※この作品はR-18です。

Fate/Grand Order SCB   作:しゃくなげ

17 / 25
 
SCP173:キャベツ畑


アイテム番号:SCP-173

オブジェクトクラス:Safe

 

アイテム番号:SCP-173-A

オブジェクトクラス:Euclid

 

アイテム番号:SCP-173-B

オブジェクトクラス:不定(個体によりSafe〜Keter)

 

特別収容プロトコル:SCP-173は(抹消済み)に位置する79A自然再現コンテナに収容されることになっています。

実験利用時、及びその他の特殊な活動時を除き、職員は誰でもこのコンテナに足を踏み入れる事が許可されています。

ただし、事前の申請なく『種を蒔く』行為に及んだ場合は罰せられます。

 

説明:SCP-173は、高さ四メートル、面積三十平方メートルのコンテナに収められたキャベツ畑様の土地です。土の状態は良く、キャベツに限らず一般的な農作物はこのアイテムに植えると通常の半分ほどの時間で収穫が可能となります。

また、畑の中央にはどちらも高さ一メートルの止まり木と、古びた郵便ポストが存在します。この郵便ポストに『役割』を書いた紙を投函すると、次の瞬間に止まり木を目掛けてコウノトリ様の存在(以下、173-A)が飛来します。173-Aは首からバスケットを下げており、その中には生後四十八時間ほどの人間の新生児(以下、173-B-1)が収められています。この173-B-1は人間のDNAを持っていますが、地球上におけるあらゆる人間と親子関係にない事が確認されています。173-B-1は人間同様に成長し、成長するとポストに投函した紙に記された『役割』を担う存在となることが確認されています。

 

 

 

【実験記録】

 

実験記録、██/██ ██:██:██

サイト██にて、SCP-173-B-012の終了を確認。█████・███博士の仮定は否定されたため、Aクラス記憶処置を実地。

続いてSCP-173-B-013の実験を開始。今回は████氏の投函した『主人公』が『役割』とのことだ。

乱射魔、通り魔、殺人鬼に独裁者、これまで散々悪党続きだったが、やっとヒーローになったわけか。

 

願わくば、この子が平和の礎にならんことを。

記録者:████・██████

 

 

 

実験記録、██/██ ██:██:██

サイト██にて、B-013の生存能力実験を開始。███社製██口径リボルバーにて、頭部を銃撃。

結果、六発のうち五発が不発、最後の銃弾はB-013の側頭部に着弾した。本来であれば██才の幼児など生きているはずもないが、偶々対象が余所見をして、偶々Dクラス職員████が手ブレを起こした結果、銃弾は対象の頭蓋骨表層部と頭の肉をほんの少し吹き飛ばすだけに留まった。

あくまで偶々、偶然の結果だと言うしかないというのが恐ろしい話だ。

 

さすがに大泣きする子供を次の実験に使うわけにもいかず、今回の記録はここまでとする。

記録者:████・██████

 

 

 

実験記録、██/██ ██:██:██

サイト██にて、B-013の生存能力実験を開始。

██コンテナ内にB-013を配置し、経過を観測。

プロトコル██に従いSCP-106をコンテナへと誘導、J███博士、E████両博士の監視の下、B-013がポケットディメンションに(以下検閲削除済み)を確認。

██時間後、エリア███にて号泣するB-013を確保、無事を確認。

尚、SCP-106に関してはプロトコル██に従い、再収容を実施する。

やはり、B-013には何らかの要因で異能生存能力が備わっている事が推測される。

 

冗談めいた話ではあるが、彼が『主人公』ならば、物語が始まる前には死ぬ事もないのだろうか?

記録者:████・██████

 

 

 

【音声記録】

 

音声記録、██/██ ██:██:██

 

(銃声、二度)

 

Dクラス職員████:座れ、話したい事がある。

 

G███博士:わかった、わかったから落ち着いてくれ、████。ほら、座ったろう? その子と銃を下ろすんだ、大変な事になる。

 

(銃声、子供の泣き声)

 

Dクラス職員████:煩い、黙れこのサディスト供め! オレはもうごめんだ、この子に(支離滅裂な暴言)、お前たちは人間じゃない!

 

G███博士:いいか████、君はその子に同情しているつもりだろうがそれは違う。その子を生かそうとするのは悪い事じゃないが、それは君自身の意思じゃないんだ!

 

Dクラス職員████:おい、撃たれたくなければそのコンソールから手を離せ! 理由をつけて子供を甚振るだけの変態め、この子はどうしたら自由になれる、言え!

 

G███博士:頼む、聞いてくれ。その子は、恐らく周囲の我々さえも巻き込んで生き残る存在で、その子を助けようとしているのは君の意思では──

 

(銃声、悲鳴。意味をなさない罵詈雑言の後、打撃音)

 

Dクラス職員████:大丈夫、大丈夫だ、逃がしてやる。オレが、このくそったれた施設の外に連れて行ってやる。ほら行くぞ、男の子だろう? 大丈夫だ、心配するな……。

 

(遠ざかる足音)

 

 

 

補足資料

G███博士:近距離から銃撃を受けるも一命は取り留める、記憶処置の後に職員として復帰予定。

 

Dクラス職員████:機動部隊ガンマ5により即座に終了済み。

 

SCP-173-B-013:消息不明。

SCP CONTAINMENT BREACH.

 

 

 

【議事録、一部抜粋】

 

発言者:O5-█

 以上の内容から鑑みるに、SCP-711の文字列17が意味するものは、SCP-173-B-013の帰還に関するものである。B-013が帰還することによって、財団の存在保証が覆される可能性は否定できないだろう。

 

発言者:O5-█

 B-013は19██年に収容違反を起こした後、日本の児童養護施設█████にて成長。2015年7月に人理継続保障機関████・████の████候補として登録され、同日中にXKシナリオが発動する。

 財団はこのXKクラス-シナリオの発生を防ぐ必要がある。我々は、この事態を何としても避けなくてはならない。

 

発言者:O5-█

 文字列17には、件の████・████がB-013を中心として、発生したXK-クラスシナリオの修復を試みているとあるが?

 

発言者:O5-█

 発生した後に修復を試みるのでは、財団の存在意義がない。そもそも、文字列17に記されたXK-クラスシナリオは、B-013の収容違反に起因するものではないのか。

 私個人としては、引き続きB-013の終了作戦──『アベンジャーズ計画』を支持する。

 

発言者:O5-█

 SCP-251-JPを通じて確認したところ、やはり我々の世界だけがSCP-173『キャベツ畑』を保有していることは間違いない。他の世界では、173は一つの例外もなく『彫像』とされているようだ。

 B-013の『役割』を取り除くには、別世界の財団による援助が不可欠と考えられる。

 

発言者:O5-█

 付け加えるならば、SCP-251-JPにて連絡が可能な平行世界の全てに、この世界のものと同様の████・████が存在することも確認が取れている。

 こちらの世界と同等のXK-クラスシナリオが起こるかは確認出来ていないが、文字列17に関してはやはり我々のそれとは異なるようだ。

 

発言者:O5-█

 概ね、把握できた。文字列17の送信がB-013の帰還によるものであれば、そしてXKクラス-シナリオの発生が確実とあれば、財団として取るべき選択は一つだろう。

 私も諸君と同様に『アベンジャーズ計画』の実行に賛同する。

 

発言者:O5-█

 では、満場一致で可決だな。これより財団はB-013の終了を目的として、平行世界の財団と連携を取り『アベンジャーズ計画』を実行に移すものとする。

 以上をもって、O5評議会を終了する。




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