故郷に帰ったらおっぱいデカい幼馴染みとエッチする事になった 作:緋枝路 オシエ
「榮浬さん、何か良いことありました?」
実家である白波町で両親が経営する釣具屋。
交通の便が都会よりも少ないが、ド田舎みたいに一時間に一本しか電車がないだとか、船に乗らなければ隣町へ移動できないって程の不便はない。
歩いてだと少し辛いけど自転車さえあれば十分、でも車があるには越したことはない。
彼女の愛車は後部座席で身体を丸めず横になれる。釣り道具一式、特にロッドはそのまま載せられ巨大なクーラーボックスも工夫無く収納可。唯一の難点であった「車内が魚臭くなる」問題には空気を清浄に保つ消臭シートが全域に貼られ、漏洩は皆無であり自分以外を乗せても指摘される事はほぼ無い。
ハッチを開き、ラゲッジスペースに腰を下ろしながらのんびり釣り糸を垂らすのもまた一興。
移動時には勿論のこと、釣りを楽しむ手助けをしてくれるマストアイテムとして存分に活用している。両親からの借り物ステーションワゴン。
「そっ、そう見えますか! 大物の雷魚を釣れたのが嬉しくってですね!」
数少ない先輩女性スタッフが数日前に榮浬がフォトに収めて来た一メートルを超え重量は何と十㎏近く。
魚界の力士とタイトルを付け店内の至る所へディスプレイされているのは、釣果を自慢しようという企画でプランナーは榮浬。
今企画は初心者よりもベテラン寄り、「これはデッカイ!」と思うようなビッグバスを釣り上げたらフォトを撮ってデータ提供、リクエスト通りにスタッフが無料加工。
こんな凄いバスが釣れましたと、製品の宣伝になるし闘争心を刺激されたバサー達は「俺はもっと凄いの釣ってやる!!」と躍起になり、相対的に業界のレベルが上昇する効果があるとの目論見も含まれている。
正に池の主、超ド級クラスとの遭遇に備えて頑丈なベイトリールを用意していたが、ブチ折られてもおかしくはなかった……抵抗はあまりされなかったが非常識なまでの大きさだったのに、助けを求めず女性一人の力でどうやって引きずり出したのか……榮浬も覚えていないらしい。
「実績ある頑丈なロッドとラインでしたけど、真っ二つにされるかと思いましたよ……このお店で扱う製品スペックを証明できた形になれて光栄です!」
(私は十㎏近くある雷魚を怯まずにファイトして釣り上げちゃった、榮浬ちゃんのが凄いと思うケド……)
スタッフユニフォームを纏った、女性は榮浬の胸部と比べてみる。
彼女だって世間的には巨乳カテゴリーに属する、Eカップ……だけど小細工なんて必要無い、だけど私服では謎ベルトを巻いて上からも下からも横からも。
不発弾でも取り込んだのかってくらい、ツンツンロケットはHとの事(あまりに気になったので教えて貰った……)なので、おっぱいが身体を地に埋め込まん重り代わりとなっていたから、ド級雷魚にも負けなかったのかもしれない。
(でも榮浬ちゃん、本当に笑顔が絶えなくなってるわねぇ。雷魚以外にもそうさせる出来事があったのね、男の人と仲良しになった?)
女性スタッフの推測は五割的中している。
彼氏じゃないが男性……勇魚太洋と毎日身体を重ねて、釣りの世界でもエッチの世界でも一線級に育ってしまった。
社交性が高く愛想もいいけど、生まれつき顔面の筋肉がやや硬く感情変化はあっても表情変化はあまり見られない、クール系おっぱい美人。
「♪~~~~♪~~~~」
そんな榮浬がニッコニッコしながら、選りすぐりのルアーやウキを陳列していく。常連さん達だって女性スタッフと同じ質問をして、雷魚の件を返されるのはここ数日のテンプレート。
ド級雷魚をフィッシュしたのは確かに嬉しい……けど、それ以上に太洋が近頃抱きしめてくれるようになったのが嬉しい!
対面座位や正常位でキメる時、最初はどさくさに紛れて太洋を引き寄せていたけどオズオズしなくたって太洋側から自然とハグ、腰に手を回したりおっぱいベルトに沿わせたり。
ちょっと笑顔になりすぎだろうと、分かっているけど表情筋が勝手に緩んでしまう!
(だってだって、恋人みたいなんだもの! あっ……車の中でえっち……それもしたいかも……❤)
恋愛以外は器用にこなせてしまう榮浬は、エッチの知識も貪欲に吸収しており太洋よりも詳しくなってしまった自覚アリ。
太洋と二人きりなら本能的に恥じらうも、アレしてみたいコレ試してみたい……積極的にお誘いしても彼は拒まないと判明したので、カーセックスだって「バレたらどーすんだよ!」とか一手目は遠慮されちゃうけど押せばイケちゃいそうだ。
座席を倒しまくれるし、匂いも目立たない工夫が施されてるし、車中泊も行えるカーテンも装着してあるし……おやおや?
考えれば考えるだけ、太洋とセックスする為のカスタマイズとしか思えなくなってきた……
期待でおっぱいをたゆんっ、させながらお客さんの誘導を任された彼女の笑顔につられ、お店の雰囲気も評価も右肩上がりだ。
※
梅雨の季節も僅かで終了する、六月の終盤戦。
意気揚々に働く榮浬とは正反対を往く、世界各国を渡り歩いて二十年者修行を重ねた老オーナーが一つの夢の終着点として営業している、個人経営の洋食屋で太洋は――――
「なぁ太洋、お前はまだ若い、この店で一番若いがよく頑張っている。それは私だけでなく皆も認めている……が」
ピークであるお昼時を乗り切って、少々のんびりムードが漂う十四時二十五分。
「同じミスを二回、それも昨日と全く同じお客様相手だ。体調でも悪いのか……? それともこの仕事が嫌になったか?」
オーナーに魅せられたコック達が腕を振るうキッチンとは別口、チーフと奥さんの寝室に繋がるであろう階段近くのスペースに、太洋は呼び出しされたが理由は分かっている……
「あの人達はね、ウチのチキンカツとクリームコロッケ弁当が心から好きだって感想をくださった常連さんだ。昔っからのね……」
感情に任せた怒りではなく、窘めるような、泣きわめく子供をあやすような、トゲの無い口調だがその瞳は料理の鬼。
命と引き換えにでも美味しい料理が作りたい、彼の心意気と培ってきた調理技術は正直白波町で収まってしまう器では無い。
じゃあなんでこの町にわざわざ、五つ星レストランからのオファーを貰いながらも、個人経営の小さな洋食店を建てたのか?
そんなの単純解明、自分のふるさとだから。
「太洋、お前が弁当を注文してとっても楽しみに蓋を開けた昼食の時間、何時もと同じ商品を頼んだのに違う内容だったら……どう思うか?」
「ハイ…………なんだよコレって……思い……ますっ……」
「そうだな、私だって同じ気持ちを抱くだろうね。そんな気持ちに二日連続でさせらられてしまい大切なお昼時間に不快な思いをさせてしまったんだよ……太洋、お前は見習いだけどキッチンで働くプロなんだぞ? 自覚が薄れてやないか……?」
「申し訳ありません……オーナー、申し訳ありませんっ……」
太洋はあまりにも大きなミスを、二連続でしでかしてしまった。
〝注文した弁当と中身が違う 〟
とある業者さんが殆ど毎日購入していくチキンカツ&カニクリームコロッケ弁当を十個。
製作から盛り付けまでを太洋が自ら行った。
「俺にやらせてください!」と、偉そうな事を言い出した結果がコレ。
チキンカツにカニクリーム、子供の頃から作ってきた得意料理。
オーナーが手塩に掛けて生みだしたレシピ通りに作り、レイアウトや彩色などを試行錯誤した末に商品として売りに出せると厳しく判定した自慢の弁当は、ボリューミーで副菜と野菜もバランスよく盛り込んで、見た目も味も大満足。
オーナーも今の太洋になら任せても大丈夫だと、彼の修行にも付き合っているし他のスタッフ達と比べたらヒヨコちゃんだけど、将来ビジョンを見据えている姿に感銘を受けている。
……だが太洋はミスった、十個の弁当の全てにチキンカツとカニクリームをバラバラに投入してしまった。
弁当のレイアウトなら全て把握している、少しでも早く出来上がって皆に褒めて貰いたかったのかもしれない、普段は記憶していても必ず行うレイアウト図の確認を今回ばかりは省いてしまった。
約十分後「どうなってやがるんだッ!!」お怒りの電話を貰いオーナー自ら直接謝罪に出向いた。
ある者はカニクリームが二つ、ある者はチキンカツが二つ、それぞれ一つずつが本来の姿であるのに。
食べ慣れているからこそ腹が立つのだ、端から見れば些細な出来事かもしれないが当事者は堪った物では無い。
太洋がやらかしてしまった件だけは隠し、私の失態ですとオーナーに余計な手間と恥をかかせてしまった太洋は、次は絶対に同じミスは犯さないと強く宣言していた……のに
(てめぇ太洋っ!! ふざけんじゃねぇぞ!! タルタルソースとミートソースは何処行ったんだッ! てめぇで確認もしてねぇのかよ、そんなのをお客様に提供するつもりだったのかオラッ! オーナーがどれだけてめぇを助けてると思ってんだよ馬鹿!!)
信頼を取り戻そうと、また太洋が十個の弁当製作を申し出た。
次失敗したら後がないぞ~って、先輩達は笑っていたが……
「本当に間違えてしまったのか……いいか太洋? この弁当はソースがかかっていて〝完成〟なんだ。ソースが無ければ他が優れていても未完成なんだよ……お前は未完成品を食べて貰うつもりだったのかい?…………」
オーナー秘伝の二つのソース。何故かけ忘れてしまったのか、冷静に自己分析したが焦っていたのかもしれない、認められたいと、もう迷惑掛けたくないと。
昨日と何ら変わらない時間で弁当は作られたが、万が一を予測し一人のコックが中身を確認したら……
大急ぎでオーナーが再度作り上げるも、予定時刻を五分近く過ぎてしまいお相手はカンカン、もはや何も言わずにオーナーを睨み付けてから店を後にした。
中身を確認した先輩コックがブチギレた。こんなくだらないミスはボンクラだってしない、オーナーが生みだしたメニューを自己判断で変えてしまった恩知らずだと、散々怒鳴りつけられたがご尤もだったので、太洋はひたすら謝ることしか出来なかった……
「ホントなんで……ソースは絶対欠かせないのに……馬鹿でも一目で分かるのに……」
今日は帰りなさいと戦力外通報、おやつ前なのにアパートに戻らざるを得なくなった太洋は先輩達の怒りの顔とオーナーの哀しい顔が、頭の中でフラッシュバックして精神が狂いそうだった。
「なんでだ……なんでだ……なんでこうなった……」
もうミスらない、心から誓ったのにあっさりと。
フラッシュバックを決死に払いながら、その原因を突き止めるためにベッドに蹲る瞳は、この世の終わりを垣間見て来た絶望の色。
クビになるかもしれない……新人だからってカバーして貰える問題じゃ無い、この数ヶ月間でオーナーや皆にどれだけ助けて貰っているのか。
順風満帆な道のりを歩んでいたのに何故こんな……
「…………えい、り……だ……」
誰も居ない、電気も付けない一室でその名を発せば、勃つ物も勃たなかったペニスが戦闘状態に激変。
昨日は珍しく榮浬にメールをしなかったし、榮浬からも誘いのメールは来なかった。
太洋はミスが響いてそんな気分じゃ無く、榮浬は彼のメールを待っていたので顔を合わせることも性器を合わせることもしなかった。
「クソッ……!」
放り投げていたスマホを起動させ、昨日の分を取り返す為にもそれとも別のナニかをぶつけたいが為に、高速でメールを送りつけた。
『二十時』とだけ打ち込んだ、たったの三文字メールを。
「くそああああ!!」
布団に思い切りスマホをブン投げたら、ケースにヒビが入り画面もフリーズしたが知った事じゃない。
癖っ毛まで覆い被せたタオルケットで身を隠し、好ましからぬ想いを抑制出来ない太洋は眠れる訳が無いのに、榮浬がインターホンを鳴らす時間帯まで震えながら頭を抱え込んでは時折、壁に額を打ち付けては痛みに堪えまた打ち付けて……
情緒不安定な行為を繰り返し切れてしまった額から零れ、光を失っている鉄色の血が付着した壁には間を置いて、とても澄み切ったとは言えない不純が浮き彫りとなった出所不明の液体も転々と散らばっていった……
つぎは
パイズリ