※この作品はR-18です。

腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ   作:トラファルガー

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借り物競走②

 

 

俺は今、自分でも信じられない状況に直面している。いつ、どこで、誰が、何をしている状況かというと……

 

いつ 体育祭当日

 

どこで グラウンド

 

誰が 有栖

 

何を 俺にキスをしている。

 

 

……って感じだ。

 

(って!予想外過ぎるわ!)

 

俺は予想外の展開に驚きながら再起動して有栖から離れる。

 

「ぷはっ!あ、有栖!お前はいきなり何をしやがる!」

 

そして有栖を見ると凄く悲しそうに見てくる。

 

「……嫌、でしたか?ごめんなさい」

 

ヤバい、罪悪感が半端ない。

 

「でも……さっきのは嘘ではありませんから」

 

さっきの……友達では終わらせないってヤツだろう。ヤバい、思い出したら恥ずかしくて顔が熱くなってきた。

 

そこまですると周りの時間も動きだして……

 

おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!

 

周りから大歓声が上がる。

 

『凄え!あの類のお題で行動を示す奴、初めて見たぞ!』

 

『青春ね!甘々な青春ね!』

 

『AクラスのリーダーとBクラスのNo.2ってそんな関係だったのかよ?!』

 

外界と遮断された世界による行動だ。当分、下手したら卒業までネタにされてもおかしくないな。

 

「真嶋先生。合格で良いですね?」

 

「あ、ああ。合格だ」

 

今日、星之宮先生によってお亡くなりになる真嶋先生は戸惑いながら頷く。それにより俺は1位を獲得するが、同時に平穏な時間が失われたのを自覚する。

 

と、そう思っていると……

 

「何してんだし!あたしを嵌めて苦しい思いをさせた癖に自分だけ楽しむなんてヒッキーマジキモい!あんなガキ相手に!ロリコン!変態!」

 

先程まで綾小路に頭が残念な奴呼ばわりされたことで綾小路に突っかかっていた由比ヶ浜がキレるが、何を言ってんだ?

 

俺が雪ノ下を殴っただけならDクラスに利益が入ったのに、自分で自分の首を絞めただけだろうが。後、有栖は見た目は中学生か小学校高学年だが、立派な同年齢でガキ呼ばわりされる筋合いはない。

 

そんな由比ヶ浜に対して先程まで騒いでいた生徒は白けた眼差しで、教員らは馬鹿を見る目で由比ヶ浜を見て、これ以上身内の恥を晒したくないのかDクラスの軽井沢が由比ヶ浜の口を塞いで、櫛田が由比ヶ浜の背中を押す。どんな時でもクラスに迷惑をかける奴だな。

 

「八幡君。馬鹿は放っておいて待機位置に行ってください。正直白けました」

 

そんな中、有栖は青筋を浮かべながらそう言ってくる。実際ゴールしたのにグダグダしては教師や他の生徒に迷惑だからな。

 

「じゃあまた後で」

 

そう言って終わった生徒の待機場所に向かうと龍園が苦笑いを浮かべて迎えてくれる。

 

「よう比企谷。色々な意味で災難だったな」

 

「意外だな。てっきり大爆笑して迎えてくると思った」

 

「最初は爆笑したんながな。由比ヶ浜の喚きに萎えちまった」

 

やるな由比ヶ浜。龍園を萎えさせるなんてそう簡単に出来ることじゃないぞ。

 

「俺としては良かったがな。しかし龍園はかなりギリギリだったな」

 

「まあな。異議が入った時は無効化されると焦ったぜ」

 

龍園はチラッと綾小路を見るが、つまり龍園は綾小路の意見に納得した事になる。当の綾小路本人は星之宮先生の殺意を涼しく受け流しているけどな。

 

「だな。俺が真嶋先生ならお前のお題を無効にしていたからな」

 

まあどっちを選ぼうが真嶋先生の運命に大した差はないだろうけどな。

 

そう思いながら俺も座って待機して、後続の競争を見るが大半の生徒がチェンジをしている。やはり相当難しい内容のようだ

 

「ちなみに比企谷。お前のグループではどんなお題が出たんだ?俺の所は「賞味期限が近いもの」「頭が残念な人」「金髪巨乳」「ひとつなぎの大財宝」だったな」

 

無理ゲーなのが1つあるな……今からラフテルに行けってか?

 

「俺の時はな、「巨乳」「天鎖斬月」「女子の脱ぎ立ての体操着」「ニワトコの杖」「ドラえもん一巻の初版」「女子限定で他クラスの友人」だったら」

 

「クソだらけじゃねぇか」

 

龍園が毒づく中、石崎がやってくる。

 

「龍園さん!借り物として来てください!」

 

石崎は龍園の返事を聞く前に立ち上がらせて引っ張っていく。そして真っ先にゴールして……

 

「1年Bクラス石崎大地!「体操着姿に違和感を感じる人」で龍園翔さんを連れてきた!」

 

「ぶふぉっ!」

 

マイクを使った宣言に噴き出してしまう。確かに龍園に体操着はクソ似合わないだろう。見事なチョイスだ。周りの生徒も笑っている。

 

まあ当の龍園は額に青筋を浮かばせているが、審議が終わったら石崎はしばかれるだろう。

 

そして審査が通ってる石崎の一着が確定した瞬間、龍園は石崎の鳩尾に膝をぶち込んでこっちに戻ってくる。当の石崎は膝を地面につけて悶絶しているが、アレは痛いな……

 

「おい比企谷。笑ってんじゃねぇぞ、殺すぞ」

 

龍園が苛立ちを露わにしながらそう言っているが、アレは笑っても仕方ないだろう。マジで笑えた。

 

それからも借り物競走は変なお題が続き、1年生最後となる。女子の組み合わせだが神室、一之瀬、ひより、堀北と各クラスの主力がいるな。運動能力だけ見れば、ひよりがぶっち切りで弱いが借り物競走のお題は半端なく難しいので勝ち目はある。

 

事実、前の競争ではウチのクラスでひよりと同じくらい足が遅い藪が簡単なお題を引いて、学年屈指の身体能力を持つDクラスの女子の小野寺に勝ったからな。

 

パァンッ

 

ピストル音が鳴り、4人が一斉に走り出す。最初にテーブルについたのは神室だが、紙を引くなり嫌そうな表情になってチェンジをする。

 

続いて堀北が紙を引くとDクラスのテントに向かい、一之瀬は苦笑いをしながらチェンジをする。

 

そしてひよりが遅れて紙を引くと、こっちに向かってくる。進行方向からして俺達に用があるのか?

 

「八幡君。「借り物競走を済ませた男子のクラスメイト」を引きましたので来てください」

 

随分と簡単なお題だな。どうやらひよりは当たりのようだ。

 

「わかった。行くぞ」

 

言いながら俺達は立ち上がりゴールに向かう。同時に堀北もDクラスのまとめ役の平田を連れているが、運動神経抜群の堀北と平田の方が先に着くだろう。

 

俺達は全力で走ったが案の定、堀北と平田が先に到着する。それから数秒遅れて、俺とひよりが到着する。グラウンドを見れば神室がDクラス担任の茶柱先生を連れてきている。一之瀬は再度チェンジをしてるが負け確定だな。

 

「1年Dクラス堀北鈴音。「サッカー部所属の生徒」で平田洋介を連れてきたわ」

 

どうやら堀北も簡単なお題だったようだ。あっさりとクリアして一着が確定する。しかしひよりが2位なら上出来だろう。

 

「八幡君、ごめんなさい」

 

そう思っているとひよりが謝ってくるが、何に対して謝っているんだ?

 

疑問に思う中、ひよりは真嶋先生からマイクを受け取り……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1年Bクラス椎名ひより。「好きな異性」でクラスメイトの比企谷八幡君を選びました。坂柳さんには負けません……!」

 

そう言って俺の唇にキスをしてくる。有栖とは別ベクトルの柔らかさが伝わってくる。

 

というかたった数分の間に全校生徒の前で2人の女子からキスをされるって……ある意味、堀北会長や南雲副会長より名を挙げた気がする……悪い意味だけどな。

 

『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!』

 

『キャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!』

 

俺は大歓声を響く中、現実逃避気味に内心ため息を吐くのだった。

 

恥ずかしくないのかって?もう一周回って落ち着いたわ。

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