文字数は2000弱ですが、前々から書いてみたかった新入生たちからの視点?です。
駒王学園に入学した新入生たち。
1つか2つしか変わらない先輩たちが大人びて見える彼ら。話の合う者たちがグループを形成し話している内容は美女、美少女についてだった。
「俺、アルジェント先輩が気になるわ」
「オカルト研究部とかいう怪しい部活の部長さん?」
「そうそう。なんかあの儚げな雰囲気なのに妙に色気があるのがヤバい」
「あー、その先輩付き合ってる人いるらしい」
「マジかー。まぁ、あれだけの美人が付き合ってないとかないよなぁ」
「その付き合ってる男、噂によればハーレム築いてるらしいぞ」
「「「は?」」」
昼休み、彼らは机を集め、各々の昼食を食べながら雑談を続ける。あの人がどうとか、この人がどうとか。
彼らにとって先輩となる最上級生のアーシア・アルジェントが話題に上がり、その流れで彼女と付き合っている御手洗の噂が出てきた。
「アルジェント先輩以外にも、先輩と仲の良い紫藤先輩やゼノヴィア先輩とかも御手洗とかいう先輩の彼女だって聞いたぞ」
「嘘だろ? 3人と付き合うとかどんなイケメンだよ」
「俺その人見たことあるわ」
「どうだった?」
「普通」
「え?」
「マジで普通としか言えない男なんだよ。なのに、その3人とそれ以外の美少女たちと仲よさげに歩いていたぞ」
御手洗を見たという彼が見たのはつい先日のこと。
学園内にある購買で昼食を調達しようと廊下を歩いていたら、御手洗のグループが前から歩いていた。
御手洗たちは昼食を学園内の外れにある旧校舎、もっというならその中にあるオカルト研究部の部室で取ろうと歩いていたのだ。
アーシアを筆頭にイリナやゼノヴィア、白音やレイヴェルたちとイチャつきながら歩いている光景は2年と3年にとっては見慣れたものではあったが、新入生の彼にとっては異質な光景に映ったから記憶に新しい。
「普通な男が付き合えるなら俺でもワンチャンあるか……?」
「ないない。あれだけイチャついてるの見せられたら無理だわ。今度見てこいよ」
「えー、マジかよー」
彼らは御手洗という男への不満を口にしながら昼休みを過ごした。
☆
「申し訳ありません。現在、オカルト研究部は新入部員を募集してないんです」
放課後、昼の彼らとは別の新入生たちがオカルト研究部を訪れ、入部させてくれと話をしていた。
部長のアーシアは形の良い眉を歪め、困った顔で彼らへお断りを口にする。それでも彼らは諦めきれず、仮入部でもと迫る。
オカルト研究部と名前こそ怪しいものの所属しているのは誰もが認める美女、美少女たちばかり。少しでも彼女らとお近付きになれたらと彼らが多少強引に出てしまうのも無理はなかった。
「おいおい、アーシアは断ってんだろ? お前らも諦めろって」
部室を訪れた部員の1人である兵藤一誠が新入生たちに呆れた様子で声を掛ける。
彼らは声の方へ振り向くが、声の主が一誠であると見ると眉をひそめた。
「うわ、兵藤先輩じゃん」
「あれが駒王の三馬鹿の1人……」
数週間前に入学した彼らの耳にも届く兵藤一誠とその友人の変態の所業の数々。先輩だとしても嫌悪感は隠せなかった。
「おい、なんだよその反応」
「あはは……」
彼らのその反応にアーシアは苦笑いを浮かべるしかない。かつては恋心を抱いていたが、冷静に考えると兵藤一誠の過去は酷いもので、聖女と崇められた過去を持つアーシアでも彼らの反応に注意は出来なかった。
「アーシア、何をしてるんだ?」
部室の外が騒がしいのに気付いたのか、部室の中から昼に別の彼らが普通と称した御手洗が顔を覗かせた。
変態の兵藤一誠と普通の男の御手洗が部員なのに何故自分たちは入部出来ないのかと新入生たちの中に不満の火が点く。
その空気を感じ取った御手洗はアーシアの手を取り、自分の背へ隠す。
「兵藤、彼らはお帰りだそうだ」
「……おう」
御手洗のアーシアへの行動に気になるものがあった一誠だが、確かに御手洗の言う通りにこのまま彼らと話をしていても埒が明かない。
スマホを取り出し、顧問であるロスヴァイセへ連絡する。
「あっ、先生? 部室の前に新入生がいるんですけど。うちは新入部員を募集していないのに彼らしつこいんです」
そんな一誠の声に焦った彼らは忌々しげに御手洗と一誠を睨むと立ち去っていった。
去って行く彼らの背中を見る一誠の手の中にあるスマホの画面は真っ黒なまま。電話したわけではなく、しているフリをしただけだった。
「ありがとうございます。隆さん、一誠さん」
同じ呼び方でも愛称と名前とで込められた熱や意味の違う一誠とイッセー。かつてはイッセーと親しげに呼んでいたアーシアだったが、今では一誠と部活仲間で同僚としての意味でしかない呼び方だった。
背中に隠したアーシアの手を取りながら部室へ入る御手洗と嬉しげに手を引かれるアーシアを見て複雑な一誠だった。
アーシア贔屓なせいもあるけど、アーシアから一誠へNTRを仄めかす文を書くの楽しい。
ゼノヴィアってクァルタ以前の姓ってなんなんだ?
遅まきながらに明けましておめでとうございます(ひと月遅れ)今年はエロの有無にかかわらず本作を書けたらなと思っています。原作はまとめて買ったので、それも燃料になってくれれば……!