※この作品はR-18です。

性的経験表   作:灰の熊猫

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牢獄にて(後編)

「さて、じゃあ味見といく、かねっ……!」

「うあ゛っ、あ……!また、はいっ、てえっ……!」

 

 四つ足で這いつくばるアイシャの後ろから、滾る肉棒がゆっくりと挿し込まれていく。一度男が捩じ込まれた跡を、再び別の男が躙り始めた。

 塞がらない傷口が熱杭で灼かれ、白い陰水を注がれた肉壺が圧し貫かれる。アイシャの秘肉は依然男を強く拒絶しながら、しかし未だ内に残る種の残滓が男の挿入を助けていった。

 傷みに目を瞑り、身体を強張らせ、腿は内側に寄っていく。しかしどんなに必死で拒もうとしていても、男が呼気一つすれば腰は前に進み、その分だけアイシャの奥に肉棒が埋め込まれていく。

 ずぶりと、音の無い感触が腹の内側から届く。再び犯された、その実感がどうしようも無い無力感をアイシャの心底へ刻み付けた。

 

「あ゛、うあっ、はあっ……あ、あぁ……」

「オラ、何してんだ。咥えろっつってんだろがよ」

「くぅ、う゛っ――んむ、ふうぅっ……」

 

 疲弊した身体は先程よりも深く男を受け入れており、アイシャは肉棒の太さと長さをより鮮明に感じて身を捩る。だが、それに放心し続ける訳にもいかなかった。

 苛立ち始めている目の前の男の股間にアイシャが顔を寄せる。そのまま舌を這わせる前振りも無しに、鋭く象った雁首を唇で包み込んだ。

 男が溜め込んだ悪臭の中に、自らの唾液の味が混ざり合っている。汚らしい男根の味が少しでも薄れている事を喜ぶべきか、同じ男に再び媚びている事に悲しむべきか。

 本来は喜びなど欠片も浮かぶ筈も無い行為と状況。最悪な時間の中で、アイシャは少しでも良いと思える妥協点を探しながら、口の中の男根を舌で転がし始めた。

 

「かーっ、締まるっ……奥まで入らねえのは、ちと、もどかしいなっ……!」

「口は大分マシになってきたな……そら、もっと深くで舐めろや……!」

「んんーっ、んくっ……!ちゅう、んぅっ、んむぅ……!」

 

 狭い膣へと潜り込んでいる肉棒が蠢き始め、唇に包まれた男根の先が震える。どちらもがアイシャの身体を使い、アイシャの苦痛を自らの悦びに替えていく。

 二本の肉柱が上下を同時に犯している。まるで一本の杭が身体をまっすぐ貫いている、そんな錯覚の中でアイシャは必死に口の中の男根を少しでも深くへ導く。

 男の命令通りに深く咥え込んだ男根に強く吸い付けば、それと同時に後ろから突き立てられた肉棒が膣肉を押し込む。秘部の深くを圧迫される度に、口が止まってしまう。

 舐めなければ、吸わなければ、やらなくては。男への恐怖と焦燥が義務感となり、アイシャは無我で舌の届く場所全てを舐め回していった。

 

「おっ、おっ……!ちょっとは、よくなってきたんじゃねえか……!?」

「ヘッ、随分夢中になってしゃぶってんじゃねえか。そろそろチンコ好きになってきたか?」

「ぷは、あっ、んぁっ……!はっ、はいっ、すきっ、すきですっ……!」

 

 幾度もの抽挿の中でアイシャの膣が行為に慣れ始め、肉棒の行き来に必要な男の力が減っていく。それと同様に、アイシャによる口淫からも抵抗は失われ、奉仕の熱と勢いは増していた。

 ただ堪える、その一心でアイシャは行為と命令を受け入れていく。屈辱的な言葉を強いられれば、考えもせず求められたまま口は動いた。

 見え透いたご機嫌取り、そんな事は分かってはいる。しかしそれでも、自らの口から偽りの好意が発せられる度に、心の奥底の守るべき何かが零れ落ちていく様な気がした。

 

「そら、もっと股開け!挿れにくいだろうが!」

「はっ、はいっ……こうっ、ですかっ……!」

「よーしよし、そのまま閉じんな、よっ!」

「あうッ!あ、んあっ、ああっ!」

 

 震える脚を開けば、そこに肉棒が一際強く突き刺さる。捩じ込まれる肉棒の猛々しさに奥を揺らされ、あられもない声が口から飛び出してしまう。

 自ら開いた股が、より深くへ男を受け容れている。後ろから一突きされるごとに、固く閉ざされていた筈のアイシャの秘肉がこじ開けられていく。

 拓かれた肉壺が少しずつ深くへ貫かれては、膣襞を広いカリが引っ張り出そうとする。その繰り返しによって、最初は苦しみと傷みだけを訴えるだけだったアイシャの悲鳴の中に、違う色が混じり始めた。

 

「クチ止まってんぞオラ、離すな!」

「んむうッ!?ん、ぅ゛、ふむっ、ぅんっ!ぅ、んんっ!」

 

 アイシャが自身の声に違和感を覚えていると、後頭部が掴まれて前に引き寄せられる。それにより発声と共に離れてしまった男根が、アイシャの開いた口に再び飛び込んできた。

 また男の怒りのまま喉奥を突かれてしまう、そう考えたアイシャは慌てて口による奉仕を再開する。後ろから重ねて突き刺さる衝撃の数々を堪えながら、アイシャは懸命に口を動かした。

 多くの唾液で男根を濡らし、頭を前後させ肉茎を唇で擦り上げる。それに合わせて唾液混じりの空気が唇の隙間から抜け落ち、猥りがわしい水音がアイシャの口から鳴っていった。

 

「んんっ、ん、んぅ!あっ、ふっ、むっ!んぅうぅっ……!」

 

 股座に打ち付けられる肉棒の動きは早まっていき、アイシャの全身が揺らされる。咥え込んだ男根を離さない、ただそれだけを考えてアイシャは二人の欲情を受け止め続ける。

 その秘部への抽挿は、いまやアイシャ自身の愛液によって助けられていた。肉棒が膣全体を擦り上げる度に、肉襞からは汲み上げられるかの様に汁が漏れ出し、肉棒を濡らしていく。

 先に注がれた精液と混じった愛液が、膣の中で掻き乱される。ただ男を挿れるだけの器官と成り下がったアイシャの蜜壺からは、もはや隠す事が出来ない程に生々しく淫らな肉音が鳴っていた。

 

「んあっ、あ!っ、く、ううっ、んぅうっ……!あ、あ!」

「っし……ようやく、いい感じにこなれてきたなっ……!」

 

 男が快楽を一方的に貪るだけの、単純な往復運動。その苦しみに慣れてしまえば、アイシャの身体から浮かび上がってきたのは本能の発露――女の性感だった。

 腹の内側からぴりぴりとした刺激が昇ってくる。奥を圧される度に、膣内は何かを求めて疼きを見せる。頭ではどうにも出来ない、原始的な動物(メス)の反応。

 アイシャが望む望むまいに関わらず、男を受け入れ始めた身体は本能に従い、性交への悦楽を見出し始めていた。

 

(ちがうっ、ちがう、のにっ!きもちよくなんか、ない、のにっ……!)

 

 苦痛は続き、苦悶は絶えない。それでもアイシャの身体は反応を始めている。初めは肉棒を拒んで止めようとしていた秘肉は、今では自ら濡れて柔らかくなっていた。

 閉じていた膣奥も突かれ続けた事で、もはや子宮を皮一枚で守る程にしか機能していない。奥まで無遠慮に押し入る肉棒に対し、性器の殆どで媚びていく。

 腹の奥が、熱い。男の情欲の火が、アイシャの身体を焦がし始めていた。

 

「んむっ、ううっ、むうっ……!んっ、んっんっ、んっ!」

「おーおー、がっついてんなぁ。最初っからそうしてりゃいいんだよ、クソガキ」

「んん、ぅ……!は、ぅっ、んんっ……!」

 

 自分の下半身から走る電流から少しでも逃れようと、目の前の男根にしゃぶりつく。両手両足が床に付き、身体に自由が与えられていないアイシャにとって、縋れるのは口の中の男根だけだった。

 必死になって頭を振り、唇で吸い上げ、舌を動かす。散々やらされて教えられた通りに、男を悦ぶ行為を無心になって行い続ける。

 少なくともこうしている間は暴力を振るわれずに済む。こうしている間は、自分は助かる。

 こ(・)う(・)し(・)て(・)い(・)る(・)間(・)だ(・)け(・)が(・)、(・)自(・)分(・)の(・)救(・)い(・)だ(・)。そう信じて、頭を動かし続けた。

 

「っし、そろそろ出すかっ……!きっちり奥まで締めろよっ……!?」

「んんぅっ!ん、うっ、ふぅっ!ふあっ、ん、んぅうっ!」

 

 獣欲が駆り立てるままに、後ろの男がスパートをかける。精を吐き出し種を植え付ける、男の持つ原初の欲求が滾る肉棒を膨らませる。

 激しく膣を穿つ尖端がアイシャの上体までを揺るがす衝撃を与え、雁首が膣襞の一つ一つを逆撫でて擦っていく。それが男の力によって高速で繰り返され、アイシャの内に芽生えた女の感覚が積み重なっていく。

 ――おかしく、なる。それだけが、確信としてあった。

 

「イクぞっ、しっかり奥まで飲み込めっ……イくッ!」

「ひあッ――あっ、んうっ……!は、あぁあっ……!」

 

 その確信が形になるより先に、奥に押し当てられた肉棒の先から精が放たれた。

 先程も受けた、腹の内に熱がじわじわと染み込んでいく感覚。精液が自分の内側を確かに犯す、その感覚にアイシャは身体を震わせて声を上げる。

 気付けば目の前の男根から口を離していた。精を流し込まれながら喘ぎを漏らす、それだけにのみ意識が持っていかれる。

 前と同じ感覚を受けながらも、しかしアイシャの声からは前にあった絶望は薄れ、その代わりに火照った身体から転写された熱が吐息に混じっていた。

 

「ふー、出た出た。さっきまで処女だった割には、かなりいいナカしてんじゃねえか」

「マジかよ、さっきはめっちゃ硬かったぞ」

「女なんざそんなモンだろ、腰振ってりゃその内ヨガんだよ。つかはよどけ、次はオレの番だろが」

「ったく……まぁいいや、好きにしろよ」

「……あ、ぅ……」

 

 呆れて大きな溜息を吐きながら、アイシャを犯していた男が肉棒を引き抜いて離れる。身体の内側にぽっかりと穴を空けられた様な感覚のままに、アイシャの身体は床に崩折れた。

 呼吸を整えていく内に、秘部から白い雫が漏れ出す。自身の物ではありえない、どろどろとした粘液の温度と感触を認識する度に、男に穢されてしまったという思いが去来する。

 さっきまで手足を付けていた石床が、一段と冷たく感じられた。

 

「うーし、やっとオレの番か。そんじゃガキ、オレの上に乗れや」

「……え……?」

「え、じゃねーよ。上に乗って腰振れってんだよ、物分り悪ぃな」

 

 これまでアイシャの口で奉仕を受けていた男が、壁側へ寄って軽く背を預ける。行為の余韻で放心しているアイシャは、一瞬男から言われた事を理解出来なかった。

 男の上に自ら跨る。一方的に犯されるだけだったこれまでと違い、自分の意志で交わらなければならない。

 ここまではただ無心に押し付けられる行為を堪えるだけで済んでいた。だが、今度はその卑しい行為に自ら向き合い、男に自分の一番深くを差し出さなければならない。それは、今夜一番の汚辱だった。

 

「いつまでも寝てんじゃねえよボケ。殴んぞ」

「ひっ!ご、ごめんなさいっ、すぐっ、すぐしますっ!すぐしますっ、からっ、なぐらないでっ!」

 

 そんな葛藤も、男が不愉快そうに放った単語一つで浚われる。結局の所、自由の無いアイシャに取れる選択は男に従う事だけであり、逃れる事など出来なかった。

 重い身体を無理に起こし、這って男の前に近寄る。自分がしゃぶり回した事で血管が浮き上がる程に膨れ上がった男根を改めて目にし、一瞬迷いが蘇る。

 それを心の底で噛み潰し、アイシャは男に向き合って跨り、膝を曲げようとした。

 

「っと、向きは逆だ。こっちだこっち」

「ひゃうっ!……あっ」

 

 男根に秘部を当てるより前に、男がアイシャの胴を掴んで身体の向きを強引に反転させる。思わぬ事にアイシャは体勢を崩して、男の胸板に背を預ける形で倒れ込んでしまった。

 筋肉を纏う男の身体の硬さを背に感じながら、アイシャは男の股の上に座り込む。臀部の柔肉の隙間に猛る男根が押し当てられ、人の一部とは思えない熱を受ける。

 その状態のまま、男が腰を小さく一揺すりする。”早くしろ”、言外に行われる催促。アイシャは眉間に皺を寄せながら、腰を浮かせて尻の間に埋もれていた男根を柔らかく手に取った。

 

「……んうっ――ふあっ、あっ、はあぁぁっ……!」

 

 そのままアイシャは腰をゆっくりと下ろし、自ら蜜壺で太い男根を呑み込んでいく。自分の意志で挿れる事により、男に強引に挿れられた時よりもその感触を確かに感じてしまう。

 膣を押し込む亀頭の膨らみ、襞と襞の間を擦る雁首、淫肉を押し広げたまま留める肉柱。それら全ての形を、自分の身体がしっかりと理解してしまう。

 息を吐きながら体重をかけ、男根を数ミリ単位で受け入れていく。これ以上入らない、もう無理だ。肉体の深部を串刺しにされる感覚に理性が訴えるも、身体の重みはそこからさらに深くへと男根を誘った。

 

「――ふあっ」

 

 こつんと、突き進んだ男根が臍の辺りで硬い何かにぶつかる。気付けばアイシャの臀部は男の股座に触れる程に下ろされ、完全に上で座り込んだ形になっている。

 完全に座り込んだ体勢、臍の辺りの硬い体感。その意味は、考えるまでも無い。

 アイシャの身体の最も奥深く、雌の象徴。子宮の入口まで、男根は到達していた。

 ――自分が、そこまで迎えた。

 

「おほっ……いいねぇいいねぇ、ちゃーんと咥え込めるじゃねえか。どうだ、オレのモンはイイだろ?」

「あ、うっ、んっ――はいっ、いい、ですっ……」

「……どんな風に、だ?」

「っ――ふ、ふと、くてっ……おくに、あたっててっ……んっ、あ、アツい、ですっ……!」

 

 男根が最奥へ届いた、その瞬間にアイシャの全身から力が抜け、後ろの男の胸板へ再び倒れ込む。文字通り身体を重ねて一つになった、そんな現実が確かに実感出来てしまう。

 アイシャを抱き留めた状態で、男はアイシャの耳元で囁く様に問いかける。それまで通りオウム返しに言葉を返せば、男は詳細を求めてきた。

 どう答えればいいのかわからないアイシャは、なんとか自分の感じているままを紡いでいくも、それが尚更秘部に意識を向ける事となり、突き刺さる男根をより瞭然と理解してしまう事になった。

 

「へへっ、だとよ。やっぱお前らのより、オレの方がイイんだろうぜ」

「あんだけ念入りにほぐしてやったんだから、後からのがいいに決まってんだろ」

「ま、これからもヤる時間は山程あるしな。これからしっかり俺の色に染めてやんよ」

「はぁっ、んっ……あ、ありがとう、ございますっ……」

 

 くたりと後ろに倒れ込んだアイシャに、男は両脇から腕を差し込んで胸を揉み始める。瞼を閉じて弱々しく身体を預けてくるアイシャと自分の繋がりを見せつけ、男は他の兵士達へ浅薄に笑った。

 そんな男を二人もはや呆れる事もせず、離れた位置に転がっている酒瓶を探し出す。牢屋のあちこちに転がっている酒瓶はどれも飲みかけで、手に取った酒瓶を振って残量を確認しては別の瓶を手繰る。

 そうして自分が飲む瓶を決めた後、二人は座り込んで水分補給とばかりに酒を飲み始めた。

 

「オラ、いつまでも休憩してんじゃねえよ。さっさと腰触れ」

「んうっ、あっ……わかり、ました――んっ、ふぅっ、んくっ……!」

 

 アイシャの双丘を乱暴に捏ね回しながら、男が命令する。それを聞いたアイシャは自分の両手を前の床につけ、前傾する姿勢のまま身体に力を入れた。

 腕を伸ばしたまま、腰を浮かせる。引き抜かれる亀頭と肉茎に膣を擦られる感覚を受けながらも、男根を半ば程まで自ら引き抜く。

 そして、再び自分から腰だけを下ろす。ぺたんとアイシャの尻の柔肉と、男の硬い股座が改めて重なる。

 腰を浮かし、尻だけを下ろす。男根に膣を擦らせ、奥へ誘う。極めて緩慢な反復ではあったが、それは紛れもないアイシャ自身の意志によって繰り返された。

 

「のっれぇなぁ、そんなんじゃいつまで経っても終わんねぇぞ。もっとケツ振れ」

「は、はいっ……んっ、うっ、あっ!うあっ、はっ、んんっ!」

 

 しかしゆっくりとしか動く事が出来ないアイシャに、男が焦れて急かしだす。その言葉を受け、アイシャは不慣れながらも自分に出来る限りの力と速さで腰を上下させ始めた。

 男に強引に突き込まれていた時ほどではないにせよ、身体を裏から押し上げられる感覚が強くアイシャの意識を揺さぶる。腰を振り下ろす度に、自らの重みが男根に宿ってそのまま最奥を貫く。

 そうしてしきりに腹奥が揺さぶられ、取り込んだ息が喘ぎと共に小刻みに吐き出されていった。

 

「あんっ、ん、うぁっ!あっ、んっ、あぁんっ!」

「おーおー、いい声になってきたじゃねえか。カラダ通り、とんだエロガキだな」

「さっきまであんだけイヤイヤ言ってたのになぁ」

 

 その繰り返しが、一度芽生えた快楽を膨らませていく。自分から腰を振り、熱気で上気した顔で甲高い喘ぎを幾度も天井へ飛ばしていく。

 まるで本当に自分が望んで男を貪っている様だった。強いられて仕方なく行っているという名目も、身体の奥に男が打ち付けられる度に思考が消え、その刹那は忘れてしまう。

 それが、短い間隔で重なっていく。雌に雄が突き刺さる、その刹那が限りなく連続して続く。思考は股座からやってくる振動でぐちゃぐちゃに荒らされ、身体が乱された理性の代わりに原始的な肉欲を補填していく。

 男に、満たされている。嫌悪や拒絶を訴える意志とは全く別の所で、アイシャは”女”の感覚を本能で理解してしまっていた。

 

「うあっ、はぁっ、んんっ!あっ、これっ、これ、だめっ!あっ、はっ、んっ!」

「おっ、いいぞっ……!もっとケツ押し付けろっ……!」

 

 上下運動の中で、アイシャの腕の力が抜けて不十分に腰だけが動く。上下というよりは前後に動く、そのグラインドによって男根は深くを圧したままアイシャの子宮口を挽いていく。

 秘部の最奥を押し上げられながら強く擦られる感覚が、アイシャの身体を震わせる。子宮の感触と蠢く膣内に男は歓喜の声を見せ、胸を捏ね回す両手にさらに力を込めた。

 男の悦びを男根の震えで悟ったアイシャは、前後への揺さぶりの幅を広げていく。秘部の入口から最深部、性器の端から端までを熱い肉杭に満たされたまま、子宮を押し付けて男に奉じてみせた。

 

「ふぁあっ、あ、あっ!おくっ、おく、すごっ!胸っ、むねも、だめ、なんですっ!んあ、あうぅっ!」

「ハッ、それが”ダメ”って声かよ。正直に”気持ち良いです”って言ってみろ!」

「あっ、は、はいっ!い、いいんですっ!あっ、おくっ、ぐりぐり、されてっ!むねっ、触られるのっ、気持ち良いっ、きもちいいっ、ですっ!」

 

 胸から、秘部から、身体の奥から。男から与えられてやってくる電流の、快楽の彩度が増していく。声を上げれば、身体はその色を確かな事実として受け入れて定めていく。

 感じる悦楽は確かに熱を上げて膨れ上がっていくのに、アイシャはどこからか転がり落ちる様な錯覚を覚えていた。どこへ落ちているのか、何が落ちているのか、男に乱された頭は何一つわからずにいる。

 ただ、こうするしかない。男に身体を明け渡し、腰を振って男根に傅いて、肉壷で精を搾る。必要なそれらの事以外の全てが、肉欲の熱に焦げて消えていった。

 

「あっ、ああ、あッ!やっ、あ、だめ、きちゃ、きちゃうッ!やあっ、あ、あああっ!」

「おっ、おっ……!?」

 

 そうさせられている、そうするしかない、そうしなければならない。自身を騙す免罪符だった名目は本来の形を忘れ、ただ身体の動力の一つに成り下がって腰を加速させる。

 揺れる子宮のさらに奥で燻る本能が、性に染まっていく。胎から昇り続ける悦楽の電流が、身体を絶えず痺れさせて頭を恍惚とさせる。

 ただ男根に悦ぶ、それだけに意識を向ければそれまでの煩悶が消えていった。こうすれば辛い事から逃れられる、苦しい事が無くなる、痛い事から救われる。

 こ(・)う(・)し(・)た(・)い(・)。その一瞬の想いが、アイシャの最後の一線だった。

 

「あッ――はっ、あぁあぁッ!!」

 

 子宮を押し上げる男根から覚えた想いが、最後の理性に風穴を開ける。瞬時に脳へ波濤の如く押し寄せた快楽に、アイシャは全身を痙攣させながら甲高い嬌声で応えた。

 目の前が真っ白になったのか、それとも頭の中が真っ白に染まっているのか、それすらも判別がつかない。ただ星を間近で覗いた様な眩しい明滅に、意識が灼かれている。

 ほんの一瞬にも永遠にも感じられる性の絶頂に、アイシャは全てを忘れて浸った。

 

「はぁーっ、はぁーっ……あっ、ん、んん……はぁ、あ……」

「――っく、ふうっ……やっべ、マジでイくトコだった……」

 

 極致が過ぎ去り、アイシャの身体が後ろの男の胸板へ沈む。疲弊を訴える吐息には、未だ行為の残滓による甘い色が混じったままだった。

 初めて達した境地から自分を取り戻しても、アイシャの身体の震えは収まらなかった。未だ内側で固く秘部を押し広げ続ける男根の熱が、情火を灯し続けている。

 果てただけで、終わっていない。終わるまでは、終われない。また、今の高みを目指さなければならない。

 連想的に覚えたばかりの絶頂の瞬間を思い出して、アイシャの膣全体が引き絞られた。

 

「あー、もうたまんねっ……動くぞっ!」

「ひゃあっ!?あ、うあ、はあっ!だ、だめっ!今、からだ、ヘンなのっ!ん、ふあっ、ああっ!」

 

 それが獣性を煽る呼び水になる。男は両胸を揉んでいた両手をアイシャの肘へ回し、がっしりと掴んで引っ張りながら腰を突き上げ始めた。

 絶頂の余韻で弛緩しきった身体に、昂った雄の杭が打ち込まれる。腕を後ろに引かれ、膣奥を貫く衝撃を逸らす事が出来なくなったアイシャは、背筋を伸ばして刺激を甘受するしか出来なかった。

 三度、男の勝手による蹂躙が始まる。ただ一つ、これまでと違っていたのは――

 

「ふあ、あんっ、あぁっ!やあ、は、あッ!おくっ、おく、あたってっ……んあんッ!」

「おーおー締まる締まるッ……ふっ、ふっ、うっ!」

 

 男の腰の震えと男根の猛りを、アイシャは覚えたばかりの女の快楽で受け止める。苦痛や苦悶より遥かに甘美で安慰となる本能(からだ)そのものの声を、受け容れる。

 尖端に子宮を打ち上げられれば、受ける快楽が全身をそれ以上に跳ねさせる。腰が引かれて男根が蜜壺を擦れば、裏から捲られる蜜壺へ追従して尻を男に押し付ける。

 時(いま)も自分も何もかも忘れて、ただの雌となる。男に従うだけしか道が無いなら、少しでも自分が楽になる方へ。頭ではなく身体がそう命じ、アイシャの動きは男の動きに重なっていった。

 

「あッ、ひあ、あぁあんっ!これっ、これだめっ!ふあっ、あ、ああんッ!」

「っ、くお――」

 

 男がアイシャを貪り、アイシャが男を貪る。獣欲と淫欲がお互いの尾を食い合い、一繋がりになっている。

 忘れれば忘れた分だけ、アイシャの受け取れる快感は甘さを増し、身体を昇る稲妻が大きくなる。自分が気持ち良くなろうと動けば、男根も悦びに震えて雄々しく脈打つ。

 蜜壺を掻き回す肉竿の根本からは絶えず粘り気のある水音が鳴り続け、暗い牢の中に立ち込める淫気を助長する。男の股座をぐっしょりと濡らす程に愛液を垂れ流す秘部は、完全に閉じるという機能を放棄していた。

 

「んんっ、ふあ、ああんッ!かたいの、かたいのがっ、いっぱい、でッ!これむりっ、むり、ですッ!」

「ったく、言葉が違うだろが。なんて言うんだったか、思い出してみろ」

「んっ、く、んッ!――い、いいっ……きもち、いいっ……きもちいい、ですッ!」

「いいぞ……くうっ、う……!」

 

 それを言葉にする毎に、アイシャの意志は高揚していく。牢屋中に立ち込める熱情の色に取り込まれたアイシャは、夢中になって尻を振り立てて男根を激しく扱いていく。

 肉欲を顕わにした奉仕を受けた男はアイシャの細い腰を掴み、腕でアイシャの腰を持ち上げた。

 

「尻浮かせっ……そらっ!」

「んあッ!あ、あッ!これっ、すごっ――ああんッ!あッ、ああ、あんッ!」

 

 浮かした腰を男は引き落とし、それと同時に男根を突き上げる。柔らかな尻は男の股座に弾かれ、深くを強く抉り込む男根の震動を受け、アイシャの脳裏に火花が散った。

 男が再びアイシャの腰を持ち上げようと力を込めれば、それを受けたアイシャは自発的に腰を持ち上げる。そこから引っ張られるのに合わせて、アイシャは尻を落とす。

 男と欲を重ねた性交、それをひたすら繰り返す。人を狂わせる快楽と肉欲の雷火が二人の間で行き交い、交わりから発せられる水と肉の淫靡な響きは行為と共に高まっていった。

 

「あッ、くるっ、また、またぁっ!すごい、すごいのッ、これ、あぁあんッ!」

「く、う……っ、もう、こっちも、キツッ……!」

 

 熱狂のままに、互いの腰はぶつかり合う。その度にアイシャの豊かに実った胸と尻が波打ち、喜悦に満ちた嬌声が地下に木霊する。

 アイシャのうねる膣と絡む肉襞が肉茎を擦り、男の精をねだる。男は震える膣内から、アイシャは膨らんで疼く男根から、互いがそれぞれの限界を悟る。

 そのまま二人は終わりへ向けて、腰にありったけの力を込めてまぐわいあう。人らしい情が全て擲(なげう)たれた二人の中には、いまや果てへ向けて突き動く獣だけしか残っていなかった。

 

「あッ、い、いくッ――ふあっ、ん、あぁあぁんッ!!」

「射精(で)るッ――うくぅッ!」

 

 何度目かも忘れた最奥を抉られる感覚、それを切欠にアイシャの意識は再び忘我の空へ跳ね飛ばされた。

 アイシャの意識が抜け落ちた身体は本能のままに胎の男に縋り、精を搾ろうと膣全体が引き絞られる。根本から亀頭まで、全てをアイシャに締め付けられた男は、溜め込んでいた欲を膣内に全て撒き散らした。

 

「ッ……おー、出た出た……どうだ、良かったろ」

「……は、いっ……気持ちよかった、です……っ」

「おいおい、感謝の言葉が足りねえなぁ」

「うっ……い、いっぱい、気持ちよくしてくれて……ありがとう、ございましたっ……」

 

 熱い塊が全て胎に送り込まれ、その感触にアイシャの身体は雌の悦びで波打つ。全ての精を吐き終えた所で、アイシャの腰を掴む男の手から力が抜けた。

 疲労のままに、アイシャの身体は前に沈んで男根が抜ける。床に身体を横たえた後、ようやく熱に浮かされていたアイシャの意識と理性は身体に戻ってきた。

 自ら男と交わり、達してしまった。取り返しのつかない事をしてしまった、そんな慚愧の念だけが心に深く降り積もって沈殿していく。

 身体を支配していた欲情の熱は完全に抜け落ち、頭は男達や強いられた行為への嫌悪と後悔で一杯になる。力を失い開き切った秘部からは、複数の男の精液と自分の愛液が混じり合った、性の塊が溢れてきていた。

 

「はー……すげえ搾り取られちまった、こりゃ良いや……」

「最後の方めっちゃヨガってたな、将来有望な奴隷だねえ」

「明日からの楽しみが一つ増えたなぁ。さて、次どうする?」

「そーさなぁ……流石に疲れたし、一昨日の女一発ヤるぐらいにしとくか」

 

 アイシャを犯し終えて、男達はその場から立ち上がり裸のまま牢屋から出ていく。今度は別の牢に繋がれている女の所へ向かうらしい呟きを、アイシャは寝転んだまま耳にする。

 牢屋の扉が閉じられ、外から鍵がかけられる。その場にはアイシャと汗や精液の匂いだけが残され、遠く離れた女達の犯される悲鳴が薄らと聞こえてくる程に静けさが戻ってくる。

 

「……っ、く……う」

 

 男達の気配が完全に離れたのを確認してから、アイシャは起き上がろうとする。が、未だ震え続ける脚はろくにアイシャを支えられず、膝を立てた所でバランスを崩してしまう。

 それでもなんとかアイシャは残された僅かな体力を振り絞り、這いずって牢の隅を目指す。文字通り這々の体である程度進んだ所で、アイシャは隅の暗がりへ向けて手を伸ばしそ(・)れ(・)を手に取った。

 

(うん、ち(・)ゃ(・)ん(・)と(・)あ(・)る(・))

 

 手に取った物――脱ぎ捨てた革のコルセットの裏側へ手を這わせ、アイシャは目的の物がそこにある事を触感だけで確かめた。

 コルセットの裏側に縫い込まれた薄いポケットの中には、鍵開け用のヘアピンが数本差し込まれている。所持品を没収された時に備え、こっそりと隠し持てる様に事前に仕込んでおいた物だ。

 とはいえ、身包み全てを剥がされていたなら意味を無くす程度の備えだ。衣類はそのままに投獄されたのは不幸中の幸いでしかない。それまでの疲れも乗せ、アイシャは深く安堵の溜息で地を撫でた。

 

(足枷や牢屋はどちらも簡単な造りだから問題なし。でも今は兵士も近くにいるし、足もこのザマ。逃げ出すなら……明け方より少し前、かな……)

 

 状況を冷静に分析しながら、アイシャはコルセットのヘアピンを髪の毛の深い所に留める。この牢に他の兵士が後からやってきて、牢にある衣類をゴミとして処分される可能性を考えれば、自分の身体そのものが最も安全な隠し場所だ。

 アイシャの周囲には見張りらしい見張りもおらず、鍵さえ破ってしまえばいつでも脱走出来る。犯す体勢を考えての事か、手が拘束されていなかったのが最大の幸運だった。

 あとは十分に体力を取り戻し、兵士が居なくなった頃合を見計らうだけ。そこまで思考を整理した所で、アイシャは横向きになり片腕を枕代わりにして目を閉じた。

 

(……うっ……ナカ、まだいっぱい、残ってる……)

 

 軽く眠るつもりで身体の力を抜けば、また混濁した汁が秘部からどろどろと抜け落ちていく。視覚を休ませた分だけ、身体の感覚は今最も異常を訴える場所――精で満たされた腹の内側へ意識が向いてしまう。

 精を吐き出そうと下腹部に力を込めても、奥まで流し込まれた濃い粘液は留まったまま身体から出てこない。本当に孕んでしまったら、その恐怖が再燃する。

 しかし、今はそれを考えてもどうしようも無い。今はこの場から逃げ出す事が全てで、それ以外の全ては後になってから考えるべき事だ。

 

(……さむい、な……)

 

 倦怠感が眠気に代わり、意識が闇に引かれ始める。それまでの身体の熱は、全身に浮かぶ汗と浴びた精液に奪われていく。

 まとわり付く様な不快な空気と硬い石床に挟まれながら、アイシャは夜よりも冷たい現実から意識を手放した。

 




【 ……― 幾度も犯された 】

アイシャちゃん陵辱編でした。
ゲーム中に行われるシーンの解像度を上げる事を目的として書きました。一回の敗北でエグいぐらいの回数ヤられちゃってるよねアイシャちゃん……。
一作目再現用のキーワードの組み合わせなので些か新鮮味に欠けたやもしれませんが、良く言えば安定感のあるシチュという事で赦しを請います。

この小説とは一切無関係ですが、8月28日に「ルゴーム砦の脱出 盗賊少女と欲望の城塞」という同ゲームの公式ノベライズが発売されるのでみんなも買おう!俺は予約済だ!!(ダイマ)
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