※この作品はR-18です。

性的経験表   作:灰の熊猫

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牢獄にて(中編)

「ん、ふうっ、ちゅ、んぅ、んんっ……!」

「あー、いい、あったけー……次は玉んとこ、舐め転がせ……」

「んむ……っ、ふ、むっ、んうう……!」

「おーい、手も忘れんじゃねーぞー。もうちょい強くしろー」

 

 男に言われるがままに、アイシャは目を虚ろにさせながら目の前で勃ち続ける肉棒の亀頭から根本、さらに陰嚢に至るまで、性器の全てを舐めさせられていた。

 それでいながら、左手は別の男の肉棒の表面を擦る様に上下する事を要求される。潤滑剤とばかりに掌に塗り込まれた先走りの半端な温さと粘つきがそれを助けていた。

 奉仕している男の股座から視線を横にずらせば、その先には隅に座って酒を小刻みに舐めながら、空いた手で自身の肉茎を掴んで握々(にぎにぎ)と自慰している先程の男が見えた。

 

「ふぅー、やっぱ女だな女、仕事の疲れにはコレだわ」

「最近結構な数が奴隷市に流されたかんなぁ。ったく、俺らが探して捕まえたってのにすーぐ外に行くんだからやってらんねえよ」

「……っ」

 

 アイシャは二つの睾丸を交互に口に含みながら、自分の奉仕を抜きに交わされている男達の会話を聴く。

 女、奴隷市、探して捕らえた。断片的な情報だったが、鈍った頭でもこの場所と拉致事件についての真相について察するには十分だった。

 この屋敷の持ち主による、人身売買。この街や近隣での目撃証言が無かった以上――あれば依頼にまで発展していない――、拉致された女性達はかなり遠くの街まで運ばれた上で、奴隷として売り飛ばされたのだろう。

 調査依頼を請けた身としては垂涎の情報であったが、捕まっている身としてはほぼ意味の無い――というよりは、事態の悪化を告げるだけのものだった。

 その推測が正しければ、このままでは自分も誰にも知られぬ土地へ飛ばされ、奴隷として売り捌かれるのだから。

 

「ちょっと口緩んでんぞー。そら、今度は咥えて吸えよな」

「もうちょい強く、あと早く擦れ」

「……んむっ、ちゅ、じゅるっ……んんぅ……っ」

 

 一瞬蘇った冷静な思考が、男達の命令に上書きされて掻き消える。言われるがままにアイシャは自分の口内へ男の肉棒を導く。

 唾液と性臭が混じり合った、濁った味が口一杯に広がる。嫌でも慣れてしまったその味に頭を呆けさせながら、左手の動きを早めた。

 慣れて、しまった。男達の味と臭いを舌と鼻で受け取りながらも、今のアイシャの口淫に躊躇は見られない。男への抵抗感よりも、そうしなければならないという義務感が勝っている。

 男の所有物(モノ)にされている、そんな感覚。それを受け入れつつある自分を考えない様に、ひたすらにアイシャは今しなければならない事――男を悦ばせる行為にのみ集中し直した。

 それこそが男の玩具(モノ)である事を如実に証明している、そう考える事はしなかった。

 

「うーし、そろそろいいか……おらガキ、ちょっと体起こせ」

「んぅっ……?」

「もっとだよ、胸張れっつってんだ」

 

 亀頭を咥えて雁首を舌先で擦り続けるアイシャに、咥えられている男が新しい指示を出す。アイシャは唇を尖端から離さないまま、顔を持ち上げて男を上目遣いで見つめるも、それだけでは足りなかった。

 これ以上体を起こせば、口を離さなければならない。それでいいのだろうか、また殴られたりしないだろうか。肉棒から少しでも口を離す、それだけの事すら今のアイシャは怖がる。

 最初は肉棒に口付ける事を躊躇していたのに、今では口を離す事に躊躇していた。その自分の変化に気付かないまま、おずおずとアイシャは肉棒を口から抜いて、右肘と膝を使い上体を起こす。

 唇から伸びる透けた糸が、肉棒の先へと垂れて暖かく濡らしていった。

 

「じっとしてろよー、ケガしたくなけりゃな」

「ひっ……あっ」

 

 そう言って目の前の男は、腰から幅広のナイフを抜刀する。また怒られる、切られる。ランタンの光を照り返す鈍い刃の色に、アイシャは顔を青ざめる。

 肩を縮めて震えるアイシャに対し、男は左手でその胸倉を掴み上げ、右手でナイフをかざす。そのまま男は、アイシャの伸びたシャツに刃を入れ、縦に引き裂いていった。

 そのまま男は裂いたシャツを両手で掴み、左右に引っ張って力尽くで破る。その下にある飾り気が無いアイシャの黒い下着が露わになり、その下着の中央にもナイフが添えられ、シャツと同様に千切られた。

 ふるん、と年不相応に育った両胸が床に向けて揺れ落ちる。隠す物が無くなった二つの柔肉に、欲にまみれた視線が突き刺さった。

 

「今度はそのでけえ胸押し付けな。挟むのはこっちでやってやるよ」

「……はい」

「あー、それ良いなぁ。そっち終わったら俺もしてもらうか」

 

 上半身を殆ど裸同然にされたアイシャは、言われるがままに頭を男の上体に預ける様にしながら、その真下で上向く肉棒に自身の胸を柔らかく乗せる。胸の間に挟まった男の肉棒が、びくんと跳ねるのを感じた。

 肉棒を柔い双丘に包まれた男は、突き出る形になっているアイシャの胸の側面を両手で掴み、左右から押して胸を寄せる。そうして隙間無く詰められた谷間に、男は強引に自身を前後させ始めた。

 

「おっ、ほ……あー気持ちいい……やっぱ、でけえ胸はこうじゃねえとなぁ……」

「ん、ううっ……はぁっ、んう……」

 

 男は夢中となって、アイシャの柔乳を揉みながらその谷間で肉棒を擦る。胸そのものを良いように扱われる中で、アイシャは安堵に近い感情を抱いていた。

 肉棒を口いっぱいに頬張らされ舐め回すより、ただ胸を掴まれている今の方がずっと気楽だ。鼻先は男の股間では無く腹に向けられており、呼吸をすれば間近の男の体臭を鼻の奥にまで感じる。

 だが、耐えられない訳ではない。恥垢の入り混じった性器の濃い臭いは生理的な嫌悪感を湧かせたが、腹から漂う男の汗の匂いは比べれば大したものではない。

 奉仕の最中に与えられた休憩にも等しい時間で、アイシャは薄く深呼吸を繰り返す。それと同時に男の臭いが鼻へ、肺へと流れ込んできた。

 

「あっ、ん、ふ……ん、う、ふぅ……」

 

 肉棒の熱と硬さが谷間の内側を押し上げる。両胸が男の掌で強く圧され、揉みしだかれる。深呼吸をする度に男その物の臭いが身体の深くにまで沁みていく。

 窒息寸前にまで苦しめられていた反動で、今のアイシャは男に身体をただ使われる感覚が心地良く感じられた。当初は寒気に近かった身体を触られるぞわぞわとした感覚も、男の肉棒・掌・匂いを強く感じていく内に変わっていく。

 肉棒が擦れて掌と指が沈む度に、ぴくんとアイシャの身体が無意識に跳ねる。もどかしさの中に混じる形容出来ない小さな刺激が小刻みに浮かび、アイシャは自身のあちこちに熱がぽつぽつと灯るのを感じた。

 

(……ぼーっと、しちゃう……)

 

 自分の意志による奉仕を一時休んだ事で生まれた余裕が、アイシャに”男”を強く意識させて惚けさせていく。

 まだ喉奥が薄らと覚えている痛みと硬さが、胸の間を行き来する感触に重なる。口の中に残る性臭と鼻先から吸い込む体臭が身体の内で混じり合い、濃厚に感じる男の臭気が頭まで犯している様な感覚を覚えさせる。

 これが、男。今感じられる全てが自分(おんな)とかけ離れた、そんな時間の中でアイシャは胸を揉まれながらも、何も考えず左手にあるもう一本の男根を擦る手付きを早めた。

 

「おっ、出るっ、出るっ……!」

「さっさと出せよ、こっちも胸使いてえんだから――くっ、いいぞ、もっと強く扱けっ……!」

 

 胸に肉棒を挟み込んだ男は自らの昂りに合わせ、両手で左右から胸を押し潰す。そうした上で腰を前後に揺らし、柔肉に埋もれた自身をより悦ばせる為に強く擦り合わせていく。

 これ以上無く膨らんだ肉棒から来る脈動が、アイシャの心臓の鼓動と合わさり溶けていく。肉棒が跳ねる度に自分の胸が高鳴る、そんな錯覚がアイシャの身体を火照らせる。

 左手に握る男根もまた、掌の内で熱を増していた。アイシャはそんな男達の熱に浮かされるまま、身体を男達に委ねて目を瞑り、精を待つ。

 すう。鼻の奥に、汗の匂いを誘い込んだ。

 

「出、る――うくっ!」

「んぅっ……!」

 

 胸を掴む男が射精と同時に、一際強くアイシャの胸を鷲掴む。谷間の内側で肉棒が大きく跳ねるのに合わせ、アイシャも小さく両肩を震わせた。

 白濁の熱を、心臓で感じる。火照り始めた身体よりも尚熱い種汁がアイシャの深い谷間に注がれていき、隙間を粘つきで埋めていく。

 出された。出されている。自分の喉に流し込まれた時とは違う、身体に精を吐き出される感覚を、アイシャは呆けながら受け取っていく。

 男の射精が終わり、少しずつ谷間の下へ精液が垂れていく。種がアイシャの身体を伝い落ち、しかし床には落ちぬまま、両胸から臍下へ向けてゆっくりと白い跡を残していった。

 

「はぁ、出た出た……良い胸だったぜ、嬢ちゃん」

「おい、出したんならさっさと下がれ。そら嬢ちゃん、ちょっとそっち向いて仰向けになれよ」

「んう……は、い」

 

 射精を終えた男は余韻に浸りながらも、手慰みとばかりにアイシャの胸をゆるく揉み続ける。

 しかしそんな男を、アイシャの左隣の男が諌める。その言葉を受けたもう片方の男は、渋々といった様子で膨らみから自分の両手と肉棒を離し、腰を浮かせてその場から一歩引いた。

 解放されたアイシャは、隣の男の言うままに身体の向きを変え、男に向けて足を向ける形で床に背を貼り付ける。そんなアイシャの胸の上を、男は跨いだ。

 

「んじゃ、きっちり挟めよ」

「……」

 

 アイシャを跨いだ男は腰を落とし、アイシャの胸の上に自らの男根を触れさせる。男の求めを聞いて、アイシャは自らの両胸を自身の手で割り開き、男根を収める柔らかな鞘を見せてみせた。

 それを見た男は満足気な笑みを浮かべ、未だ精液の残る胸板へ男根を置く。次に男は無言で顎をしゃくり、それを受けたアイシャは先程の男の様に胸を横から潰し、男根を谷間によって挟み込んだ。

 

「よっし、そのまま上下に擦れ。たーっぷり出してやるからな、喜びな」

「……はい……」

 

 谷間に残る冷め始めた精液に、収まった男根が再び熱を伝える。今し方に射精を終えた肉棒と同じか、あるいはそれ以上に太く熱を持った男根を、これ以上無いほどに肌で感じながらもアイシャは双丘を自分から動かし始めた。

 さっき男がアイシャを使(・)っ(・)た(・)時を思い出しながら、アイシャは掴んだ両胸で男根を圧し潰しながらも上下に揺する。自分の身体を男に押し付け、女の身体を使って媚びていく。

 張り詰めた男根が跳ねるのを、胸の内側で感じる。先程まで掌に擦られて悦びを得ていた男根は、女の象徴の一つを総身で受けながら最果てを望んでいた。

 

「あー、やーらけー……そろそろ出す、ぞっ……!」

「ふ、うっ、んんっ、ふぅっ……!」

 

 男根の底で抑えられていた欲望が脈を高め、男を獣に変えていく。ただ種を吐き出す、その一心が股間に意識を強く集中させて女(アイシャ)の柔らかさを愉しむ。

 男の昂りを感じたアイシャは、精液を油代わりに谷間を強く・早く動かしてそれを助けようとする。今のアイシャにとっては男を射精に導く事だけが全てであり、それ以上の思考は無駄な物として頭から押しのけていた。

 早く、早く射精して欲しい。それだけが、今のアイシャの望みだった。

 

「く、う、はぁっ……おッ!!」

「ひゃっ!?」

 

 献身的なアイシャの奉仕を受け、一気にやってきた射精感に従った男は、本能のままにアイシャの胸を両手で潰しつつ腰を強く突き出した。

 アイシャの手による横からの力に加え、男による縦からの力が柔肉の圧を増し、そこを滑る刺激によって男は絶頂を迎える。谷間の上方で破裂した欲望は、胸の隙間を抜けてアイシャの顔に向けて噴出した。

 唐突に胸を捕まれ、乳首に触れられ、顔に白濁を放たれる。一度に男からの欲求を押し付けられたアイシャは、瞼を伏せて精を防ごうとした。

 アイシャの胸から上に、白が散らされていく。首、唇、頬、鼻先。男の精が満遍なく自分をマーキングしていくのを、アイシャは目に頼るまでもなく感じ取った。

 

「――ふう。久々だからすげえ出たわ……ほれ、お前より飛んだんじゃねーか?」

「こういうのは勢いじゃなくて量と質で比べるモンだっての。俺のヤツのが濃いだろ」

「……は、ぁ……」

 

 一気に獣欲を吐き出し終えた男は、アイシャを跨いだままその場で立ち上がる。鈴口から精の雫が数滴落ち、アイシャの乳首の辺りを濡らす。

 気怠い疲労を覚えながら、アイシャは鼻先と唇に付いた精液を右手の指先で軽く拭う。たらりと掌へ下っていく精の感触に、もはやアイシャは何も感じなかった。

 口も、胸も、顔も、両手も汚された。胸の間で混ざった二人の精液は谷間で細い橋となり、べったりと身体に付いて離れようとしていない。男の欲望が、離れてくれない。

 何も、感じたくない。

 

「そら、まだ終わってねえんだ。勃たせてくれ」

「お掃除も立派な性奴隷のお仕事なんだから、ちゃんとやれよー」

「お、ならこっちもついでに頼むぜ」

「う……は、い」

 

 ぐったりと天井を見上げ続けるアイシャに、三人の男が迫って囲む。上、右、左。アイシャの周囲に立った男達は、奉仕を終えたばかりのアイシャに次を求めて急かした。

 一度の射精を終えても、どの肉棒も未だに萎えていなかった。アイシャにとっては逃避にすら至る苦痛であっても、男達にとっては単なる前戯に過ぎない。

 この先がある。この先が、迫っている。そうわかっていても、今のアイシャにはなるべくそれを考えない様にせず、起き上がって男達が掲げた肉棒にただ向き合う事しか許されていなかった。

 

「はぁっ、ちゅ、ん、じゅるっ……ん、んっ」

「あー、そこそこ、もっと裏筋の辺り……」

「こっちも待ってんだ、さっさと終わらせろよー」

「ちゅ、うっ……はい」

 

 床に膝を付いた姿勢で、棒立ちする男の股間へアイシャが顔だけを突き出す。

 先走りと精液でまみれた肉棒の根本から、アイシャは犬の様に伸ばした舌を這わせて舐め上げる。汚い部分を自分の舌で拭い、舌で届かぬ部分を唇で吸い上げる。

 男を待たせる訳にはいかない、しかし半端に切り上げる訳にもいかない。両方の望みを満たすべくアイシャは丁寧に、しかし手早く肉棒全体をしゃぶり回した。

 

「お待たせしました……んっ、ちゅ、れろっ」

「おっ、お……最初に比べりゃ、うまくなってんじゃねーか」

「んむ、ふ、じゅうっ――ありがとう、ございます……ちゅっ」

 

 次の肉棒は、最初に奉仕させられた男の物だった。最初に受けた行いを思い出し、アイシャは恐怖を覚えながらも肉棒に唇を寄せる。

 舌全体で肉棒を弾く様に強く舐める。キスをする様に肉茎のあちこちに吸い付く。亀頭を咥え、口内の頬を押し付ける。上目遣いで顔色を伺いながら、必死で男を悦ばせようとする。

 そんな懸命の献身もあいまって、男は心地良い表情を見せている。男の亀頭を口の中で丹念に舐め回しながら、アイシャは暴力を振るわれない事に安心した。

 

「おいおい、ちょっとサービス過剰じゃねえか。そら、俺のもしろ」

「ぷぁっ……はい――んっ、む、ちゅるっ、んんっ」

「あー、いいトコだったのになぁ……」

 

 暴力を恐れる気持ちが奉仕を余分にさせた事を指摘され、アイシャは口を離して隣の肉棒に顔を向ける。惜しむ男の顔をちらりと見上げて一瞬怒気が無いか勘繰るも、単に残念そうな顔を浮かべているだけで怒りは感じられない。

 アイシャは視線を目の前の肉棒に戻し、前の二本と同様に肉棒全体に舌を這わせ始める。どの肉棒を舐めるのも気持ち悪い事には変わりは無いが、それでも慣れはアイシャに奉仕への忌避を失わせていた。

 舐める、咥える、吸う、頭を揺らす。半ばルーチンワーク染みた口遣いが、肉棒の汚れを拭っていく。

 自分の口の中で、男が逞しさを取り戻していく感触がした。

 

「はー……おい、誰からヤる?」

「いつも通り、ジャンケンで恨みっこなしだろ」

「そういや処女だったなコイツ、ちょっと本気出すわ」

「う……っ」

 

 アイシャが男の肉棒を丹念にしゃぶっていると、その上で男達が相談を始めた。

 誰からヤるか。奉仕だけを考える事で目を向けない様にしていたこの先、性交。それを嫌でも思い出させられ、アイシャの心の底に押し込められていた恐怖が色を取り戻していく。

 今口の中に入れているモノが、今度は自分の股を裂く。初めては痛い、そんな事は聞くまでもなくわかる。こんな硬く太いモノを閉じた秘部にねじ込まれるなど、想像も出来ない。したくない。

 そんな葛藤も知らず、男達は互いに手の形を見せ合っていた。

 

「――うし、俺いっちばーん。いやー、処女とかいつぶりだろ、ちょっと楽しみだわ」

「ち、ンだよ……はぁ、俺が最初にヤりたかったのに……」

「さっき一番にしゃぶってもらったからそれでイーブンだろ……あ、勝った」

「げ、ラスかよ。とことん今日はツイてねーなぁ、チキショウ」

 

 アイシャが肉棒を舐め終わるより早く、男達の順番が決まる。どの男が最初なのかはわからなかったが、最初にアイシャへ暴力を振るってきた男が最後に回った事だけはわかった。

 この中で最も乱暴な男が最後に回った事を喜ぶべきか、結局は犯される事に絶望すべきか。着実に迫るその時に、アイシャの身体の震えが増していく。

 いやだ。助けて、助けて欲しい。一度取り戻した心の色から、泡の如き恐怖がふつふつと浮き上がってくる。その度に口いっぱいに広がる肉棒の味と、足に絡みつく枷と鎖の重さが逃れられない現実を思い出させる。

 ――犯されてしまう。定まらない心の内に、どうしようもない事実が確信となって形を成した。

 

「よし、もういいぞー。そこに立って、壁に手ぇつけ」

「……」

「返事」

「はっ、は、い……っ」

 

 奉仕されている男がアイシャの頭を押し、口淫を中断させる。眉を引き上げて膝を付き続けるアイシャに、男は高圧的な声を投げかけた。

 殴られる。その一声だけで蘇る幻痛と怖気に命じられ、アイシャはその場で立ち上がって壁に手をつける。無防備に背を向けるその女(アイシャ)の姿勢は、犯されるのを望んでいる様にも見える。

 アイシャが顔だけを振り向かせて男達を見れば、全ての視線が自分の下半身に向けられていた。

 

「もう服は邪魔だな……いちいちこっちがやんのもめんどくせえ、自分で脱げ」

「う、ううっ……」

「あ?なんか、言いたい事でもあんのか?」

「……わ、わかり……まし、たっ」

 

 アイシャの一瞬の迷いすらも、男はただの一音で潰す。慌ててアイシャは腰を締める革製のコルセットの紐を限界まで緩め、左右を繋ぐ紐の端を抜き取る事で胴から離す。

 コルセットを牢の暗がりへと投げ捨て、衣としての機能を無くした破れたシャツの袖から腕を抜く。袖を抜くだけでただ一枚の布切れとなった上着を、その裏で身体に張り付いていた下着ごと掴みアイシャは床に落とした。

 最後に、下履きに手をかける。これ以上ない程に男達の視線を感じながらも、アイシャはスパッツを股から脚へ向けてゆっくりと下ろしていった。

 

「……邪魔だな、裂くか」

「うっ……う、ううぅっ……」

 

 伸縮性のスパッツがアイシャの腰下から離れるも、足枷が邪魔となって抜き取る事は出来なかった。アイシャの脚が中途半端に閉じられるのを見た男は、ナイフを掴んでスパッツの裏側を縦に断つ。

 はらりと、身体を守っていた最後の布が失われる。染み一つ無い白い肌が全て男達の前に晒された事に、アイシャはこれまでで一番の羞恥を内心に浮かべて悶えていた。

 

「最近のガキは生意気なカラダしてんなぁ、いつでも犯して下さいって言ってる様なもんだろコレ」

「いやー、ちょくちょく奴隷市見てるけどここまで育ってるガキそうそういねえよ。いい拾いもんしたわー」

「ま、今からガキじゃ無くなるんだけどな。そら、ケツ出せ」

「……っ、はい……」

 

 後ろから投げかけられる一方的な品評。人間ではなく道具、女ではなく雌として扱われている、そんな恥辱を受けながらアイシャは顔を床に向けながら腰を突き出す。

 奪われる為に差し出す。男の願望という理不尽だけが、この場における唯一の法だった。

 もしかしたら自分が居なくなった事でギルドが応援を呼んでくれるかもしれない、助けがギリギリで間に合ってくれるかもしれない。自分でも有り得ないと思っている希望にすら、アイシャの心は縋る。

 そんな無意味な希望すら望ませぬとばかりに、熱を溜め込んだ太い竿の先がアイシャの秘部に添えられた。

 

「んっ、んんっ……や、あ……っ」

「んー……やっぱ初物はかってえなぁ、ギッチギチだわ」

 

 突き出されたアイシャの股座の中央に男は両手の指をかけ、下唇を広げて中央に尖端を突きつける。が、男は腰を突き出す事はせず、閉じた肉孔の感触を自分自身で確かめる。

 アイシャの肉孔は指をかけられても小指の先ほどにすら広がらず、殆どが硬く閉じたままだった。男が肉棒を前に動かせば、閉じた陰唇がそれを上に逸らす。

 しかし薄い秘部の肉は男の昂りを遮る事無く感じ、それだけでアイシャは小さく鼻息を漏らす。剥き出しの肉体に熱した性器を押し付けられる感覚が、アイシャの脚を内側に締めた。

 

「ま、しゃーねえ。ハジメテなんだしちょっとサービスしてやるか」

「えっ――ひゃんっ!?」

 

 そう言って男は一旦腰を引き、僅かに時を挟んでからアイシャの秘部に男の右掌が添えられた。

 ごつごつとした掌は精液とはまた異なるぬめりを持つ液体に濡れていて、アイシャの秘部全体に塗り込まれていく。ひとしきり掌が秘部を擦った後、男は秘部から掌をまた離した。

 何をしているのか、何を塗られたのか。気になったアイシャが男に顔を向ければ、そこには男が右手の上に自分の唾液の塊を落としている姿があった。

 

「いやぁ、俺が初めてで良かったなぁ嬢ちゃん。後ろのヤツとかだったら問答無用でねじ込まれてるトコだぜ」

「お前がまどろっこしいんだよ、女の穴なんて突っ込んで擦るだけのモンだろが」

「そんなんだからお前はいつまでも彼女出来ねーんだよ、サルか」

「あァ!?ケンカ売ってんのか、買うぞオラ!」

「う、くっ、んぅ、あっ……」

 

 再び唾液を纏った右掌がアイシャの秘部を覆い、全体へまぶしていく。その後ろの方では手持ち無沙汰に待ち続ける男達が口喧嘩を起こしていたが、その声は今のアイシャにはぼんやりとしか届かなかった。

 男の硬い掌が何度も自分の秘部を行き来する度に、自分の意志を超えて吐息の混じった声が鼻から漏れ落ちる。指先が秘部の上部、過敏な部分の周辺に届く毎に、擦れて伝わる僅かな刺激がアイシャの身体を小さく跳ねさせる。

 ただアイシャの股座を唾液で濡らすだけの単純な愛撫だったが、それでも男に身体を渡した事の無いアイシャにとっては、むず痒さの中に確かに秘められた物を意識させる物だった。

 

「ま、とりあえずこんなモンだろ。多少滑りがありゃ十分だ」

「……ひうっ……あっ、ああ……っ!」

 

 その感覚の正体をアイシャが自覚する前に、男は右手を引いて再び秘部に肉棒を添える。唾液を塗り込まれた陰唇の上を肉棒が何度も擦り上げ、アイシャは”女”そのもので”男”そのものを感じる。

 そうして肉棒が後付の水気を得た所で、男はアイシャの尻肉を掴み、両手の親指で再度肉孔を外へ晒す。今度は探りなどしないとばかりに、濡れながらも欲望の熱で滾っている男の歯牙が孔の真芯を捉えた。

 男を知らない孔は、未だ閉じられたままだ。しかし僅かながらも愛撫を受けた事で、完全に絞られていた筈の城門は男の硬い尖端に押され、鈴口の端だけは沈みかけていた。

 

「んじゃ、初体験と行こうや。なあに、これからいくらでもヤられんだ。すぐにでも慣れるぜ――そ、ら、ぁ……!」

「――ッ、あ゛、っぐ、うあぁぁっ……!」

 

 尻肉を掴まれ前にも後ろにも逃れられなくなったアイシャの下半身へ、男がゆっくりと、しかし力強く腰を前へ進める。アイシャの身体の必死の抵抗を、男は自分の力と欲望だけで無視してみせた。

 尖端が、最初にして最後のカーテンをあっさりと貫いた。身体を突き破るその痛みにアイシャが大きく呻くが、それすらも男は無視して肉棒を真っ直ぐ体内に沈めていった。

 

「あー、かって……ま、締まりが無いよかマシだが……もうちょっと力抜けねえのか」

「う゛、ぅ、わか、りま、せっ……い゛っ、た、ぃいっ……!」

「ったく、しゃーねーなー。すーっ――は、ぁーっ……!」

「あ゛っ、ん゛、うああっ……!」

 

 股から腹部にまで至る絶えない痛みが、アイシャの余裕の全てを無くしていた。男からの指示にも頭は回らず、歯を食いしばって瞼を強く絞る事しか出来ずにいる。

 痛い、痛い、いたい。殴られ蹴られた時とは明確に違う、秘部から走る激しい鈍痛。それを堪えるだけで目一杯であっても、男は肉棒を埋める事を止めようとしない。

 呼気と共に、男は腰を進める。痛みに竦む身体に合わせて閉まろうとする膣の道を、雄が割り開いていく。その度に開けたばかりの傷は削られ、痛みが鮮やかに蘇ってしまう。

 

「ふ、ぅーっ……くっそ、これ以上進まね。ま、十分か」

「あ、う、あ゛」

 

 身体の奥に近付けば近付く程、陰肉はぎちぎちと詰まっていく。それに阻まれた肉棒は結局三分の二ほどが埋まった所で、その場に留まった。

 抑える事の出来ない内側からの痛みと、下から太い柱で串刺しにされた様な異物感と圧迫感。痛みや苦しみを表現しようとしても、アイシャの口は声にならない声だけが発せられるのみで、まるでその機能を果たしてくれなかった。

 

「で、どーよ久々の初物は」

「硬いし狭い、全然濡れてねえ。まぁ犯してるって感じはするけど、それだけだなぁ」

「ゼータクな事言ってら。ま、何周かすりゃちっとはほぐれんだろ、ちゃちゃっと腰振れよ」

「へーへー。……せー、のっ……!」

「うぐ、んんっ……!や、あ゛、ぅあっ……!」

 

 好き勝手にアイシャの身体を評価した後、男は腰を揺すり始める。肉棒を拒んで引き締まる膣はそのまま強い繋がりとなって、男の腰の動きにアイシャの腰も引っ張られる。

 男が腰を引き、突く。引いては突く。前後に動く肉棒が、女の内側を抉っていく。痛みと辛さだけを齎す男の動きに、アイシャは時折息も忘れて濁音混じりの単音を絞り出していく。

 どんな抵抗も、男の力の前では無意味だった。身体の抵抗は肉棒を留めるどころか男にのみ快楽を齎し、心の抵抗は屈辱と暴力と現実に全てねじ伏せられている。

 どうにもならない、どうにもできない。落ちていくだけの不可逆の絶望の中で、アイシャは視界を点滅させた。

 

「ふっ、うっ、くっ……!あー、でも、たまにはこういうのも、アリッ、だなっ……!」

「うあ゛、あ゛、ふうっ、うっ!はやっ、つよ、あ゛、くぅ、ん゛っ!」

 

 悶え苦しむアイシャに構わず、男の腰のペースは少しずつ早まっていく。犯すという一心で突き動かされる肉棒は、幾度の往復を経てストロークの幅を増していった。

 最初は膣の奥側を揺らすだけだった肉棒が、今では明確に膣内を前後している。腹の内側で蠢く熱杭の動きを、アイシャは腹の中でこれ以上無く感じ取ってしまう。

 じわりと、腹の底から滲み出る感覚があった。それはただの身体の防衛反応に過ぎない、しかしアイシャには男へこれ以上無く屈した様に思わせる、そんな感覚。

 アイシャは自分の腹の底から、僅かにだが愛液が滴り始めている事を自覚した。

 

(やだっ、やだっ、こんなの、や、なのにっ……!)

 

 痛みは変わらない、腹の内から押し上げられる息苦しさもそのままだ。しかしそれでも男を受け入れて精を搾るという性の役割を、犯してくる肉棒は緩慢ながらもアイシャの身体に刻みつけていく。

 男とアイシャの粘液は膣内を着実に濡らしていき、力だけで強引に成されていた肉棒の挿抜の摩擦は薄れ始めていた。アイシャが拒んで嫌がる程、身体は傷みを和らげるべく愛液を出していく。

 自分の身体が、男の性交を助けている。自ら男を迎えているようなおぞましい感覚が、アイシャの心までも犯し始めていた。

 

「あぁー、めっちゃ締まるっ……オラッ、もっと嬉しそうに鳴け、よっ!」

「うあ゛っ!あ、うぁっ、あ、あ゛、ぁ!やあっ、やあっ……!」

「ったく、色気ねーなー」

 

 男が腰を振る度に、アイシャは悲鳴を上げる。男が悦に浸る程に、反してアイシャの苦しみも引き上げられる。

 この場における立場が、そのまま行為にも現れていた。男は望むがまま一方的にアイシャの身体を使って愉しみ、アイシャは望まぬそれを無抵抗に受け止めるだけ。

 この地下の牢屋のあちこちから聞こえてくる、奴隷達の声。その中の一つに、自分がいる。その認識がさらにアイシャの全身を強張らせるも、男の力任せの腰は一切止まらずにむしろ勢いを増すばかりだった。

 

「ふーっ、はーっ……そろそろ一発目、いっとくか……!」

「っ、く、あっ!だ、だめっ、だめっ!なかっ、なかはっ……!」

「奴隷(どうぐ)が一丁前に喋ってんじゃねえ、よッ!」

「うぁんッ!や、いやっ、やだぁっ、やああっ!」

 

 男の抽挿が激しさを増し、男は両の腿をアイシャの尻にぶつけて大きく音を立て始める。それは男が本気で絶頂を求める動きであり、射精に至ろうとする意思の顕れだった。

 その腰使いは拒み続けるアイシャの奥を突く以外の動きが無く、それは即ちこのままアイシャの胎の中に精を吐き出すつもりである事を示している。そこに来てアイシャの恐怖は、ついに明確な声となって喉から溢れ始めた。

 胎に精を受ける、それが意味する事を知らない訳が無い。こんな形で見知らぬ男の子供を作らされるなど、絶対に受け入れられない。その声が、必死に抑え込んできた懇願を形にしてしまう。

 しかし男が肉棒を強く突き入れれば、そんな物は何の意味も持たない無駄な事だと、アイシャの身体はただの一突きで再度思い出してしまった。

 

「オラ、出す、出すぞッ!諦めて、ナカで受け止めろッ……!」

「いや、いやいやっ、や、あ゛ッ!だめえっ、だめっ――んうッ!」

 

 男の腰が限界まで早められ、アイシャの尻肉が弾ける音が小刻みに響く。内側を擦られ腹を引っ張られる、それが数秒の間に何度も繰り返される。

 その最中で口や手、胸で何度も受けて覚えてしまった、肉棒が膨らみ大きく脈打つ感触が届く。必死の悲鳴も拒絶も、男達にとっては牢屋で奏でられる音楽に等しい。

 獣欲の昂りのままに、肉棒が動き続ける。びくびくと内側で震える雄芯は、決して離れようとしなかった。

 

「く、おッ――射精(で)るッ!」

「うあッ!?あ、ああっ、うあぁっ……!」

 

 その声と共に男はアイシャの背の上に自身の胸を乗せ、揺れる逆さの双丘を両手で掴み持ち上げる。その瞬間、アイシャの股に押し付けられた腰が震え、埋め込まれた雄が爆ぜた。

 河が逆流するかの如く、アイシャの奥へと向けて濁流が登っていく。そこに含まれた白の種が肉襞の隙間一つ一つを埋めていき、至った肉棒は快楽のままに何度も前へ突き出される。

 満たされていく。腹の中でじわじわと広がる熱が、身体を塗り潰していく。身体に熱を打ち込まれながら、アイシャの心はこれ以上無い絶望に冷えていった。

 

「く……おっ、ふぅ。ま、こんなモンかね」

「うあっ、あ、あぁ……っ、う゛、うう、うぅうぅっ……」

 

 アイシャの心裏とは裏腹に、男は射精の間アイシャの豊乳を自由に弄び、心地良い絶頂に独りで浸る。

 精を吐き終えた肉棒がようやく引き抜かれ、アイシャの秘肉の唇より白の糸が垂れ落ち始める。確かに内側に打ち込まれた精を身体の内外で感じたアイシャは、ついに大粒の涙を流して悲嘆に打ちひしがれた。

 こんな筈じゃなかった。少し情報を集めて、少しの金を得て、少しの生活の喜びを得る。たったそれだけを望んで、そして今絶望の淵にいる。

 流れ始めた涙は、留める心の堰を完全に失っていた。顔からはぽたぽたと心の雫が、股からは欲望の澱(おり)が床へ落ちて、濡れた石の表面が黒く染まっていく。

 それはそのまま、アイシャの心の色そのものだった。

 

「なんだ、嬉し涙か?どうよ、お友達より一足先にオトナになった気分は。嬉しいんだろ、なぁ?」

「……っ、は、いっ……うれっ……しい、ですっ……」

 

 背を覆う体勢のまま、男がアイシャに耳打ちしてくる。わかりきったアイシャの心情の真逆の言葉を強いれば、目の前の奴隷(おんな)は嗚咽混じりに応えてみせる。

 体も心も自分が踏み躙り、支配した。腹の底で渦巻く征服欲が満たされ、男は歯を剥き出しに嗤う。これこそが雄の本懐とでも思える、格別の酒だった。

 アイシャの答えに満足した男は、身体を離して一息つく。裸の少女が朱と白の混じった精を股から落とす姿は、純潔を自分が奪ったという証拠であり、それがまた背徳的な薄暗い感情を覚えさせた。

 

「やっと終わったか……オラ、さっさとこっちによこせ」

「……あークソ、やっぱ三番目とか待ってられっか。股は順番通りでいいから、口もらうぞ」

「そういうトコがサルだってんだろ……あんま喉(おく)突くんじゃねえぞ。壊(・)し(・)て(・)どやされんのは二度とゴメンだ」

「……ハァー。わーった、わーったっての」

 

 犯していた男がアイシャから離れると、待ち侘びたとばかりに時を置かず後ろの二人がやってくる。何か話しているようだったが、愁傷の只中にいるアイシャには、その声がやけに遠くに感じられた。

 終わって、終わらず、終わらない。堕ち続けるだけの絶望が、終わってくれない。腹の裏に入れられたままへばりつく精の熱が、無くなってくれない。

 

「っし、んじゃさっさとヤるか。オラ嬢ちゃん、いつまでもボケっとしてねえでこっち来い」

「うあっ」

 

 伸し掛かる様な疲労と喪失感でアイシャが壁に身体を預けていると、その肩を片方の男が強く引く。身体の力の殆どを失ったアイシャはそのまま、男の胸に倒れ込む。

 自分で動こうとしないアイシャを、面倒だとばかりに男は溜息を大きく吐いて、壁から離れた床に放り捨てる。雑に投げ出されたアイシャは、そのままうつ伏せに倒れてしまう。

 

「寝てねえで四つん這いになれよ、だらしねえなぁ」

「オラ、顔も上げんだよ。オレのモンしゃぶれねえだろうが」

「……う、ぅぅ……っ」

 

 床に臥したアイシャの頭側と脚側に男二人が座って陣取る。もはや返事をする余裕すらアイシャには無かったが、それでも命令には従わなければならない。

 のろのろと震える身体を起こし、両手両膝を立てる。まさしく男に尾を振る犬の姿だとアイシャは自覚し、また涙が一つ溢れる。

 つらい、くるしい、いたい。湧き上がる感情が、涙と共に心から剥がれ落ちていった。

 

「よっしゃ、んじゃ挿れるぞ。ちゃんと力抜けよー」

「歯ぁ立てたら今度こそ殺すぞガキ」

「…………っ」

 

 そんなアイシャの上下の口へ、また醜悪な二つの雄が構えられる。

 くちゃりと自分の股から届く濁った水音だけが、遠くなったアイシャの耳に届いた。

 




高速嬲(ナブ)ラー

文字数(やること)が……文字数が多い……!!
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