兵藤一誠の朝は普通だ。誰かに起こして貰うことなく七時にセットした目覚ましで起床する。
兵藤家には一誠の彼女であるリアスや、部活仲間であり友達であるアーシアが一緒に住んでいる。リビングに顔を出すと一誠の両親と仲良く談笑をしているリアスがいた。
「おはようリアス」
学校や部活では部長と呼んだり敬語で話したりする一誠だが、家では両親の目もあるので俺には彼女がいるのだと見栄を張りたいという気持ちからリアスの事を呼び捨てにしている。
「えぇ、おはようイッセー。今日も良い天気ね。体育日和かしら」
「あ、リアスも体育があるんだ。ってあれ? アーシアは?」
「アーシアなら今日は先に出たわ。学校の用事があるみたいよ」
「そう……ま、学校なら大丈夫か」
少し世間知らずな同居人であるアーシアへ心配の気持ちを寄せたが、それは直ぐに消えた。取り敢えず、腹が減ったからまずは朝飯だとばかりにテーブルにある食事に手を伸ばした。
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学校での一誠の評判は最底辺にある。
彼とその友人たちは覗きや盗撮を繰り返すだけでなく、公共の場である教室で平然とエロ本の鑑賞をしたりしているのだ。何度注意しても直らず、今や周りは彼らへ注意するのを諦めている。
「おっす」
「はようイッセー」
「今日はとっておきのもんがあるんだぜ」
今日も普段と変わらず彼らは猥談を大きな声で始める。
結局イッセーはアーシアが教室にいない事には気付かず、彼女が朝のホームルームギリギリにクラスメイトである御手洗隆と一緒に教室にやって来た事にも気付かなかった。
彼がその事に気が付けば怒っていたのだろうが、彼は気が付かなかったのだ。
というのも純真なアーシアだからこそ、一誠ほどではないが(特に最近は)何かと噂の絶えない御手洗と一緒だと、何かあったのではないかと一誠は考えてしまうからだ。
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「冬の体育ってマラソンばっかでダルいよなぁ……」
「文句言っても仕方ねぇよ……」
ダラダラと喋りながら友人たちと肩を並べて走る一誠。女子たちを視姦するのが彼らの体育でのお楽しみだが、冬の体育はジャージを着るのが常なので全くもって楽しくない。
悪魔になった一誠は体力だけは有り余っているが、やる気は以前と変わらないので友人たちと喋るしかない。
「イッセーは良いよなぁ。あのリアス・グレモリー先輩とアーシアちゃんと同じ屋根の下に暮らしてるんだもんなぁ」
「もしかしてラッキースケベとかしちゃってたり?」
「いやぁ……俺もしたいけど、両親が家にいるから怖くてできないんだよなぁ」
「あー……ドンマイ?」
「うっせー」
男子よりも周回する数の少ない女子たちは彼らの話を聞いて更に白い眼を彼らに向ける。その中にはアーシアもいるのだが、彼は気づかない。
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「じゃあ飯にすっか」
「早く食って、さっきの続き話そうぜ」
「そういえばイッセーの弁当ってアーシアちゃんがまだ作ってくれてるん?」
「それが前まではそうだったけど、今は違うんだよ。何でももっと料理の腕が上手くなってからだって」
「かぁー、羨ましいなこいつぅ」
教室の机を動かし、彼らは何時ものように談笑を続ける。それぞれが持ち寄った昼飯と学校には似つかわしくないエロ本。当然のように置いてあるが、それを見た女子たちは彼らから距離をとっている。
オカルト研究部に所属している一誠だが、最近はまたこうして友人たちと昼飯を摂るようになった。前までは部室で部活仲間たちと談笑していたのだが、今は女子だけで話をしたいからと一誠の出入りは禁止になっている。
一誠は同じようにオカルト研究部に所属している木場裕斗や御手洗隆も禁止だと思っているが、実際は御手洗と一緒に食べたいからだということに彼は気づかない。
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「部長、風邪っすか? 顔が赤くなってますけど」
放課後、友人たちと別れた一誠は部活に顔を出していた。
研究部という名前だが、実際はそんな活動はしておらず只々喋っているだけだ。それぞれが持ち込んだお菓子を食べながらの談笑は一誠にとっても楽しく、彼女であるリアスと顔を合わせられる時間でもある。
一誠のちょうど向かい側にいるリアスの顔が赤く、風邪だったら大変だと声を掛けたが、リアスは平気よと手を振った。
「あれ? 御手洗の野郎もいないっすね。あいつここの所毎日顔を出してたのに珍しいこともあるもんっすね」
クラスメイトであり、部活仲間にもなった御手洗がいないのに気づいた一誠だったが、それだけだった。彼にとって今日も平穏な一日だった。
ただ何となく、書きました。
本当は以前のように一誠の前なのにエロいことされてるって感じのを書こうと思ったんですけど、なんか筆が乗らなかったのでこうなりました。