火蓋は切られた
京太郎、今日からここがお前の新しい家だよ
京太郎、これからはみんなの言うことをよく聞くんだよ
京太郎、一族の悲願をお前の代で果たしておくれ
「懐かしい夢だな・・・」
懐かしい夢を見た。この地に来て10年余りすっかり色あせた記憶から呼びさまされた母からの言伝。
これは使命を果たせとの散っていった一族からの命令なのだろうかと思いながら階段を下りる。
「おはよう・・・京太郎」
起きて最初に顔を合わせたのは滝見春。黒糖をこよなく愛し無口ではあるが笑顔が可愛らしく同じ1年生なのでやたらと世話になっている。
「今日はずいぶん早かった・・・そのせいで起こせなかった・・・」
「いい加減一人で起きれるよ」
「やだ・・・寝顔みたい・・・」
やたらと自分を気に入っておりこうやって世話を焼いてくれる。ありがたいが勘違いしてしまいそうだ。
「まあそういったのは後で話し合おうぜ。とにかく飯だ飯」
そういって廊下をわたっていくと背中からは待ってと声がする。
そんな春を尻目においていくと目の前には幼女がいた
「誰が幼女ですかー」
うがーと怒る幼女は薄墨初美。見た目幼女だがこう見えて先輩でそのうえジャイアンのような横暴な性格なのだからたちが悪い。
「どうやって思考を読んだんですか。はっまさか今日の夢のお告げは・・・」
「くっくっくそうです勇者よ。私が神の・・・って違うのですよー。目を見ればバカにしたって丸わかりなのですよー」
うがーと再度怒りこちらに接近してくる。騒ぐのも楽しそうだが食事前では怒られてしまう。
「後で騒ぎましょうねー」
約束ですよーと背中に声がかかり楽しい気分になる。やはりあの先輩に会うと元気がもらえる。
ようやく台所につくとポニーテールとすさまじいまでのおもちが目に入る
「おはよう京太郎君」
「おはよう京太郎。朝から煩悩を感じるわよ」
ポニーテールは狩宿巴。みんなを裏方から支えてくれ、自分に一番やさしくしてくれるので姉のように感じる人物だ。
そしてこのすさまじいまでのおもちをお持ちのお方は石戸霞。皆の頼れるお母さんポジションだ。
「誰が母親のように見えるですって?」
・・・訂正。お姉さんポジションだ
「いやいや違うんですよ霞さん。これは男のサガなんですって」
「霞さん許してあげたら?京太郎君もただ一人の男の子なんだし・・・」
巴さんの援護射撃もあってか俺のおもちへの視線への追及は終わりそうだ。ありがとう巴さん。
はぁ、と一息つき怒りが霧散する。そして代わりに笑顔が現れる。
「ご飯は出来上がっているわ。姫様を起こしてきて一緒に顔を洗ってきなさい」
「了解しました」
きちんと洗うのよーと背中に声がかかる。まるでお母さんだ。
洗面台に向かうとやはりそこにいた。そこには立ちながら寝ている美少女がいた。
美少女の名は神代小蒔。我らがお仕えする姫様だ。
「姫様、起きてください。」
ほぅと目を開けてびっくりぎょうてんしている小蒔が勢い余って転びそうになる。それを読んでいたためぎゅっと手を握り締め倒れるのを阻止する。
「あ、ありがとうございます・・・」
「気を付けてくださいね」
もう倒れる心配がないと思い手を放そうとすると、少し悲しそうな顔になる。
「・・・みんなのところまでは手をつないで歩きましょうか」
「はい!!」
飛び切りの笑顔を見て思わずこちらまで笑顔になる
※
「そのおかずいただきなのですよー」
「なにおー」
食事の場は古式ゆかしい永水の皆にはふさわしくない喧騒に包まれる。・・・おもに俺と初美さんのせいだが。
お互いにお互いのおかずを巡って七転八倒の大騒ぎである。ちなみに8:2の割合で俺が負けている。だってこの先輩とっても強いんだもの。
「やめなさい意地汚い」
もーと怒っている霞さんだが笑顔である。それを見ている巴さん、姫様、春、そして初美さんも笑顔である。
みんなが笑っている幸せでありきたりな空間。こんな時間が今までも続いていた。
しかし、もう続かない。自分が壊すからだ。
「皆さん聞いてください」
自分が声を上げるとみんなの笑い声がぴたりとやむ。
「どうかしたの京太郎」
そういう霞さんの顔は能面のような無表情である。まるでこちらの言うことをあらかじめ知っているかのような無表情だ。
否、知っているのは霞さんだけではない。春も、巴さんも、初美さんも、姫様ですら分っているようだ
これから行う行為は分の悪い賭けだ。誰も幸せにせず後味の悪い結果を残すだけかもしれない。
しかしやらなければならないそのために自分は生まれたのだから。
「皆さん自分こと須賀家の須賀京太郎は・・・」
そして
「神代家に宣戦布告をを申し上げます」
火蓋を切って落とした。
※
誰もがこうなるであろう日が来るのを知っていた。誰もがこうなる日を来るのを恐れてきた。
「京太郎・・・やっぱりやんなくちゃだめですかー」
そういって真っ先に声を上げてくれたのは初美さんだ。
「今なら聞かなかったことに出来るのですよー。みんな仲良く今まで道理仲間としてやっていけるのですよー」
優しくこちらを諭すような声を上げる。正直その提案に乗りたいと思うのだが・・・
「あいにく無理なんですよねー」
「なぜですか!!」
そうやって声を上げて叫ぶのは俺に宣戦布告を受けた姫様だった
「須賀家はもう京太郎さんを除いて滅んじゃってるじゃないですか。分家もないのに宣戦布告だなんて・・・」
そう神代家と須賀家は古くには国の神事を巡り骨肉の争いをしていたのだ。だが分家は早々に滅び去り、本家である須賀家のみが残り代々こうやって宣戦布告をしているのだ。
「京太郎さん分ってるんですか。京太郎さん負けちゃったら死んじゃうんですよ。私たち家族のように育ってきたのに・・・」
そうこの戦いに負けたならば自分は死ぬのだ。勝負形式はお互い6女仙での6対6での勝ち抜き戦。受けて立つ方の神代家は負ければ神事の権利を全て須賀家に移し渡すのみであるが、挑戦者である須賀家が負ければ命を持って対価を払う。古来よりのルールだ
「大体1対5で勝てると思ってるんですか。私たち5人に1回でも負けちゃったら終りなんですよ!!」
「なーに本来1対6なんだからそれに比べれば勝ち目は大きいですよ」
そう本来ならば十曽家も交じっての1対6になるはずのこの戦い。仕掛けるならば今しかない。
「ねえ京太郎一つ聞いてもいいかしら」
そういうのはみんなのまとめ役の霞さん。怒ったような、悲しんだような、絶望したような、あるいはそれらすべてを混ぜたかのような表情をしていた。
「あなたが命を懸けてまでこの戦いに挑む理由は何?先祖の悲願?それとも名声?」
神も降ろすことが出来ないほどに血が薄まったあなたが私たちにとって代わってどうするのか。そう表情で聞いてきている。
「別に俺は勝っても神事なんて行えませんし、名前だけ変えるだけでいいですよ。神代家は須賀家に嫁入りという形で下についてもらいます。後そうですね。戦う理由というやつは・・・」
思い出す母の姿を。戦いに敗れ父を失い、己の手では俺を育てきれず。本来敵である神代家に須賀家の血の解明という名目で俺を預けるしかなく歯噛みする姿。そして苦しみのあまり自ら命を絶った姿を。
「・・・内緒です。もう俺たち敵ですから」
「はぁ。、分ったわ。神代家に代わって分家の石戸家としてこの勝負承りました。それで何で戦うの?弓?空手?それとも麻雀が良いかしら」
勝負内容は挑戦者のこちらが決める。同じ内容で5回こちらが勝ち抜けばいい。
「何そちらが得意な内容で決めようとしてるんですか。ちゃんと俺が決めますよ」
「なら早く決めてよね。言っておくけど私たち京太郎に何一つ負ける気がしないから」
霞が今までになく怒っている。当たり前だ石戸家として負けるわけにはいかず、そして勝てば俺を殺してしまう自分の中でこの勝負勝ちたくもなければ負けたくもないのであろう。
しかし石戸家として、そして石戸霞として殺すのならば自らの手で。そうも思っているようだ
「そうですねでは・・・」
もったいつけながら言葉を紡ぐ。ほとんどの勝負ならば自分は彼女たちに勝てない。ならば運任せならばどうかというとそれも勝ち目はほとんどないであろう。彼女たちの運は自分よりも強い。まして5回連続など勝ち目はないであろう。
ならば彼女たちも自分も経験のない勝負かつ自分が有利な勝負ならば。
「性交で勝負しましょう」
※
「せっ性交って何言ってるのよ京太郎君」
そういって顔を真っ赤に染めながら言葉を発するのは巴さんであった。
「そ、そんな破廉恥な勝負方法じゃなくたって・・・」
「ほかに勝ち目なんてありませんよ」
そう彼女たちは巫女として清廉潔白として育てられたのだ。下的なことならば自分にも勝ち目はあるはず。
「それでどうやって決めるんですか?」
とは性行とは何かわかっていなさそうな姫様である。そんな様子に思わず微笑んでしまう
「それじゃー夜のの10時から朝の6時まで閨事を行い。俺がそれぞれ決められた暗号を皆さんから聞き出すことが出来れば俺の勝ち。聞き出せなければ負け。不正防止のためビデオなどを使い録画してそれを確認するというのでどうでしょうか」
「録画されるのは恥ずかしいけど・・・わかったわ」
「じゃ順番はそちらで決めてくださいね」
そういって食事の場から立ち去る。俺たちはもう敵同士なのだ。
そして順番は先鋒滝見春、次鋒狩宿巴、中堅薄墨初美、副将岩戸霞、大将神代小蒔となったそうだ。
命を懸けた男女の睦事が始まる
しょっぱなからエロが無くてすいません。できればエロく思える作品を作っていきたいと思います