なので、念の為に先に謝っておきます。
ごめんなさい。
後、こんな話で大丈夫かが不安でいっぱいです。
「いやはや。二度あることは三度あるにならなくて良かったでござる。一人目のジャンヌ・オルタ氏の時は既に【ガイアマックス】に所属している上にマスターも血気盛んでやんちゃ者のコンビで扱いづらく。二人目の時は他の組織にいたり。今出会った三人目はどこにも所属していないのは確認してから声かけしてみれば、どことなくジャンヌ・オルタ氏とマスターは甘々なご様子。もしかしたらM○Xコーヒーに迫るレベル?」
「それは甘いね。某目付き悪い高校生男子が飲む飲み物に迫るなんて。私なら某医者が好きなシュ○ーミル○スト○ベリーに例えたかも?」
目の前のマスターとサーヴァントが揃ってネタに塗れた会話をしていく。
これは少し歳を取ってから聞いてみると、自分はどこでこのテンションを無くしてしまったのだろうかと悩んでしまうよ。
てか、ガイアマックスって過激な組織と聞いたことがあるが、黒髭の言う他の組織ってどんな組織なんだろうか。
「ネタは良いから、何の用で声をかけたのかを教えてくれないか? 昔ならともかく今はそのテンションについていけない」
懐かしみながらもこのまま二人を喋らせておくと話が進まない。
なので、用はなんだと聞いてみると……
「悪いことしたでござるな。もうブラック社会のお陰で精神的にフケてしまったジャンヌ・オルタ氏のマスターには、拙者とマスターのテンションはキツいようでしたね」
「私が社会人になる前に、世界が終わって良かったかも。ブラックな職場で働いてお兄さんみたいになってたかもと思うとゾッとする」
涙出そうなお言葉を貰いました…………いや、本当に泣いてなんかないよ? 本当にだからな。
「また話がズレたままよ。結局、何の用があるのよ?」
「またまたすみませんなぁ。比較的まともに話せたジャンヌ・オルタ氏に出会えて、そのマスターもまともなことでテンション上昇中でして」
「良いから話を進めなさい。私とマスターは今日も忙しいのよ」
ジャルタはそう言うけど、やることは素材を集めて売り払うだけしかないけどね。
つまり、お金稼ぎを除けば暇になるし、話を聞く時間もあるから暇潰しになるし。
「時にお二人共。スマホやiPad、タブレットはお持ちでない?」
「スマホなら持ってるけど。二人の用と何か関係が?」
「その通り。実はどれもこれも謎だけど使えるんだよね。ラブホテルのインフラと同じくね」
そう。黒髭のマスターが言うようにジャルタと東京を回る最中で、自分のスマホが何故か充電しなくてもバッテリー無限かとはばかりに使えることに気付いたけど、それがどうかしたのだろうか?
FGOも流石にイベントはないけど、通常クエストはいくらでも周回出来るし絆やレベルだって上げることが出来る。
これらと何の関係で話があるんだ?
「ネットも一部ですが可能。アプリ関連も制限はあっても同じく可能。勿論、通販サイトも!」
「そう! 頑張れば便利な通販の復活が可能かも知れないのだ!」
「後、新たなマスターとサーヴァントを味方につけたい思惑もありまして」
そう聞かされてから、某通販サイトのアプリが使用可能かをスマホを弄り試してみると確かに可能だった。
ただし、このまま注文しても永久に品は来ないだろうけど。
それと、新たなマスターとサーヴァントを得たいという事はこの二人は何かしらの組織にいるこは確定だな。
「まさか、二人の用って……」
「その通りでございます。通販を復活させようぜ二人共! お給料は奮発するから! というよりせざるをえないし!」
この黒髭のマスターは、通販をこの世界でやりたいと力強く言う。
端から聞くと、なんて無謀なとしか思えない。
「で、運搬をドラゴンにやらせると。なるほど、もし会社の社長がそれを認められるなら可能か?」
「その社長だが、拙者が説得しておいた。会社の経営が再開出来ないところにジャンヌ・オルタ氏の可能性を聞かせたら泣いて喜んだでござる」
「確かに泣いたね。物凄く」
もしかすると、その泣いた理由は喜びは関係ないのではと思えるのは何でだろうか?
後、説得されたらしい社長さんもこの変わり果てた世界で良く通販を再開したいだなんて思ったな。
「絶対、喜びじゃない理由で泣いたんでしょ?」
「失礼な! 通販はコミュ障気味なオタクも利用出来る神がかった商売ですぞ! 商品も豊富、同人誌だって取り扱ってくれるオタク必須の存在! その通販を世界が崩壊するまでしてくれた社長を脅す訳ないだろバカ女!!」
「そ、そう……」
同じ事を思ったジャルタが突っ込むと、突然黒髭がキレだしてしまい勢いに圧されていく。
黒髭のマスターは同意と頷き……
「これは邪ンヌちゃんが悪い。黒髭は子供やオタクに美少女や男の娘とかには優しい人なんだからさ」
美少女辺りは自重知らずの間違いじゃないだろうか。
「うーん。ところで、取り扱う商品はどうなの?」
「商品なら殆ど無事だよ。基本的に倉庫はロボットはいても無人らしいから」
魔物が襲う人が一人もいなかったから、荒らされることもなかった訳か。
「客集めのチラシ配りとかは私達がしないとねー。忙しくなるぞ!」
「いや、やるとは自分とジャルタは言ってないよ?」
「そこは勢いに流されようよ、お兄さん。持ってない人には無償でスマホ一つ配らなきゃならない面倒もあるけど、メリットはあるんだから!」
しかし、通販か。
やりたい訳ではないから、断ろうかな?
「今なら通販で取り扱う予定の精力剤と媚薬を邪ンヌちゃんにプレゼント!」
「……そ、そんなのに釣られるか!」
「ジャルタ? 何で今、迷った素振りがあったんだ?」
断ろうとする前に、黒髭のマスターが妙な色の液体が入った小瓶を取り出し商品のアピールをしだすと、ジャルタは何でか動揺気味に断った。
まさかとは思うけど、釣られかけた訳じゃないよね?
「なら、やりがいありそうな説明をしましょう。ワイバーンによる運搬しての通販は最終的な目標。知名度がないのに通販を再開するのは不可能」
「そりゃそうだ。誰も知らないんじゃやる意味がない」
「だからスタートと準備として、宣伝を兼ねた訪問販売を各地の集落にしてほしい。通販再開をいずれすると広める為にな」
「商品はドラゴンに運ばせれば大丈夫でしょ? 訪問販売のお給料も払うからお願い! 今なら色んなキャスタークラスのサーヴァントが製作してくれた精力剤を定期的にお給料と共に渡すからさ!」
怒濤の如く言葉をぶつける説得をしてくるけど、突っ込みたいのは怪しい精力剤について。
この二人は、自分を性欲魔神か何かの扱いをしたいのか?
それと色んなキャスターの中に、某Pさんとかいそうな気がする。
人参嫌いなパイロット風に言えばPさんの薬は要らないよ。
ついでに他のキャスター製作の薬も要らないよ。
「嫌そうな表情ですな。このままでは二人を見つける前に、新たに同製作してくれると約束してくれた同人作家達と漫画家の契約も台無し。絵師達の期待は裏切りたくないのに。この人でなし!」
「そうだよ! この世界にも娯楽が必要なんだよ!!」
断ろうとしたら人でなし扱いするとか……って今、聞き捨て出来ない事を二人は口にしたぞ? 同人作家と漫画家がどうしたって?
「同人作家と漫画家って……何があったらそうなる?」
「実はね、二次元を守る活動をしたのです!」
気になった事を質問してみると、二人は世界が崩壊するなり同人作家と漫画家達を助けらるだけ助け、保護してからの専属契約を握り取ったりと様々な通販再開の為の活動をしていたらしい。
「更に、サーヴァントを召喚してたオタク達を集めて通販を営む会社と漫画家、同人作家、各印刷所の防衛をしております」
「そしてこれからの漫画と同人誌は今のところ、基本的には通販でやりとりすることになったよ」
「なんでさ?」
「なんでよ?」
この二人は何で、漫画家と同人作家を悪い言い方をすれば独占しまくってるのだろうか。
ある意味、凄い行動力なもんだから引いてしまう程に引くほど。
後は誰かと喧嘩にならないのだろうかと、疑問を持ってしまうよ。
「それは当然の疑問。ですが、漫画家達は割りきってる方が多い為、同人誌の黙認は余程酷くなければしてくれるとのことですぞ。世界が崩壊する以前だってそうだったらしいから」
もし、説明した内容が本当だとしたら行動力が凄すぎると言わざるを得ない。
てか、なんで今まで説明した内容を実行したんだと再び質問してみると……
「世界が崩壊したとはいえ、二次元の未来が無くなるなんて嫌だもん。ただ、それだけだよ!」
「このマスターは、拙者もたまに引く程に二次元を守ろうとして拙者をこき使う行動力あります。ぶっちゃけると拙者も二次元大好きだから意気投合しちゃってからは、さっき説明した通りの事をやっちゃいましたぞ」
そりゃあ、自分も漫画とか楽しく読んでたけど、ここまでやらかしたいと思う程の気持ちは抱いてなかったぞ。
てか、黒髭が真顔になる辺りマジで黒髭のマスターの行動力は高すぎてるんだろうな。
「それでさ。私達の助けになってくれないかな? 漫画と同人誌読み放題の権利もあげるし、携帯ゲーム機なら使えるからあげるからさ!」
「それが不要ならば、ジャンヌ・オルタ氏に作家必須の物書きセットを進呈するのも吝かではありませんぞ!」
「マスター、やりましょう。これはやらない訳にはいかないわよ」
あっ、そういえば自分は水着の方のジャルタも絆10にしてたっけなぁ。
ここで物に釣られてしまう、彼女の手の平返しに苦笑いしか出来なかった。
ジャルタがやられてしまったら、もう逃げられなくなったと同然なのだから。
「……分かったよ。ただし、職場の居心地良くなかったら即座にいなくなるから」
「大丈夫大丈夫。またお兄さんをブラックな環境に叩き落とす気なんてないから」
「そうですぞ。訪問販売は気ままにやってくれるだけで良いのですからな!」
ブラックな職場だったら逃げてやると告げると、二人は悪い笑みをしながら握手を求めてくるので、握手に応じての溜め息をして……
「この先、大丈夫かな……」
と、これから先に不安を持つしか今は出来ずだった。
「ところで私、ワイバーンならともかくドラゴンはまだ手懐けてないわよ。今まで必要なかったし。それの当てはあるのかしら?」
それとジャルタが言うように、ドラゴンを手懐ける必要がなかったからいない。
それについてはどうなのかと聞くと……
「それについてはもう住み処の特定だけはしてあるから、そこへ行けば良いよ。手伝いの必要はある?」
「ええ、必要になるわ。私のスキルである竜の魔女は低級の竜の使役は旗の一振りで可能。けれど、ドラゴン相手となるとまずは死なない程度に痛めつけてからでないと使役出来ないのよ」
「うーん。竜殺しは今、知り合いにはいないからなー。どうしよ?」
黒髭のマスターが誰かちょうど良いのがいなかったかと考え込む中、ジャルタは再び口を開く。
「となると、竜殺しでなくとも強いサーヴァントの援護……いますぞ。援護にちょうど良くて可愛いのがね!」
「可愛いのは重要か?」
「可愛いければ心が癒されますから当然重要」
援護に良いサーヴァントがいると無駄に可愛いを強調する黒髭。
さて、援護で有名と言えば孔明だけど、それじゃないとしたら誰なんだか?
「ところで、ジャルタと自分以外に通販再開の人材候補って……エジソンとかじゃないよな?」
「もちろん。エジソンに決まってるでしょ。量産と発明の汎用性は伊達じゃないからね!」
「ですがまだ、味方になりそうなエジソン氏は見つけておりませんけどね」
ブラック職場になる可能性を劇的に高める人材じゃねぇか。
「もしブラックになったら逃げてやるから。冗談抜きでな!」
「あっ。やっぱりブラック職場に戻るの凄い嫌なんですな……」
「若くして精神的な傷がそこまで深いなんて。可哀想に……」
エジソンを探してると聞いた途端に自分は改めてブラックになれば逃げると告げたら、黒髭とそのマスターに同情されてしまう。
特にマスターの方は、思わず涙を流しそうな位の反応である。
因みにエジソンが欲しい理由は、陸はエジソンの発明品や量産型ロボットが行い、空はジャルタの使役するドラゴンとワイバーン達が行うことで通販を復活させたいかららしい。
てか、ドラゴンを複数も使役出来るものなのだろうか?
「可能ではあるけど、手間暇が掛かるのが難点ね」
自分の疑問に答えながらも、ジャルタまで不憫な人を見たような表情をしないで。
泣きたくなる。
人物紹介
高坂智子(こうさか ともこ)
今話に登場の黒髭ことエドワード・ティーチのマスター。
二次元が大好きな元中学二年生女子で、世界崩壊する以前の将来は夢見る漫画家になるか、堅実に社会人になるかどうかを悩んでいた。
しかし、世界崩壊の為にそれどころではなくなったりFGOでは好きな黒髭が自身のサーヴァントになった事に喜んだりした。
……が、彼女曰く二次元の未来がこのままでは閉ざされる事に気付き、それは我慢ならないという不純な動機を持って様々なオタクと二次元好きな人達を味方につけ、二次元の未来を守る事に奔走する行動力のある変人。
二次元の未来を守る為には力が必要なのと、こんな世界だからこそ二次元と娯楽が必要だと強く思っている。
漫画家の夢はまだ諦めていないのと世界崩壊前の努力のお陰で絵が上手い。
また、黒髭に汚れ仕事を任せてしまう事があるのに悩んでいて、どう恩を返すかに悩んだり、黒髭の事が好きだが好みではないのか手を出されない事にも悩んでいる変人。
最後に変人な割には意外な事に、絵の他に家事や料理が上手だったりする。
エドワード・ティーチ
高坂智子のサーヴァント。
変人な彼女自身が力が足りない事を自覚して、二次元を守るという不純な動機ではあるが覚悟を持って味方と力を付けようとするのを助けている。
また、彼も二次元が無くなることを良しとせずという事もあっての協力。
その為に通販の再開という手段に目を付け、資金力や影響力を得ようとしている。
二月の時間の中でとある悪い出来事の真っ只中、彼女が人を殺す覚悟を文字通り黒髭に見せようとしたが、それを黒髭が止めて代わりに人を殺した。
止めた理由は、マスターが血や罪で汚れてほしくなかったからのと、マスターの事が大事だから。
また、マスターに手を出さない理由は手を伸ばせば届くとしても、黒髭という男を知った上で好意を向けられても、単純にマスターに素直になれないだけだったりする。