ファム・ファタール~寝取らせモノが大好きな剣士が異世界転移した場合~ 作:幻闇
落ち着いた色合いの調度品が並ぶ広い室内、決して華美ではないが質素でもない、使い込まれた色合いの、歴史を感じさせる重厚さを纏った逸品ぞろいの部屋は、見る者が見れば一目で只の貴族の部屋ではないと解るだろう。
事実この部屋の持ち主は貴族では無い……――国王であった。
ジェノガルド選王国を実質的に支配する三つの選王侯、アズライト家、ウィングレイス家、フレアハート家。それぞれの家から王に相応しい者が選ばれる為、各家に生まれた者は帝王学と武を幼少のころから叩き込まれる。
決してコネや財力、権力で決まる様な腐敗したシステムでは無く、むしろ逆に、各家で切磋琢磨し、鎬を削り合い、その結果、王に相応しい者が王となる様に作り上げられたシステムであった。
でなければ魔境と化したこの大陸で……魔獣の跋扈するこの地で……王国を維持する事など到底出来なかったのだから……。
ジェノガルドの王はその様な存在なのだ、数多のライバルを、王に相応しくない卑怯な手段で蹴落としたり等はせず、正々堂々競い合い、闘い合い、高め合って成るモノなのだ。
歴代随一の能力と器を持つと認められながら、その行い故に相応しくないと囁かれ続けても、端倪すべからざる実務能力と武力によって王として君臨する男……。
今代のジェノガルド王、グレイス・フォン・フレアハートその人は重厚な雰囲気に包まれた落ち着いた色合いの私室にて…………ジャンピング土下座の練習をしていた。
「すいませんでしゃああああ!!!!」
――バッ!! ズザー!!
「今のは中々良かったのでは? アマナ」
グレイス王が見事に決まったとでも言いたげな顔で横に立っている召使の女性に問い掛ける。
クラシック風のメイド服に身を包んだ妙齢の美しい女性、頭部にぴょこんと生えた二つの耳が彼女が亜人族である事を示していた。
スタイルもさることながら引き締まった筋肉が服の上からでも解る程に鍛え上げられていて相当な手練れだという事が推測できる。
何故かメイド服に似合わない重厚なガントレットと首に巻かれた無骨な首輪が異質な気配を放っているが、王に虐げられているという召使の女性が彼女なのであろうか?
そんな彼女は酷く冷たい眼差し……蟲でも見るかの様に嫌そうに細められた瞳で王に言葉を返す。
「10点」
「ガビーン! ……それはちょっと低すぎません? えっ? ホント?」
「今時ガビーンとか言う奴~wwww つーかそんなふざけた謝罪されたら普通に殴られるだろ」
「それはそうなんですけどね…………wとか語尾に付ける奴に言われるのもおかしくない? つかどうやって発音してるの……?」
「はぁ……まったくこの駄目王は……略してだおは……お前もう、語尾にだおってつけとけ、一生」
「なんでだおっ!! じゃあどうすればいいんだお……まだ死にたくないんだお……」
「キモイからやっぱやめろ、……しょうがねぇな……普通に謝ればいいんだよ、お前は悪く……なくもないがそこまでじゃない、理由もあるんだしな。俺も一緒に謝ってやるよ……それでも駄目なら仕方ねぇ、一緒に死んでやるさ」
「アマナタソ…………カッコ良すぎでは……素敵、抱いて!!」
「うるせぇ!! ……全くうちの王は……今回のでめぼしい奴らは片付いたんだろ? 腹を割って話して、謝れば大丈夫だろうさ……そろそろ時間だぜ」
人の噂ほど当てにならない物はない……王によって虐げられる亜人の女性……どうみてもその様な雰囲気では無かった。
むしろその冷たい口調と悪罵は親しい相手にしか向けぬ本音……お互いが好き合っている者同士の口喧嘩にしか見えないではないか。
女性の言葉通りなにやら理由があるようだが、王が恐れる謝罪の相手、金級冒険者の二人との会談の時刻は刻一刻と迫っているのであった。
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一週間ほど掛けて、ジェノガルド選王国の王都キャメロンに到着した黒斗と鱗華。
道中の乗合馬車の旅はなかなかに愉しめたようだ、急ぐ旅でなければ馬車の旅も悪くない、そんな風に思いながらキャメロンへと入った二人。
衛兵本部にて到着を報せると予め準備していたのだろう、翌日の午後に王との会談が決まり、予約されていた最高級のホテルのスィートに案内される。
「おおー、流石に最高級となると違うね! 専用のプールもあるんだ!」
「ルームサービスも無料らしいぞ、全メニュー制覇しとくか」
「ホントに果物が盛り合わせで置いてあるんだ! ――しゃくり……林檎が甘くて美味しいね」
宿場町の宿などはどんなに高い宿でもたかが知れている、旅人用の宿でしかないのだから……、本当の意味で贅を凝らした高級ホテルに泊まるのは初めてであった二人は子供の様にはしゃぎ、贅沢を満喫するのであった。
「もぐもぐ……来る途中で黒斗が話してくれてたけどそんなに酷い王様なの?」
「ウェイストマーチのギルド職員に聞いた限りじゃそうだったな……亜人女性の召使を奴隷の様に扱っているとか……」
「そんな王様なのにちゃんと謝罪したいから来てくれってのも違和感があるね……もぐもぐ……しかも謁見とかじゃなくて個室で会談なんでしょ?」
「まぁ金級を敵に回したくないってのが一番なんだろ、場合によっては……王であろうと意見はするつもりだがな」
黄金の巨大な盃に山と盛られた果物が、みるみる内に妻の腹の中に消えていく様子を楽し気に眺めながら返事をする黒斗、笑顔で沢山の食べ物を美味しそうに食べる鱗華を見るのは彼にとっても至福の時間なのだ。
この盛り合わせもお替りできるのか? ……等と考えながら明日の会談について話し合う二人、結局実際に会ってみないと解らないという結論に落ち着いた様である。
ちなみに無事、フルーツのお替りは出来た。
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王城の兵士達に案内されて到着したのは、国王が他国の王や重鎮と会談をする為の小さな、しかし万が一の為の仕掛けや防音設備の整えられた部屋であった。
一目で銘品と解る大きな円卓は、迎える者と迎え入れた者が身分の差が無い対等な関係である事を示す為であろう。
黒斗と鱗華が部屋に入ると室内に立ったまま待機していた男と女が一礼をする、恐らくこの男性が今代の王、グレイス・フォン・フレアハートであろう。
一見は太り気味の20台前半と思しき男、しかし黒斗と鱗華には解る、皮下脂肪の下に隠された鍛え上げられた鋼の筋肉の存在が……、例えるなら力士が近いだろうか? その瞳に鋼鉄の意思を宿した姿はまさしく王の覇気に満ち溢れていた。
隣に立つメイド服の亜人の女性、むしろこちらの人物の方が黒斗と鱗華の興味を引いた様だ、無骨な首輪やガントレット等もそうなのだが、それよりも……その全身から滲み出る強者の武威、明らかに尋常の召使いではない、ともすれば自分達にも比肩し得るのではないか……そんな感想が二人の胸によぎる程に女性の纏う闘気は凄まじかった。
「お初にお目に掛かる、荒神黒斗殿、荒神鱗華殿。余がジェノガルド国王、グレイス・フォン・フレアハートである、此度は謝罪の機会を与えて頂き、感謝の念に堪えぬ……有難う」
頭を下げながらそう自己紹介をする国王に面食らいつつも自己紹介を返していく二人。
「あっ、ああ……俺は荒神黒斗……って知ってるか……そんなに畏まられたら困るぜ……頭を上げてくれ」
「初めまして王様! ところでそっちの女の人は? なんか奴隷みたいにして虐めてるって聞いたけど、ホントなの? 首輪付けてるし」
直球ドスレートを開幕にぶん投げる鱗華、流石に唇を引き攣らせる黒斗であったが、気になっていたのは事実、黙って王の反応を見ている様だ。
「その辺りも含めて説明させて頂きたい、さぁ、まずは座られよ、飲み物も用意しよう」
国王に促されて席に着く二人、二人が座ったのを確認すると召使風の女性が席に座り、王は部屋に用意してあった配膳台から慣れた手付きで飲み物を用意して全員の前に置いていく。
「えっ! 王様がするの? えっ? っていうか座っちゃっていいの?」
てっきり召使の女性が用意してくれるのだと思っていた二人はその様子に驚きの声を上げる。
円卓の席に着くという事はつまり同格、王と対等な身分という事なのだ、虐げられている筈の女性が何故? あと王様妙にお茶淹れるの慣れてない? 等と思いながら困惑する二人。
「ははっ、アマナは良いんだ、もうすぐ王妃となる人なのだから」
「挨拶が遅れて申し訳ありません、どうやら誤解……ではないですね、詳しい事は後程。私はアマナ、グレイス王の婚約者です」
「ええっー! ちょっと黒斗! 全然話と違うんだけど? 演技には見えないよ? ……――んっ? アマナって……いや気のせいかな」
「俺も驚いた……何か事情があるみたいだな……ん? 何か気になるのか?」
「いや、何でもないよ、とりあえず話を聞こう」
思わぬ返答に驚愕する黒斗と鱗華、お茶の用意を終えた王が席に着き二人に事情を説明し始める。
「どこから話したものか……最初から簡潔に話すとしよう、あれは八年ほど前か……」
「八年かよ! 長くなりそうだな……」
「そうでもないぞ……、当時学院に通っていた余はアマナに一目惚れしていてな……恋人がいるという話だったので片思いという奴だったのだが……――」
当時、王都の学院に通っていたグレイスとアマナ、勿論その時は王ではなく国王候補という立場であったのだが……、王都の学院と言っても一つではない、基本的に平民であろうとも教育は皆受けられるのだ、義務教育として貧しい者でも無料で学ぶことが出来たのである。
グレイスとアマナが通っていたのは、高い学費、または能力が有れば特待生として無料で通える最高学府である、グレイスは学費を払い、アマナは平民であるが類まれな資質を有していた為特待生としてこの学院に在籍していたのである。
学院の中でアマナをみた瞬間に恋に落ちたグレイス、しかし彼女には恋人がいたのだ、思いを心に秘めて時折り彼女を眺める……いやしょっちゅう眺める……只のストーカーであった……実害は無かったのだが……。
或る日グレイスは夕暮れの誰も居ない筈の教室で恋人と言い争うアマナの声を聴いた、いけないとは解っていても青春真っ盛りの15歳、聞いてしまうのは仕方ない、扉越しに聞こえた会話はこんな感じであった。
『アマナ……良い加減諦めな……お前は俺の女になるしかないんだぜ? 家族がどうなってもいいのか? うちの会社で働かせてるお前の両親……クビにしちまうか? やだろ? だったら股開きな』
頭に血が上ったグレイス、恋人などではなかったのだ。只の脅迫者の下種野郎、絶対に許せぬと踏み込むと、下種野郎がアマナを組み敷き、今にもその純潔を奪おうとしているではないか。
即座に殴りかかったグレイスは拳の一撃で下種野郎を吹き飛ばし、宣言する。
『決闘だ、貴様如きにアマナさんは相応しくない、逃げるならばフレアハート家の名において処断する』
こうして決闘をすることになった二人だが内容に関してはアマナの名誉もあり伏せられることに成った。
適当な理由で決闘を行ったのだが予想外に下種野郎が弱すぎた為、手加減をしても殺してしまったグレイス。世間的にはアマナの恋人に難癖をつけて殺した男というイメージが付いてしまうのも仕方の無い事であった。
「成程な、アマナさんの名誉のために泥をかぶったのか……俺が聞いたのはそういう事だったんだな……」
うんうんと頷きながら納得する黒斗。
「うわー! カッコいいね! アマナさんはその時に惚れちゃったの?」
「ええ、王が前々からストーカー行為をしていたのは知っていましたが、アイツみたいに押し付けるわけでは無く私の気持ちを尊重してくれましたからね、不覚にも助けられた時にときめいてしまいまして」
「あの時は大変だったのだぞ……決闘を終えた私はアマナの家に報告に行ったのだが……」
「王?」
なにやら言いかけたグレイス王に氷の如き視線を飛ばしながら笑いかけるアマナ、ヒッと絞められた鶏の様な声をあげて黙った王に黒斗と鱗華が不思議そうに顔を見合わせていた。
「ま、まぁそんな感じでな、ただアマナを助けられたのは良いが、この国は……建前上は平等を謳っていても要職に付けなかったり、辺境部は婚姻を反対されたりと亜人に対する差別は残っていてな……アマナがそんな扱いを受ける事が耐えられなかったのだ」
「俺達も何回かそういう経験をしたな……」
「であろう……その時にアマナに誓ったのだ、余が必ず王となり、この国を変えると。その時は傍で支えてくれないかとな」
「ひゃー! プロポーズしちゃったんだね!! そういうカッコいいプロポーズ憧れるなぁ……」
幸せではあったがそこまでドラマチックでは無かった自分達の時の事を思い出して相槌をうつ鱗華、舞台劇の様なシチュエーションはやはり女にとっては憧れのようだ。
「そこで私も誓ったのです、強くなると。王を護り、支えられる位の強さを手に入れると」
そこからの内容を要約するとこんな感じであった。
お互いに自分の戦場で戦い抜き、王となったグレイスと銀級冒険者になったアマナ、再会した二人は亜人差別の根絶に向けて動き始める。
召使として侍り、自分を虐げさせることによって国内の亜人差別派の貴族をあぶりだす事を提案するアマナ、いざという時には王の身も守れる。
難色を示しながらも有効であると気づいたグレイスはそれを行い、着々と亜人差別派の貴族を洗い出していった、上が変わらねば下も変わらぬのだ。
差別派の貴族達を排除して少しずつ民たちの意識を変えていこうという計画であった。
「そういう事だったのか……確かに一朝一夕で変えられる事じゃないからな……多少迂遠でも少しずつ変えていくしかないよな」
「うむ……急な変革は犠牲を伴うものだ、この方法ならばと思ったのだが……あのクソ豚のゴルザックめ……そこまで狂っていたとは……本当に申し訳ない……今回の件、責任の半分は私にある様なものだ……」
リルの件は王にとっても想定外であった、炙り出す過程で多少の弾圧や不当な扱いが表面化してしまう事は想定していたが、長期的に見て必ず亜人たちの為にもなると思い実行したのだ。
勿論その過程で不利益を被った者達には貴族たちの排除の後にフォローを行う予定だったのだが……ゴルザックの様に常軌を逸した行動に出る者が居るとは流石に思わなかったのである。
「あー……まぁそうだよな……そんな事情があるとは思わなかったしな……――アルフェンとリルには俺達から説明しておくさ、事情を話せば解ってくれるだろ、次会った時に王様に会う様に進めてみるよ、直接謝りたいだろ?」
「ありがたい……しかし黒斗殿と鱗華殿にも迷惑を掛けたのだ……なにかしら償いをしたいのだが……」
「んー……別に金にも困って無いしなぁ……良い話も聞けたし、これからアマナさんと結婚して国内を変えていくんだろ? それで十分なんだが……」
それでは気が済まない、なにかしらで報いたいという王に黒斗の横でなにやら考え込んでいた鱗華が声を掛ける。
「ねぇねぇ王様、アマナさんて銀級なんだよね、もしかしてだけど……白銀級のアマナ? なんだったかな……剣姫だっけ……二つ名持ちの……」
「白銀ってなんだ? そんな等級聞いたことないぞ、って剣姫って! アルフェン位強いのか……」
「白銀ってのはね、クロト、金級クラスの実力を持ちながらあえて昇格を辞退した銀級の冒険者を皆そう呼んでるんだ、非公式だけどね、しがらみが嫌だとかでそういう人はそこそこいるみたい」
「確かに昔はそう言われていたらしいな……アマナ、剣姫というのは初めて聞いたが……ぷぷっ……姫って……」
鱗華の問いに答えながら横に座っているアマナの顔を笑いを堪えながら見つめる王。
「確かに金級の昇格を断った事は有りますね、王の補佐をするのには邪魔になってしまいますから……剣姫とは呼ばれた事はないですが……それと……――グレイスあとで殺す」
「ちょおおお!! 地が出てるっ! 出てますよアマナたん!!」
「たんとかつけんなや、キモイんだよ! ピザ!」
いきなり始まってしまった夫婦喧嘩を呆然と眺め……――爆笑する黒斗と鱗華。
「――……あっはっはっ! 仲がいいんだな、俺達も堅苦しいのは嫌いだ、いつもの喋り方で構わないぞ」
「ぷっ、あははっ……二人共、面白いね、ってボクの聞き間違えだったのかな? 綺麗な剣士の女性って聞いてたからてっきり……でも剣持ってないよね」
笑いながら普段通りで良いと促す黒斗に素に戻って話すことにしたグレイスとアマナ、鱗華の疑問にアマナが普段の口調で答えてくれる。
「そりゃ多分綺麗な犬歯の女の間違いだな、俺の二つ名は
そう言って口角を大きく上げてにやりと笑ったアマナ、長く美しい牙の如き犬歯が上顎からぞろりと二本生えている。
綺麗に湾曲した
「うわぁ! 綺麗な牙! アマナさんは虎人族だったんだね」
猫系亜人種の中でも、こと戦闘力においては最強といっても過言ではないだろう虎人族。
数こそ少ない物のその性質は獰猛にして勇敢、生まれながらの戦士にして孤高を愛する種族である。
「リンカ、お前の角も綺麗じゃないか、龍人族は珍しいから、あんまり見た事無くてな……んで俺がどうかしたのか?」
「王様の気が済まないって事ならさ……ボク、アマナさんと闘ってみたいなぁ……お金なんかよりそっちのが遥かに嬉しいよ」
「へぇ……お前さん、俺と同類か……――グレイス、勿論良いよな? 」
お互いに生粋の
問われた王は黒斗と互いに苦笑し合いながら頷く、ここでノーと言える男など居る筈も無い、誰だって命は惜しいのだから。
「禁軍の兵達は皆、アマナの事はわかってるしねぇ……良いんじゃないかな、でもあんまり建物は壊さないで欲しいな……」
「よっしゃ! 訓練場に行くか、案内するからついてきな」
勢いよく席を立って鱗華を案内し始めたアマナ、扉を開けて出ていく二人の後の歩いて追いかける黒斗とグレイス王、互いに奔放な女性を相方に持つ者同士、すっかり意気投合してしまった様だ。
「全く戦闘民族はこれだから……話が早いのは助かるけれども……」
「まぁ俺も闘いは好きだけどなぁ……にしてもオレっ娘でツンデレのメイド嫁とか……アンタもやるなぁ……」
「おっ! 黒斗殿わかってらっしゃる!! まだ嫁では無いですが、アマナたんは最高なのですぞ、しかしあんなクールな見た目なのにボクっ娘とか……鱗華殿も相当なスペックですな……」
「うちの嫁は最高だからな! お互い自分の嫁さんが一番だよな! アンタとは良い酒が呑めそうだ……どうだ? 近いうちにでも」
「ぬふふふふっ……良いですなぁ……アマナたんと鱗華殿もきっと同じでしょうから、予定を確認しておきましょう。確か漂流者の方であるとか……余も漂流者殿の書いた本が大好きでしてな……――っと、もうすぐ着きますな、どの様な闘いが見られるのやら」
お互いの趣味や嗜好は違えども良いものは良い、価値観を認め合った男達は、恐妻……いや愛妻家という共通項も加わり、すぐに打ち解けた様だ。
楽し気に訓練場に向かう美女二人を、微笑ましく見守りながら話している内に、四人は訓練場に到着したのであった。