるからかかってこい。どんな形でも構わないからよ」

 

言いながら龍園は笑う。そこには恐れの色はなく、自身がCクラスの王になる確信を抱いているのがわかる。寧ろ歓迎しているようにも見える。

 

その事から察するに反対派を潰す事も娯楽と考えているのだろう。わかってはいたが本当にイかれてるな。

 

「中には俺が王になる事に不満がない奴はいるだろうが、そいつらは帰って良いぜ。ただし俺が王になったら働けよ」

 

その言葉に対して真っ先に立ち上がったのは椎名で、次に俺だった。俺は別に龍園がクラスの王になろうと不満はない。この1ヶ月クラスメイトを見たが、上に上がれる可能性を上げるなら龍園を王にするのが1番だ。

 

椎名と一緒に教室を出てドアを閉めようとする中、教室を見ると俺達のように席を立ったのは数人だけだった。

 

「比企谷君は争いに参加しないんですね」

 

「それよりも本を買う方が優先順位が高い」

 

「そうですね。それに龍園君がリーダーになるのは確実です。龍園君は他の人よりもリードしています」

 

椎名の言う通りだ。龍園は入学初日からSシステムについて疑いを持って坂上先生に質問したり、真面目に授業を受けたり、石崎やアルベルトを配下にして、終いには真っ先に自分が王になると表明した。

 

この時点で他の生徒よりも数歩どころか数十歩リードしているし、恐らく1週間もしないで龍園がクラスの王になるだろう。

 

「ところで比企谷君。今朝坂上先生がAクラスにならないと学校から進学や就職の恩恵を貰えないと言った時に特に表情を変えてませんでしたが、不満とかないんですか?」

 

よく見てたな。椎名の言うように俺は高い進学率や就職率に対してそこまで興味はない。恩恵を受けれたら良いとは思うが、受けれないからってがっかりはしない。

 

「俺は元々外部と接触出来ない環境を理由に志望したからな。高い進学率と就職率は二の次だ。というかお前こそ高い進学率と就職率に興味はなさそうだったじゃねぇか」

 

「そうですね。私もあればいいとは思いますが、絶対に欲しいとまでは思ってないです。争い事も好きではないのでAクラスに上がれなくても不満はありません」

 

まあ普段の生活態度からして椎名って闘争心が薄いからな。向上心がないわけではないと思うが、少なくともクラスメイトの中では少ない方であるのは間違いない。

 

「じゃあ龍園の指示にも従わないって事か?」

 

「もちろんクラスが団結しないといけない場面に遭遇したら協力はします。ですがそれ以外では積極的に動く事は考えてないですね。私としては……」

 

「私としては?」

 

俺が尋ねると椎名は笑顔を浮かべて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クラス間の争いをするよりも、比企谷君と一緒に本を読むのが1番楽しいですから」

 

とんでも爆弾を投下してきた。

 

この野郎……そ、そんな事を良い笑顔でハッキリと言うな。顔が熱くなって仕方ないんだが……!

 

「そ、そうかい……」

 

「比企谷君はどうですか?私と過ごして嫌じゃないですか?」

 

ハッキリと聞くな馬鹿!椎名の顔を見る限り含むところはないので純粋な気持ちで聞いているようだが、その純粋さが今の状況では憎らしい。

 

「ま、まあ嫌じゃないな」

 

俺は顔に溜まった熱に苦しみ、椎名から若干目を逸らしながらそう答える。

 

「良かったです。これからもよろしくお願いします」

 

当の椎名の声は弾んでいるが、椎名ってある意味龍園や坂柳よりも強いかもしれない。この天然っぷりは俺の心臓がもたないぞ。

 

しかし……

 

「ああ……よろしく」

 

誰よりも魅力的な笑顔を浮かべている椎名を見ると自然と拒否する選択肢が無くなっているのだった。

 

結局俺は恥ずかしい気持ちを抱きながら椎名と一緒にショッピングモールで本を買って充実した1日を過ごすのだった。




高度育成高等学校学生データベース (4/6時点)
 
氏名 由比ヶ浜結衣
 
学籍番号 S01T004757
 
部活 無所属
 
誕生日 6月18日
 
評価
 
学力 E-
 
知性 E-
 
判断力 E-
 
身体能力 E
 
協調性 A-
 
 
面接官コメント
 
学力、常識、判断力、運動能力などに非常に問題があり筆記試験では学年最下位を記録する。この結果は登校設立以来ワーストとなりDクラス配属以外に検討の余地はない。他人と簡単に仲良くなるコミュニケーション能力については高評価であるが、小中学校の資料によると後先考えず勢いに任せて行動する悪癖があるので改善を必要とする。

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