「あれ? 何で固まるの?」
まあ、ジャルタからすればこれに突っ込まれてしまうのは恥ずかしい。
自分は固まるだけで済んだけど、彼女は赤面や目を逸らすまでやるものだからナニがあったかと邪推されても仕方ないな。
現に高坂さんと黒髭は右手で卑猥な表現してニヤニヤとしてるし、松本くんも邪推したらしく苦笑いしてる。
「んーと……あっ、分かったよ。エッチなことしてたんだね!」
邪推している高坂さん達と自分とジャルタを見比べしてから、アストルフォは直球発言。
少しは遠慮ってものをしてほしい。
「んぶふっ」
「見てて面白いですな」
後、高坂さんと黒髭は笑ってばかりいないで助けてほしい。
「今日に疲れが残るようなことしてる訳ないでしょ!? 蚊に刺されたかしたのよ!」
「え? でも、それだと君の反応に納得できないけど。後さ、蚊はまだ活動してないよ? 活動する季節も違うし」
なんとかして誤魔化してしまおうとするジャルタだが、アストルフォからの正しい指摘により口をつぐんでしまう。
が、ジャルタは諦めずに再び口を開き……
「ほ、発疹よ! ほら最近、ストレス溜まることがあったから急に出たみたいね?」
「ごめんね邪ンヌ。昨日の今日で発疹は苦しくないかな?」
しかし、それも高坂さんの突っ込みにより意味が無くなる。
「やっぱり、昨日は仲良くヤることやってたんだね! 仲良くは良いことだよ!」
「だから今日に疲れが残るようなことする訳ないでしょうが!!」
「つまり、別の日にはシてたのですな?」
そして最後に、黒髭がトドメを刺してしまう。
すると、もう誤魔化しは効かないのだと悟ったジャルタは……
「とにかく、昨日の夜は何もありませんでした! そんなことより、ドラゴンの使役の件についての話をした方が建設的です!」
話題を変えて、この話はもう終わりとばかりの態度になる。
充分、楽しめたからか高坂さんはその流れに乗る形で地図を広げ始めるのを見ながら、自分はジャルタが誤魔化そうとする様子が可愛かったな、もうちょっとだけ見たかった、と感想を抱いていた。
「さてと、完全に滅んだ町田市付近にドラゴンがいる。私達には嬉しいことに有名なドラゴンではない普通のドラゴンだから、使役するまでに弱らせるのは楽な筈だよ」
「ファヴニールとかじゃなくて良かったよ」
もし知名度高いのとか、ヤバいのかだったらジークフリートかシグルドが必要になるレベルだ。
だが、普通のドラゴンならばまだやりようがあるだろう。
まあ、それでもかなり危険なのは変わりないけど。
「因みに、ファヴニールとかは何処かにいるとかはあるの?」
「いるとの情報はまだウチの所にはないけど、探せばいる可能性はあるよ」
まあ、いるだろうなファヴニールは確実に……FGOでは第一特異点の敵の立場だったジャルタが使役してた形で登場はしてたから、探せばいるだろうなぁ。
そう思っている自分の質問に答えながらも、高坂さんはスラスラと何かを書いていきながらジャルタに質問を始める。
「もし、ドラゴンを使役に成功したとして、食費とかどうなるの?」
「食費ですか? それなら人間は食べないように言っておけば、勝手にそこらの魔物でも食べてくれるでしょうから心配はありません」
「ありがと。そこを心配してたけど、魔物でもOKなのは助かるね」
あー、ドラゴンは体デカいから食事内容とかどうなるのかと自分も気になったけど、魔物でも大丈夫なら問題はない訳もない。
だって、人が住む集落の近くにドラゴンが近付いてきたら集落の人達が怯えるだろうし、ドラゴンに攻撃を仕掛けてくるサーヴァントが出てくるかも知れないし。
それについてはどうなのかと、高坂さんに質問してみると返ってきたのはこんな内容だった。
「それについては徐々に慣れてもらうしかないね。というか、訪問販売の最中にドラゴンで運送することをあらかじめ言っておけば襲撃の予防出来るし」
なるほど、訪問販売の最中にドラゴンの存在を伝えておけばそこまでは怯えられない訳ではないけど、そこは徐々に慣れてもらうしかないのだろう。
次に、ドラゴンにどうやって荷物を載せるのかと質問すると……
「それか。それなら特注でドラゴン用のコンテナを作ると社長達が言ってくれたから。まあ、現存してるコンテナを回収したりしなきゃならないらしいけどね」
「まあ、そうすぐには通販再開の準備は出来ないか」
「それもあって、エジソン氏の力が欲しいのですよ。因みにドラゴンやワイバーン用コンテナのイメージとしては、リュックサックみたいに背負わせる予定のことですぞ」
「リュックサックを背負ったドラゴンとワイバーン、か……想像してみただけどあり得ない絵だよね?」
黒髭の補足により、絵を脳内で描いてみたらしいアストルフォが可笑しくなったのか笑い始めそうである。
自分も想像してみたら、竜種としての恐ろしさや威厳とかが皆無になる絵になるのは間違いないのでツボに入ってしまったアストルフォの気持ちは分からなくもない。
ジャルタも思わず笑いそうになり、黒髭もそれに同意しつつ……
「ドラゴンとしての威厳の欠片もありませんな」
「大海賊の威厳を普段見せない黒髭が言っていいのかな?」
「見せない云々の前に、今は見せる場面ではありませんから。いざという時は真面目にやらせてもらうでござる」
確かに高坂さんの言うように、普段は大海賊には見えない黒髭が言っていいのかと疑問に思うな。
という会話がされた後、自分達は町田市へと向かうのであった。