腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
お久しぶりです。色々なゴタゴタがあって遅れてしまいした。
昼休み終了のチャイムが鳴り体育祭後半戦が始まる。ここからは推薦種目であり、俺は借り物競争と男女二人三脚に出る。
最初は借り物競走で俺が参加する競技なので入場ゲートに向かうと、運動神経の悪そうな奴が多いが、学年総合下位10人に入ってペナルティを受けないようにする為だろう。
この競技に関しては運の要素が強いし運動能力が低くても勝ち目はあるからな。
全員が並ぶと審判をやってる2年Dクラス担任の山崎先生が口を開ける。
「借り物競走では高い難易度のものも設定されている。その場合は引き直しを希望する事も可能だが、引き直すまで30秒の待機を要求する。希望する者はクジを引く地点にいる審判に申し出る事。3名がゴールした時点で競技は終了とする」
やはり推薦種目だけあって簡単ではいかなそうだ。余程難しいお題じゃない事を祈る。
「よう、あの筋肉バカはどうした?リーダーの癖にサボリか?」
龍園が隣に並ぶ綾小路に煽るが、ソイツはウチのスパイだぞ?
「ああ。平田を殴ってからやってられるかってボイコットして、クラス全員が放置してる」
まあ寮に逃げられたらそれまでだからな。
「はっ!つまりテメェのクラスは崩壊したって訳か!救いようがないクラスだな!」
「何を言っている?須藤以前に由比ヶ浜がいる時点でウチのクラスに救いようがあるわけないだろ」
「ああ……そうだな。その辺りはテメェらにマジで同情するぜ」
煽っていた龍園だが、最後だけは真剣な表情で言ってくる。俺達の中で由比ヶ浜はDクラス最強の疫病神って評価だからな。
そう思いながらも俺達は入場してスタート地点に集まる。最初の4人には我らが大将の龍園と俺の協力者の綾小路がいる。さてさて、どうなるやら……
パァンッ!
ピストン音が鳴り、4人がグラウンド中央にあるテーブル上の4つの箱に手を入れて紙を取り出す。
全員が紙を開くと最初に動いたのは綾小路だ。自分のDクラスの方に向かう。
次に動いたのは龍園で教員用のテントに向かう。
そして綾小路が由比ヶ浜を連れて、龍園が星之宮先生を連れてゴールに向かうが、位置的に龍園の方が早く到着する。
そして龍園はゴールにいる真嶋先生に話しかけるとマイクを渡される。どうやら場合によっては発表があるようだ。
龍園はマイクを持ち……
「1年Bクラス龍園翔。「賞味期限が近いもの」で星之宮千恵を選択した。理由としては普段から酔ってる姿が多く見えて、良い歳して言動がぶりっ子だからだ」
ドッッッッッッッッッッッッッッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッッ!
そう宣言する。瞬間、観客席からは爆笑が生まれ、星之宮先生からはドス黒いオーラが噴き上がる。流石龍園だ。堂々とそんな事を言うなんて……
と、ここで綾小路が手を挙げる。何事かと思えば龍園からマイクを受け取り……
「意義ありだ。龍園、星之宮先生は賞味期限が近いものじゃない。賞味期限が切れているものだ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッッッッッッッッッッッッッッ
星之宮先生のオーラが増した。というかこれ、収集がつくのか?
OKが出たら賞味期限が近い事を学校が認めることになるし、出なかったら賞味期限切れって意味になるし。
『審議に入ります』
アナウンスが入り、真嶋先生が他の先生方と話し合うが、果たして結果はどうなるやら……
そして真嶋先生がマイクを持ち……
「話し合った結果、龍園のお題については……合格とする。話し合った結果、まだギリギリ大丈夫という結論になった」
『しゃぁぁぁぁぁぁっ!ギリギリセーフだよな!アウトに近いけど!俺個人としてはアウトって結果でも納得だけど!』
『不正だ!星之宮先生は手遅れだろうが!龍園テメェ、教師に賄賂を送ったなこの卑怯者め!』
白組の歓声と赤組の不満がグラウンドに響き渡るが、もう星之宮先生の我慢は限界だろう。オーラが揺らめいていて地面が揺れているように感じる。とりあえず真嶋先生の命日は今日だな、うん。
そんな中、綾小路は全く気にしないで真っ白な真嶋先生に紙を渡してからマイクを受け取り……
「1年Dクラス綾小路清隆、「頭が残念な人」というお題に対して由比ヶ浜結衣を連れてきた」
堂々と発言すると、瞬間的に由比ヶ浜がキレる。
「はぁ!?何でアタシが残念なんだし!マジでキモい!」
由比ヶ浜の言葉に1年生は「何を言ってんだコイツは?」って眼差しを由比ヶ浜に向ける。
「なんでも何も同級生を階段から落として停学を食らっても全く反省しないで自分が正しいと思ってる奴は残念だと思うが?」
「だってアレはヒッキーがゆきのんを殴ったのが悪いし、アタシは悪くない!ヒッキーが怪我したのも自業自得じゃん!」
うわ、コイツ本気で言ってるよ。これは間違いなく審査は通るだろう。少なくともこの学校でアイツ以上に頭が残念な奴はいないだろう。
「……良いだろう。お題はクリアとする。綾小路は2位だ」
「ふざけんなし!何でクリアになるんだし!あのチビガキの担任は頭もガキなの?!」
あ、救護テントにいる有栖の額に青筋が浮かんでるのが離れてるのにハッキリわかった。
由比ヶ浜はギャーギャー騒ぐ中、真嶋先生は無視して馬鹿笑いする龍園と綾小路を退場ゲートに行くように促す。実に大人の対応だ?
まあ星之宮先生が耳打ちした瞬間に、足がガタガタ震えだしたけど。
そう思う中、Cクラスの男子がツインテール女子ってお題に対して、自身のクラスメイトの姫野ユキって女子を連れて3位となった。よってAクラスの男子がビリとなる。
そして次は俺の番だ。同じ組で注意なのは一之瀬の側近の神崎くらいだ。まあ運が重要だからわからないが。
パァンッ!
ピストン音が鳴るので走り出す。やはり速いのは神崎で一番にテーブルに着いては箱から紙を取り出す。
しかし直ぐに凍りついたかと思えば……
「チェンジで」
「では三十秒間、箱に手を入れないように」
どうやらハズレを引いたようだ。俺がテーブルに近寄ると神崎の近くに「巨乳」と書かれている紙があった。完全にセクハラじゃねぇか。
呆れながらも俺も紙を箱から取り出すとそこには「天鎖斬月」と書かれていた。うん、無理だな。
「チェンジで」
俺が紙を投げ捨てて待機すると、AクラスとDクラスの男子も引くが2人もチェンジをする。チラッとテーブルを見れば「女子の脱ぎ立ての体操着」「ニワトコの杖」と絶対に無理な内容を書かれている。とりあえずクジを考えたバカはいずれぶっ飛ばす。
そう思いながら待っていると1番早くチェンジをした神崎が箱に手を入れるが、すぐにチェンジする。見てみると「ドラえもん一巻の初版」と書かれている。嫌がらせとしか思えない。
そして俺も再度紙を取り出すと「他クラスの友人(女子のみ)」と書かれていた。何で簡単なものと難しいもののレベルが違い過ぎるんだ……
そう思いながら周りを見るとゴール付近にある救護テントから有栖が出てAクラステントに向かうのを確認出来た。
ラッキーと思いながら俺は走って有栖の元に向かう。
「有栖、借り物として来てくれないか?」
俺は紙を見せながら頼み込む。対する有栖はハッとした表情を浮かべて頷く。
「わかりました。ただ、私は碌に歩けないので運んでください」
そのくらいはお安い御用だ。
俺はそのまま有栖を背負ってゴールに到着して、有栖を下ろして紙をポケットから取り出す。その際に有栖が若干不機嫌そうにしているが気のせいだろう。
「ではお題と答えをマイクで発表しろ。坂柳も正解ならそれをマイクで伝えるように」
真嶋先生がマイクを渡すので俺は受け取りスイッチを入れる。
「1年Bクラス比企谷八幡。他クラスの友人というお題に対して1年Aクラスの坂柳有栖を選んだ」
そう言ってマイクを有栖に渡すと有栖はマイクを受け取ってから頷く。
「1年Aクラス坂柳有栖です。比企谷八幡君のお題は正解である事を告げます。最も……」
有栖はそう前置きしたかと思えば俺の方を向いて……
「私個人としては、お友達で終わるつもりはありません……」
ちゅっ
全生徒が見ている前で堂々と宣言してから俺の唇にキスをしてくるのだった。
読者の皆さんは森の声を聞いた事がありますか?
-
はい。
-
いいえ