「んぅうっ……!やぁっ、やめっ……!」
口だけの抵抗を続けるアイシャの白い首筋に舌を這わせながら、男はアイシャの両胸を二つの掌で揉み続ける。
そこには愛撫の様な優しさも、理性的な遠慮も無い。ただ男がそうしたいからそうするというだけの、厭らしい行為。
しかし、それですら――
「気持ち良い、でしょう?どんな少女も立派な
「……っ」
男の言う通りだった。胸を荒々しく触られれば鼻から吐息が漏れ、首筋に唾液で線を引かれれば、続きをねだる様に顎が跳ね上がる。
どれだけ口が、心が否定していても、身体はどうにもならない。男から齎される快楽を素直に受け入れろとばかりに、受けた感覚が手足までを震えさせる。
漏れる吐息は熱と甘さ、そして男を誘う声が混じり合い、それが他の何よりも男の手によって気持ち良くされている事を表現してしまっていた。
「そろそろ、この立派な物を拝ませてもらいますよ」
「や、やだっ、や……!」
下着と胸の隙間から男が手を引き抜いたかと思えば、次の瞬間にはその手は下着の上を掴み、胴へと引き下ろされる。
いとも容易く露わになった両胸が、その勢いでふるんと上下に揺れる。まだどんな男にも見せた事の無い禁域の一つが、男の思うままに開かれる。
恥ずかしさから、それを隠そうとアイシャは力の入らなかった両腕を胸の前で緩慢に組もうとした。
「無駄な足掻きを」
「あっ――ひぁんっ!」
が、ろくに力の入っていない両腕は手首を男に掴まれ、軽く左右に引かれるだけでアイシャの思いは霧消してしまう。
男はアイシャの両腕をベッドに押さえつけると、顔を右胸の所まで下げ、その尖端に吸い付く。既に硬くなり始めていた蕾が刺激され、アイシャの肩が跳ね上がる。
「あ、や、あッ!だめ、だめっ、やあぁっ!」
「それが嫌という声ですかね」
二度、三度、四度。唇で挟んで、引き上げては唇を離す。そんな単純な刺激だけで、抵抗を意志を見せようとした腕から完全に力が抜ける。
アイシャの身体の中でも一際敏感な場所は、媚薬によって完全な性感帯と化していた。受けた刺激と覚えた性感のあまりの差異に、心から悲鳴が起こる。
が、身体というフィルターを通し、口から発せられたその悲鳴は、完全に色付いて上擦った声に変換されていた。
「いやぁ、やはりこの年頃の娘はいいですな。この
「やだぁっ、いや、なのにっ……!吸わっ、ないで――ひぅんっ!」
ずずず、と男は唾液を乳首にまぶしてから音を立てて吸い付く。男からの刺激は少しずつ強く、女を追い詰めるものへと変わっていく。
心中から沸き起こる嫌悪感、その全てが理由の無い快楽に変わる。負から正へと反転する感覚の気持ち悪さと気持ち良さに、為す術もなくアイシャは流されていく。
震え止まない身体を少しでも留めようと、アイシャは足先の指を曲げて限界まで伸ばす。それですら、ただ抵抗も無く快楽に流されている証左にしかなっていなかった。
「ふふ、片側だけ随分と尖ってしまいましたね。もう反対の方もシて差し上げますよ」
「やだっ、や――んあっ!あ、はっ、ん!」
男が唇を離すと、その内からはこれ以上無いほどに尖端が膨れた乳首が現れる。それを見た男は気を良くして、アイシャの左胸の方にも口を寄せた。
今度は乳首だけを啄むのでは無く、口一杯に乳房を含む様に
アイシャが痛みを覚えないような強さの歯の一本一本が、全て気持ち良い。もはや男によって磔にされているアイシャの両腕は、快楽によって一握りの力さえ出す事が出来なくなっていた。
「や、あっ!舐め、られっ――ん、やっ、はうぅっ……!」
男は歯を乳輪の辺りに立てながら、その中央にある乳首を舌先で小突く。数度舌がノックするだけで、そこから乳首は硬く勃ち始め、さしたる時間もなく男の口の中で乳首は強く自己主張をする様になった。
それで終わりになる訳でも無く、男の舌はアイシャの乳首を舌で転がしては弾く。一切の我慢が出来なくなった性感帯が、ざらつく舌で擦られる。
それらの感覚のあまりの甘美さに、アイシャは白い喉を伸ばしながら、意図せず胸を張って男に差し出していた。
「んっ、は、ふ……あ、は、んぅぅっ……!」
やがてアイシャは、その感覚に慣れてくる。しかしそれは男からの刺激に耐える方向ではなく、やってくる刺激が快楽に変わる事への抵抗感が薄れる、という方向にだった。
乳首だけではなく、胸全体が性感帯になったかの様な心地良さ。未だ触れられてすらいない腹部より下は疼いてやまず、股座からはしっかりと自覚出来る程に蜜が漏れ始め、下着に張り付く感触がする。
最初の頃に見せていた抵抗の声は完全に消え失せ、可愛らしくも官能的な甘い声でアイシャは唄う。自制心は燻り続けるも、肉体から無条件で齎される性感が、心の片隅から徐々にそれを削っていく。
「さて、と。胸だけでイかされるのと、こっちでイかされるの。どっちがお望みですか?」
「ひゃんッ!い、いやっ、どっちも、やあっ……!」
アイシャの両腕に力が篭っていないのを理解した男は、腕から右手を離してアイシャの股座に手を添える。
人差し指の先が股の中心を一瞬下から上へとなぞり上げ、稲妻の様な激しい感覚がアイシャの身体を跳ねさせる。未だ男に見せた事の無いもう一つの禁域は、既に触られる事を待ち望んでいる。
それが、たまらなく嫌だった。理性に基づく自分が、本能に従う自分に塗り潰される事への恐怖があった。しかもそれは、男の意志によって自在に染め上げられるという、自身の介在しない部分によって。
今更男が取りやめる訳も無い、それを理解していてもアイシャはただ頭を左右に振り、
「どっちも嫌とは、悪い子ですねえ。では――」
そんなアイシャの言葉を聞き、男は身体を起こしアイシャの左腕から手を引き上げる。
男の手という楔を抜かれた両腕は力無くベッドに置かれたまま、まるで自由にして下さいとばかりにそこから動かない、動かす事が出来ない。そんなアイシャを男は見下ろし――
「――両方でイってもらいますよ」
「ひゃうッ、あ、あッ!」
飛びつく様に口でアイシャの左胸に、左手で右胸に、右手で股座に。アイシャが恐れている部分全てへ、男は手を付けた。
アイシャの左胸には乳輪の上で鋭くなった乳首に歯を立て、右胸には乱暴に掌全体を沈み込ませ、股座には力の込めた中指で。それぞれ、情の無い愛撫が始まる。
「あ、あ、あッ!は、あ、やぁっ!んは、あ、うぅんッ!」
男の歯と舌が尖った乳首を強く
男の質問という一瞬のインターバルによって却って鋭くなった性感が、男からの刺激を待っていたかの様にその全ての感覚を受け取る。
じっくりと追い詰める攻めから、女を達させる激しい攻め。引き上げられたその差異についていけない身体は、細かく飛び跳ね続けて悦びを見せ続けた。
「やあッ、だ、だめッ、こ、んなの、むり、いッ!」
瞬く間に高められたアイシャの内の感性が、肉欲の山を一気に登りつめていく。
男の言う通り、強制的にイかされる。もはや不可避と理解した己の行く先に、アイシャは声を大きく上げ続ける。
だが、その大声が男以外に届くことは無い。大型の部屋の四方にまで響くアイシャの声は、部屋同士を分かつ厚い白壁に跳ね返され、他者からの助けを万に一つも排している。
嫌だ、ダメだ、無理だ。全ての拒絶は男を止める力の一片にすらならず、愛撫はアイシャがどれだけ泣き喚いても続いていく。
「あッ、や、やなの、にッ、いッ――あああぁっ!!」
男が性器に埋めていた中指で上部を弾く。それが最後の呼び水として、アイシャの忍耐を決壊させた。
びくんと一際大きくアイシャの身体が跳ね、両胸と陰部から来る刺激により弾ける様な絶頂がやってくる。鋭敏になっていた感覚は、その絶頂を人生で味わった事も無い様な大きさへと跳ね上げる。
脳天まで痺れる感覚に、アイシャは唾液を口で抑えられずに零していった。
「――ふう。さて、これで落ち着いたでしょう?」
「……あ……あッ、は……あ……」
男は体を起こし、余韻の忘我に浸り身体を震えさせ続けているアイシャを見下ろす。
その様子は落ち着いたというにはあまりにも疲弊し、そして淫靡だった。性の悦びを知った身体と顔は赤く火照り、青のリボンで纏められている髪はベッドの上で大きく乱れて広がっている。
大の字に広がった手足は抵抗の色どころか、起き上がるという意志すら受け取っていない。そんなアイシャの様子に満足気に頷き、男はアイシャの下腹部から腰を上げた。
「力も入らないでしょうし、邪魔なモノは脱がしてあげますよ」
「……や……あっ……」
そうした男はアイシャのブーツの紐を緩めて引き抜き、続けて胴を覆っている革のコルセットの結び目も解く。
力の抜けているアイシャの細腰を左手で浮かせ、身体からするりとコルセットを抜く。その上で、もはや意味を為さなくなった破れたシャツを上から脱がせる。
もはや身体を隠す事を許さないとばかりに、今度はショーツごとスパッツを膝の上辺りまで下げる。アイシャの身体に残ったのは、何一つ用を為さなくなった、ずり下げられた胸と股の下着だけだった。
「シミ一つ無い白い肌、若々しいツヤ。あぁ、いいですねえ」
「……く、ん、ぅっ……」
ようやく思考がまとまり始めたアイシャが最初に感じたのは、裸同然にされた肌の感覚と、それを上下に舐める様にじろじろと見てくる男の視線だった。
しかし頭が回る様になっても、身体は屈したままだった。未だに物足りないとばかりに乳首は張り詰め、陰部からの雫がだらだらとベッドを濡らしていく。
解放されて落ち着いた事で、身体はむしろ丁度良い快楽の余韻の内にあった。媚薬によって底上げされた感覚は肌を冷やす空気にすら悦を得ており、唾液や愛液で濡れている局部は殊更にそれが際立っていた。
「では、休憩も取れたようですし。再開しましょうか」
「あっ、や、ダメッ!いま、いまはっ――はあんッ!あ、うッ!」
そう言って男はアイシャの身体のすぐ左横で伏せ、右手を滴る秘部に、口を右胸に付ける。
男の口は先程左胸にそうした様に、歯を優しく立ててころころと乳首を転がす。
右手は露わになっている秘部に改めて指の感触を教え込もうと、中指が添えられ――その入口に、指先が
媚薬と絶頂によって未だ落ち着きからは程遠いアイシャの身体に、再び異常なまでの快楽がやってくる。その怖れすら、快楽が上書きしていく。
「あッ、あ、あんッ!や、あ、はあっ!ひあッ、う!」
「ああ、やはり処女でしたか。それは良かった」
アイシャの右の乳首を口で弄りながら、男は陰唇の入口を指で探り、その周囲の薄い感触からアイシャの操を把握する。
その事を恥じる事すら出来ず、アイシャは喘ぎ続ける。もはや男に何をされても気持ち良く、再度の絶頂が近付いてくる。そのあまりの感覚の早さと敏感さに、翻弄されるしか出来ない。
男は秘部に指先だけを入れたまま、入口を入念に擦る。決して奥には入り込まない優しさが、逆に快楽を呼び込み、甘い声がベッドの上まで突き抜ける。
「あ、やッ、はぁっ!ま、またイクッ、イっちゃ、うッ……!」
「いいですよ、いくらでもイって。ホラ、ホラ」
理性ではどうする事も出来ない官能の波が胸と秘部から押し寄せ、目を瞬かせながらアイシャは高まる肉体的興奮を半ば悲鳴の様に訴え始める。
嗜虐心を煽る
もはや、耐える事など出来る訳が無かった。
「やッ、だめ、だめだめッ、イっちゃ、あ――は、あぁあぁんッ!!」
太腿から足先までを一本の棒の様にぴんと張り、アイシャは感覚の頂きに至る。
腰は自然と持ち上がり、胸から両腕まで大きな振動が波及していく。両の瞳はベッドの布の暗い天井を映しながら、それを認識出来ない
辛い程に、気持ちが良い。呼吸は止まっては動きを繰り返し、それとは無関係に口がぱくぱくと動く。秘部からは、熱い雫が吐き出される様に溢れていく。
そのあらゆる自身の異常を、染め上げられた思考は認知出来ない。
「いい声ですねえ。もっと聴かせて下さいよ」
「あッ、あ!やっ、まだ、イってるのにッ――んんぅッ、んぅッ!!」
アイシャが絶頂に狂いそうになっている時に、男はさらに愛撫を続ける。
入口まで締め付けている秘唇を指先で震わせ、口を付けていた左胸を左手で絞る様に掴みながら乳首を啄む。代わる代わる男の手口は、アイシャが落ち着く事を許しはしなかった。
深い絶頂から降りた先で、細かい絶頂に受け止められる。痛む一歩手前まで胸を捕まれ、乳首を吸われ、しかしそれでも快楽がやってくる。
持ち上げられた腰は沈む事無く浮き上がり続け、浅ましくも男の指先を乞うて秘部を差し出し続けていた。
「あ、イクッ、イっちゃ――ううぅぅッ!!あッ、だめ、また、あ、あぁぁッ!!」
どれだけ高く、強く鳴いても、男はアイシャを攻める事を止めなかった。
アイシャはこれまでの人生では有り得なかった、深く長い絶頂の波濤に
まだお(まだ終わりじゃねぇぞ 22+C)
前回がほぼ導入で抜けないという幻聴に従い早めに更新しました。