自分もシェアされてみたい、なんちゃって
世界が崩壊してから二月が過ぎた。
二月の間、自分とジャルタがやってきたことはというと自分の会社のビルは東京にあったので、そのまま東京中を歩き回ってみた。
最初は道端に転がっている人の死体を見ては吐きそうになった。
自分には恐怖耐性はあっても、グロ耐性はあまりなかったのには困ったけど一週間もすれば慣れた。
歩き回って二月もすれば崩壊した世界に慣れ始める人達が出てくるのは良いけど、いくつか怪しい組織じみた集団が生まれ始めているが、それには極力関わらない方向に決めている。
その物騒極まりない世の中でも、何でかラブホテルだけは外観も中も無事で二月の中で止まっていた筈のインフラも生きていると、凄い矛盾が出ているが快適に宿泊できる素敵な場所のままだった。
まあ、自分は世界崩壊してからジャルタと一緒に宿泊したから分からないけど、以前と何の代わりはないだろろう。
無事なままのラブホテルを見つけた時は、自分もだがジャルタも何でだろうとしか疑問しか抱けなかった。
……が、無事だと理解するなりジャルタは快適に宿泊可能な施設に興味津々になり、自分も初めてのラブホテルに興味があったから宿泊した。
その際、キスマークを付け合いながらかキスハメしながらのエッチを一晩中ヤらかした時は、枯れるかと思ったよミイラみたいにね……
その最中に判明した事だが、ジャルタは自身からキスするかキスマークを付けるなどの場合は発情しないのだが、自分からジャルタに同じ事をすると発情待ったなし。
つまり、自分から仕掛けなければジャルタは発情しないと思っていたけど、一週間はシないでいると彼女から誘ってきて自分はホイホイと乗ってしまい、また枯れそうになるを繰り返す日々。
「……半分はヤってばかりじゃないか!」
「完全に猿ね。私達」
今日も適当なラブホテルで宿泊しての一室で、二月を思い返してみての感想は当然こうなる訳だった。
「ジャルタの体質、なんとかならないのか?」
こんな性活……じゃなくて生活をしつつ、一月の中で判明した厄介な彼女の体質について聞いてみると、もう分かっていたことだけど……
「あなたからされた場合に限っては、無理なのよ」
余りにも簡単に発情してしまうので、改善しようとしたジャルタだけど何度も挑戦してきた結果は全戦全敗のありさま。
最早、諦めかけてしまっている彼女を責めるべきか、発情したジャルタも可愛いから放置するべきかに迷う。
いや、放置したら最終的に自分のミイラが完成するかも知れないからなんとかしたいとは思う。
けど、それが高難易度過ぎて彼女も笑いも出なかったりする。
「まあ、すぐになんとかならないのなら仕方ないか」
二月の中、いくつかの組織に絡まれたりしたのを除くとやってきたことと言えば、主に化け物退治しての素材集めをして、そのついでに小さな集落近くの化け物を狩り数と危険を減らすこと。
集めた素材は何に使うかと言うと、主に売却して金銭の入手手段だ。
自分のジャルタは既に聖杯とフォウくん捧げて限界まで強化されているので、今更素材は不要の長物でしかないから必要とするマスターとサーヴァントに売り払ってそれなりに稼いでいた。
結構、絆10にしてる癖に通常の限界までサーヴァントを強化してないマスターがいるから出来る稼ぎだ。
そんなマスターがいる理由は、単純に今まで育ててたサーヴァントが強くても、弱くても一番好きなサーヴァントがマスターの元に来る傾向が強いことが、素材売買の際にマスター達から話を聞いてみたら分かった。
マスターによっては育てきった古参のサーヴァントではなく、絆10にはしたけどまだ育てきってなかったサーヴァントが来たパターンのマスター達が、素材不足で嘆いていた。
そこへ素材が必要ない自分とジャルタは、マスター達に売り払い稼いだのであった。
因みに金銭でのやり取りが可能な理由は予想だけど、サーヴァント絡みもあるだろう。
詳しい理由は知らないけど、金銭のやり取りが可能であるのは助かる。
けど、盛ってばかりはちょっと……他に何かやれることないかな?
「素材集めと集落付近の化け物狩りを除いて、働かず盛ってばかりなのは……いや、結構充実してるような? お金もあるし」
ジャルタ、盛ってばかりな方が充実してるとか言うな。
確かに性的に君は充実してただろうけどさ、自分は枯れそうだったからな!
「だって、シてる時って幸せというか……今の忘れなさい。何でもないから!」
「お、おう……」
今はこの事はそっとしておこう。
この事を掘り返したら照れ隠しで焼かれる訳ではないけど、もし掘り返した事でジャルタが吹っ切れてしまったら、毎日搾り取られることになりかねない。
その兆候が見えた気がしたので、先送りになるだけの可能性を知りつつも放置すると決めた。
「そもそも娯楽が無さすぎるのよね。今の世界は」
「無茶言うなよ。ゲームとかゆっくり出来る場所なんてある訳ないだろ」
「だから余計、私とあなたは性に溺れやすいのかもね。他のマスターとサーヴァントも例外はあれど似たようなものだと思うし」
確かに娯楽がないと楽しめなくなるけど、それをどうにか出来る手段がないので諦めるしかないだろう。
「どうにか、やれることを見つけないとな」
「いっそのこと、用心棒の仕事をしてみようかしら?」
用心棒か。
小さな集落の用心棒をしても、そこに縛られてしまうと自由が無くなるのが痛いんだよな。
「そこはワイバーン達に任せます。ワイバーン達で事足りるのならば集落の用心棒を任せて、手に負えないのなら私が行けば可能でしょう」
ジャルタのスキルがあるからこそ可能とする、ワイバーンを小さな集落の用心棒にするという普通なら思いつかないアイデアに、自分が集落の誰かだったら頼もしいと思えてくる。
「けど、ワイバーン達だけで大丈夫か? 集落の中に敵が入ったら体がデカいワイバーンだと逆に被害出す形でしか倒せないぞ」
せっかく建てた家とかを壊さなきゃならない羽目になったら、用心棒の役割を果たせてるとは言えない。
後、ジャルタに従えられていないワイバーンが他の集落を襲うことがあるから、それが原因で受け入れられないのではと言うとジャルタは面倒臭そうな表情。
「だから人間は嫌いよ。物事の表面しか見ようとしない」
表面云々には同意するが、人間はそこまで割りきれないのがいるから仕方ない。
「結局、詰まったわ……けど、このまま気ままに生きていくのも悪くないのよね」
「気ままに生きる、か。良く考えてみるとある意味で自由な世の中だからなぁ」
ジャルタの言う通りこのまま生きていくのも、まあ悪くない気分だ。
好きな女と自由に歩き回るなんて、ブラックな社畜になった頃は毎度のように妄想してみたこともあったな。
その後は夜の運動はせず就寝し、早朝からまたお金になる素材を集めるかと行動しようとしていたら……
「やっと見つけたよ! ジャンヌ・オルタ!!」
「まだ涙誘う程に苦労した訳ではありませんけどね。さてと、ジャンヌ・オルタ氏とそのマスター、ちょっと足を止めてくれないですかい? 二人に良い話があるナリよー!」
ラブコメの入り口で黒髭こと第3再臨の格好のエドワード・ティーチと、そのマスターと思われる中学生に見える少女に呼び止められた。
「…………」
しかし、黒髭がジャルタを探し求めていたという、いきなりの事実なのにジャルタは無視しようとしていた。
まあ、怪しそうだけど無視するのは止めとこうね。
「待った待った。怪しいのは丸っとお見通し、みたいに先読みした感じで思わないで話を聞いてみてよー?」
「そうですぞ。ジャンヌ・オルタ氏のマスターは律儀に反応してくれてるというのに。ツンデレるならジャンヌ・オルタ氏のマスターだけにしときなさいな」
黒髭は確かに悪属性で色々と破天荒なサーヴァントだけど、黒髭のマスターは見た感じでは悪人には見えない。
なので、引き留められるのを嫌がる彼女に話だけでも聞いてみようと言ってみる。
「……話だけですからね」
今日やることは素材集めしかないので、それに飽き飽きとしていたジャルタは溜め息を吐きながら、話は聞くことを受け入れてくれた。
それを見た黒髭が、無遠慮に言葉を入れてくる。
「いやー、助かりますましたぞジャンヌ・オルタ氏のマスター。ツンツンしてる癖に自身のマスターには甘い彼女の説得ありがとう。後、拙者にの好きなツンデレCVの一人は林原さんだったりするのを頭の片隅に置いといてほしい」
初めて出会ったばかりなのに、黒髭は自重知らずでどうでもいい情報まで語り出すのを聞いていた。
「続けて私のツンデレCV推しは宮村さんだよ! 覚えといてね!」
「マスター。この二人、初対面の癖に煩いから焼いて良い?」
「駄目。後、話だけでも聞いてみようね」
この二人は最初からテンション高いことに苛立つジャルタは、半分本気で言ってるんじゃないかという位には不機嫌。
まあ、ジャルタからしたらそうかも知れないけど、自分からしたら高校時代のテンションに再会した気分で嬉しいものがあるよ。
しかし、何の用で来たのやら? 変なのじゃなきゃ良いんだけど……
今さらの登場人物紹介
野火遊介(のび ゆうすけ)
ジャンヌ・オルタのマスター。
世界が崩壊する以前はブラック職場のサラリーマン。
就職難に足掻き続けて就職したは良いが、ブラック企業のサラリーマンとなり未来もブラックな有り様だったが、世界がとある女神様のお陰で崩壊した後にワイバーンに食われそうな時にジャンヌ・オルタに助けられた後に逆レイプされた。
性格は場に流されやすいところはあるが、世界が崩壊してからも優しく出来る余裕があれば他人に優しくすることが出来る程度には良い人。
後、ツンデレは基本的に嫌いだがジャンヌ・オルタは話が別だったりする。
最近は魔術が世界崩壊してからは自身が行使可能であることに気付き、ガンドだけだが魔術を体得している。
ジャンヌ・オルタ
野火遊介のサーヴァント。
基本的に人間嫌いだが、マスターは別で性格が軟化している為かマスターの野火遊介には甘すぎたり、自分の趣味が関わると変にチョロい時がある。
また、彼女は重度のキス魔かキスフェチでありマスターからされると発情してしまう。
最後にこれは崩壊世界のサーヴァント共通かも知れないが、マスターが大好きでその気持ちは止まらない。