※この作品はR-18です。

ファム・ファタール~寝取らせモノが大好きな剣士が異世界転移した場合~   作:幻闇

67 / 123
本日もう一話投稿予定です、食人描写が有りますので苦手な方はブラバ推奨致します。


65話 頂きます ※※

 それはとても悍ましく――同時に美しかった。

 

 赤い――紅い――全てが朱に染まった部屋で嗤い叫ぶ怪物。

 

 血の赤と内臓の紅と朱く輝く四つの眼――死が満ちる空間で蠢く一つの肉塊。

 

 

 

 

 否―――――――それは一つになった――――――二つの――――――。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「お前ら準備は出来たかぁ?! 終ったらいつも通り日持ちしねぇ喰いモンは食い尽くしちまうぞぉ! 宴だぁあああああ!!」

 

「「「「うおおおおおおお!!!!」」」」

 

 半ば朽ちかけて廃墟となった古代の城址、元々は精強なる騎士達の胃袋を支えていたであろう食堂であった広間、過去の栄光を示すものは何一つ無く、残照すら消え果てて――今ではただ野卑で邪悪な野盗たちが酒を呷って賭け事に興じるゴミ溜めの如き場所と化して流れる時の残酷さというものを人知れず訴えていた。

 

 討伐隊や冒険者達の追跡を逃れる為に定期的にアジトを変えている彼等は、毎回引っ越しの度に日持ちしない食材の処理という名目にかこつけて宴を開いているのだ。それぞれが手に持った安物の酒を満たした酒杯を乱雑にぶつけ合いながら乾杯し呷っていく男達、ひと際大きな――もはや小型の樽といってもおかしくない巨大な酒杯に満たされた酒を一息に飲み干した頭目が大量の酒精に満ちた汚らしいゲップを吐いて辺りを見回す。

 

 安物のアルコール臭と安物の紙煙草の煙が充満した広間で、配下の男達が今回のアジトでの思い出話を語り合っている様子を満足そうに牙を剥き出しにして眺めた頭目は地下の牢獄に居るであろうもはや用済みとなった二人の事を考えていた。

 

(今回は当たりだったなぁ……やっぱイイ女を旦那の前でぶっ壊すのは最高だぜ。最初から居られると辛気臭くなって酒が不味くなっちまうから後回しだが、良い肉でも残しといてやるかぁ、それだけ愉しませて貰ったしな)

 

 ぐびりと二杯目の酒を呷りながら僅かばかりの気遣いを二人に対して思う頭目、もしかしたら自分の子を育ててくれるかもしれないのだ、性欲の対象としてはもはや用済みであるが二人には無事に帰って欲しいのであろう。

 

(しっかし亜人女はやっぱ頑丈だな、次も出来りゃあアレくらい頑丈な女が良いんだが……そうそう上手くはいかねぇか。美人で頑丈で淫乱な女なんてそうそういねぇだろうしよ)

 

 屈強な男達数十人でその肉体を愉しむ以上ある程度の頑強さは必要だ、まぁそもそも樹海浅部を突っ切るルートを少数で通るという時点で体力に自信のない者はそもそも弾かれてしまうのだが。

 

 ときたま急ぎの用で貴族の令嬢などが通る事もあるがそういった馬車は相応の護衛が付き、そもそも貴族に手を出せば彼等の面子に掛けて被害を考慮せずに追討される為、ここの男達の様な野盗が襲う事はほぼ無いといっても良いだろう。

 

「副長も縛り甲斐があったんじゃねぇか? 今回の女はよぉ」

 

「そうですねぇ……あそこまで張りのある巨乳はなかなかお目に掛かれませんからね、いや貧乳も嫌いじゃないですが……縛り甲斐と言われるとやはり大きい方が映えますからねぇ」

 

「タダでさえデケぇパイオツが縄の間からばるんって飛び出してたのは凄かったなぁ、ついつい虐めすぎちまってぶっ壊しちまったが……ちと勿体なかったな、最後にまたあの立派なデカパイを揉みしだきたかったが、もう萎んじまってるからなぁ」 

 

 隣の席で旨そうに紫煙をくゆらせている副長と今回捕えた女の感想を言い合う頭目、自分達で破壊した女のカラダを惜しむ様子は身勝手極まりない男尊女卑の概念そのものだ。女など男を悦ばせる為の快楽道具か己が子孫を産ませる為の孕み穴程度にしか思っていないのだろう……、そのくせ誰かが大切にしている妻を破壊してその夫を悲嘆させるのが趣味というのだから救い様が無い。

 

 他者を踏み躙り、奪い、犯し、愉しむ。彼等からしてみれば自分達は自由に振舞っているだけだ、此の大陸、此の樹海は弱肉強食、弱い者が食われ強き者が喰らう、残酷かもしれないが大自然の掟に従って何ら恥ずべき所のない生き物としての自由だ――と云うのであろう。

 

 間違ってはいないのだろう……、生物としては自然なのかもしれない。他者の自由を奪い己が自由を謳歌するその生き方、しかし彼等は解っているのだろうか?

 

 理性ある存在がその大自然の慈悲無き掟に従うという事の意味を……自分達よりも上位の理性ある捕食者に出遭った時……果たしてその理性ある捕食者は彼等の事をどう思うのであろうか――。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 野盗達の宴もたけなわとなった広間、酔漢達がちょっとした諍いで殴り合いの乱闘を始めたり、それを囃し立てる男達と参戦する血の気の多い者達とでバカ騒ぎの様相を呈していた頃合い。

地下の牢獄では不潔なマットに横になった半死半生といった様相の鱗華と鉄格子を挟んで筋トレを行っている黒斗の姿があった。

 

「ふんっ……ふんっ……器具も設備も無いから物足りんが……ふんっ……ふんっ……それも今日までの辛抱だからな……ふんっ……リンカ、具合はどうだ?」

 

「今ならクロトのパンチ一発で死にそうって感じだね♡ 流石にここまで傷が酷いとちょっと辛いかな……街に行くときは勿論お姫様だっこで運んでくれるんだよね♡」

 

「ふんっ! はあっ!……せあッ! 勿論だ。魔導テントも持ってきてないしな、風呂も入りたいだろ? 終ったらダッシュで街の宿に行って風呂とメシだ。ああっ酒もなっ! ちぇりゃああっ!」

 

 筋トレから何時の間にか素手格闘術の型稽古に入っていた黒斗が洗練された無駄のない歩法で牢獄内を残像を残して動き回りながら返事をした。迎えの男達がくれば即座に気配で察知可能な為、待っている間に最近あまり出来ていなかった日課のトレーニングをこなしていたのである。

 

 その様子を面白そうにマットの上で寝そべりながら頬杖をついて眺めている鱗華、口調も態度も元気な様に見えるがその美しかった肢体の損傷は凄まじい……。

 

 可憐に華のかんばせを飾る一対の儚げな角は無惨に折り取られていたし、普段であればその体勢ならド迫力の谷間と共にたわわな双丘が床との間で挟まれて暴力的なまでに張り詰めていたものだが――今は萎びた赤黒い人参の様な物体が二つ付いているだけだ……、数時間も限界まで荒縄で絞り上げられて壊死しかけた乳房に穴を開けられ逸物をいれるオナホとして扱われ、中に詰まっていた乳腺や脂肪を絞り出された結果だろう。

 

 下半身、特に股間はもはや人間の所業とは思えない有様で、尾てい骨の付け根から股下を通り臍まで裂け拡がった巨大穴を全て一直線に閉じて繋ぎ合わせた結果。申し訳程度に尿道口と肛門の所だけはすこしだけ縫い目が緩んでおり、隙間から排泄が可能といった惨状である。背中は皮膚がすべて剥ぎ取られており、その下にある筋肉組織が完全に露出してしまっている。臀部も背中と同じ様に筋肉が露出してしまっているがこちらは皮膚の下にあった柔らかい女体の美尻のクッションともいうべき皮下脂肪も鞭で削り剥がされてしまったため、今のリンカの尻はシルエットだけならばもはや痩せた男の尻といわれても納得できる程であった。

 

 食事も人並みにしか摂らせてもらっていない為に自慢の再生力も働かず、骨盤も割られている為に歩く事も出来ない。武器は奪われた馬車の所まで行けば手に入るのだろうがそもそも何処にあるのか解らない。如何に彼等がフル装備で魔竜をも討伐可能な人外の超越者だとしても……死にかけの鱗華を護りながら野盗団を討伐する事など可能なのであろうか……。自分達の欲望と、目先の快楽を優先する余り、彼等は自分達を追い込みすぎてしまったのでないだろうか?

 

「ねぇクロト、縄のヒトだけ残すんだよね?」

 

「ああ、あの技はなんとしても手に入れたい、見逃す代わりに教えて貰う予定だ。拒否権はないがな、早くリンカを亀甲縛りにしたり駿河問をやらせたりしたいっ! 夜の夫婦生活のプレイが捗りまくるぞ、こいつぁ。だから他の奴らはリンカの好きにしていいぞ」

 

「愉しみぃ♡クロトに早く縛って貰いたいよぉ……心は縛られちゃってるけどカラダもぉ♡♡♡♡いやぁん♡♡――あっ、他の奴らはボクの好きにしていいんだね…………ありがとっ♡」

 

 黒斗は副長の緊縛術にご執心の様である、なんとしてもマスターして愛妻で試すつもりなのであろう。しかし気になるのは鱗華の言葉……まるで満身創痍のそのカラダで野盗団三十余名全てを倒すという様にも聞こえるが……――。

 

「あっん……っはぁーん♡♡ んううううう……クロトぉ……」

 

「どうした? リンカ、エロモード入ったか? 入れる穴もねぇしそろそろ呼びに来そうだぞ?」

 

「違うのぉ…………傷が酷すぎてぇ……カラダが飢えてぇ……堪らないの…………ねぇクロトぉ……ボク……――おなかがないてるよぅ……くぅくぅないてるの……」

 

 名状し難い悪寒が、鱗華に背を向けて呼吸法の鍛錬を行っていた黒斗の背筋に纏わりつく。

慌てて振り向いたその先、汚らしいベッドに横たわる愛妻の眼が一瞬、深紅に燃えていた様に視えて慌てて眼を擦った黒斗。改めて直視した最愛の女の目は縦に割れた龍眼と化して剣呑な雰囲気を醸し出してはいたが……――紅い輝きなど何処にも無い。

 

 彼は眼の錯覚だったかと頭を一度大きく振って両の頬を叩き気合を入れる。間もなく迎えの者が来るだろう、逃がさぬ様に残らず叩くのであれば昨夜頭目から聞かされた広間という場所が最適だと推測していた彼は上手く男達の逃げ道を塞ぐ様に立ち回るべきだと考える。

 

 満身創痍の鱗華一人にほぼ全ての野盗を任せるつもりなのだ。問題無いのだろう、彼がそう判断したのであれば。大陸中にその名を知られる事になった狂龍妃、その恐ろしさは単純に槍捌きや魔法、魔竜の小さな弱点を正確に穿つ精密性だけでは無いのだ――彼等は知るだろう、その二つ名の意味を。

 

「そうか……腹が減ったか……とりあえず新鮮な状態なら――――」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 簡易な貫頭衣を一着、迎えに来たほろ酔いの男に渡された黒斗は一週間ぶりに触れる妻の変わり果てたカラダを隠す様に丁寧な手付きで服とも呼べないそれを着させてやると、そのまま抱え上げて迎えの男に案内されるままに広間へと向かう。

 

 死にかけの女を抱えた丸腰の男一人で何が出来る訳でも無いという事か、拘束などはされていない。そもそも閉じ込められていた理由も手の触れられない距離で妻が犯されるのを見せ付ける為だけという理由なのだ。野盗達は黒斗が反抗するなどとは露ほども思っていなかったのである。

 

「うぃー……ひっく、そこが広間だぁ、かしらがアンタらの為にって焼いた肉を残してあったから感謝しろよぉ……? 食ったら何人か酒が呑めねぇ素面の奴に街道まで送らせっから安心しなぁ」

 

「そうか、案内ありがとう。しかしうちの嫁は大分腹が減っているみたいでね、部屋まで我慢出来そうにないんだ……」

 

「あぁん? んなもん俺――ガへッ……」

 

 野盗団の男達が全員集まっているであろう広間まで案内された二人、その部屋の手前で二人に声を掛けたほろ酔いの野盗団の男の顔の下半分を背後から大きな手が塞いだ。

 

「…………ン……ンンッ…………ンッ…………――――」

 

 突然呼吸を止められた男はそのまま片手で軽々と持ち上げられて何もない空中で手足をばたつかせて暫く……だらりと四肢の動きを止める。

 

 床に横たえられた男の薄れていく視界が最後に視た光景、それは真っ赤な口腔とぞろりと白く輝く……美しすぎる牙と歯――。

 

「頂きます♡」

 

 その世にも悍ましく艶めかしい声を最後に、男の意識は永遠の闇へと堕ちていくのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 なんだこれは……一体俺達は何を……怖い――恐ろしい――嫌だ嫌だ嫌だ――助けて――。

 

 

 地下に捕えていた今回の玩具であった二人の男女、迎えに行った者の帰りが遅い事に気付いた何人かが訝し気に幾つかの想像をして、どうせまた解放された途端に夫が妻を襲ってでもいるのだろうと結論付けて酒と煙草と食い物に意識を戻していた時。

 

 突如開け放たれた広間の扉から、堂々と入ってきた男の姿を見た瞬間、広間に居た野盗団全員が凍り付いた。

 

 まるで背骨の中に直接氷柱を突き込まれたかのように、ピンと硬直して固まった男達。――ズル……此の世のモノとは思えぬ鬼気に魂がらみ縛り付けられているのだ。――ズルズル……暖かな気候の樹海のただなかに存在する城址の広間の温度が、――ズリ……北海を越えた先にあると云われる、永久氷晶に覆われた極寒の大陸の様に冷え切っている。

 

(な……んだ……アレは……、化物……怪物……怖い――迎えに行った奴は……)

 

――ズル……ズルリ……

 

(ひぃぃぃぃ……嫌だ……嫌だ……嫌な音がする……聴きたくない……聴きたくない……)

 

 誰もが視えて……聴こえているが直視できない、すれば己の精神が絶対に狂ってしまう事を本能で察しているのだ。魔界の都に住まう魔貴族達ですら裸足で逃げ出してしまうだろう絶望的な鬼気を放つ男、ただ肩を震わせてみじめに妻の凌虐を見ていただけの男の変容ですら、その足元で奇怪な音を立てて這い寄る存在に比べればまだ理解が出来た。

 

――からぁん

 

「あ…………あっあっ……ああ゛あ゛あ゛! かぁahhakiいぃあiaaaaええe7q@qr:wh;」

 

 誰かが落としてしまったのであろう空の酒杯、その音につられて無意識に視線を落とし……ソレを見てしまった男――。その紅く輝く眼をみた瞬間に底知れぬ恐怖に魂を浸食された男は人間の喉では発音する事すら叶わなそうな奇妙な叫びを上げて失神した。

 

 「次はキミかな……ボクお腹空いて仕方ないんだ……順番に食べてあげるから、待っててね♡」

 

 両腕のみで這いずりながら広間の中ほどまでたどり着いた鱗華は目の前に意識を失って倒れて来た男をみて舌なめずりをすると……躊躇いなくその右手を男の胸部にずぶずぶと沈め、びくびくと脈打つ心臓を抉り出す。

 

 引き千切られた血管からびゅるびゅると血液を噴出させて鼓動する命そのものに、大口を開けてかぶりつき瞬く間に喰らい尽くす。続けて心臓を失った男の腹部を繊手で割り裂いて一際大きな臓物、間違いなく肝臓であろうソレを取り出してこちらもすぐさま平らげた鱗華。

 

 爛々と瞳を輝かせて口許を血と肉片で汚した満身創痍の美女……在り得ざるべき異常な光景の中、只恐怖に怯え震えて立ち尽くす男達。入り口には尋常ではない鬼気を発する化け物。室内には直視すれば正気を喪い、人を喰らう化け物。動く事も逃げる事も、ましてや抗う事も出来ない状況で……一人……また一人と喰われていく。

 

(なんなんだ……俺達は一体……これは夢か? ああそうか、眼を閉じれば覚める……こんな現実がある訳が無い、きっと覚める……夢だ夢だ夢だ夢だ夢夢夢夢ゆめゆめゆめ8/8/8/8/33e7q@diqhue)

 

 余りの現実に眼を閉じていてすら発狂していく男達。想像した以上に脆い男達の精神に、入り口に立っていた黒斗は一つ舌打ちをすると、生かしておく予定であった副長の精神を保護するために風の様な速度で彼だけを攫って入り口の扉の外に蹴り出した。殺すつもりはなくとも発狂されても困るのだ、何が起きたか解らないまま目を白黒させている副長にむけて黒斗が告げた。

 

「アンタの緊縛術を教えろ、きちんと教えてくれりゃあ見逃してやるぞ、嫌なら今から部屋に戻ってメシになって貰うが……どうする?」

 

 一も二も無く首が折れそうな程の勢いで縦に振り続ける副長の姿に満足した黒斗は、ここで待っているようにと告げて再度広間へと戻っていく。残された副長は己の修めた技術に心から感謝し、瞳から涙を溢れさせながら死の領域と化した広間の外で生を実感するのであった。

 

 

 広間に戻った黒斗の眼に、先程までとは大分様変わりした室内の様子が飛び込んでくる。

 どうやら未だ気概の残っていた者達が多少は居たようだ。黒斗が一時的に居なくなった事と、時間が経って頭目を始め一部の強靭な精神を持つ者達が恐怖を跳ね除けた事により、八人ほどの勇気ある者達が己が生存の為に鱗華に襲い掛かったらしい。

 

「あっ! クロト何処行ってたのー? とりあえず襲ってきて鬱陶しかった奴等殺しちゃったからさー、纏めてハツとレバー出しといてよ♡消化器官に傷付けずに抉り出すの地味に面倒なんだよねぇ……もぐもぐ……このチンポおっきい人の肝凄く美味しいよ♡内臓もおっきくて嬉しいなぁ」

 

「熊の胆嚢は薬にもなるし、生き肝も栄養価が高そうだしな。ちょっと待ってろ、いい具合に空いてる大皿があるし、これに盛り付けとく」

 

 頭目を含めた八人の人体が鱗華を中心にして放射状に倒れている。何をどうやったのか、全員が綺麗に頭部を吹き飛ばされていた。ビクビクと痙攣を繰り返す死体の首からは鮮血が今もしぶき、周囲に立ち尽くす男達の体を濡らしている。首を失って倒れている頭目の腹を裂いて巨大な肝臓を喰らっていた鱗華、手際よく周囲の死体を解体して肝臓と心臓を抉り出している黒斗の横で妻のカラダが小刻みに震えはじめた。

 

「あっ……んん……あぁん……熱いよぉ……んっ……ふあああぁん♡♡♡」

 

「どうしたリンカ、大丈夫か? 殺しで興奮しちまったか?」

 

 頭目の生き胆を平らげた後でいきなり甘い声で嬌声を上げ始めた妻にさして心配などしていないが念の為といった雰囲気で声を掛けた黒斗。突然着ていた粗末な貫頭衣を脱ぎ捨て始めた鱗華の様子からそう思うのも変では無いだろう。

 

「背中が熱くて痒いのぉ……お腹とおっぱいもぉ……ふぁあん……♡痒いよぉ……駄目ぇ! 我慢できないよぅ……んああああっ♡♡♡」

 

 人間を解体する悍ましい作業の手を一旦止めた黒斗が振り返って妻の様子を見ると、全裸になって痛々しい傷痕を晒した鱗華が必死になって腹部の裂けた大穴を縫い合わせていた糸を引き千切り抜き出しているではないか。流石に傷口が開いてしまうのではと心配した黒斗が近づいて止めようとするが、粟立つ様に蒸気を立ち昇らせながら目に見える速度で再生していく妻の背中と臀部の皮膚をみて硬直する。

 

「なんだこりゃ……いくら何でもこの再生速度は異常だろ……。これじゃ再生ってより復元だぞ」

 

「おっぱい痒くてたまんないよぅ……んあああっ! 痒いっ! 我慢できないよぉ!」

 

遂にはどす黒く萎んで垂れ下がった乳房を掻き毟り始めた鱗華、壮絶な痒みに耐え切れなくなったのか掻き毟るだけでは飽き足らずに両手で掴んだ己が乳房の成れの果てを無理矢理に引き千切り始めたではないか。――あっけに取られて見ている黒斗の前で捥ぎ取られた乳房の傷痕が見る見るうちに修復され皮膚が出来上がり可愛らしい桃色の突起が生まれていく。

 

「流石にいきなり巨乳には戻らないみたいだが……、もしかしたら反動か? ずっと最低限の食事で封じられていた再生力が大量の栄養を一気に摂取した所為で一気に溢れ出したのかもな」

 

 ほぼ正解であろう推測をひとりごちながら鱗華の復元を見守る黒斗。一瞬あっけに取られた瞬間に縛り付けていた鬼気が緩み、何人か逃げ出そうと扉に殺到した様だが振り向きもせずに手に持っていた解体に使用していた誰かの短剣を投擲して全員の首を纏めて貫き殺す。

 

 ある程度復元の治まった鱗華は割れていた筈の骨盤も修復されたようで無様に這いずっていた姿勢から一転、美しい立ち姿でその天上の裸身をくるりと一回転させて妖艶に微笑み……まだ生き残っている男達の命を文字通り喰らい始めるのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「あぁん♡美味しかったぁ♡やっぱりお腹が空いてる時のご飯は最高だね」

 

「そいつぁ良かったな、美味そうな部位は粗方調理しちまったからこれ以上欲しがられたらどうしようかと思ってた所だぜ……しっかし良く食ったなぁ、全員分のハツとレバーに下処理の余り必要ないモモとリブ、相当な分量だが……全然腹は膨れてないのな、消化速度がやべぇ……貧乳な所以外は完全に治ってるしよ」

 

 解体された人間の死体が転がる広間、濃密どころか噎せ返る程の血と臓物の臭いに溢れたその部屋で一組の化け物が愉しげに語らい合っていた。一人を残した全員の心臓と肝臓を生きたまま喰らい尽くした麗人の妻と残った新鮮な死体を解体して料理を作り、妻に供した悪鬼の如き夫。

 

 人倫に唾を吐き掛け殴り倒す様な所業であるが、その被害に遭った者達のしてきた行いを鑑みれば、成程、獣の如き男達には相応しい末路であったのかもしれない。弱肉強食、弱きものは喰らわれ、強き者が喰らう、どこまでも無慈悲で残酷な大自然の掟――ただそれだけの事であった。

 

 

「でもまだ仕上げが残ってるよ……ねぇクロト、ボクの子宮にはまだ、このご飯達の精が残ってるよ♡このままだとボク……孕んじゃうよぉ♡♡♡一週間薬飲んでないからねぇ……あんっ♡」

 

 そうなのだ。ほぼ完全に復元した鱗華の肉体、子宮にはほぼ損傷が無かった為にほぼ昨日と変わらない状態のそこには今も元気に野盗団の男達の精が泳ぎ回っている事だろう……もしかしたら既に受精を終えて柔らかな生命の揺り篭たる子宮内膜に受精卵が着床している事すら考えられた。

 

「間違いなく孕んでるだろうな、月のモノの日やリンカの体温から考えても四日前くらいが危険日だったはずだ。ここに転がってる死体のうち誰かの精子で孕まされてるだろうよ……クソッ! リンカの初めての受精が野盗の男だなんてっ!! 薬で排卵自体を抑えてたから俺の精子だって触れた事もないんだぞ、そんなリンカの大事な卵子がクソみたいな男達の精子に群がられて輪姦されて犯されて突き破られて受精したんだ!! くああああああっ!! タマキンが爆発しちまいそうだっ!!」

 

「ひゃあん♡♡ あっ♡すごい……何て大きさ……クロトのちんぽ物凄い事になってるよぉ……あんッ♡孕まされたボクに興奮してるんだね♡クロト以外の精子で受精したボクを……――んむッ」

 

 数十人掛りで無理矢理に犯されて孕まされた最愛の妻、下腹部を撫でながら挑発的な視線を向けるその女に思いの丈をぶちまける様に叫び声を叩き付けた黒斗は自らの衣服を引き千切る様にして全裸になると、死体の山を集めて作った悍ましい肉のベッドに鱗華を押し倒してその唇を塞ぎ、猛り狂って今までにない程に巨大化しビキビキと血管を浮かび上がらせて屹立する丸太の如き肉の巨杭を復元したばかりの処女の如き一筋の割れ目に宛がい、猛烈な勢いで突き立てるのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。