ファム・ファタール~寝取らせモノが大好きな剣士が異世界転移した場合~ 作:幻闇
「ふぅー。なんだかんだでやっぱりこの家が一番落ち着くな」
「ちょっとクロト。荷解き先にしちゃおうよ。一人だけソファで寛いでないでさー」
「えぇー……明日で良くないか? 別に傷むような生ものがあるわけでもないだろ」
「明日みんなに配るお土産だけ分けとかないと面倒でしょ」
「確かに……。んじゃそれだけ今日のうちにやっとくかぁ」
爛華の誕生を見届けた後、ひと月ほど龍人族の郷に滞在した黒斗と麟華は今、およそ三か月ぶりにセーヌにある我が家へと帰っていた。留守の間はギルドで契約しているハウスキーパーが家の維持をしてくれていた為、とくに掃除や換気の必要などは無い。
当初の予定では出産を見届け、その後はジェノガルドにも足を延ばす予定であったのだが、魔導船フォーマルハウトでのクトゥグアとの対決など、大きすぎる出来事もあり今回は見送っている。年末年始の忙しい時期を避け、年明け後暫くしたら再訪しようかと二人は話し合っていた。
郷からセーヌまでは一般人であればそれなりに危険もあり、国が運営する装甲馬車などを利用して数週間はかかる道行きであるが、二人が本気で走れば三日と掛からないし、いざとなればドラゴンモードの麟華に乗って半日でつく程度だ。とはいえ宿場町グルメなどを楽しみたい二人はゆっくりと歩きながら十日ほどで帰ってきたのであるが。
当然二人に疲れなどはないが、長らく空けていた久しぶりの我が家ともなれば、ほっと一息をつきたくなるのも人情というものだろう。すくなくとも、黒斗と麟華にとってはセーヌにある家こそが紛れもない自分たちの家であったのだから。
「ふぅ。まぁこんなもんかな。バルガスんとこももう産まれてる筈だから子供向けの玩具とか、ユニーさんに頼まれてた郷の和食レシピ本、あとはバルガスの酒だろ? よしオッケーだな」
「アルフェンとリルちゃんの所には郷名産のお菓子や和服。あとはこっちでは中々手に入らない調味料とかだね。ちゃんとあるよ」
知り合いに渡す土産類を籠にひとまとめに仕分けした二人は、それぞれに間違いがないかを最終チェックしていた。戦闘時こそ脳筋じみた正面戦闘を好む二人であるが、普段の生活時はわりとまめなタイプであった。
「うん、全部オッケーだね。もうベッド行く? 久しぶりのおうちのベッドってのも燃えるよね♡」
「いや。今日はやめとくかな」
「え……?」
思わぬ黒斗の返事に言葉を失う麟華。黒斗が夜の誘いを断るなどあり得ない。刹那の間に表情を厳しくさせた麟華が睨みつけるように黒斗に人差し指をつきつける。
「何者? あんたクロトじゃないでしょ。いつ入れ替わった? ボクの旦那をどこにやったのさ!!」
殺気すら滲ませた麟華が、虚空からゆらりと魔槍を取り出して構える。その瞳には狂える龍神の怒りが燃え滾っていた。
「ちょっとリンカさん?! いや俺は俺だが……つーかそんなにガチギレするほど俺は性欲猿って認識なのかよ。いや、流石に自分で言っといてあれだけどブーメランだったわ……」
「アレ……? 本物? えー? 本物なのにセックスしないとか……もしかしてこないだダーリンに寝取られちゃったのが思いのほかショックで勃たなくなっちゃった?」
「いやいつも通り興奮しました。つーかリンカお前忘れてるな? ほら、例の地下のアレ、もうすぐ完成する時期だろ」
「あっ! そういえば……」
「完成したらやるんだろ? いつもの宴。それも盛大に。だからそれまで我慢して性欲を溜めておこうかと思ってな。美味いメシは空腹で食うのが一番なのと一緒だろ?」
「完全に理解したよ。流石はボクの旦那だね♡」
スッと実体化させていた魔槍を消し去った麟華が相好を崩して黒斗にしなだれかかる。片手を己の下腹部に下げていき、我慢できないとでもいわんばかりに己が敏感な部分を擦り上げて、甘い嬌声を囁く。
「想像したら興奮してきちゃった……♡ でもボクもこのまま我慢するね……♡ はぁ……んうっ♡ ふあっ♡ いーっぱい集めなきゃ♡ おちんぽ♡ んくうっ♡♡」
「ぐおおお……エロエロのリンカ見てたら滅茶苦茶滾ってきた。こりゃ早いとこ実行しないと地獄だな」
「明日お土産渡したら進捗でも聞きに行く? あーでもサプライズ感が薄れるから連絡待とうかな。うん、そうしよう♡」
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そして翌日。里帰りの土産物を渡すべく、黒斗と麟華はセーヌに住む友人たちの家や職場を訪ねていた。
二人がまず向かったのは比較的近所に居を構えるアルフェンとリルの幼馴染夫婦だ。妻であるリルの方はかつて悪徳領主に騙され囚われて、一年間も嬲られ続けて女の部分をボロボロに壊されるまで拷問を受けていたのであるが、黒斗と麟華の二人と幼馴染であるアルフェンによってギリギリのところで救出されたという過去を持っている。
それ故か、アルフェンのリルに対する溺愛ぶりは凄まじい。もう新婚ともよべない程度には長い結婚生活を送っている筈だが、その溺愛ぶりはやや歪んでいるものの全く変わっていなかった。どころかむしろ悪化しているかもしれない。
「いようアル! リルも! 元気だったか?」
「たりめぇよクロト。元気すぎて二人で樹海深部で暴れ回ってた所だぜぇ!」
「リン姉さま! 私とっても強くなりました! でもまだまだ足りないです。リン姉さまにもっと鍛えて貰いたいです」
「二人とも凄く強くなったね! ビューネに鍛えて貰ってんなら当たり前か。いいよリルちゃん。今度模擬戦しようね」
神の力を得た麟華であったが、実際のところ戦闘面の強化はそれほどでもない。元々の戦闘力が異常なほどに高いだけである。むしろ、神としての力は特殊技能、いわゆる再生力の超強化や奪った神気の権能といった面で役に立っていた。純粋な戦闘力のみで計れば、アルフェンとリルは二人と比べてもそれほど遜色がないのだ。
「つーわけで土産だ。それと、近いうちに地下宮殿の落成式を兼ねた宴をやる。勿論来るだろ?」
「ああ、むしろリルがノリノリだからな、オレが行かなかったらどやされちまうぜェ」
「絶対行きます! 勿論参加します! 決まったら教えてくださいね!
「勿論だよリルちゃん♡ 二人でめいっぱい犯されて、沢山のおちんぽ食べ漁ろうね♡」
「はい! たのしみです♡」
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「次はボルボルのとこか? ギルドにいるだろうからついでに顔出すか」
「そうだね」
アルフェンとリルの家を出た二人は、続いてセーヌのギルド支部へと向かった。
建物に入ってすぐの受付、普段であればサブマスターのルーシャがニコニコと座っているはずの場所に、見慣れない受付の男がいた。話を聞けばルーシャもまた出産直後で大事をとって休んでいるとの事だった。落ち着いたら祝いの品を持っていくとギルド員に告げた二人は、目当ての人物の居場所を聞く。すると男は申し訳なさそうに、ボルボルは休みで家にいるだろうという話を聞かせてくれた。それを聞いた二人は少々肩透かしな気分になったのだった。
二人はボルボルとその母であり妻でもあるリリアーヌの住む家へと向かった。
「よおボルボル! 変わりはないか?」
「うむ。仕事はやりがいがあるし、妻も街に人間の友人ができて生き生きとしておる。かつて求め焦がれた夢のような生活よ。感謝しているのだぞ」
「掴み取ったのはボルボルの力さ。つーわけでこれお土産な。ここらでは手に入りづらい珍しい食材や調味料だ。とくに様々な魚介出汁の詰め合わせパック。これだけでなんでも旨くなるぞ」
「助かる。そちらは無事産まれたのであるか?」
「ばっちり安産だったよ。ランカって女の子だ。リンカに妹ができたよ」
「重畳であるな。うむ、バルガス殿の所も幸せそうである。私も決意した。妻と子作りを本格的にしてみようと思う。勿論妻はその気である。だが、子の牙は折りたくないのだ。豚人のハーフだとバレて苦労しなければよいのだが……」
「いいんじゃないか? ここは偏見も少ないし、なんせ俺たちがいるしな。ギルドのお偉いさんにもなったボルボルとその家族に文句付けてくるバカなぞおらんだろ」
豚人と人間の女性……妻にして母たるリリアーヌから産まれたハーフのボルボル故の苦悩であった。豚人に攫われて出産奴隷となった母を救い出し、砦の将軍として出産奴隷の待遇改善を行い、最後には著しく知能が低いせいで豚人本国からも見捨てられた豚人達を処分し、人の世界で生きる事を決めた男。ボルボル。
そんなボルボルであれば、たとえどんな苦難が待ち受けようと難なく打破してしまうだろう。黒斗と麟華はなんの心配もしていなかった。
簡単な土産話と共に二人に土産を渡し、近いうちに知り合いで集まって飲み食いの宴を開こうと約束して二人の家を辞した黒斗と麟華。残す訪問先は最近待望の子供が生まれた鍛冶屋バルガスの店である。
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「バルガスおめでとう! 男の子か? 女の子か?」
「おうおう久しぶりじゃねぇか! 聞いて驚くなよ? なんと男と女の双子よ! がははははは!」
「マジか! 改めておめでとう! バルガス」
「うんうん。良かったねえ……二人ともたくさん子供欲しがってたもんね。やったねユニーさん」
「ふふ、ええそのとおりよ。一気に二人は大変だけど毎日やりがいがあるわ。うちのひとも黒斗君たちのお陰で名が売れて、お店もかなり繁盛してるのよ。助かってるわ」
「子供100人くらい養える程度の稼ぎはあるぜぇ! がっはっはっ。早速ユニーのやつを今夜孕ませてやるかね」
「もう……そんなに産まされたら私のおまんこ本当に壊れちゃうわ♡ 産むより種を仕込まれる方が大変なのよ? 双子をすんなり産めちゃうくらいガバガバなんだから、今の私のおまんこ♡ 種付けでぶっ壊されて産めなくならないかが心配ね♡」
ついて早々、子供の話で大盛り上がりする一行。そんな中で、夫の性癖ゆえに多大な負担を女性器に掛けられているユニーがのろけつつも愚痴る。彼女とてマゾなのだ。夫との荒々しい拡張セックスは大好物なのてある。とはいえそのせいで、子を孕めなくなっては本末転倒だと冗談交じりに話す。
「ああでも、最近ギルドで販売し始めた新素材の回復ポーションがあれば大丈夫かも! 今までのよりも大分高いけど、バルガスの稼ぎなら余裕でしょ」
「あら、それは助かるわね。でもそうなると……もっと過激で取り返しがつかないようなプレイもヤり放題じゃない。うふふ♡ ちょっと楽しみかも♡」
「ボクは自前の再生力があるからいいけど、そうじゃないマゾの人は大変だよねぇ」
「ホントよ。まったく、リンカちゃんが羨ましいわね」
そんな人妻友達たちの盛り上がりを眺めていた旦那二人はといえば……。
「まぁなんだ……バルガス、ほどほどにな……って──」
「ぐふふ。ホントはユニーに使いたかったけど危険すぎて封印していたあの魔導具や……間違いなく子宮が終わるアレも試せるか? ぐふふ……夢が広がっていくぜぇ」
「ダメだこりゃ……」
すっかりピンク色の雰囲気になってしまった二人に、ベビー用品と出産祝いの大金貨をサクッと渡した黒斗と麟華は、バルガスに渡された開店休業の立て札を店頭に置いて店を去ったのであった。
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挨拶まわりを終え、暫くの日常をまったりと楽しんでいると、地下宮殿の建設を任せている施工会社から待望の連絡が来た。
「どんな風になってるかねぇ。最後に見た時は建物はまだ作りかけだったが」
「予定通りならガワは出来てるんじゃない? 内装とかはどうだろうね」
麟華ハーレム計画のかなめである地下宮殿。人造神であるツァトゥグァの力を借り、半ば神域と化したドーム型の地下空洞に様々な娯楽施設や男たちの居住施設を用意した施設だ。規模的にはもはや
当然であるが、建造にあたってはセーヌの行政である執政官や、その上のアストラ王国にも話は通してある。王国としても各国首脳と同等の地位をもつ金級冒険者であり、竜種の変異体やヴォイドの異形すらも討伐せしめた二人を手放したくないという下心があったのである。
また、二人がジェノガルド選王国の国王夫妻と昵懇の間柄であるというのも大きかった。ここでダメならじゃああっちで……となっては堪らないからだ。
とはいえ勿論王国側に旨味が無いわけでは当然無い。二人が卸す大量の竜種素材はセーヌを潤し、ここ数年の税収は右肩上がりなのだ。さらには数年ごとに交代でセーヌに派遣される大勢の王国兵士たち、彼らに対する慰安目的─いわゆる娼館利用の為─の特別賞与もバカにならない金額なのだが、これが半分ほどに減ったのだ。いわずもがな麟華のお陰である。
ちなみに娼館業界側からはそれなりにため息も聞こえたわけであるが、実際に働く娼婦たちからの受けは意外と悪くなかった。嗜虐的な嗜好を持つ一部の客、あまり良い客層とはいえない男たちが軒並み麟華の方へ行ったことと、二人の活躍でセーヌが経済的に潤った結果、希望せずに娼婦に堕ちる女が劇的に減ったからである。
今セーヌの娼館で働く女たちは大別して二種類にわけられる。有り余る性欲を満たす為に女冒険者が副業的に行うか、そもそも娼婦という商売が大好きな好きモノたちだ。彼女たちにとって麟華はまさに英雄であった。冒険者はその強さに、娼婦たちはその淫らさに、それぞれ絶大なる尊崇の念を抱いていた。つまりは信仰を集めていたのである。
「よう! 邪魔するぜ」
「みんなただいまー!」
二人が酒場の扉を開けた瞬間、それまで騒めいていた酒場の店内が一瞬で静まり返った……かと思われた次の瞬間──凄まじい歓声がそこかしこのテーブルから噴き上がった。
「うおおおおおおおおっ! リンカちゃあああああん」
「女神降臨! 我らが祈りが天に通じたのだ!」
「お前毎日祈ってただろうがよ。俺もだけどなああああ! おかえりいいいいい!」
「そろそろだと思ってたけど今日か! うっひょおおおおお! 禁欲の日々ともこれでお別れだぜえええ!」
二人を出迎えたのは、この酒場がマスターもいない酒場とも呼べないうらぶれた時代からの常連たちだ。
改装され、正式に雇われたバーテンダーが働くこの酒場にかつての面影はない。だが、普段からここに集う面々は暖かく二人の帰還を喜んでいた。その理由の半分が性欲だとしても、残り半分は間違いなく二人に対する親しみであった。
とはいえ彼らも変わったのだ。二人に出会った事で一念発起した彼らは、かつての職も持たぬフーテンじみた頃とは違い、それぞれが真面目に社会復帰を果たしていた。崇拝する女である麟華に対して少しでも胸を張れる男になりたいと思ったからだ。
「つーかお前らリンカちゃんだけじゃなくてマスターにも挨拶しろよ」
「おっおう……いやでもマスターちっと雰囲気怖いじゃん? いい人だってのはわかってるけど久しぶりだとな……」
「おれはするぞ。マスターもおかえり! むこうでもリンカちゃんとヤリまくりだったんだろうな! 羨ましいぞ!」
「オイオイオイ。アイツ死んだわ」
そして当然だが今はマスターもいる。酒場と周囲の土地を纏めて買い取った荒神黒斗が、酒場のマスターと呼ばれるのは当然の成り行きであった。
「いや別に殺さんが。まぁ当然ヤリまくりだったぞ。毎日最低50回は抱いたな! いやぁー! リンカの穴は何億回使っても飽きねぇし気持ちいいわ。旦那ならいつでも使い放題で最高だぞ」
「マスターが言葉で殺しにきやがった。くそがよ!」
「ぐおおおおお! 羨ましいいいい! でも俺たちが一億人いても勝てねぇから諦めるしかねええええ! むしろそんな最高の嫁さんを使わせて貰ってありがとうございますううう!」
「「「ありがとうございます!!!」」」
「なんだこいつら……」
最終的に全員が溢れだす感謝を叫び始める有り様に、さしもの黒斗もドン引きし、麟華はあはは……と乾いた笑いをこぼしている有様であった。
「まぁつーわけで帰ってきたんだが、地下の進捗がきになってな。見に行ってくるわ」
「了解!」
「俺たちの頑張りの結晶……楽しんできてくれよな」
「いいモン造ったわー。ホントホント」
男たちの言葉に見送られて、酒場の奥に造られた巨大な扉から奥に向かい、地下へと進む大階段を進んでいく二人。
やがて、夜だというのに真昼の様に明るい地下大空洞に辿り着いた。
「うわあ! すっごーい!」
「ほぼ完成してたか。確かにすごいな……」
二人の前に現れたのは、まさに地下都市の名に相応しい威容であった。
中心部にある神殿を模した造りの巨大なハーレム宮殿。その周囲を囲むように作られた温泉施設やプール、サウナなどの温浴施設。さらにその周囲には様々な飲食店が軒を連ね、最外周には男たちが住むであろう住宅地や集合住宅などの居住施設が、といった塩梅で、しっかりと区画整理されていたのである。勿論全ての建物は完成し、実際に居住区にはそれなりの男たちが住んでいるようだ。飲食店からは炊事の煙もあがり、食欲をそそる香りが至る所から漂ってきていた。
「ご飯! ご飯たべてこうよ」
「リンカの好きな食べ物ばかり集めた夢のフードロード……だったか。勿論いいぞ」
「やったー! クロト大好き! 愛してる!」
飲食店で出てくるメニューはどれも、正式開店前の工事人夫むけのボリューム&塩分に特化した味付けのものばかりだったが、むしろそれが良いと麟華には好評であった。
どのみち正式にここが運営されれば、昼夜を問わず激しすぎる運動が行われるわけで、ボリュームと塩分に特化したメニューは最適解だったのである。
「おいしー♡ この特盛焼肉セット最高♡ 追加料金でホルモンもニンニクも足せるし最強~♡ あ、ご飯、麟華デカパイ盛りでおかわりねー♡」
「この中華もうまいぞ。回鍋肉がピリ辛で脂もたっぷりで銀シャリが進みまくるのなんの……くあーたまらん! エビチリもデカパイ盛りで! あとご飯もな。つーかデカパイ盛りってなんだよ」
フードロードで食欲をそれなりに満たした二人は、いよいよ中央にある神殿めいた宮殿に入った。
その場所のあまりの凄まじさに、内部構造を確認した二人が絶句してしまったのも無理は無い。
「なんじゃこりゃあ……」
「ああん♡ ボクの理想の場所だよ……♡ まさに此処こそ、ボクの神域……なんだね♡」
鱗と角、尻尾を備えた妖艶な裸婦を象った、精緻なレリーフの施された扉をくぐった二人。その目の前には広大な闘技場を思わせる空間が広がっていた。
一万人は収容できそうな円状の段差のついた観客席らしきスペースに囲まれた中央部分。まず目を引くのは百人は乗れそうなサイズの巨大なベッドだ。だが当然それだけではない。周囲には緻密に計算された水路や池の様な構造がいくつも存在し、水路で区切られた大きな区画には古今東西のあるゆる拷問器具の類や調理スペースすら設けられていたのだ。
更には広大な円形の建物内の内壁全体に張り付けられた半透明の曲面モニター。幾つものモニターを繋ぎ合わせて作られたそれは、恐らくセーヌの闘技場に存在する浮遊魔導カメラによる中継モニターだろう。冒険者のように化け物じみた視力を持たない一般人であっても、中央で行われるプレイの様子がたやすく鑑賞できるというシステムである。
「熱くも寒くも無い。心地いい風が吹いてるな。どれだけ大規模な空調魔導具設備を使ったんだこれ……」
「あの水路……もしかしてプールじゃない? それで池みたいなのはお風呂じゃないかな。ジャグジーみたいなのもあるし……凄いね」
「水はけも良さそうだな。激しいプレイで血とかザーメン塗れになっても掃除しやすいってわけか」
「まぁそのあたりはボクが神気でちょちょいと分離吸収したりできるからそこまで気にしなくてもいいんだけど、それでもボクの為に造ってくれたってのが伝わってきて……最高♡」
両手で頬を抑えた麟華が、うっとりとした表情で宮殿内部を眺める。嬉しいという事も勿論だが、それ以上に感じていたのは興奮であった。これだけの設備を自分という一人の女の為に沢山の男たちが造りだした。この場所で供される己という女を最大限に愉しむ為に……。
きっと様々な妄想をしつつ作業に従事していたのだろう。それを考えるだけで麟華の魂と子宮は熱く滾り、疼くのであった。
「ねぇねぇクロト……早くここ使いたいよぉ……♡」
全身を瘧にかかったかのように震わせながら、隣に立つ偉丈夫を上目遣いに見上げる麟華。その表情は耐性のない男であれば目にしただけで即座に精を放ってしまう程の淫猥さに溢れていた。
「ああ、まかせとけ。盛大に集めてやる。準備と人集めを三日で終わらせて、そこから一週間……いや十日くらいかけて落成パーティーといこうや」
「はぁん……♡ 最高♡ クロト愛してる♡♡♡」
セーヌに帰ってきて早々、いつもどおりの肉欲の宴は、その規模を大きく増して開催される事が確定したのである。