※この作品はR-18です。

0%に近い可能性にゲロを求めて   作:名無しのブラッドユーザー

3 / 3
前話の改稿

『雨と予報する日は来てはいけないと忠告しただろう?俺の海綿が膨らみを抑えきれないってのに。え?クレーターで汚れている?俺の体は水分で出来ているんだ。綺麗に舐めとって』

 

「馬鹿野郎がっ!浮雲×月の触手モノじゃねぇ!月×浮雲の人妻とショタものだ!

 

『あらあら、浮雲くんは太陽さんの愛に眩んでいるのね?……罪悪感……ふふ、小さくても男の子なのね?』

 

てのだろうが!?」

 

そうか……どうやら俺たちは分かり合えないようだ。残念だ……

 

「うるせぇ!反撃を見せるからこそ刺激がある!攻守の配置は人それぞれの自由だ!許されんぞ!」

 

許し?何が『善』で、何が『悪』か、お前に基準を測ることが出来るのか?この銃はその点便利さ。俺が間違っていれば『悪の弾丸』が補充され、悪を裁けば『善の弾丸』が補充される。

 

「はっ!つまりお前は殺人を許された殺人鬼って訳か!積極的に魂を刈り取ることを生業とするイカれたワーカーめ。お前は今までもこれからも業を積み重ねるのか?」

 

俺の意思ではない。一発、天井に黒いシミが増え『善の弾丸』が補充される。これも全部、

 

異教徒への地獄の盟主ヘルゼルブの業は深い。

 

ということにしよう。押収物は全て無かったことにし、必要なことは魂が覚えている。

 

おぅおぅ……エリック。従順な赤黒い横顔は血の気がだんだんと失せているぞ?What’s up?『 あの世』が存在しているかだと?

 

……クッフフ。拍動停止。脳機能は壊滅。死人に語る口は無ぇ。しかしどうして侵した罪は覚えているのか……疑問はアッチでな?

 

俺の体温で愛銃『ボーデン・バレット』が鋼鉄の体を赤く湿らせる。そう急かすな。

 

キィィィィ……

 

「誰だ!!」

 

店内の2人がテーブルに隠れ、襲撃に備える。

 

テメェ、テーブルの嬢ちゃんを人質に取るとはいい度胸だ。無理な体勢にさせ、羞恥心を煽りながらあまつさえ保身に入るのは男としてどうなんだテメェ?

 

「何言ってんだ!この女は俺ら2人を相手に体を寄せられ、しどろもどろになって寝込んでるだけだ!盾にしようとなんざ考えちゃいねぇ!」

 

「テーブルは女じゃねぇ!?まともなのは俺だけかっ!なんてこった!?」

 

純情なチェリー。分かるぜその気持ち。だけどな、案外この考えは人生を薔薇色に染める救済の思考。

 

お前らは俺の脳内で幸せにな?

 

「テメェ何を!?」

 

二発、店内に黒いシミが増える。

 

人目を避けるためのテーブルの裏、2人は濃厚なキスを交わす。一人は積極的に、もう1人は酸欠気味に。息も絶え絶えになりながら低迷する思考は二者間の仕事上の取引を……。

 

それに比べ俺は一人。こんな寂しさを温めてくれるのは銃口から白い吐息を煙らせる愛銃。朝に彼女が煙草を吹かしていたら俺はお婿に行けない体にされているのだろうか。

 

……彼らの取引が逢引ENDなら平和だが、今回の取引内容は『兵装:御伽シリーズ#06』

取引人数が少ないってのは足切り要員で暴れさせることが目的なのか。

 

月明かりに照らされた埃の足跡が半分で途切れている。その傍の書斎を蹴破る。冷えきった廊下を鳴らすほど、愛銃が熱を帯びていく。

 

BINGO

 

突き当たりに異色な機械仕掛けの箱。

踏み出した足音に呼応する。

 

『生体認証、確認。対象脅威度Lv不明。思考誘導プログラム凍結。人造狂獣侵化促進。帰結プロトコル:対象ノ沈黙』

 

無機質な音声入力と共に頑強な鎖が霧散する。

石造りの壁の小さな窓から差し込む月明かり。

見上げる少女の顔半分を照らす。

 

異常に隆起した神経が脈立つ。

黒化した左の瞳から蒼眼が覗く。

左手の先から肩先まで、少女の身長に不釣り合いな甲殻類を連想させる外骨格が包む。

 

左肩から伸びる不明なデバイスが片翼を連想させ、排気口が無造作に露出している。

適齢期を過ぎた殺戮童女人形。

 

視線が合う。

 

「……今度こそ神様?」

 

少女は明るく自分の胸に吐露する。

 

不定形な細胞は蠢き、酸化した細胞を切り落としては再生を繰り返す。落ちた細胞は未だに動く。

 

「また……嘘吐き?」

 

少女にしては老齢に憂う。いつでも抜け出せる鳥籠の中から飛び出さない理由を悟れるか。

 

「……明けない夜はいつ来るの」

 

その表情は安らぎである。生身の半身を異型の半身が自傷行為を体を這うようにして止めている。

 

「離……レ……」

 

彼女の細胞が暴れ始める。脈立ちが激しく、顔が歪み、それでも懇願する。

 

……deepen,deepen.

 

少女の瞳は閉じる。

蒼眼が見開く。

 

……deepen,deepness.

 

侵食による片翼は両翼に。

甲殻は禍々しく鋭利に。

青白く閃光が迸る。

 

『I give your soul the deep six.』

 

異形の腕は加速する。

 

持ち越してきた残弾の確認

前前話から三発分

前話から三発分 

 

主をひた隠しにする仰々しい装甲目掛けて一弾入魂!!

「その鎧が欠陥品であると私はとても喜びます!!」

 

カァァン!!

 

と甲高い音を響かせる。気を抜けばすぐ側を巨大な塊が地面ごと抉っていく。装甲のひび割れは三拍子に治る。

 

彼女の羽から燐光が溢れる。肥大する右腕。月明かりに照らされる肢体。振り下ろされる剛腕が室内の武器庫を潰す。

 

転がりこみ避けた先で、

その立ちのぼる煙霧の中へ牽制に1発

採るべきは狙撃する的外れに壁ドン2発。

 

煙の中からラリアットよろしく押し出す偶像は銃声に引かれ飛び込んでくる。

 

静かにトリガーを引く。

 

鎖骨から上部が顕になる。

 

「三点突破。Good evening?なかなか可愛い顔してるじゃねぇか。だが単細胞、てめぇは駄目だ。見た目ロリのスプラッタは世間様の許可が降りねぇ。」

 

2発の跳弾と打ち出された弾丸が装甲を剥がしていた。

逡巡するその数秒の内に雷鳴が2発響く。

 

 

審判の刻。

 

神に祈るか?悪魔に縋るか?

塵は塵にDust to Dust。

内なる願いは成就される。

 

灰色の福音の提示。

静かに立ち昇る月柱。

光の十字架は少女を包む。

 

少女は涙を零す。

 

『_の弾丸』が増える。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。