※この作品はR-18です。

性的経験表   作:灰の熊猫

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安宿にて(前編)

「そら、お嬢ちゃん。何やってんだ、こっち来いよ」

「……っ」

 

 夜の帳が降り切り、月下に鳴く梟の声がやけに大きく聞こえる最中、ある安宿の一部屋で小さな灯りが灯っている。

 部屋の隅の小机に置いてあるランプの火、明かりの届く傍にある粗末な寝台、そこにシャツを脱いで座り込む壮年の男、そして明かりの届かぬ部屋の扉付近で立ち尽くす影。それがこの簡素な部屋の内の全てだった。

 男の声を受けて、影が光の内へと入り像を成す。そこに居たのは、まだ年若い少女だった。

 女性らしく伸ばされた茶の長髪を青いリボンで一纏めにし、未だ幼さを残す顔は苦々しく歪められている。白いシャツの長い裾の下には黒い股引(スパッツ)が覗き、シャツの上から革の軽鎧を着ている姿は、軽装ながらも彼女が冒険業に関わる者である事を示している。

 

「おいおい、なんだよその顔。お嬢ちゃんから誘ったんじゃねえか」

「……そう、ですけどっ……」

 

 同じ宿の部屋に居るにも関わらず、二人のやり取りはは世辞にも仲が良いとは言えない。それどころか、二人は今日出会ったばかりだった。

 二人の関係は、冒険者の少女――アイシャが、この宿に泊まろうとしていた男に声をかけた所から始まった。

 ”何も聞かず、あたしの一晩を買って下さい”。そうアイシャは頬を染めながら、飾り無く率直に男へ切り出した。

 

「ケッコー売ってんのかと思ったけど……その調子じゃ、まだ慣れてねえのか?ん?」

「……き、聞かないで、ください」

「ん?……ははぁ、そういう事か」

 

 男の不躾な言葉に、アイシャは顔を俯かせて震えさせる。それがそのまま答えになっていた。

 冒険者稼業は水物だ。自分に合致した依頼が回ってくる事も、請けた仕事を完遂出来るかも、十分な報酬を得られるかも、全てが運によって左右されてしまう。現にアイシャは、こうして見ず知らずの男に春を売る程には困窮していた。

 そういった女を買うのは、男にとっては久し振りでこそあれ、然程珍しい事では無かった。

 

「ま、そこで突っ立ってても始まんねえし。ほら、ここ座れよ」

「……はい」

 

 隠し切れない不安が顔に張り付いているアイシャへ、男は自分の座るすぐ横へ座る様に促す。それを受けたアイシャはおずおずと男の傍に腰掛け、再び顔を俯かせた。

 自分から身体を売る態度では無いが、却ってそれは新鮮味でもある。少女の容貌は少々若すぎるも、十分に整ったものだった。

 売女であれば欲のままに食い荒らしても良かったが、生娘であればその味を楽しむ方が良い。これから少女を今夜どう扱うか、その予定を決めた。

 

「んじゃ、脱いでもらおうか。まずは上だけな」

「……っ、わかり、ました……」

 

 男からの最初の命令に僅かにアイシャは躊躇を挟むも、すぐに言われた通りに手を動かし始める。

 コルセット状の革鎧の結び目を緩め、肩当てと共に胴を覆っていた鎧を持ち上げる。その際に服越しに抑えられていた胸部の突き出した膨らみが引っかかり、鎧が抜き取られると同時に擦れた胸が上から下へと揺れ、男の目を惹いた。

 

「へえ……いいモン持ってんなあ、お嬢ちゃん」

「……っ」

「どうした、褒めてんだぜ?」

「……はい、ありがとう、ございます……」

 

 意図せず男へ自らの身体をアピールした様な形になった事にアイシャは頬を染めるも、それでいちいち手を止める訳にもいかない。

 アイシャは外した革鎧を床へと落とし、続けてシャツの裾に手をかける。が、シャツを完全に脱ぎ捨てる直前、裾を胸の上にまで持ち上げて下着を晒した所で、男はアイシャの胸に自らの顔を近付けた。

 

「なっ、やっ――」

「そのままだ。そのまま、じっとしてな」

「っ」

 

 シャツを脱ぐ寸前、上半身を晒した体勢のままでいる事を命じられたアイシャは、裾を首元辺りで握ったまま姿勢を留めて体を強張らせる。

 そんなアイシャに対して男は、いきなり下着越しの左胸に口を付け、右胸に右掌を当て、口と右手を動かし始めた。

 

「――っ、ふ、ぅ……」

 

 男の唇が動き、胸を下着越しに甘噛みする。同時にアイシャの右胸に掌を沈ませながら、撫でるような手付きで動かしていく。

 男の口調や雰囲気から、乱暴にされるだろうと構えていたアイシャにとっては、予想外の緩い愛撫に鼻から吐息が漏れる。

 とはいえ、このぐらいの刺激ならば耐える事も容易だ。アイシャは男からの愛撫に対して声を出さないよう、上げた服の裾で口元を覆って閉ざした。

 

「……ふ、ぁっ――んっ、く……」

 

 そんなアイシャに構う事無く、男は愛撫の手を少しずつ早めていく。

 右掌は下着をずり上げ、直接胸を触り始める。それに伴い唇の動きも変わり、探る様に唇を下着の上で動かし、胸の頂点を感触だけで見つけた所で唇で緩く挟む。

 男の広い掌からも溢れる程に豊かなアイシャの胸を、男は右掌全体で弄んでいく。下から持ち上げる様に掴み、深く指を沈み込ませて感触を楽しみ、乳輪を指でなぞる。

 少しずつ男の愛撫は、感覚に訴えかける様なモノへと移り始めていた。最初はアイシャもただ擽(くすぐ)ったいと感じるだけだったが、今では油断すると高い声が鼻から漏れ出るようになっていた。

 

「んうっ!?……あっ、う――ひゃうっ……!」

 

 アイシャが自分の声を抑える中、唐突に男が左胸の乳首を吸い出し始める。

 乳首を引っ張られる感覚に、思わずアイシャは口を開いて声を上げてしまう。慌てて口を閉ざすも、続けて男は乳首に歯を立てて弾き転がしてきた。

 下着越しである事が強い刺激を僅かに遮り、却って適度な性感としてアイシャを煽る。アイシャから声を引き出した事に気を良くした男は、音を立てる様にさらに激しく胸を吸い始めた。

 

「あっ、ひ、ぅんっ……はっ、ぁんっ、ぅうっ……!」

 

 アイシャの右胸を弄る男の右手も、左胸に吸い付く口に合わせて動きが大きくなっていく。

 右胸全体を広く触れていた掌は腋下と胸の中間から胸下に至るまでをなぞりつつも、時折胸を下から撫で上げると共に乳輪や乳首を指の爪で擦る。

 男の手が動く毎に、アイシャ自身ですら知らない感覚がその度に胸の奥から湧き上がってくる。意図せぬ甘い声が閉じ切れない口先から出ていき、背を後ろへ反らしながら股を締めて感覚を耐える。

 男の手によって、気持ちよくされている。突き付けられている現実に、アイシャはただ止められない声を少しでも抑えようと服の裾を強く握るしか出来なかった。

 

「――んぁっ!?」

「お、もうちょっと濡れてんじゃん。ビンカンだなぁ、お嬢ちゃん」

 

 なんとか耐え凌ごうとしている身を固くするアイシャに対し、男は顔をアイシャの胸から離し、左手をいきなりアイシャの着ているスパッツの内側へと滑り込ませた。

 締めた股を強引に男の手が抉じ開け、その内に纏っている逆三角のショーツの頂点に男が触れる。すると僅かだが、触れた指先が湿り気を拾った。

 男による胸だけの愛撫を過敏に感じている事への証拠を文字通り手に取られ、アイシャはさらに血を顔へと昇らせていく。

 

「う、う……く、う、そこ、はっ……だめ、それっ……!」

「ダメじゃねえだろよ、ほら」

「ひぅ、んっ……!ん、んぅっ……!」

 

 男はアイシャの顔に向き合いながら、責める様に両手を動かす。

 右胸の外周沿いを強く揉みながら、左手でショーツの湿り気の中心に中指を這わせる。男の愛撫を受けたアイシャの身体は少しずつ”女”として、秘部を濡らす事で準備を始めていた。

 揉まれている胸の乳首は触って欲しいとばかりにぴんと立ち上がり、その柔肉を男の手で握られる度に弱い電流の様な感覚が全身へ奔り、力が抜けていく。

 ショーツ越しに触れられている秘部は疼き始め、閉じた脚の間から少しずつ雫が滴り、男の指をじわじわと濡らしていった。

 

「これならちっと強めにしても大丈夫だな」

「え――あぁっ!?は、ん、ぅうんっ!やっ、あ!」

 

 アイシャの反応からさらに愛撫を強くしてもいいと考え、男はさらに手を進める。

 男は左手の中指を立て、ショーツに浮き上がった筋を圧す。濡れて秘部に張り付いた下着は既に局部を覆う機能を半ば失い、秘唇の感触から肉豆の凹凸まで、全てを男の指に教えてしまっていた。

 男の中指が膣口を僅かに押し、その状態で振動を伝える様に指を揺らす。下半身は服を着たままにも関わらず、ほぼ直接的に秘部を刺激されるという異様な事態にアイシャは悶える。

 アイシャが目を白黒させている内に、さらに男の指は動きを変え、今度は中指で筋を上下になぞり始めた。

 

「あっ、ひゃ、んんっ――んぅっ!?や、そこ、はっ……!」

「やっぱ豆(こっち)のがいいか、んじゃ……」

「やあっ!だめ、だめだめっ、あたしっ、それっ――あぅっ、ん!」

 

 間近でアイシャの表情を見ながら、男は秘部に中指を這わせていく。その中でも特に反応を返す一点、筋の真上に点在する突起を男は重点的に責め始めた。

 爪の先で擦る、指先で押し込む、指の腹で撫でる。不規則に手管を変える男の愛撫に、アイシャは口元に当てていた裾も離して明らかな喘ぎを見せてしまう。

 さらに閉ざしていた両脚からも力が抜けており、今では丁度男の手を受け入れる様に掌一つ分のスペースが股の間に開かれてしまっていた。

 

「あっ、ぁ、ぁんっ!声っ、出ちゃっ……!」

「いいじゃねえか、聞かせてくれよ。ま、こんな真夜中じゃ宿中に聞こえちまうかもしれねえけどな」

「ッ――や、あっ……ンッ!」

 

 アイシャは脚の爪先までを震えさせ、声を荒げて男の愛撫を受けていく。が、男の一言で自分の今居る場所を思い出す。

 この安宿で部屋同士を仕切るのは、ただ木に板を貼り付けただけの薄壁一枚だ。扉に至ってはさらに薄いだろうこんな場所では、高い音はどうしても伝ってあちこちへと聞こえてしまうだろう。

 今この宿で休む人間が何人かはわからないが、それでもゼロという事は有り得ない。そう冷静な結論がアイシャに慌てて口を噤ませる。

 だが、それを男が良しとする事もまた有り得なかった。

 

「聞かせてくれ、っつったんだぜ?意地悪なお嬢ちゃんにはオシオキが必要だなぁ」

「ンッ、んううっ!?あ、や、やぁっ!そこ、さわられたらっ……!」

 

 男は左手でショーツを横へずらし、人差し指と親指でアイシャの肉豆を直接摘む。

 二本の指は痛みを感じないように絶妙な力加減で、肉豆を転がす様に擦り始めた。

 

「触られたら、どうだ?痛いか?」

「あッ、はっ、あ!や、やぁっ、ぐりぐり、しな――はぁあっ!」

「痛いわけねえよなぁ、こんなヨダレダラダラ垂らしておいて、よ」

「んんぅッ!」

 

 男はアイシャの心身を追い詰める様に、詰りながら左手を動かしていく。

 事実として、アイシャは明確な性感を感じさせられていた。刺激を受け続けていた肉豆は乳首と同様に尖り、男に弄りやすい様に硬く主張している。

 女陰からはとめどなくとろとろと愛液が零れ落ち、スパッツとショーツをじわじわと塗り潰していく。背は既に反り切り、今にもベッドに横になりそうな程に上体は傾いていた。

 気持ち、良い。どうしようもない感覚の急流が、アイシャの理性を侵食し始めていた。

 

「んー……そろそろかね。一回イッとくか、お嬢ちゃん」

「え……やぁっ!?あ、ダメ、なか、は――あ、ぁ、あぁあッ!?」

 

 アイシャが性感を高めるの見て男は一旦指を肉豆から離し、代わりに中指を秘部の内側へと挿し込んだ。

 愛液が滴り柔らかく蕩けた肉の唇が、侵入する中指を待ち侘びたとばかりに締め付けて歓迎する。しかし男の指は締まる膣の力を物ともせず、そのまま内側を掻き混ぜ始めた。

 

「あッ、あ、ぁんっ!や、はぁッ!それっ、だめえっ!」

「おーおー締まる締まる。ホラ、もっと宿中に聞こえる様にヨガってやれよ」

「ん、ん……んぅぅッ!だめ、こんな、むりッ……やぁあ!」

 

 男の曲げた中指が細かく前後され、入口の辺りを激しく掻き分ける。既に男を受け入れる準備を整えていた秘部は、内側を掻かれる暴力的な快楽をアイシャに容赦無く伝えていく。

 それに加えて、落ち着いていた男の右手も再び動き始める。十分に膨らんだ乳首を強く摘んでは離し、その度にアイシャは背を震わせて悦を得ていく。

 蕩けた陰部を力で掻き回され、硬く凝った乳首を潰される。上下からやってくる悦楽に、アイシャは掴んでいた服の裾を離してしまい、嬌声を上げるしか出来なかった。

 

「そら、もうナカがヒクついてきてんぜ?もうイっていいぞ、お嬢ちゃん」

「んんぅっ!やだっ、やあっ、イきたく、ない、のにッ、あたしッ……!」

 

 さらに男は左の親指を肉豆に添え、中指の動きをそのまま肉豆にも伝え始める。ただ添えられただけにも関わらず、それが齎す刺激は鋭い性感となってアイシャの下半身を襲う。

 左手の動きに集中する為か、男の右手の動きはただ右胸全体を荒々しく揉むだけのものに変わったが、それでもなお高まったアイシャの性感は、その力強い手付きによって身体を熱くしてしまう。

 限界近くまで引き上げられた性感は視界を揺らがせ、全身を震えさせていく。今にも気を飛ばしてしまいそうな逃れられない快楽の中で、アイシャは子供の様に頭を振ってそれを拒む。

 しかし身体は既に熱の頂を目指して、逃げる事を放棄してしまっていた。

 

「そら、イけっ、イけっ!」

「あッ、や、ぁ――あ、ぁあっ、あぁぁんッ!!」

 

 ダメ押しに男は肉豆を親指と人差し指で強く挟む。それを切欠に、アイシャは大声を上げながら空へと気をやった。

 アイシャの身体は制御を失い、膝はがくがくと揺れる。その間秘部からは潮が何度か吹き出し、スパッツ全体が飛沫によって濡らされていく。

 快楽に呑まれて上体はバランスを崩し、アイシャはベッドへ倒れて背を預ける。絶頂によって締まる膣内はしっかりと男の中指を咥え込み、その太さと硬さから”異性”を感じ取った。

 

「はぁっ、はぁっ、ぁっ……う、ううっ……」

「ハデにイったなぁ、お嬢ちゃん。こっちもたまんなくなってきたぜ」

 

 目の焦点が戻り、意識が現実に引き戻される。身体には絶頂直後の疲労感の様な重さが纏わりつき、起き上がる事を本能が受け付けない。

 結局、男の思う通りに声を上げさせられてしまった。これだけ声を上げていれば、響いたのは廊下や隣の部屋どころでは無いだろう。遅れて羞恥が心の底から湧き上がってくる。

 そう考えながら天を仰いで脱力しきって横たわるアイシャを見下ろし、男は左手をスパッツから引き抜き、愛液のこびり付いたそれをこれ見よがしに舐め上げる。

 

「さぁて、と。前戯はもう十分だろ、そろそろお嬢ちゃんにも楽しませてもらわなきゃなぁ?」

「う……っ」

 

 アイシャが寝転んだままでいると、男はアイシャのスパッツを下着ごと足首までずり下げ、それから自身の服を脱ぎ始める。

 むわっとその場に広がる異性の匂いが、アイシャの鼻を突く。目にした男の毛深い肉体と性臭が、今からする事をまざまざとアイシャ自身に教え込んできている様だった。

 

「……あ、の……」

「ん?」

 

 下も脱ぎ捨てようとしている男に対し、アイシャが横になったまま声をかける。

 

「……あたし、その……初めて、なので……せめて、優しく……」

「……へへっ。わかってるって、忘れられない夜にしてやんよ」

 

 半ば諦めを混じえた声で、アイシャは男へ媚びるように哀願した。

 




【 盗賊見習いの時 ― 安宿 ― 冒険者 ― 金に困って ― ??? 】

「オーレクタ砂漠の魔術師」のアレからアイデアを得た短編です。
次回で最終回になるやもしれませんが閃光の様に眩しく燃えてイキ抜きます。
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