お前のハーレムをぶっ壊す IFルート【あらすじ必読】 作:バリ茶
あらすじの確認もよろしくお願いします
再三の通告になりますが観覧注意です
本編のキャラクターのイメージを損なう表現がされています
別に気にしないし本編開始前にいちいちうるせぇんじゃボケという方のみお進み下さい
決着から数時間経過した現在、俺を含む高校の生徒たちは未だに青白いバリアの内側に閉じ込められていた。
フィリスと力を合わせてゲームフィールドの核を破壊したことまでは良かったものの、氷漬けになったタコが妙な崩れ方をしたせいで額の宝石にヒビが入ってしまったのが良くなかった。
どうやら核は一発で粉々にしなければならないとのことで、変な壊れ方をしてしまった核の影響でバリアの崩壊がかなり遅くなってしまっている。
電波が届くようになったおかげで連絡が取れたデム隊の予想では、崩壊まで約23時間……つまり丸一日を費やさなければならないとの結論が出された。
つまるところ、今日は生徒全員でがっこうぐらし!をするということになる。
……
…………
………………
「呉原~」
時刻は夕方。生還祝いに校庭で大はしゃぎしている大勢の生徒たちの輪から外れて保健室のベッドで寝転がっていると、見慣れた銀髪の少女が教室の中に入ってきた。
どうやら美咲の変身はフィールドの外へ出ないと解除されないらしく、家に帰らず学校に残ることにした美咲は相変わらずリアの姿のままだ。
両手にレジ袋を抱えながらベッドの近くまで来ると、椅子に座ってから片方の袋を俺に手渡してきた。
「購買で夕飯買ってきたぞ、これお前の分な」
「お、さんきゅ」
軽く礼を言いながら上半身を起き上がらせ、レジ袋の中身を確認した。中にあるのはパンやおにぎり……まぁ購買で安く買える品々だ。
それらを手に取って包装を剥がしつつ、隣でパンを頬張っている美咲に声を掛けた。
「お前……帰らなくてよかったのか? 朝陽くん心配してるだろ」
「あー、いや、電話で連絡はしたんだよ。んで事情話したら『今日は帰ってこなくていいよ』って言われちゃってさ」
アハハ、なんて苦笑いしながらモソモソとアンパンを食べる美咲。そんな彼を見て俺は複雑な気持ちになった。
……いやまさか小学生に気を遣われるなんて予想できなかった。朝陽くんちょっと精神的な成長が早すぎるぞ。
「だから今日は呉原とずっと一緒にいるよ」
「……キモい言い回しすんな」
「は、はぁ!?」
さっきから分かりやすく顔赤くしてるけどこいつもしかして無自覚か。
ていうかこれ本当に大丈夫かな? 体がリアになってる影響もあるだろうけど、挙動とか仕草の所々が女っぽいし……正直に言うとわざとを疑うレベルだ。
まぁ体の中には本物の女性であるリアが入ってるわけだし、それに仮想世界では九割女の子になってたからその後遺症だと考えればおかしくはない。
──むしろおかしいのは俺の方だ。
「……っ」
さっきから妙に頭がボーっとするのに加えて、暖房もついてない教室だってのに妙に身体が熱い。
首元から噴き出てくる汗でワイシャツが若干滲んでるし、自覚できるほど心臓の鼓動が早い。
まるで風邪を引いているときの様にフラつくのだが、それに反比例して疲れや倦怠感などは無い。
そんな意味不明な症状が先程から続いている。美咲の前ではなんとか取り繕っているものの、息が苦しくなってきてそろそろ限界だ。
「……ーい」
戦闘による疲労ではないように感じる。確かにタコからは強烈な攻撃をくらったがここまで体調が悪化するほどの致命的な一撃は受けていない。
そうなると考えられるのはフィリスとの融合か、あるいは能力使用の代償だろうか。
「おーい」
「……ぁ?」
「さっきからボーっとしてるけどもしかして食欲ないのか? 別に無理して食べなくても大丈夫だぞ」
不安そうな表情で見つめてくる美咲。そこでようやく自分が彼に余計な心配をかけさせている事に気がついた。
「い、いや、大丈夫」
「嘘つけ。ちょっとジッとしてろ?」
「ちょっ、いいって……!」
抵抗する俺を無視して美咲が額に手のひらを当ててきた。
ひんやりしつつも柔らかい美咲の小さな手の感触が額から伝わってきて、思わず息を止めてしまう。
「わっ、熱い。お前もしかして風邪引いた?」
「……あー、そうかも」
「なんだよー、それなら先に言えよな。冷蔵庫から熱冷ましのシート持ってくるから待ってて」
仕方なさそうに笑った美咲は椅子から立ち上がり、保健室内にある冷蔵庫へと向かって行った。
小さい冷蔵庫は低い位置に置いてあり、美咲は腰を曲げて冷蔵庫の中を物色し始めた。
きっと俺の為に冷却ジェルシートを探してくれているのだろうが、今の俺はそれどころではない。
なぜか……その、なんだ。
(何でだよ……!?)
いつの間にか、本当に気がつかない内に俺のアレが起立してしまっていた。今はベッドの掛布団でうまい具合に隠しているが、近くに来て注意深く俺を観察すればすぐに分かってしまう程度には、下半身に立派なテントが設営されてしまっている。
「んー、どこだ?」
そして立ったまま腰を曲げて冷蔵庫を漁っている美咲の──リアの突き出されている下半身につい目が奪われてしまう。
リアへの変身にどんな原理が働いているのかは分からないが、今の美咲の格好は男の服を着たリアというわけではなく、仮想世界で見慣れたあのパーカーと短いプリーツスカートを着ている状態だ。
あのエロゲのヒロイン染みた、特に足の肌を露出している格好をしている。
つまり腰を曲げて下半身を突き出している状態の今の美咲は、短いスカートから太ももやパンツがチラチラと見え隠れしているのだ。
さすがにそれをわざとやっているとは思えないので、恐らく男友達である俺の前では少なからず無防備になってしまっているのだろう。
もしここにいるのが俺でなく蓮斗だったなら、きっと美咲はスカートの中が見えないように気をつけていたに違いない。
──ハッ! 俺今めちゃくちゃ気持ち悪いこと考えてなかった!?
「あっ、発見!」
「え?」
「熱冷ましのシートあったぞい」
リアの下半身に目を奪われていた事実を嘆いて自分の頬を強く引っ張って懺悔していると、冷蔵庫から例のブツを見つけた美咲が若干ドヤ顔でベッドの方に戻ってきた。
「ふふん」
「あ、ありがとな」
「いいって事よ。ほら、貼ってやるから動くなよー」
冷却ジェルシートを手に持った美咲は俺に近づくと、そっと額にシートを沿えた。
そうして近づいてきたことで美咲の銀色の髪がふわりと揺れ、俺の鼻腔の奥になにやら『良い匂い』が突き刺さってきた。
「っ!?」
「お、おい呉原、動くなって」
それに驚いて肩をビクつかせると、美咲が注意を言いながら更に接近してくる。
すると前を開けているパーカーの中に見える白シャツがうっすらと透け、なにやら見てはいけないモノが透けて見えてしまった気がした。
(やばいやばいやばいやばいッ!)
肩に力が入ってしまい更に心臓の鼓動が加速した。
美咲の匂いや額に触れる柔らかい手の感触、そこに見てはいけないモノを見てしまった衝撃が合わさって頭の中が掻き乱されていく。
「はッ、は……!」
「……よし、貼れた。あとはゆっくり寝て……呉原?」
怪訝な表情で様子を窺ってくる美咲の顔が近い。
汗を噴き出して赤くなっている俺とは対照的に、美咲は白くてスベスベな肌で──わあぁぁっ! なにこの思考回路!?
落ち着け落ち着け落ち着け。俺も俺の息子も取り敢えず一旦落ち着くんだ。
なんか変な思考に憑りつかれてる今の俺は冷静じゃない。このまま美咲と一緒にいたら何か取り返しのつかない過ちを犯してしまいそうで怖い。
それならどうすればいいか考えるんだ。素数を数えて落ち着きながら解決策を導き出さねば。
(……永治)
考えようとしても何も思い浮かばなくて涙が出そうになった瞬間、心の中でフィリスの声が響いた。
そこでようやく今の自分は一人じゃないことをもう一度思い出し、少しだけ冷静になることができた。
(フィリス! どうすればいい!?)
(まずはリアから離れた方がいい。とりあえずこの部屋を出よう)
(了解っ!)
心の中にいるもう一人の自分に従い、俺はベッドから勢いよく飛び出て美咲に背を向けた。前は絶対に見せられないので。
「く、呉原? 急にどうし」
「ちょっとトイレ行ってくる!!」
美咲の言葉を遮って大きく叫んですぐさま保健室を脱出した。
今の俺は美咲どころか他の誰にも見せられない状態になっているので、俺が目指すのはとにかく人気の無さそうな場所だ。
わっせ、わっせ、いそげいそげー!
……
…………
………………
「はぁっ、はぁっ……ふぅ」
逃げ込んだ先は校庭の端にある体育倉庫の中だった。
既に生徒たちによる祭りは終了しており、陽が落ちて空が真っ暗になった今は誰も校舎の外にはいない。
逆に言えば校舎の中には大勢の生徒や教職員達がいるので、人気がない場所といえば外のこの倉庫くらいしかなかった。
なんとか美咲からは離れることができた。
できた……けど。
「何なんだよもう……!」
さっきよりも下腹部が疼いてしょうがないし、まるで全力疾走をして酸欠になりかけている時の様に頭がクラクラする。
右手で額を押さえてから気がついたが、美咲が貼ってくれた冷却ジェルシートはいつの間にか外れていた。
とりあえずマットの上に腰を下ろして息を整えようと呼吸をしていると、いつの間にか目の前にフィリス本人が立っていた。
それに気がついた瞬間、思わず驚いて後ずさってしまった。
「おわぁっ!? ……い、いつの間に」
「ついさっき。まだゲームフィールドの中だからこうして実体化できる」
「な、なるほど……?」
正直ゲームフィールドだとか仮想世界云々の関係性だとかはほとんど理解していないので、疑問は浮かべこそしたが質問はぐっと堪えた。多分フィリスもあまり知らないだろうし。
……それより今の俺には、目の前にいるフィリスの大きな胸があまりにも目に毒だ。
エロゲ博士として数多のエロゲーを攻略してきた俺からしてもフィリスの胸の形は巨乳にもかかわらず綺麗に整っていると思える代物だ。そんなものが今の俺の前に実在しているという事実はあまりにも理性に対して攻撃的すぎる。
ちなみにそれを知っているのは目の前のフィリスの胸を視姦していたからではなく、きっちり原作のゲームでフィリスルートを攻略してエロシーンを解放したからです。あれは凄かった……。
「……で、これからどうすればいいんだ。もう察しがついてるけどこれって発情か何かだろ? 今日俺たちがやったのって多分バグ技に近い何かだし、その分のリバウンドが来てもおかしくはない」
「自覚あったんだ」
「まぁな。あとちなみにお前は今の俺にとっては毒だから、いい解決策が無いなら俺をここに閉じ込めてくれ。校舎に戻って誰かさんを襲うなんて想像もしたくない」
なんとか冷静な態度を取り繕いながら必死に言葉を並べたものの、ズボンのチャックがギチギチって音を立てるくらいにはマジの
汗も止まらないし視界もほとんどあやふや。顔も熱いし下腹部も疼く。これが発情でなくて何だって話である。この状態で校舎に戻ったらとんでもない地獄絵図が繰り広げられるであろうことは想像に難くない。
「……死んでも美咲には手出ししたくないんだ。もしそれをしたら……すぐに人生を終わらせようとするくらい、自分を許せなくなる」
「……そうだね」
フィリスにもこの気持ちが分かるはずだ。あの海夜兄妹たちがどうやって美咲と丸く収まったのかは知らないが、もし俺が彼ら同様に美咲を襲ってしまったら──その日のうちに命を絶つに違いない。
「でも、相談すればリアは協力してくれたかもしれない」
「わ、分かってるよそんなこと! あいつらお人好しだからな!」
あのバカ正直に優しい美咲のことだ、きっと能力のデメリットで発情したと伝えれば嫌と言いつつも結局は協力してくれる。デスゲームを通して様々な経験を得たアイツは『しょうがない』で済ますことができてしまう。
でも、俺は違う。たとえ不可抗力だったとしても美咲にソレをさせてしまったら、これから一生自分を許せなくなってしまう。
「だからといって協力なんてさせられる訳ないだろ! フィリスだって──」
「分かるよ、もちろん」
抗議する俺の言葉を遮ったフィリスは、一歩前に出た。
……な、なに、怒ったの?
「リアに……ましてや他の人にだって協力なんて仰げるわけない。そんな恥ずかしい事を頼むなんて死んでも無理」
するとフィリスは自分の手を胸に当てた。そして胸元の服をギュッと掴み、苦しそうな表情に切り替わった。
「……でも、このままだと辛い。死ぬほど苦しくて、頭が狂っちゃうくらい辛い」
よく見ればフィリスの頬も高揚したように赤くなっていた。首元には汗が浮かんでいて、スカートの中から太ももにかけて謎の液体が数滴ほど垂れている。
……まさかこの症状、俺だけじゃない……?
「どうにかしないときっと大変なことになる。自然回復を待てるほど冷静でいられる時間は長くない」
「ちょ、フィリス……?」
もう一歩、さらに一歩。
どんどん俺との距離を詰めてくるフィリスは俺が座っているマットに乗り──俺を押し倒した。
「わっ!?」
「……だから、こうするしかない」
両手を俺の頭の両サイドに置きながら見下ろしてくるフィリスの瞳は歪んでいる……わけではなかった。
確かに紅潮した顔なのは間違いないが、その瞳には未だに冷静な色が見える。
「バカ! なにしてんだ!」
「……こんな時、頼れるのは自分だけ」
「……は?」
しかし彼女の言っていることがイマイチ理解できない。
他人には頼れない、こんな恥ずかしいことには誰も巻き込めない、頼れるのは自分だけ、そう言っておきながら俺を押し倒している彼女の行動は矛盾している。
一体どういう事なのか、分からない。
「私たちは……
耳元で囁くその言葉が、俺の全身を震え立たせた。
それは逆に、俺を少しだけ冷静にさせる。
「お、お前を襲うほど見境ないわけじゃないって! それにそんなことしたら……っ!」
「大丈夫。だってこれは私たちだけの秘密だから」
再び少女は俺の耳元に口を近づけて言葉を続ける。
「ねえ、もう一人の自分以外に誰を頼ればいいの」
「……そ、それは……っ」
「あの人たちに迷惑を掛けたくなくて、こうして二人で支え合うために……心を重ねた」
違う?
そう聞いてくるフィリスの表情は、ひどく苦しそうに見えた。
先程よりも多く汗を流しながら迫ってくるその目は助けを求めている。世界で唯一同じ気持ちを共有できるもう一人の自分に、助けを。
いや、それは俺も同じだ。彼女と同じように俺もずっと助けを求めている。この苦しみから解放してくれと叫んでいる。
お互いにそれを叶えてくれる存在は、もう一人の自分を置いて他にいない。
そういうこと、なのかもしれない。
「……わかった」
お互いに自分を助ける為に、もう一人の自分を助ける。
そんな利害関係が俺たちの間では既に確立されているのかもしれない。
「フィリス、俺が君を助ける。……だから」
「うん、私が永治を助ける」
一番大切な親友をこれからも支え続けるために、自分を『自分』に任せる。
そう心の中で決めた瞬間、いとも容易く理性を捨て去り、俺たちは自分で自分を慰め始めた。
それは性行為などではなく、お互いの身体を使った自慰行為に近いものだった。自分で自分を慰めるとは、つまりそういうことだったのだ。
いろいろ語ったけど結論だけ言うとめちゃくちゃ気持ちよかったです。
★ ★ ★ ★ ★
「あわわわわ」
何してんだあいつら!? え!? 何か呉原の様子がおかしかったから尾行してみたら情事の現場に遭遇したんだけどなにこれ! なにこれ!(二回目)
いや俺めっちゃ窓から覗いてるんだけど全然気づかないしこの人たち。凄い勢いで腰振ってるよ怖いよどうしよう。
(……仮想世界の時は、呉原くんも同じ気持ちだった、と思うよ)
(お、俺っ、傍から見ればこんなことしてたのか……)
今更ながら仮想世界で自分がしていた事の重大さに気がつきました。呉原くん本当に申し訳ありませんでした。
(ていうか何でこうなってんの!?)
(多分、小春のデメリットと似たようなアレ)
(えっ)
もしかして呉原のやつ、発情してたから保健室から逃げたのか?
それってつまり、俺のことを巻き込まない為に……?
(二人のあれも多分不可抗力だし、知らないフリしてあげるのが、一番だよ)
(……そ、そうだね)
心の中のアイリールに従って、俺は体育倉庫の窓から飛び降りた。これ以上の覗きはやめておいた方がいい。絶対やめておいた方がいい。
……最終日にあの兄妹に散々腰振られて喘がされてた俺と違って、こんな時まで俺に気を遣って見えない場所に隠れる意識の差を見せつけられた気分だ。
というか現実世界に戻ってからずっと俺に気を遣って接してくれて、今日だって怪物から俺を助けてくれたのに、まさか極度の発情状態でも襲わないでくれたなんて……! もう呉原さんには頭が上がらねぇ。今度飯奢ってやろう。
(で、でも、まさかフィリスと……)
(……あの二人には、なにか共通する部分があったのかも)
(えぇ? あの二人全然似てなくない?)
(でも実際にアクセスしてる)
そんな事言われてもな。俺の知ってる限りではパッと思いつく共通点は無い。かたや元無表情系ヒロインで、もう片方はエロゲ博士だぞ。まるで分からん。
(……あの二人と同じ状況になったら、私たちも
(ハァ!? ななっなななに言ってんだ!?)
(冗談だよ)
(心臓に悪いからやめて!)
心の中でアイリールにからかわれつつ、保健室へと戻っていった。呉原たちに怪しまれないために。
とにかく俺は何も見てない。何も見てないので呉原が戻ってきても自然に対応しよう。大丈夫大丈夫、秘密を守るのは得意だから大丈夫! ボロ出たりなんかしないからきっと大丈夫だぜ!