大投票3位おめでとうニャン!
いつも通りの自宅で、香久矢まどかは目を覚ました。
いつも通りの早朝に。
いつも通りの寝間着を着たまま。
いつも通りに自宅の厠へと向かった。
用を足そうとしたら、いつも通りじゃない違和感が……?
股間からセレーネアローが存在を主張していた。
「これは……あqwせdrftgyふじこlp;!!!??」
言葉にならない絶叫が、夜明け直後の香久矢邸に木霊した。
混乱の極地に突き落とされつつ、香久矢まどかは身体の異常について考えていた。
どう考えても、このセレーネアローは女性に備わっているべき器官ではない。
今の絶叫に関しては「柱に足の小指をぶつけただけです」とでも説明すれば何とかなるが、このままで良い筈がない。
一体どうしたらいいのだろう。
身体の異常に関して家族に相談したら、どうなる?
父親の「香久矢家に隠し事は無い。病院で診察してもらいなさい」という言葉がありありと想像できた。
だが、病院で診察してもらう場合、地球外に由来するウイルスや病原体が発見されたら色々不都合なことになる。
芋蔓式にララやユニといった異星人の不法滞在もバレるリスクがあるのだ。
……家族には相談できない。
そうすると、宇宙関連の事情を知っている人間に相談すべきだ。
地球由来の異変とは思えないので、星奈ひかるや天宮えれなには期待できそうにない。
異星人組の羽衣ララとユニが有力候補だろう。
一応プルンスやアブラハムといった異星人の知り合いも居るのだが、なるべく男性には相談したくないところである。
放課後になったらこっそりララのロケットを訪れるか、ユニを探そう。
そう結論付けて厠を後にした香久矢まどかの目算は……色々な意味で甘かった。
日中の観星中学校にて。
まどかは、気が狂いそうだった。
周囲の女子生徒のあらゆる所作が、性的興奮のトリガーになってしまうのだ。
すれ違う女子の生足に思わず目がいってしまったり。
透けている下着なんて定番ネタから、へそチラまで。
性的な誘惑が、学校にはあまりに多かったのだ。
自身の制服のスカートの中で、隙あらば荒ぶるセレーネアローの存在感は異常だった。
血が集まっているというか、神経が高ぶっているというか。
しかも物理的にスカートを押し上げてくることがあるので、周囲に気づかれまいと精神をすり減らす羽目になった。
特に体育の授業は、前後の着替えの時間まで含めて危険すぎた。
更衣室の扉をあけた瞬間に、女子たちの匂いとあられもない姿を目の当たりにした香久矢まどかは、眩暈がしたぐらいだった。
トイレで着替えて体育に参加するなんて余裕もなく、体調不良を理由として体育は見学を余儀なくされた。
「このままでは……!」
このままでは、私は性犯罪者になってしまう。
ようやく放課後をむかえたころには、香久矢まどかは疲れ切っていた。
まどか本人の疲れと反比例するかのように、下半身のセレーネアローは暴発寸前だった。
とにかく、ララかユニを探さないと!
……あの異星人組って、携帯電話は持っていないですよね。多分。
ララのロケットは地球人に見つからないようにマメに停泊地を変えているし、ユニに至っては住所不明である。
詰んだorz
香久矢まどかは、地に両手をついて盛大に凹んだ。
穴があったら入りたい。
学校でララと接触するチャンスはあったのだから、その時に示し合わせておけば良かったのだ。
あまりに余裕が無かったせいで、盛大なガバをやらかした香久矢まどかであった……。
授業の時間が終わってしばらく経ってしまったため、ララたちは校内には居ないだろう。
なるべく、すれ違う女子に意識を向けないようにしながら。
まどかは肩を落として下校する羽目になったのであった……。
……だが、神は香久矢まどかを見捨てなかった。
下校中に、ふと甘い匂いを感じ取ったのである。アマイニオイガスルモフー!
湧き溢れる性欲に裏付けられた嗅覚は、その残り香がユニの香水のものであると嗅ぎ取った!
まどかは、街灯に惹かれる蝶のように、ふらふらと匂いの先へと歩いていった。
「まどか? 何かあったニャン? っていうか、よくここが分かったわね?」
かくして、無事にユニの野宿している広場を発見できたわけだが。
いったいどうやって、自身の症状を説明したらいいのだろうか。
あと、ユニのニーハイソックスとスカートが暴力的に視線を引き寄せてくるんですけれど、どうしたら良いんでしょう……。
「その……実は私、地球外に由来する病気にかかってしまった疑いがありまして……」
「それならララに聞いた方が良いんじゃないの? あっちはロケットのAIのデータベースがある分、適任でしょう?」
そうなんですけどね。
ララのロケットが今どこにあるか分からないし通信手段も無いのが悲しいんです。
そんなことを恥ずかしながら説明してみると。
「スターカラーペンダントの、12星座のペンを探知する機能を使って獅子座のペンを探知すればいいニャン」
「あっ……」
香久矢まどかは、地に手をついて盛大に凹んだ。(本日2度目)
穴があったら入れたい。
ガバッガバである。
普段なら思慮深いはずの香久矢まどかから判断力を奪っている性欲の恐ろしさが分かるエピソードだと言える。
性欲は森の賢者をただの猿に変えるのだ。
そういえば12星座のペンを探知する機能ありましたよね。番組後半に入ってから全く使われなくなりましたけれど。
「まあ、一応聞くだけ聞いてみるわよ? どこが痛いの?」
「そ、その……下半身のデリケートな部分なんですけれども……」
まどかは、自身の顔が熱くなるのを自覚しつつ、言葉を濁して伝えてみた。
無茶苦茶恥ずかしい。
多感な女子中学生なら、罰ゲームでも絶対にやらないレベルの羞恥プレイである。
「……確かにそれは、プルンスがいるかもしれないロケットには行きたくない案件ね」
「そ、そうなんです! プルンスはあれでも一応男性ですから!」
そっと目をそらしながら、ユニが同情の意を示してくれた。
まどかは、さらっと自分のガバを無かったことにした。
ララのロケットに一緒に同居している異星人のプルンスが一応男性だからララのロケットには行き辛かったのだ、という具合にである。
まぁクラゲ型異星人の性別なんて、あって無いような気もするが。
「でもプルンスって栄養士だか衛生士だかの資格を持っていたわよね。今回の件に関してはプルンス以上の適任者はいないと思うわよ」
気が進まないのは分かるけど、と付け加えながら。
優しく諭すように、ユニはまどかを説得しようとしている。
絶対領域装備で足を組みなおす仕草をするのは犯罪的だ、なんて邪念に思考を犯されながら香久矢まどかは考えた。
これ、便秘か下痢だと思われてるヤツだ。
「消化器官の問題ではありません。とても、言いにくいんですけれど……性的な問題なんです」
「えっ……? 性感染症ニャン??」
ユニの表情が困惑に染まったのが見てとれた。
なんとなく、まどかは察した。
やっぱり全宇宙共通で性感染症は話題にしづらいんだろうな、と。
「感染経路も気になるけど……地球外に起因していることを疑われる性病って、いったいどんな症状が出ているの?」
ここで御開帳タイムである。
顔から火が出そうなレベルの羞恥心を抑え、香久矢まどかは股間のセレーネアローをユニに見てもらった。
まどかの心拍数に呼応するかのように、患部に血流がカラーチャージされているように思えた。
そしてセレーネアローを見せられたユニは、なんとか表情だけは殺していたようだが、猫耳と猫尻尾をピンと張っているので動揺がバレバレだった。
(どうしよう……。まどかのこの症状は、多分「高次元生命体」ってヤツに憑かれてるニャン)
ユニが険しい表情をして、何かを悩んでいる様子だ。
もしかして、かなりマズい症状だったりするのだろうか。
香久矢まどかは、少しだけ不安が大きくなるのを自覚していた。
(性欲を発散させてやれば、それ以外の害は無い生命体だって噂だけど……性欲を持て余しまくっている相手にそれを正直に教えたら、多分この場で犯されるニャン)
無言で長考されると真面目に怖いんですけれど……。
頭を抱えているユニの様子からは、事態が深刻であることがアリアリと読み取れた。
あと、腋が見えるのって意外とエロいな、とも思い始めていた。
「この症状に、何か心当たりがあるんですか?」
「さっぱり分からないニャン」(大嘘)
ユニが沈痛な面持ちで静かに言い放った一言を聞いて、まどかは目の前が真っ暗になったような気がした。
一応まだララを頼れば良いので希望はゼロではないのだが、この性欲とセレーネアローを一刻も早く失くしたいのも事実なわけで。
ユニが、ぎょっとした顔をして戸惑っているのが見て取れた。
その理由を考えて、まどかは自分自身がぼろぼろと涙を流していることに、遅れながら気づいた。
まどかの涙を見て大慌てのユニは……数秒ののちに我に返ったようだった。
そして、何かを決心したような真顔で、まどかの眼を覗き込んできた。
はぐっと。
まどかは、ユニの胸元へと抱き寄せられた。
「ユ、ユニ……?」
「力になれない私を許して、まどか」
香水の甘い匂いも気になるが、まどかは別のことにも気をとられていた。
普段は絶壁に見えるユニの胸部だが、いざ抱き寄せられて顔をうずめてみると、意外と柔らかい!
まどかは、この世の真理を見た気がした。
このささやかなオッパイに顔をうずめるところまで許してくれるなら、もう犯しても良いのでは?(ゲス並感)
「でも! 必ず手段を見つけて、まどかを助けてみせるニャン! だから私を信じて!」
「信じますっ!」
言われている内容は正直に言って半分ぐらいしか耳に入っていなかったが、まどかは即答した。
普段のまどかさんは、もっと聡明なんです。性欲が全部悪いんです……。
「いま、信じるって言ったわよね?」
ガチャン!
「がちゃん?」
聞きなれない音が、まどかの背中側から聞こえた。
両手が、手錠で背中側に拘束されている!
たぶん、この前に出会った宇宙警察のアン警部から盗んだ手錠だろう。
ユニの抱擁から開放された香久矢まどかは、混乱していた。
なぜ自分は手錠をかけられているのか、と。
「ぶっちゃけると、まどかのソレは何度か性欲を処理してやれば治るニャン。でも私が犯されるのが怖いから拘束させてもらったわ」
性欲の処理ということは?
まぁ本番は無いにしても、ユニの手でニャンニャンしてもらえる??
いつもの青い手袋は外すのだろうか。
夏祭りの浴衣の時に見た指先は奇麗だったような気がする。
ごくりと、まどかは生唾を飲み込んだ。
これは……かなり、魅力的な解決策なのでは?
今日一日だけとはいえ、経験したこともない性欲に振り回されたのは本当に苦しかった。
だが、宇宙アイドルをやっていただけあってユニは顔は良いし、相手としては十分すぎる。
「分かりました。お手柔らかにお願いいたします、ユニ……」
「私を信じろとは言ったけど、私が助けるとは言ってないわよ。プルンスを呼んで処理させるニャン」
天国から地獄へ突き落されるとは、このことを言うのだろう。
なんというか、後ろから撃たれた気分だった。
両手に感じる手錠の冷たさが、まどかの末路を物語っていた。
ユニは手持ちの簡易無線機でララのロケットに連絡を入れているようだ。
クラゲ型異星人(男性)の触腕でセレーネアローをしごかれて性欲処理をされるとか、前世でどんな悪い事をしたらそんな悲惨な目にあうのか。
「まってえええっ!!? 待ってくださいっ! 私(と読者)の期待を返してください!!」
まどかは、変身用のカラーペンをどこに携帯していたか思い出そうとした。
あんな触手生物に性処理されるぐらいなら、プリキュアの腕力で解決するのも仕方がありません!
しかし、当然のようにユニの手元には、まどかのカラーペンとペンダントが確保されていた!
紫のペンを空中でぷらぷらさせながら、ユニは余裕の表情である。
「宇宙快盗の面目躍如ってやつニャン」
「まさか、さっき抱きしめられた時に……!?」
この世の真理を見た代償である。
性欲に支配された香久矢まどかは、よほど隙だらけだったのだろう。
変身アイテムをかすめ取られたことに全く気付かなかったのであった。
昨日のララ&ひかるの回も同様だが、このSS作品はプリキュアへの変身前の相手に対策を施してもいい世界観なので……。(メタメタ)
絶望に打ちひしがれる香久矢まどか。
しかし、その頭に天啓が舞い降りた!
ひかるが両脚でララの頭を挟み込んで拘束している光景が、唐突にフラッシュバックしたのである。
そんな光景見たことありましたっけ?
そもそもどんな文脈でそんな状況が発生するんでしょう……?
疑問に思う点はあったものの、脳裏に浮かんだヒントを活かす以外の選択肢はない。
「ユニ……。本当に頼みづらいんですけれど、苦しいので下半身の下着を脱がせてもらっても、よろしいでしょうか……?」
「……確かに、スペース的に包み切れないものね。さすがに不憫だし、それぐらいやってあげるわ」
渋々といった様子でしゃがみこんだユニが、まどかの下着に手をかけた。
まどかは、渾身の力を下半身にこめて、ユニの首回りをホールドした!
「ふギャっ!? 顔にっ!? 顔に汚いのが当たってるニャンっ!!」
「当てているんですっ!」
はしたないマネだなんてことは百も承知で、まどかはユニの首を全力で圧迫した。
まどかの脚の中で必死に暴れるユニであったが、次第に抵抗が収まっていった。
ついに、だらんと手足を地につけてユニは倒れ伏してしまった。
「スターカラーペンダント! カラーチャージ!」
まどかは、ユニの手から転げ落ちていたペンダントとカラーペンを後ろ手に拾って、即座にプリキュアへと変身した。
「夜空に輝く神秘の月あかり! キュアセレーネ!」
こんな時でも個人名乗りを忘れないセレーネはプリキュアの鑑である。
セレーネは、腕力に任せて手錠の紐を引きちぎった。
そして、倒れているユニを、わき目も降らずに拘束した。
手錠の紐は切れてしまっているが、手錠の二つの輪をつなげる形で使用すれば何とかなった。知恵の無駄遣いである。
「う、ううん……?」
「もう目が覚めたんですね」
ユニが、意識を回復させた模様。
ガチャガチャと、ユニの背後で手錠の音が鳴った。
ユニは首を左右に回して、状況の把握につとめているようだった。
「そのまま気絶していた方が幸せだったと思いますけれど」
「ひっ……!?」
いつも通りの穏やかな笑顔を作っているセレーネと、ユニの目が合った。
ユニは、震えあがった。
状況を理解したらしいユニは、ガタガタと震えていた。
「お、落ち着いて! 私達、仲間よね……?」
「ええ。ユニが私の性欲をきちんと最後まで処理してくださるって、私は信じていますよ?」
月明りに照らされたユニの顔には、一面に恐怖が浮かんでいた。
目の端に涙が溜まっているし、下半身だけでなんとか後退ろうとしていた。
怯えているユニの姿を見て、セレーネは背筋がぞくぞくするのを感じた。
何だか、もうすぐ新たな扉が開きそうだ。
早く犯らないと。
「だ、だれか、だれか……」
「こんな森の中に来る人なんて限られています。それに、騒ぎになって困るのはユニの方でしょう?」
必死に喉から声を絞り出そうとしたユニを、セレーネは言葉で追い詰めた。
地球で異星人の存在が知られると、宇宙星空連合の方々から色々とお叱りを受けるのである。
ユニは地球人に近い姿に化けることはできるが、猫耳と猫尻尾は隠せないので、詳しく調べられたらアウトだ。
だがユニもただでは犯られない。
ぐにゃりと、ユニの輪郭が変わっていくのが分かった。
明るい色の髪をツインテールにして、真っすぐな瞳をセレーネへと返している姿は……。
「まどかさん! お願い、いつもの優しいまどかさんに戻って! 性欲なんかに負けちゃダメだよ!」
ユニは、星奈ひかるの姿に化けて、セレーネの情に訴えてきた。
セレーネは、思わず心がグラっときた。
これは、結構効く。
「……今の、興奮するのでもう一度言ってもらっても良いですか?」
「ニ゛ャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!? 新しい性癖に目覚めないでぇっ!!?」
偽ひかるの説得のせいで、また一つ新しい扉を開いたセレーネであった。
あと、ひかるの声で汚い悲鳴を出されるのも案外アリだな、というのも思った。
すると、偽ひかるの姿が歪んで、別の姿が現れた。
今度の姿は……悪の組織ノットレイダーの幹部、カッパードさん(♂)であった。
8頭身のカッパはキモい。(確信)
「どうだ! この姿なら、さしもの貴様も性欲など湧いてくるはずが……!」
セレーネは、無言で掌底を放った。
偽カッパードの頭のすぐ後ろにあった大木が消し飛んだ。
メキメキという嫌な音が、遅れて聞こえた。
「私、仲間を殴りたくはないです。でも今のユニは、今までで一番殴りやすい顔ですよ?」
セレーネは、いつもの静かな笑顔で諭してやった。
カッパードの尻を犯すなんて、そんな需要は無いのだ、と。
ガタガタ震えながら、偽カッパードは猫耳地球人モードのユニへと姿を戻した。
……もう少しで、心が折れそうでしょうか?
ダメ押しとばかりに、セレーネは両手でユニの変身アイテムを見せてやった。
拘束した時に、先程の意趣返しもかねて奪い取ったのである。
ユニの変身アイテムを遠くに投げ捨てたセレーネは、ユニの心が折れそうになっているのを感じ取った。
「イヤああっ! 初めてはっ! 初めてだけは、好きな人とが良いニャン!!」
手錠をガチャガチャと鳴らしながら。
必死にユニは、声を張った。
そんなユニの涙声を聞いて、セレーネは一瞬だけ考え込んだ。
「……それはつまり、私のことが好きということですね?」
「今から犯すのを確定事項みたいに考えるの、良くないニャン!」
こんな時でもツッコミが出来るユニって有能ですね。
涙目になりつつも、ユニは必死に抗議してくる模様。
「ごめんなさい。一人の女性としてユニはとても魅力的ですけれど、正式なお付き合い、ちょっと……」
「カラダだけの便利な女みたいな言い草ニャン!?」
セレーネは、紫色の衣装のスカートのすそを上げた。
下からは、女性には無いはずのセレーネアローが姿を現した。
いつもは股下にはレースがびっちり入っているはずだが、プリキュアの世界だと本家でもスパッツ類の書き忘れはザラにあるので、気にしない方が良いだろう。
震えるユニの鼻先へと、セレーネアローは突き付けられた。
「さあ、まずはそのお口で奉仕してもらいましょう」
「……っ!」
ユニは、必死の形相で顔を横に振った。
嫌だ、という意思表示に違いない。
やれやれ、とセレーネは呆れかえったように息を吐いた。
「お口の奉仕でもし私が満足すれば、そこで終わらせようという慈悲のつもりだったのですが……仕方がありませんね。本番を始めましょう」
「うわああああっ!? 口でするニャンっ! 口でやらせていただきますニャン!!」
ユニは、壮絶に躊躇しながら、セレーネアローを口にくわえた。
人の口の中って意外と温かいんですね、なんてセレーネは思った。
セレーネアローで口内を蹂躙されているユニの姿をみていると、なんというか、ゾクゾクと沸き立つものを感じた。
嗜虐心というか、征服感というか、今まで感じたことのないような暗く心地よい感覚だった。
「ん……っ」
ユニが舌でセレーネアローの先端を舐め始めたのを、感じた。
奇妙な感覚だった。
これも初体験だったが、まるで安物のヤスリで矢じりを磨いているような……?
「んん……?」
気持ち良くない。
というか、ぶっちゃけると痛い。
もっとキメ細かくて暖かいものでセレーネアローを包み込むイメージだったのだが……??
ユニが必死に御奉仕しているのは見て分かるのだが、全然気持ちよくならない。
「ユニって、舌まで猫みたいなんですね……。残念です」
「むぐぐぅっ!!?」
猫のようにザラザラした舌で御奉仕されても、全く気持ちよくならない。
仕方ないので、ユニの頭を両手で掴んで、セレーネアローを喉の奥まで突き込んでやった。
これなら、舌が使えなくても御奉仕できるからである。
もはや、御奉仕というよりオナホに近い扱いなのかもしれない……。
そうやって、ユニの口腔と喉にセレーネアローを擦りつけて、しばらくののち。
セレーネは、ようやく今日一日の苦しみから解放されるのを感じた。
「ユニっ、もう、出ます!」
「んぐぅっ!? ぐぐぅっ!!?」
まぁ、ユニはプリキュアの握力と腕力で頭を押さえつけられている訳で。
覚悟も何もあったものじゃないのだが、とにかくセレーネアローは無事にイマジネーションを解き放ったのであった。ハッピーシャワー!
呼吸が出来ないユニは、放出された謎の液体を泣きながら胃へと飲み下した。
「ふぅ……」
頬に手をあてながら、セレーネは熱い息を吐いた。
その恍惚の表情をニチアサで流したら、全国の女児と男児たちが一斉に新たな性癖に目覚めることだろう。
一般に「放送事故」と呼ばれる事象である。
そして、ひとまずの賢者タイムを迎えたセレーネは、とりあえずスカートを重力に任せて垂らした。
こうすると股間のセレーネアローの存在感も失われ、普段と変わらぬキュアセレーネの姿である。
セレーネは、既視感の正体について考え始めていた。
先程のララとひかるのプロレスごっこの件もそうだが、女性に性的暴行を加えるのもどこかで体験したことがあるような気がするのだ。
何かを思い出せそうなのに、思い出せない。
泣きながら胃の内容物を吐き出しているユニの背中を見守りつつ、セレーネは不思議な感覚の正体へと考えを巡らせていた。
「ユニー? 用事って何ルーン?」
ガサガサと音がしたかと思ったら、性犯罪が行われた跡地にララが現れた。
頭から生えた極細触覚が特徴的な、サマーン星人の女の子である。
そういえば、さっきユニがララのロケットに連絡を入れていたような気がする。
多分、プルンスが留守だったので代わりにララが来たのだろう。
えずいているユニを抱き起こしながら、ララは警戒心の全くない声で状況を問いかけてきていた。
「オヨ……? これは一体、どういう状況ルン?」
「……て。……げてっ」
ララに抱き起こされながら、ユニが必死に何かを声に出そうとしていた。
ショックと恐怖心でまともに喉が震えず、言葉になっていなかったが。
ぱくぱくと口を動かしているユニは、全然声を出せていなかった。
口の動きから考えて、おそらくユニは「逃げて」と言いたいのだろう。
腰が抜けているうえに変身アイテムを失っているユニは戦力外だろうし、足手まといを連れたままセレーネと戦うのは無謀だ。
ユニのようにララも拘束されて、一緒にセレーネに犯されるオチが見えている。
だから、ユニはララを逃がそうとしているのだ。
「あっ、分かったルン。これは、完璧に理解できたルン!」
ララの触覚の先の黄色いセンサーが、豆電球みたいに光ったような気がした。
能天気な笑顔を見せるララを前に、ユニもセレーネも「これは絶対に理解できてないヤツだ」と思った。
この場で性犯罪が為されたと理解していたら、そんなに能天気に笑える訳がないからだ。
「今日のセレーネの中の人がセレーネに成りきり過ぎて、自分をまどか本人だと思い込んでいるパターンで間違いないルン!」
「「……え?」」
「ルン?」
ユニとセレーネの声が、重なった。
ララが何を言っているのか、二人は本気で理解できなかった。
そんな二人の反応をみて、ララは不思議そうに首を傾げていた。
「セレーネ。思い出すルン。今日の午前2時ぐらいに、セレーネは何をしていたルン?」
「何をと言われましても。いつも通りに自宅で就寝して……」
いつも通りに就寝していたはずです、と言いかけて。
セレーネは、思い出した。
仲間たちと一緒に星奈ひかるを輪姦していた、夢のように楽しい時間を。
そうでした。
私は。
香久矢まどか本人ではなかったんですね。
セレーネは、急速に全てを思い出した。
使っている身体と脳は本物なので人格や経験もまどか本人のものだが、中の人は高次元生命体だ。
「ニャ、ララ? ええと、なにをいってるニャン?」
ララに半身を抱き起されたままの状態で、ユニは混乱しているようだった。
というか、会話の流れから状況を半ば理解しているのだろうが。
混乱しているというより、最悪の現状を理解することを精神が拒否しているのだろう。
昨日は高次元生命体に乗っ取られて仲間と一緒にひかるをレイプしたユニだが、今日は誰にも憑かれていないのである。
高次元生命体が身体から抜けたときに、憑依されていた時の記憶にはロックされたので、今のユニは昨晩の酒池肉林の経験を思い出すことが出来ないのだ。
「これは……口で説明するよりもユニの昨晩の記憶をアンロックするのが効率的ルン」
そう言いながら。
ララは、ユニの額へと手を当てた。
すると、ユニの表情が見る間に驚愕と戸惑いに染まっていった。
「え、何これ? 私たちが、ひかるをレイプして……?」
ユニが思い出しているであろう記憶を、セレーネも頭の中で反芻してみた。
心を完璧に折られて犯される星奈ひかるの絶望の表情を思い出すだけで、セレーネは背徳感で頭がおかしくなりそうだった。
友人にして可愛い後輩である星奈ひかるを一晩中輪姦するのは、本当に夢のように楽しかった。
「たのしかった、ちがう、わたし、そんなこと、おもっているハズないニャン!!」
瞳孔が開きそうな瞳をぐるぐると揺らして、ユニが絶叫していた。
本気で親友だと認識して大切に思っている相手をムリヤリ犯して、心の底から楽しんだ経験が確かにあるのだから、混乱もするだろう。
「その記憶を思い出したユニなら、分かりますよね? これからユニがどうなるのか。私たちがどうするのか」
「あ、あああ……。ひかる……ごめんニャン……」
ユニは、泣きながら懺悔し始めた。
まぁララとセレーネを相手に懺悔しても意味は無いのだが。
「ひかるも、すぐにここに到着するルン。謝るならその時にするルン」
「そのひかるも、今日は私達の仲間ですけれどね」
この分だと、おそらく天宮えれなも呼んであるのだろう。
もちろん高次元生命体に乗っ取られた状態に決まっている。
「そういえば、初めては好きな人にささげたいという希望は叶えてあげられませんけれど」
セレーネは、指先を口元にあてて穏やかな笑顔をキープしながら。
ユニへの最後の譲歩を口にした。
「私達4人の中なら、最初は誰が良いかぐらいは選ばせてあげますよ?」
「…………地獄に落ちろニャン」
ペッ。
ユニが、セレーネの足元にツバを吐いた。
長い夜が、始まった……。
ユニを犯したかったけど加害者側の人選がピンと来なくて、まどかさんに汚れ役をお願いしました。
次回はオーソドックスにえれまど回です。