腐り目、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
ギュルルルル〜
ベッドに寝転がりながら天井を見ていると腹が鳴る。顔を動かして壁にかけてある時計を見ると6時半だ。
「体育祭が終わったのは4時前後だし、随分と時間が経ったな」
「そうですね。今日は外食にしましょうか」
「折角ですからお寿司を食べたいです」
言いながら俺は左右の腕に抱きつくひよりと有栖を見ると2人は頷く。これだけなら昨日までと変わらない。二学期が始まってから2人とは殆ど同棲しているからな。
今回は昨日までとは大きな違いがある。それは……
「ただ……もう少し八幡君の温もりを直に堪能したいですね……」
「……帰ったらまた甘えても良いですか?」
俺含めて全員が身に何も纏ってない事だ。俺達の服や下着はベッドの上や床に散らばっていて、部屋には雄と雌の臭いがする。
結局俺は有栖とひよりに攻められて快楽に取り込まれてしまったが、その際に自身の欲求に昂りが生まれて、反撃とばかりに2人の服を脱がしてから思い切り攻めて喘がせまくった。
ゴムを持ってなかったから一線は越えてないが、一線を越えるギリギリまで求めあったのでゴムが有ったら間違いなく越えていただろう。
(しかし俺の中にも獣がいるとはな)
俺は割とこういったことには積極的ではないと思っていたのだが、後半は俺の方が2人を攻めていた。どうやら俺の中にはまだまだ知らない存在がありそうだな。
「……好きにしろ。とりあえず飯を食いに行くなら服の洗濯とシャワーと換気をしてからな」
俺は上目遣いでおねだりしてくるひよりに頷いてから2人から離れ、2人をベッドから降ろしてから3人分の衣類とベッドのシーツを持って洗濯機に入れて洗う。
(とりあえず飯食ったらベッドシーツを3枚ほど買うか)
基本的にひよりと有栖は殆ど毎日寝泊まりをしているが、一度タガが外れたら、今後も情事に耽る可能性が高い。実際ひよりはさっき帰ったら甘えても良いか聞いてきたからな。それを踏まえるとベッドシーツを数枚買っておいた方が合理的だ。
俺はそのまま脱衣所にある棚からタオルを3枚取り出して洗濯機の近くに置くと、同じタイミングで一糸纏わぬ姿のひよりと有栖がやってくる。
「窓を開けて換気はしています。ではシャワーを浴びましょう」
「そういえば八幡君とお風呂に入るのは初めてですね」
そういやそうだな。2人が寝泊まりする際に毎回一緒に風呂に入らないかと誘ってきたが、毎回断っていた。
しかし今は互いに身体を求め合ったからか、忌避感を抱く事はなかった。
俺は風呂場のドアを開けて中に入りシャワーからお湯を出す。
そしていざ臭いや体液を流そうとすると、ひよりと有栖が左右から俺の胸周りに抱きついて身体を絡めてくる。
「3人一緒に洗い流した方が早いですよ?」
「構いませんね?八幡君の本能は良いと言っていますよ?」
有栖がそう言って俺の下半身を見てくるが、逃げれるのは無理だな。
そう思いながら俺はシャワーを使って3人いっぺんに身体を洗い流し始めるが、シャワーの熱い水を浴びても2人から伝わってくる柔らかな感触と温かな温もりはハッキリと伝わってくる。この感触と温もりは先程何回も堪能したが、手放したくない気持ちが湧いてくる。
今後俺達の関係がどうなるかわからないが、叶うなら今と変わらない生活を送りたいものだ。
俺はシャワーで身体を流しながら、俺に抱きついたまま離れない2人に初めて芽生えた気持ち……愛しさを抱くのだった。
2時間後……
「ん?何か騒がしいな」
ケヤキモールにて俺は横から騒ぎ声が聞こえてくるので目線を横にズラす。
シャワーを浴びてから夕食に寿司を食って、家具屋でベッドシーツを3つ買って、コンビニで飲み物とかお菓子を買って(ひよりと有栖が避妊具を買おうとしたが慌てて止めた)、帰路につこうとしたタイミングで騒ぎ声が聞こえてきて今に至る。
「面白そうな気配を感じますね。行きましょうか」
有栖は楽しそうに笑いながらそう言ってくるが、お前は本当に火のある所が好きだな。
「ヤバそうになったら直ぐに退くからな」
そう言ってから騒ぎ声がする方向に向かうと……
「麻子ちゃん!ダメだよ落ち着いて!」
「離してよ帆波ちゃん!どうしても許せない!」
一之瀬が網倉の腕を掴んで、網倉が涙混じりに怒りを宿した絶叫を上げながら龍園を睨んでいた。
龍園の背後には山峰と金田と武川が、一之瀬の後ろには白波と小橋がいる。もしかして審議が終わったばかりか?
と、ここで龍園が俺達に気付き、満面の笑みを浮かべながら手を挙げてくる。
「おう比企谷。仲良くしてるのは良いが、馬鹿が理不尽な逆恨みをしてきて困ってるからちょっと助けてくれや」
「ふざけないで!悪いのはそっちじゃん!適当なことを言わないでよ!」
龍園の言葉に網倉が激昂するが、一之瀬のみならず小橋が止めに入る。
「逆恨みって審議関係か?何か問題が起こったのか?」
「まあな。接触事故についてだが、絶対的な証拠がないからクラスポイントの変動は無しで、山峰の欠場によって生まれた代理費用……30万ポイントの支払いをCクラスがウチにすることになった」
「まあそれくらいなら妥当でしょう。しかしこの状況、網倉さんが怒っているのは他にも理由がありますよね?」
有栖がそう聞いてくるが俺も同意見だ。確かに網倉からしたら冤罪をふっかけられた挙句30万の支払いってのは納得いかないだろうが、ペナルティとしては軽い。クラスの皆でポイントを出し合えば1人あたり7500ポイントで済むからな。
しかしそれだけで暴力に走ろうとするとは思えない。
「まあな。金田によればコイツら、審議中にウチのクラスや証人が発言した時にも割って入って叫んだり、あろうことか副会長が注意したら逆ギレして怒鳴ってペナルティを食らったんだよ」
「なるほどな。須藤の時みたいに審判者に当たったが、今回は当たり過ぎたって感じか」
「その通りです。審議とは審判者……この場合は副会長に許可を得てから話す必要があり、相手が話している時は黙って聞き、反論は副会長から許可を得てから話すのが審議のマナーです。最低限のマナーすら守れないでペナルティを受けたからといって八つ当たりはやめてほしいですな」
金田は眼鏡をクイっと上げて網倉に蔑んだ眼差しを向けると網倉のみならず白波も前に出るが、龍園が獰猛な笑みを浮かべながらポキパキと拳を鳴らすとビビる。
「龍園君。ここで暴力を振るったら学校に問題提起をするからね?」
「軽くビビらせただけで実際は振るわねぇよ。俺達はCクラスと違って卑怯者じゃないからな」
いや、お前にだけは卑怯者って言われたくないだろうな。これには一之瀬ですら表情を歪ませていて、有栖は楽しそうに笑っている。
「龍園、お前は必要以上に挑発するな。場合によっては凶行に走る奴が出るかもしれないだろ。俺の怪我を忘れたか?」
「そういや比企谷は由比ヶ浜から階段から落とされかけたんだったな。確かにお前が言えば信憑性はあるし、やめとくか。Cクラスに由比ヶ浜みたいなクソい奴がいないとは限らないしな」
「ふざけないで!ウチのクラスに由比ヶ浜さんみたいな精神障害者はいない!」
白波がブチ切れるが、お前も大概クソい事を言ってるな。
そう思っていると……
「ふざけんなし!誰が精神障害者だし!」
真横から聞きたくない声が聞こえてきたので見れば由比ヶ浜が怒りを宿しながら白波に詰め寄ってくる。
「人を馬鹿にするなんて最低な事じゃん!心の暴力を知らないなんてガキなの?!」
いや、お前が言うか?
「っ!貴女がそれを言いますか?!体育祭ではギャーギャー騒いだり、碌な理由もなく人を階段から突き落とそうとしたり、キモいキモいとしょっちゅう口にする貴女が!」
「はぁ?!キモい人にキモいって言うのは当たり前じゃん!体育祭だってこーじんが頭が残念って言ったのが悪いし、ヒッキーはゆきのんを殴ったから階段から落とそうとしたのは正しくて、あたしは悪くない!生徒会長が馬鹿だから停学になっただけだし!」
うわ、コイツとうとう生徒会長を馬鹿呼ばわりしやがったし。どんだけ責任転嫁してんだよ。つーかこーじんって綾小路かよ?相変わらずネーミングセンスはないな。
これには龍園や有栖や一之瀬ですら唖然とした表情を浮かべ、さっきまでウチのクラスと敵対していた白波達も俺に同情の眼差しを向けてくる。
「龍園君。貴方が余計なことを言った事がキッカケで面倒な存在が来たじゃないですか」
「あー……悪かったよ、次からは気をつける」
有栖のジト目に龍園はバツの悪そうな表情を浮かべながら有栖に頭を下げる。
あの唯我独尊の龍園が同じくらい唯我独尊の有栖にだ。そのくらい由比ヶ浜の存在は厄介のようだ。
そう思っていると……
「それなのに精神障害者なんて言うなし!」
パァンッ パァンッ
「きゃあっ!」
「千尋ちゃん!」
由比ヶ浜が白波に往復ビンタをして地面に倒れかかる。しかし更に追撃しようとするので割って入り、右手で由比ヶ浜の手を掴む。
「余計な事をすんなしヒッキー!」
「テメェこそふざけた事をすんじゃねぇよ。事実言われたからって逆ギレするな」
言いながら俺は他の面々に帰るように目線で促す。馬鹿が掻き乱した以上、これ以上揉め事を起こらないで欲しいのが本音だ。
「そこまでにしろ。これ以上の暴力行為を止めさせて貰う」
と、ここで堀北会長が書記の橘先輩を連れてやってくる。
「邪魔すんなし!そもそもアンタがあたしを停学にしたのがそもそもの原因じゃん!」
「違うな。お前が比企谷を階段から突き落とそうとしたのが原因だ」
「ゆきのんを傷つけたからだし!そもそもヒッキーって中学時代にしょっちゅう虐められてたから今更じゃん!」
いや、そういう問題じゃないだろう。
「そうか。なら聞くぞ。Dクラスの生徒に虐められているお前を俺が傷つけても、今更だから悪くないと受け入れるのか?」
「はぁ!女子を階段から傷付けようとするなんて何考えてるの!?死ねば?!」
『…………』
余りにも身勝手な発言に死ね発言に堀北会長ですら絶句させる。馬鹿につける薬はないって諺があるが本当のようだ。
「……もう良い。お前達は解散しろ。後は俺が対処する」
堀北会長が俺達に帰るように促すと俺達は丁寧な一礼をする。マジでありがとうございます。
龍園ですら一礼しているし、本気で感謝の気持ちを抱いているのだろう。
俺は碌に歩けない有栖を抱き抱えて早足で寮に向かう。龍園は金田と山峰と武川を連れてレストラン街に、一之瀬と白波と網倉と小橋はスーパーの方へ去る。背後からはギャーギャー騒ぎ声が聞こえてくるが気にしない。
「……疲れました」
「八幡君は中学時代からあんな風に絡まれていたのですか?」
「まあな」
元々ウザい絡みをしてきたが、修学旅行以降は拍車がかかっていたのはハッキリ覚えている。
「苦労してますね。とりあえずストレスが溜まったので、帰ったら思い切り甘え合いましょう」
「そうですね。避妊具は買えなかったので本番は出来ませんが、思い切り愛してください」
「……ああ」
俺も精神的に疲労したので快楽に溺れたいからな。つか何で体育祭で運動した時よりも疲れるんだよ……
そう思いながら俺達はため息を吐きながら寮に戻るのだった。
その後、部屋に戻った俺達は早速新しいベッドシーツをベッドに被せてから3人で甘え合ったが、明日が休日である事を良いことに翌朝まで甘え合ってしまい、買ったばかりのベッドシーツの1枚を洗濯する羽目になってしまった。
また接触事故における審議においてCクラスのマナー違反のペナルティについてだが、Cクラスのクラスポイントを50だけBクラスに渡す事になった。
それだけならCクラスは大敗だが、由比ヶ浜の白波に対する往復ビンタが原因で由比ヶ浜は1週間の停学になり、Dクラスは50のクラスポイントの借金をして、Cクラスに50ポイント渡す事になった。
Aクラス 1114ポイント
Bクラス 766+50=816ポイント
Cクラス 671−50+50=671ポイント
Dクラス 0ポイント(実質マイナス50ポイント)
うん、とりあえずDクラスはドンマイ
読者の皆さんは森の声を聞いた事がありますか?
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はい。
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