ファム・ファタール~寝取らせモノが大好きな剣士が異世界転移した場合~ 作:幻闇
初々しい恋人同士の冒険者を見送ったバルガスは、満足した様にうんうんと頷きつつ店の中に戻った。
「いやぁ今日は朝からいいモン見せて貰ったな! 俺の刀をこんなに使いこなしてくれる剣士に出会えるなんてよぉ。くぅー……鍛冶屋としちゃ、一番嬉しい瞬間だぜ」
試し切りで使われた兜や台座を片付けながら、嬉しそうに呟くバルガス。余程、黒斗に刀を使ってもらえるのが嬉しいのだろう。
「ハガネ断ちバルガス……いいじゃねぇか、こりゃもっとイイ刀を頑張って作らねぇとだなぁ!」
口笛でも吹きそうな程に上機嫌な様子でカウンターに戻り、作業を始めるバルガス。
「それにあんちゃん達の仲の良さに俺も当てられちまったぜぇ……今夜はユニーと…………ぐへへへ。もうすぐコイツも出来上がるしな、今日中に完成させてユニーに使ってやるとするか……ぐふふふ」
なにやら凶悪な形の魔道具の仕上げを行いながら、締まりの無い顔で作業を続けるバルガスであった。
ーーーーーーーー
セーヌの街の区画は大きく五つに区切られる。
中央の領主や貴族、軍務に就く者達や議員達の住まう政治区画。
四方向にそれぞれ、住宅地や学校のある区画、商業施設の多く集まる区画、歓楽街や風俗関係のあつまる区画、畜産や農業施設のある区画と、機能的に分けられていた。
また森に近い門近くには冒険者ギルドが有り、有事の際には軍が準備を整える間に侵攻や襲撃を抑える役回りも担っていた。
「やっぱり都市は発展してるんだなぁ。おっ! あの建物か?」
「魔素の濃い地域はともかく、開拓された場所は凄い勢いで開発されるからねぇ。人が住める場所はそう多くはないんだ、この世界は。……そうそうあの大きな建物だよ」
比較的魔素の薄い整備された街道があるとはいえ、この世界では魔獣の脅威がある。
小競り合い程度ならともかく、近代になってからは大きな戦争などは無かった。いまある支配領域を維持する事の方が遥かに大変だからだ。
二人は門の近くに建てられた、左右に酒場と食堂が併設された一見役所の様な建物を見つけ入っていく。
「俺の世界の良くある物語だと、酒場の中にあったりして強面の冒険者達が見慣れない奴に洗礼を与えてくるイメージだが……」
「ふふっ昔はそんな感じだったのかもね? 高価な設備や魔道具もあるから酔っ払いが沢山いる所には置けないんじゃないかな?」
「そりゃそうだよなぁ……――受け付けはあそこみたいだな」
能力や魔法適性の判定魔道具や冒険者データを共有するための通信魔道具や、依頼処理のための事務員達のスペース等の関係で、ギルド本来の業務の建物と冒険者たちの交流や仲間探しの酒場や食堂はきっちりと分けられていた。
「すいません。冒険者の登録をしたいんですけど」
「はい承ります、登録はお二人でしょうか?」
受付のカウンターに座る、赤髪をサイドテールに纏めた一見すると幼い容姿の女性。
しっかりと制服を着込んでいる為、ただ童顔なだけなのだろう。その証拠に幼い顔に似合わない迫力の豊かな双丘が制服の胸部を押し上げている。
(すげぇな……これが噂に聞く合法ロリ巨乳ってやつか……リンカの方が大きいけどな)
そんな不埒な事を考えながら受付嬢に答える黒斗。
「いえ、彼女は鉄級の冒険者で、今回は俺だけの登録希望です」
「了解しました。それではこちらの用紙に必要事項を記入して頂きます。終わりましたら微量の血液を採取させて頂きますのでご了承下さい。またお連れの方は鉄級という事なので、確認の為ギルドカードの提出をお願いいたします」
用紙に英語で記入を行う黒斗と荷物からギルドカードを取り出して提出するリンカ。
受付嬢はカードを確認すると、問題ないという様に頷き、リンカに返す。
「タツミヤ リンカ様ですね。確認しました。問題ありません、パーティもご一緒に組まれるのですか?」
「うん、彼の登録が出来たらパーティ登録もお願いねっ」
「ふふっ仲が良いのですね。承りました」
名前や年齢性別、出身地は事前に話し合った通り、リンカの里にして記入し提出する黒斗。
用紙を受け取り、何かの魔道具に登録していく受付嬢を眺めながら小声でリンカに話しかける。
「リンカも苗字あったんだな」
「あっ! 言ってなかったっけ、ごめんごめん。里では姓名は皆あるんだけど国によっては貴族だけだったりもしてさ、誤解されると面倒だからリンカで通してたんだ」
「成程なぁー、日本の習慣がある里ならそうだよな、でも凄く響きの良い名前だな、綺麗だ。漢字ではなんて?」
「干支の辰にお宮の宮、鱗の華と書いて辰宮鱗華だよ」
「リンカにぴったりの可憐な名前だな、鱗が華のように散りばめられてほんとに綺麗だからな……」
「ちょっとクロトぉ……恥ずかしいからやめてよぉ……」
目の前でいきなりイチャイチャし始めた二人を微笑ましそうに眺めた受付嬢は、登録が終わった事を告げるタイミングを計り声を掛ける。
「ご馳走様です。ふふっ本当に仲が良いのですね、そろそろ血液の採取に移りたいのですが。宜しいでしょうか?」
職業柄、各地の言語に精通している受付嬢には日本語の会話の内容も筒抜けなのであった。
顔を真っ赤にした二人が慌てる様子をニコニコと眺めつつ、受付嬢は採血を行う部屋を教えてくれた。
「すいません、日本語も解るんですね。流石はギルドの受付の方だ。採血が終わったらここに戻ってくればいいんですか?」
「はい、担当の者が指示をしてくれると思うのですが、終わりましたらこちらまでお戻りください。能力判定や魔法適性の判定もご希望でしたら採血の後にこちらで行えます」
「わかりました! ありがとうございます」
受付嬢にお礼を言いそそくさと案内された部屋へ向かいながら鱗華が愚痴をこぼす。
「ボクもう、依頼受けにいけないよ……」
「まぁそんな気にしなくても大丈夫だろ。やり手の受付嬢って感じの人だったし、いちいち気にしないさ」
「むうう……全く……クロトが変な事いうから」
「本当のことなんだがなぁ……」
案内された部屋で、黒斗だけが部屋に入り採血をすませる。
器具の見た目は地球の注射器とほぼ同じであった、やはり人型で合理性を追求すると同じようなものが出来上がるという事だろうか。
受付に戻り先程と同じ受付嬢に報告をすると、ギルドカードを作成する間に適性を調べられるという事で、カウンターの隣にある箱型の大きな魔道具装置に入るように指示される。
中に入るとドアがロックされ、狭い空間内に固定された椅子形の台座に座るように音声の指示が流れた。
「なんか病院でレントゲンを撮影するような感じだな……ドアはしっかり密閉される仕組みなのか。原理は解らないけど密閉された空間内の生物をスキャンとかそんな感じっぽいな」
地球で言うところのMRI装置のような原理なのだろうかと黒斗が考えていると小さな音が鳴りドアのロックが解除される。
外に出ると受付嬢の女性が結果を教えてくれた。
「クロト様の能力は学習能力向上の様ですね。脳の記憶や運動野に対して魔素が働きかけています。新しい事を覚えやすくなりますからとても良い能力かと」
「それは凄い……魔獣と戦って戦闘経験をどんどん積まないとですね。魔法の適正もわかるんでしたか?」
「風と光の魔法に対して適性が見られました。近距離の空気に干渉して音を遮断したり、光の屈折率などの操作が可能ですね。隠密や斥候に向いた魔法が多いです」
「二つもですか! しかも近接戦闘にも使えそうですね。これは便利そうだ……」
適性判定の結果を聞き思わぬ好結果に喜ぶ黒斗、鱗華も嬉しそうに頷いている。
「2属性持ちはそこまで珍しいわけではないけど、それでも凄いねぇ。ボクと属性が違うのも便利だね、役割が被らないし」
「リンカは火だったよな。この世界だと強力な攻撃魔法ってのはあまり無さそうだけどそれでも野宿や野外で火が使えるのは便利だよなぁ」
「ボクは魔素が少ないのか攻撃用は1日で二回が限度かなぁ、それでも有ると無いのじゃ大違いだね」
この世界の魔法は魔素を利用して作られたスクロールを使い、中の情報を肉体の中の魔素に覚え込ませて使用するものだ。一発の魔法で森を焼き払ったりなどは出来ない、精々鹿を焼き殺せる程度である。ただ野営で火を付けたり、お湯を出したり、地味に便利な魔法が揃っている、マッチやポット等を体内に直接持っているようなものなのだ。
「お待たせしました。アラガミクロト様。ギルドカードの作成が完了しました」
二人が談笑している間に作成を終わらせた受付嬢がギルドカードを渡しに来てくれた。
まずは見習いの石級冒険者からである。クロトはそのまま受付嬢からギルドの説明を受ける。
要約すると、等級はあくまでギルドの貢献度であり、冒険者本人の強さと比例するものではない事。基本的に依頼はどれでも受ける事が可能だが、ギルド側が確実に無理だと判断した場合は拒否される場合もある事。保障や保険などは無くあくまで自己責任の職業であり万一依頼中に死んだ場合でも遺族には援助などされない事。なにか悪事を起こした場合は大陸中のギルドネットワークで指名手配がかかる事などであった。
「まあ危険は多いけど討伐で得た素材や迷宮で得られた物はすべて自分の所有物にできるし、ハイリスクハイリターンの代名詞だよね、冒険者ってのは」
鱗華がやや得意気に黒斗に先輩冒険者として語る。
「成程なぁ……そうなるとギルドはどうやって稼いでるんだ?」
「依頼に提示された報酬以外に依頼主の方に別に手数料を頂いております。魔獣討伐の報酬は国から出ていますね。また冒険者の方に販売する各種サービスや消耗品の販売等と冒険者の方の戦利品の買取と販売です」
不思議そうに呟いた黒斗に受付嬢が丁寧に答える。
「良く出来てるんだなぁ……今日はありがとうございました。ええと……――」
「申し遅れました。ルーシャと申します。以後宜しくお願いしますね」
「ルーシャさんだな!よろしく!」
受付嬢、ルーシャとは今後も依頼などで顔を合わせる事も多いだろう。
親切な人で助かったなぁと思う黒斗だった。
「あっそうだ、クロト!訓練場にいこうよ」
「忘れてたな。すいませんルーシャさん訓練場をお借りできるんですよね?」
「はい。中庭が自由に使えるスペースになっておりますのでそちらをお使いください。訓練用の木製の武器もそちらで貸し出しております」
場所を教えて貰い中庭に向かった二人。
途中の訓練武器貸し出し所で木刀と木槍を借り、互いの戦力を計る為の模擬戦を行うつもりなのだ。
ーーーーーーーーー
槍を中段に前方に突き出すように構える鱗華。対して自然体で剣先をだらりと垂らす黒斗。
「立ち会っただけでわかるなぁ……クロト、隙が全く無いよ」
「リンカの構えも凄いな。一見普通の中段構えなのに無駄な力が一切入ってない、どんな攻撃にも対応できそうだ」
じりじりと間合いを詰める鱗華に対し自然体で後の先を狙う黒斗。
槍の間合いに入った瞬間に黒斗はカッと眼を見開き動かぬままに殺気を飛ばす。
「…………流石に釣られないよ、そらっ!」
見えない殺気の刃に一切反応を見せずに神速で木槍を突き込む鱗華。
木刀でするりと受け流すも次の瞬間には鱗華の手元に戻った木槍が猛烈な速度で連続突きを仕掛けてきた。
「フェイントは効果なしか……凄まじい速度だ。だが突くばかりでは。覇っ!」
突きのタイミングを見切り、振り下ろした木刀で穂先を叩き、地面に押し付けようとする黒斗。
「引っ掛かったね!!クロトっ!」
柔軟な手首を素早く動かし剣先の軌道をずらす鱗華、その勢いを利用して円を描くように横殴りに穂先を黒斗の胴に叩き付ける。
「ふふっ、ボクの勝ちかなあ……って……――」
「引き分け……だな」
黒斗の左脇腹の手前で寸止めされていた木槍と、下段から跳ね上げられ鱗華の股下で寸止めされた木刀。
真剣であれば黒斗は胴を薙ぎ払われていたが、リンカもまた股間から斬り上げられていただろう。
「ちょっと! 何処狙ってんのさぁ~クロトのえっち!」
「えええっ! いやいや、下方からの斬り上げは視線が高い人間には有効なん……――ゴクリ」
スッと視線を剣先のやや上、鱗華の、スパッツに覆われた女性の大事な所を凝視して息をのみ込む黒斗。剣士として本能的に狙ってしまったが、冷静な思考に戻るとこれはマズいのではないかと思い始める。
だが視線は逸らせなかった……悲しいかな童貞である。
「いやぁん♡凄い眼でみられちゃってるよぉ……もう……」
慌てて股を開いた構えの姿勢から足を閉じる鱗華であった。
ーーーーーーーーーー
「まぁクロトの実力は解ったよ……実戦経験が無いのにあれだけ戦えるなら経験を積めばすぐに追い越されそうだね、あとは凄いえっちだったって事かな」
「返す言葉もございません……」
「ふふっ。別に怒ってるわけじゃないよ。クロトなら嫌じゃないし、ただあんなに凝視されると……恥ずかしいよ」
「誠に申し訳ない……気を付けます」
完全に尻に敷かれてしまった黒斗である。
その後、ギルドの売店で魔素を用いた傷薬等の消耗品を揃えた二人は、隣に併設された食堂に移動してやや遅めの昼食をとる事にする。
「この傷薬ってのは効き目はどんなもんなんだ? 一瞬で傷が治ったりするのか?」
「そこまで凄いものじゃないよ。三日で治る傷が一日で治るって感じだね」
「物語のポーションみたいにはいかないって事か……それでも十分有効なものなんだな」
「三倍の速さで治るわけだからね、冒険者には必須アイテムだよ」
心の中で、だから赤色なんだなと思いつつ黒斗は店内を見回して、昼過ぎとはいえ客の数が少ないことに気づく。
「この時間に混雑してないってのは予想外だったな。もっと冒険者が沢山いるのかと思ったが」
「この時間にいる冒険者は休日の人くらいじゃないかな?依頼で外に出てる人が殆どだから夜になれば混みあうと思うよ」
「成程。基本、街中や外での仕事が多いからか。弁当は必須だな」
「まぁ嵩張るから大体は携帯食料とかで済ませちゃうけどねぇ」
そんな話をしていると、二人が注文した料理が運ばれてきた。赤身と脂肪が絶妙なバランスの格子状に焼き目のついた大きなステーキ、何かの肉と野菜の中華風で味付けされたピリ辛の炒め物や味の濃い物に合いそうな硬めに焼き上げられたバゲット、
たっぷりの溶けたチーズが掛けられた腸詰のグリルと、体が資本の冒険者にとっても多すぎるであろう料理が並んでいく。
「無茶苦茶多いな、俺もかなり食うけど。リンカは?」
「昨日も言ったけど、ボクの能力はお腹がすくんだよねぇ……。それに龍人族は元々大喰らいの種族だし。クロトも沢山食べるならこれじゃ足りないかもね。まあ足りなかったら追加で頼もうか」
「成程な。それにしてもこの味付けは最高だな。飯が美味いってのは良い事だ、でも米とかはないのか?」
「あるけどこっちの方だとすこし高めだねぇ、ボクの里なら沢山育ててるから好きなだけ食べれるけどね」
醤油や味噌もあるという鱗華の話に、これは是非そのうち龍人族の里に出向かなければと決意する黒斗であった。
「ふぅ……美味かったな。所でリンカは何で冒険者に? ソロの女の子には厳しい職業だと思うけど」
「龍人族は基本的におとなしくて里に籠ってひっそりと暮らしているんだ。閉鎖的ってわけでもないんだけどね。一部の変わり者が里の外に出て時たま見つかる漂流者を保護したりしながら旅をするのさ、ボクは知らない物を見たり、強い相手と闘うのが大好きでね」
「あー、解る気がする。俺も武者修行で世界中回ったからなぁ、好奇心は抑えられないしな」
「似た者同士だねぇ、ふふっ。でも旅に出て冒険者になって良かったよ、こんな素敵なパートナーが見つかったしね」
「うう……照れるぜ……それを言ったら俺だってあの時、この世界に飛ばされて本当に良かったよ。同じ理由でな」
甘めな雰囲気を撒き散らしながら、どちらともなく互いに手を伸ばし合い、握り合おうかというタイミングで、給仕の女性が空いた皿を片付けに来ると慌てて手を引っ込めて互いに苦笑し合うのであった。
その後訓練場に戻った二人はトレーニング方法等を教え合い、立ち合い稽古や型の練習を行う。
陽も沈み、暗くなってきた頃合いで宿に戻った二人は、食事をとると部屋に入り、風呂で一日の疲れを癒すのだった。
ーーーーーーーーー
「ふぅー、いい湯だったぜ……明日は依頼を受けるのか?」
風呂からでた黒斗は、先に風呂を済ませ荷物の整理をしている鱗華に話しかける。
「そのつもりだよ。黒斗の実力なら低位の魔獣程度なら問題なさそうだし、森の浅部に出現する魔獣の討伐依頼を受けようか」
「宿に戻る時に説明してくれたけど、魔獣の被害は深刻なんだなぁ……」
黒斗が聞いた話によれば魔獣とは、動物が魔素によって活性化して変異した生物で、普通の食べ物では無く魔素を体内に持つ生物を捕食する様になるという存在だった。
故に、普通の生き物より多く魔素を持つ人種全般は恰好の獲物なのだ。
元の動物の平均サイズよりも遥かに大きくなり、牙や爪を持たなかった生物でも魔獣化した時に生えてくるという性質もあわさって、一般の人種にはこの上ない脅威である。
「兎や猪の魔獣なんかは狩りやすいかな、どっちも動きが分かり易いからね。強いのはやっぱり熊とか大鹿、厄介なのは猿だねぇ」
「大体元の動物の特徴通りなんだな。バルガスさんが言ってた蛮族ってのはこの辺には出るのか?」
亜人の一種だとされているが、知性も低く言語も原始的でほぼ意思疎通のとれない蛮族。
彼らにも雌はいるがどんな人種との間でも子を成せる為、手っ取り早い繁殖のために攫われることも良くある。
なぜ亜人に含まれるかというのはこれが大きな理由であった。
「浅部にはいないはずだよ。街をつくる時に近くの集落は駆逐されるからね。定期的に軍が巡回もするし、居るとすれば森の奥や、遺跡に住み着いてる奴らだろうね」
「動物より人型の方が、俺としては戦いやすいからな。バルガスさんの話を聞いてたから殺すのにも躊躇いは覚えずに済みそうだ」
黒斗は人を殺した事は無かったが、剣士としていざという時に殺す覚悟は昔から出来ていた。
少なくとも自分や鱗華を殺そうとする様な人間は躊躇いなく殺せるだろう。それが
「ねぇクロト。もしボクが攫われちゃったら、ちゃんと助けに来てくれる?」
「当たり前だろ! そもそもそんな事はさせない」
「うん、そうだよね。ありがとうクロト」
黒斗の力強い言葉に安心する様に微笑む鱗華。
(でも……もしボクが攫われて蛮族達に犯されて……汚されても、クロトはボクを捨てないでいてくれるのかな……――きっと大丈夫だよ……ね――)
その心に一抹の不安を抱えながら……。
ーーーーーーーーー
tips
冒険者ギルド
半官半民の組織、一般人は国に対して納税を行うが冒険者は旅をする者も多いので冒険者ギルドが代わりの手続きを行い、依頼報酬などから自動で税金が引かれる。
各種依頼の仲介やサービス、戦利品の買取や販売代行。幹部クラスの者は各国高官と同レベルの権限を持つ。
白金級 各国の英雄クラスの偉業を成し遂げた者
金級 大樹海深部の調査を行うことが可能な者
銀級 ↑
鉄級 石から銀級迄は一定の依頼や特定の貢献度、大きな成果を上げる事により昇格可能
銅級 金より上の階級は冒険者自身の戦闘力や実績が必要
石級 ↓