ご承知の通り、王家の指輪には毎ターン回復効果がございます。
それを即座に装備してしまうとは。
ぽろん、ぽろん、ぽろーん♪
◇◇◇てーってれーてれってれってるー♪◇◇◇
俺は魔王殿最奥でアラケスと全裸で戦い全体攻撃で散った。
かと思ったのだが、何故か魔王殿前で目が覚めた。
戦いの最中、アラケスは一瞬笑ったようにも見えた。
一瞬の事で良く覚えていない。
ピドナの町に向かう一歩一歩。
歩くたびに足音がターンターンと響く。
そして王家の指輪の回復効果が発動する。
もはや満タン、先の先まであふれだしそうなぎりぎりの線で留まっていた。
意識がもうろうとする中、なんとか街中に入ることが出来た。
頭の中は女の事で一杯。それに食欲が尋常でない。
何か食べないと身の内側から喰い尽くされてしまいそうだ。
もう、パオーンがぽろんしてても隠す余裕などない。
うつろな意識で歩いていると誰かが横から飛びついてきた。
「つかまえた!」
「パオーンッ!」
我慢の限界。パオーンを掴まれ俺は辺りにぶちまけてしまったようだ。
掴んでいるのは見知らぬ小娘。
「ぞうさん、風邪ひいちゃってるの?」
何言ってるんだ、こいつ。
ってあれ? パオーンから声が出たのか?
一度ぶちまけたくらいでは足りないようで、まだまだ頭が混濁している。
小娘は俺のパオーンを振り回した。
「はい、こっちにビーってして」
振られてたまらずビーっとなってしまった。
ものすごいおしっこ感覚。
ひとしきりビーっとされたら少し落ち着いた。
おしっこはおしっこで気持ちいいものだ。出た物は違うが。
「あたしはババロア。
仕方ないから、ぞうさんもクマちゃんと一緒に面倒見てあげるね」
なんで小娘に面倒見て貰わねばならんのだ。
こんな奴はどうでも良い。
金だ。金と飯と女。手持ちの資金は200オーラム程。
この程度ではすぐに無くなってしまうだろう。
少しでも足音を立てると、凄まじい体力が湧き上がってくる。
食わなければ喰われる。
さらに、遠慮を知らないパオーン。女が欲しくて仕方がない。
やはり金だ、両方何とかするには。
ヤーマスの町には戻れない。
パオーンがこんなにパオパオしているようでは、息子に合わせる顔がない。
「うるさい、俺は金が必要なんだ。
それも早急にな、子供の相手をしてる暇なんてないんだ」
「お金? ランスの町で荷物運びの仕事があるらしいよ」
「なに、ランスか。地図は有るな、行ってこよう」
「ごーごー」
「付いて来るな」
「いーや! おじさん名前は?」
「デビンだ」
変な連れが出来てしまった。
どう見ても役に立たないが金策情報は有難い。
どうせ子供だ、そのうち飽きてどこかに行くだろう。
◇◇◇くらりくらくら、くーらくらー♪◇◇◇
俺達はランスの町に向かい、武器屋で荷物運びの仕事を請け負った。
目的地は悪い事にヤーマスの町だと言う。
「俺はヤーマスの町には戻れないんだがな」
「町に、一歩足を踏み入れるだけで良いんですよ。
1000オーラムですよ。お願いしますよう」
「一歩か、一歩入るだけで良いのか?」
「ええ、もちろん」
しかし、道中盗賊に捕まってしまった。
俺のパオーンがこんなにパオッパオしていなければ、足手まといが居なければ。
後悔しても後の祭り、身ぐるみはがされ檻の中。
「おじさんのそれ、凄いね」
「子供はあっち向いてろ」
「あたしのお父さんも、そんななのかな?」
「俺のパオーンは特別だ」
「なにそれ、それに名前つけてるの? えー」
「良いから、あっち向いてろ」
下手に動いてターンと音が出るとあふれてしまいそうだ。
夜更けになり、盗賊の一人が近づいてきた。
「こんな子供にとんでもないもの見せるなんて」
「俺が見せてるわけじゃないぞ!」
「分かってるって、俺はポール。あんた達、逃がしてやるよ」
「俺はデビンだ。ふむ、持ち物も持ってきたのか、気が利いてるな」
「俺も逃げたくてさ」
盗賊のアジトから出たところでポールとは別れた。
「俺はキドランドの町に戻るから、何か美味しい話が有ったら誘ってくれよ」
「ああ」
「魔物も多いから気を付けてな」
◇◇◇どんとちゃん、どんとちゃん、どどどどどど、どんとちゃん♪◇◇◇
付近のスタンレーの町に行くと傭兵の仕事が有った。
「請け負ってくれるなら1500出すぜ、勝ったらもう1500だ」
「任せろ、もう体力が爆発寸前なくらいだ」
まき散らしながら猪突猛進、戦場は白濁の海と化した。
敵方の前列交代もままならず、一気呵成に攻め立てて勝ってしまった。
3000オーラムを手にし、一息ついた。
「この町にはまるで女が居ないな」
「女の人を仲間にしたいの?」
「仲間? ああ、それでも良い。この際、丈夫で頑丈な奴が良い」
「それならピドナの町に居るよ。ノーラって人」
この放浪娘のババロアは、役に立つのか立たないのか微妙だが、まあいい。
丈夫な女が居るなら誰かに取られる前に捕まえに行こう。
ノーラはピドナの町の工房にいるらしい。
ノーラの工房は
親父さんが死んだあと、職人たちが逃げ散っていったそうだ。
職人集めを手伝うなら仲間になると言うので手伝う事にした。
鼻っ柱が強そうな女だが、こういうタイプも嫌いじゃない。
それに職人だけあって筋骨隆々。いかにも丈夫そうだ。
腕力と器用さとLPが多いのが自慢らしい。
早速、宿屋に連れて行った。
ノーラは俺のパオーンを見てごくりと唾をのんだ。
「あ、あたしでそんなになるの?」
俺はパオーンをブルンと振るってからノーラを押し倒した。
ノーラは見た目とは裏腹に体力が無いのか、すぐに泣きを入れてきた。
少しでもノーラの体力の補強に羅刹のベルトを付けさせたのだが、
見た目が酷い事になってしまった。
いや、見た目が変わったわけではない、印象が変わっただけだ。
しかし、そんなことは気にしてられない。
「これでも? ええー! こんなになっちゃったあたしでも!?」
パオーン、パオーン、パオパオパオーン
この女、あほな恰好でやられて喜びだしやがった。
「お願い、仲間から外して!」
「勝手に出て行けば良いじゃないか」
「出来ないのよ」
「意志の弱い奴だ」
「ああー、LPが削れる削れちゃうー」
言ってる事と顔の表情が違う。
気絶するたび減っていくLPの減少も楽しんでいるようだ。
夜はヘタレ女? こいつはそういう性癖でもあるのか?
パパパパパオーン
「もう工房とかどうでも良いから!」
「何を言ってるんだ、大事な工房なんだろう?」
「まって、本当にヤバイ! LPが持たないかも、女を増やして!」
なに? そうか、女を増やすのも有りだな。
俺にはまだ足りない。足りないどころかやればやるほどやりたくなる。
腰ふりターンで回復回復。これも王家の指輪の回復効果か。
まだまだやり足りないが、明日やれないとなると大損害になる。
いくら多いのが自慢とは言え、ノーラのLPを気にしなくてはいけない
生かして置けば女が増える。女が増えるのは大いに結構。
「心当たりは有るのか?」
「無い、けど」
「あたし、北の町にもうちょっと行きたい」
「ババロアはあっち向いてろ」
北の町か。地図はユーステルムにランスが有るな。
この間はランスに行った、今度はユーステルムから行ってみるか。
翌朝。ノーラはおはようの挨拶もそこそこに、
「さあ、職人探しに女探し。出かけるよ!」
「お、おう」
「ごーごー」
職人も集めるんだな。まあいい。
それにしても、寝てさえしまえば何でもスッキリ。LPだって回復する。
この世の七不思議のひとつである。
このノーラ、なかなかの買い物だな。
気に入っちゃって羅刹のベルトをまだ付けてるのが難点だが。
参考
放浪娘ババロア、14歳
LP10、体力19、魅力20
職人ノーラ、23歳
LP14、体力12、魅力13
羅刹のベルト装着時
職人ノーラ
LP14、体力12+1、魅力6