※この作品はR-18です。

ファム・ファタール~寝取らせモノが大好きな剣士が異世界転移した場合~   作:幻闇

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86話 レムリアの遺産 ☆

「ただいまー!」

 

 誰よりも早くギルドに駆け込み、ルーシャが座る受付に突撃していく鱗華。冒険(クエスト)から帰った時のいつもの光景である。

 

「お帰りなさい、皆さま。その様子だと首尾は上々の様ですね」

 

「滅茶苦茶愉しかったですよ。いやぁ古代文明最高!」

 

「また行きたいなあ、もうアソコが乾く暇も無かったよ」

 

「俺もタマキンがからっけつだぜぇ、姐さんも旦那さんと行ってきたらどうだァ?」

 

「ふふふ、それは重畳ですね――で、皆さんお仕事は忘れていないでしょうね? まさか遊んできただけという事は……」

 

 その時一行は確かに見た。

 ルーシャの背中にうっすらと顕現する般若の如き鬼子母神の姿を。

 

「いやいや待ってくれルーシャさん、ダンジョンの管理人を直接連れて来たんだ。こちらシャロさん、厳密には人じゃないかもしれんが古代文明の生き証人だ」

 

「初めまして。アンダーレムリアランドの管理をさせて頂いております、シャロと申します。当施設の今後の運営に関して話し合いに参りました」

 

 一礼して告げたシャロの言葉に、ルーシャの顔色が明らかに変わった。

 即座にギルドマスターとボルボルを呼ぶように部下に伝えると、ルーシャは一行に掌を反す様に満面の笑顔を浮かべて報酬の算定にとりかかる。

 信じられぬ程に驚愕すべき事態の筈であるが彼女に疑いの気持ちは無い。わざわざ嘘を言う理由も無いし、このメンバーに限って言えば何を連れてきてもおかしくないからである。

 

 

「流石はセーヌが誇る金級チームですね、想定の何倍もの収穫ですよ。今回の報酬は色を付けておきました、はい明細です」

 

 ニコニコ顔のルーシャから受け取った明細に記された金額を見た黒斗達一行の顔もまた、にやにやと締まりなく笑い始める。大金貨20枚と記されたその金額は一般市民が何年も身を粉にして働かねば得られぬ金額であるのだから当然であろう。

 

「今日は打ち上げでパーっといこうよ! 一番いい店でね!」

 

「ああ、うまいメシと酒で祝杯と行こう。アルフェンとリルもそれで良いか?」

 

「ったりまえだぜェ。冒険の後は酒とメシに決まってらァ!」

 

「勿論……行く……」

 

 冒険を成功させたら豪勢に打ち上げを行う。太陽が昇れば沈むのと同じくらいの冒険者達にとっての自明のことわりである。

 

「ホントはシャロちゃんも誘いたいけど、流石に今日はお話があるもんね。今度ボクんちで一緒に盛り上がろう!」

 

「肯定。楽しみにしています」

 

 シャロの手を握って約束をする鱗華。爽やかな美女同士の触れ合いはなんと美しいのであろうか。そんな彼女達のいる受付に上階より降りて来たギルドマスターであるシャイルズと学術担当であるボルボルが到着した。

 

「いやあ、流石はクロトさん達だねぇ。古代文明の生き証人を連れてきてくれるなんて……これは学会が引っ繰り返るよ」

 

「こちらの可愛らしい女性(にょしょう)がショゴスなのであるか……名前だけは神話の伝説にて聞いた事が有るが……むぅ、その身に秘めし武威、我らに劣らぬ程であるな」

 

「初めまして、シャロと申します。早速ですが当施設は貴方がたの協力を必要としています、勿論それなりの謝礼はご用意しております」

 

 単刀直入に切り出したシャロ。そんな彼女に、慌てて別室を用意するので少し待ってほしいとギルドマスター・シャイルズが伝える。

 

「んじゃ俺達はここらで失礼するぜ。また明日なシャロさん、ボルボルもまた今度な」

 

「想定以上の収穫、皆に感謝である」

 

「クロトー早く行こうよーボクお腹ペコペコだよ。あっ、またねーシャロとボルボル」

 

「すまん……うちのはらぺこ姫様が餓死する前に行ってくるぜ。じゃあな!」

 

 そう言って慌ただしくセーヌ一番の味と値段を誇る名物料理店へと走りさっていく黒斗達。

 残された四人はいつもの事だと言わんばかりに苦笑したり失笑したりして四人を見送るのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

 ギルドの特別応接室。

 各国の重鎮や公には出来ぬ会話を行う時に使われるこの部屋は、あらゆる防諜対策に加え魔道具によって疑似的に周囲の部屋と異なる次元に存在していた。例えどれ程のスパイや間諜であろうとも攻略を諦める難攻不落の部屋である。

 

 その部屋で四人掛けのロングソファが向かい合わせに二つ、間に設置された重厚な紫檀のテーブルには最高級の茶や菓子が並んでいた。

 

 片方に一人だけ座ったシャロと、もう片方に三人で座ったギルマス夫妻と学術研究主任ボルボル。部屋の雰囲気は静謐といってもよい程だったが重苦しい気配は無い。先ずはシャロからの頼みという要件を聞く為に、皆その口が開かれるのを待っていたのである。

 

 

「至高。なんと芳醇な香りと味でしょうか。新生人類種の皆様がたはもう、ここまで文明を発展させていたのですね」

 

「ってお茶の感想かい? やはは……それは光栄だね。それでシャロさんの頼みというのは――」

 

「肯定。我々が管理する成年向け遊戯施設の事です。あなた方の文明度から推測するに破壊されたり、遠ざけられたりといった事は無さそうですので、出来れば本来の役割通り皆さんに使って頂きたいのです」

 

「なるほど。こちらとしてはメリットしかなさそうだ、だが貴方がたは何を得られるのだろうか」

 

 腐ってもギルドマスターである。卓越した外交手腕を持つシャイルズは理知的な瞳でシャロを観察しながらその真意を探っていたのである。

 

「我らの本来の役割を果たす事が出来ます。我々にとって造物主への奉仕は悦びなのです」

 

「私達が古代人の末裔だからかい?」

 

「正確には違います。旧人類種に様々な遺伝子を掛け合わせ、改造を施して産まれた新人類。純粋な末裔とは言い難いのですが、貴方がたが彼等の血を分けた子孫であるのは間違いないのです」

 

「成程。それ故に私達に奉仕したいと……しかしいきなり物凄い事実が発覚したような気がするよ、我々は古代人によって半ば造られた存在だったわけだね」

 

「肯定。しかし私はあくまで造物主達への性的奉仕を目的に作られた存在です。故にそれ以外の分野に関しては、日常生活レベル以上の知識は持たないのです」

 

「何故僕達が作られたのかまでは知らないと……まぁ学者ならともかく僕はそれほど気にならないけどね、今を生きる僕達には関係のない事だ」

 

「私は気になるのであるが……もしかして我々豚人が種として不完全なのはそこに理由が? いやいやまさか……な……」

 

「かつては様々な種族との掛け合わせが行われたという話です。申し訳ありませんそれ以上は私の記憶にボルボル様の疑問にお答えできる内容は存在しません」

 

 シャロの語る驚くべき内容、人類種はかつて古代人によって創り出された存在であるという事実は三人に衝撃を与える。

 

「古代語が解読できるのであれば各地の遺跡を調べる事によって判明するのかもしれぬな。まったくあやつらは……なんという存在を連れ帰ってきたのか……」

 

 長年にわたって疑問に思ってきた事柄に、解決の糸口を得たボルボル。しかしいざその真相を知る事が出来るかもしれないとなると、彼の胸中には複雑な感情が去来するのであった。

 

「シャロさん、もう一つだけ関係のない質問をお許しください。古代人は何故滅んだのか御存知でしょうか?」

 

 ルーシャから出た質問にボルボルとシャイルズの二人もハッとした表情を浮かべる。古代文明最大の謎といっても過言では無いその疑問、学術的な興味を持たないシャイルズであっても確かに気になる疑問であった。

 

「…………私が意思を持ったのは7000年程前の事です。意思のない時代の事は入力されたデータでしか認識していないのですが――」

 

 少しの沈黙の後に語り始めたシャロ。施設管理の為に入力されていたデータをコアの記憶領域の深層から引き上げる様に訥々と語り始める。

 

 

 古代文明、レムリア神王国と当時呼ばれていたその国では常識から逸脱した異常な性的嗜好が極端に忌避され、禁じられていた国であった。

 しかし人の欲望には際限がないモノ……特に三大欲求の一つでもある性欲は、制限され管理されれば治まるというモノでは無い。いつの時代でも人は抜け道を作り出すのだ。シャロの造物主であるイオトゥンドゥスは性を過剰に抑圧する風潮を憂い、秘密裏に自らの技術と財を用いて一つの施設を作り上げた。

 

 それがアンダーレムリアランド。同じように性の抑圧を疑問視していた国の重鎮達のうち何人かと密約を交わし、半ば黙認に近い形ではあるが誰の眼にも触れぬ辺境の地下に性欲発散の為の施設を作り出す許可を得たのである。

 

 いくつもの施設が次々に辺境に作られた。そのお陰であるのか定かでは無いが、辺境地方における観光業の盛り上がりと性犯罪の激減という結果は重く受け止められ、もはや表向き禁欲を叫ぶ国のお偉方は誰一人としてイオトゥンドゥスの行動を糾弾する事は無くなったのである。

 

 自らの仕事が認められたのが余程嬉しかったのだろう。施設管理の為に作られた只の奉仕種族にしか過ぎないシャロのコアにすらその経緯は詳しく刻み込まれていたのだ。

 

 そして各地の施設が軌道に乗り、神都からの観光客で施設が賑わっていた或る日の事……それは起きたのだ。

 

 

――通信不能――通信不能。

 

 シャロが働く施設の運営管理システムが突如吐き出し始めたエラー。各地の施設と繋がる通信網に異常が発生した事を知らせるその音声と共に、各地との通信が次々と途絶えていく。

 

――通信不能――神都にてコスモスエナジーの異常な増大を確認。

 

――施設運営に甚大なる障害を予想。

 

――当施設はエマージェンシーモードに移行します。各員は速やかに所定の場所に避難してください。

 

 施設内に鳴り響く危険を知らせる金切り声の様な信号音と機械音声。それらの中で慌ただしく避難用のシェルターに入っていく関係者と客達。それを認識しながらも奉仕種族であるショゴス達は緊急時の規定に基づいて人間達を守るべく施設の各所で静かにその不定形の肉体を震わせているのであった。

 

「神都。貴方がたが現在、樹海最深部と呼ぶ場所で何があったのかはわかりません。しかしその後大気中のコスモスエナジーが急速に上昇し施設内に存在した旧人類たちはその肉体を変成させていきました。現代では巨人種族と呼ばれるソレは古代に生きた人々の成れの果てなのです」

 

 瞳を閉じ、何かに祈る様に両手を組み合わせてシャロの話を聞いていた三人。彼等の胸に過るのは遥かな過去の同胞への憐憫か……それとも哀悼であろうか。

 

 ゆっくりと瞼を開けたボルボルが、その震える程に美しい瞳に憂いの色を浮かべながら言葉を紡ぐ。

 

「コスモスエナジーとは魔素の事であろうな。樹海深部に近くなる程、古代遺跡が数多く存在していた事実から樹海深部イコール古代文明の首都であったという仮説は存在していたが……裏付けられた形であるな」

 

「深部の遺跡を調査すれば具体的な理由が判明しそうだね。とはいえ古代のロマンの判明の為に向かうにはリスクが大きすぎるけれど」

 

 ギルドマスターとして樹海の恐ろしさを知るシャイルズがボルボルの呟きに言葉を返す。

 

「まぁ今悩んでも仕方ない事だしね。それよりも未来の話をしよう、シャロさんこちらとしても冒険者達、特に前線基地で働く者達の慰安は課題だったんだ。それが解決しそうだし、喜んで協力させてもらうよ。詳しい擦り合わせをしよう」

 

「ありがとうございます、シャイルズ様。謝礼として当施設で生産している幾つかの物資が提供できます。具体的には媚薬や精力剤などの、より当施設を愉しんで頂く為のアイテムです」

 

 シャロが語った謝礼の内容に思わず目を見開いたシャイルズ。思わず隣にいる妻であるルーシャに視線を向けてみればこちらも思わず口許が歪んでいるのが見て取れる。

 

(精力剤……現代を遥かに凌駕する魔導文明を築いていた古代文明のだと……普段使っているモノとは比べ物にならないんだろうな……ゴクリ)

 

(シャイルズに使わせてもいいけれど……それよりも元々精力の凄まじい蛮族に使わせて私を犯させたら……んはぁ……流石の私でも壊されてしまうかも……そうしたら彼はどんな顔をしてくれるのかしら……駄目、妄想が止まらないわ……あンッ♡)

 

 それぞれに淫らなイメージを束の間妄想してしまったギルマス夫婦。仕方あるまい、尋常の性癖とはいえぬ趣味を持つ二人にとっては期待を膨らませてしまうのも無理は無いだろう。

 

 ちなみに今現在の彼等はあと一回、蛮族の子を産めばシャイルズの子を孕むという段階にあった。その最後の一回をよりスリルに富んだモノにしたい思っていたルーシャにとっては垂涎の品である。

 

 

 その後、エロダンジョン内の詳しい仕組みやトラップ、難易度などを説明するシャロに様々な質問をぶつけていくセーヌ支部の三人。予想される幾つかの問題とその解決策を擦り合わせ、今後の行動などを纏めていく。

 

「おおまかな方針は決まったね。あとはこちらでギルド員への説明やマニュアルの作成を行うから暫くこちらに滞在して打合せをして貰えると助かるよ。ボルボル君に古代語の講義もお願いしたいし、滞在はボルボル君の家で構わないかな?」

 

「肯定。なにも問題ありません。了解しましたシャイルズ様。ボルボル様よしなに」

 

「こちらこそ宜しく頼むのである」

 

 

 有意義な会話が出来たと、どちらともなく握手を行うシャロとシャイルズ。

 綺麗に話は纏まった様だ。ギルマス夫妻は古代のエロダンジョンの利用化にむけて調査の予定を立てたり。関係各所への協力要請など暫く多忙になるだろう。

 

 話し合いが終わると時刻はもう夜の九時を過ぎている。ギルド建物内に私室の有るシャイルズとルーシャはともかく、ボルボルは慌ただしく帰宅の準備を始めるのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「只今帰ったのである」

 

「おかえりボルボル。お客人を紹介してくれないかの?」

 

 既にギルドの通信装置を使って帰宅の時間と連れがいる事を伝えられていたリリアーヌ。連絡通り、可愛らしい少女の姿をした人物をみて笑顔で夫に促した。

 

「古代人の創造したショゴスという種族のシャロ殿だ。暫らくは当家でお過ごしになられるという事なのでな。不自由なく過ごせるようにリリアにも協力願いたい」

 

「万事、良きように持て成させて頂こう。これでも貴人を迎える作法には通じておるのじゃ」

 

「シャロと申します。奉仕生物として創造された私にはその様なもてなしは少々……出来ましたら掃除や洗い物、洗濯などをやらせてほしいのです」

 

 創造主である人類に対して奉仕する目的で作られたショゴス達、意思と知性を獲得したシャロであるが主である人類種から持て成されるというのはやはり思う所があるようだ。

 そんなシャロの言葉に目を白黒させていたリリアーヌであったが、ショゴスたちに関しての説明をボルボルから話され納得したのか、そういう事であればと納得する。

 

「成程のう、どうにも客人にその様な事をさせるのは抵抗もあるが……そういう種族なのであれば致し方ないの。しかし食事に関しては腕によりをかけさせて頂くぞ、好き嫌いなどはあるのかえ?」

 

 古代の客人を迎え入れ、ダイニングルームで寛いでもらいながら食事の支度を始めようとしたリリアーヌがシャロに問い掛ける。

 

「有機物であれば大抵のものは消化可能です。好き嫌い……というのはよく解りませんが我々ショゴスは人類種の、特に女性体の排泄物を好む様に調整されて作られました」

 

「――ぶふッ!」

 

「これボルボル、無礼であるぞ……とはいえ吹き出すのも解る。――とりあえず普通の食事も味わえるのであれば問題ないじゃろ……下拵えは済ませてある故すぐに夕食を用意できる、少々待たれよ」

 

 シャロの答えに思わず飲んでいた紅茶を吹き出すボルボル。幸い正面には誰も座っていなかった為、悲劇は防げたようだが……ダンジョンの最初の部屋で行われた、ショゴス達による強制的なデトックスを鑑みればそれも当然なのかもしれない。

 

 あまり追及せぬ方がよかろう、と判断したリリアーヌが話を切り上げて台所に向かう。

 残されたボルボルは気まずそうにテーブルを拭きながら、シャロに他の話題を振るのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 シャロがボルボルとリリアーヌの家に滞在を始めて暫く。

 

 日中は家の掃除や家事を行い、リリアーヌと色々な話をしたり、遊びに来た麟華やリルといった友人達と茶会をして過ごす日々。

 夜は時折り鱗華に招かれて荒神家に泊まり込んでショゴスならではのプレイを提供して友人達を愉しませたりといった様子であるようだが、基本的にボルボルに古代語の講義を行う事の方が多い様だ。

 

 

「――といった感じでしょうか、皆さまがお使いになられている英語という言語は音に意味を持たせている様ですがレムリア神王国で使われていた言語は文字そのものに意味を籠めます。ですのでとにかく文字の意味と成り立ちを知る事がなによりも重要となるでしょう」

 

 流暢に英語を操って古代語の講義を行うシャロ。彼女の言葉を真剣に聞き取りながらノートにペンを走らせていたボルボルであったがふと、何かに気付いたのか独り言の様に言葉を漏らす。

 

「ううむ……成程であるな。黒斗殿の使う日ノ本言葉という物に近いようであるな……膨大な文字の種類も似ているのである」

 

「日ノ本言葉……黒斗様と鱗華様が、たまにお使いになられている言語ですね。サンプルが少なく今だ解析の途中なのですが、成程確かに似ていますね」

 

「気になるのであるか? たしか当家にも辞書が有ったはず……少々待たれよ」

 

 壁際の書棚から何冊かの分厚い辞書を抜き出してきてシャロの前に置いたボルボル。興味深そうにそれを手に取って頁を繰り始めたシャロであったが、その速度たるや尋常ではない。

 パラパラと物の数秒で最後のページまで捲り終えたシャロが、続けて次の分厚い辞書も同じようにページを捲り……全ての辞書を捲り終えるのに30秒も掛かっては無いだろう。

 

「ありがとうございます。もう戻して頂いても構いません」

 

「む? 余りお気に召さなかったか? 家の中でならいつ読んで頂いても構いませんぞ」

 

「必要ありません。内容はすべて記憶いたしました」

 

「なんとおおおおッ!! まことであるか?! いやはやなんとも凄まじい……」

 

「体内に副脳を創り出して、今見た内容を処理させております。講義はこのまま続けられますので気になさらず」

 

 見た目は人間そのものであるシャロだが、その正体は混沌の泥より生み出された不定形の粘体である。体内に複数の脳を生み出して処理能力を上げる事など容易い事であろう。

 

 ボルボルへの講義を行いつつ、並列して日ノ本言葉の解析も進めていくシャロ。恩人である黒斗達の言葉を理解したいという想いも合わさってその作業はすさまじい速度で続けられるのであった。

 

 

 その日の深夜、ボルボルとリリアーヌの寝室。

 

 

「あぁ……んっ……拡がるぅ♡♡ ……もっとじゃ……もっと深くまで突いてたも♡」

 

「承知しました母さま、女陰(ほと)も大分解れた様子……いきますぞ」

 

「くふぅッ――はあン♡ 深ィン♡ 子袋が潰れてしまいそうじゃ♡♡ 」

 

 寝室のベッドの上で絡み合う母と子、夫と妻でもある二人の愛の営みは余程の事が無い限り毎晩行われている。

 安住の地を得た二人、共に職を得て生活も安定した為、最近は避妊薬を服用せずにいる様だが未だ妊娠の兆しは無い。二人の肉体面に特に問題はない為、単にタイミングと運の問題だろう。

 

 ぐぢゅぐぢゅと結合部から淫猥な音を響かせながらリリアーヌの秘所を逸物で貫いていくボルボル。

 身長2メートルのボルボルと、150センチ程しかないリリアーヌの体格差は凄まじく、その長大な逸物がどうやって胎内に納まっているのか不思議な程である。

 

「母さま、痛みは有りませんか? 苦しくはないですか?」

 

「はんッ♡ くふぅ……まったく坊やは、毎晩必ず聞いて来るそれは、もう止めよと言っておるじゃろう。んあッ♡ もそっと乱暴にしても良い、これでも武家の女じゃ、日々肉体は鍛えておる」

 

「はっ。しかしやはり心配ですので……」

 

「くどいぞ、ボルボル。ふむ……あまり手ぬるくされると、お主では満足できずに浮気をしてしまうやもしれんな? 夜の黒斗殿は中々の野獣振りというでは無いか……一度身を任せてみるのも一興かのう?」

 

 いくら母の身を気遣う為であるとはいえ、優しすぎるというのも考え物である。

 砦に居た頃は常に緊張の日々であった為に仕方ないと思っていたリリアーヌであったが、セーヌに定住している今となってはそんな必要もない。

 

 まだまだ女盛りのリリアーヌ、夫の優しすぎる愛の行為は母性を擽られる物もあるのは事実であるが、女として惚れている逞しい男に激しくカラダを求められたいという欲望も勿論持ち合わせているのだ。

 

「むうう……冗談と解っていても来る物がありますな……そこまで言わせてしまうとは我ながら情けない、少しずつでも努力いたします。いきますぞ!」

 

 

――ずにゅりっ……ボゴッ!

 

 その気も無いだろうリリアーヌの挑発であるが、そんな台詞を云わせた己の不明を恥じたボルボル。端整な顔を苦虫を噛み潰した様に一瞬だけ歪ませた後……リリアーヌの太ももを抱えて浮かせ、自らの腰に引き寄せながら逸物を深々と母の秘所に抉り込む。

 

「かはッ――ァン♡ 良い突き込みじゃ♡ ほほ……胎(はら)が見事に膨れておるわ……お主を産み落とした我が胎(はら)ぞ……多少成長した所で戻れぬ道理はあるまい。さぁ、好きなように貪るが良いぞ♡」

 

 小柄で細身ではあるものの、しっかりと女らしく肉の付いた太ももから尻にかけての曲線は、何人もの子を孕んできたとは思えぬ程に美しい。

 そんな母の容易く折れてしまいそうな華奢な腰骨をがっちりと掴んだボルボルが、雄としての本能を剥き出しにして己が下半身を母の股座に猛然と叩きつけ始める。

 

――どぢゅん! どぢゅっ! ずぶりゅ! ぢゅどん!

 

 ズルリと長大な巨根が雁首のあたりまで引き抜かれたかと思うと、すぐさまドズヌと生々しい音と共に根元まで叩き込まれる。

 体格から想像できるとおりの慎ましやかなリリアーヌの秘所が、信じられぬ程に拡がって逸物を呑みこみ……すべすべとして美しい下腹部がぼこぼこと盛り上がる。

 

 裂けぬのが不思議な程の体格差であるが、今よりももっと幼き時代より豚人達の苗床として過ごし、そこから解放された後は息子であり夫であるボルボルの巨根を受け入れ続けてきたのだ。

 

「くはぁン♡ 良いッ♡ もっとぉ……もっと激しくぅ……坊やの逞しきイチモツにて母の子袋を滅茶苦茶にしてたもっ♡♡♡ くふぅ♡♡ 坊やの子種汁でぇ……母を孕ませるのじゃぁ♡♡♡」

 

「母さまっ! なんという感触と一体感……くぅぅ……確かに母さまの言う通り少々過保護過ぎた様です。これほど強く突き上げても斯様に乱れ悦ばれるとは……必ず孕ませてみせますぞ」

 

――ずどんっ! ずりゅり……どぢゅん!

 

 夢中になって自らの胎内を蹂躙しつつ、幼子の様に乳房を求めて胸元に顔を埋めてきた息子の頭を愛おし気に掻き抱きながら、快楽に蕩けた嬌声を上げるリリアーヌ。

 

「くふぅ……ンあっ♡♡ おっぱいが恋しいかえ♡ まだ乳は出ぬが……お主には上げられなかったからのう……そのうち出る様になったら飲ませてやらねばな♡ 我等の子の分は残して貰わぬと困るが……はァン♡♡ そうじゃ♡ いまから練習しておくのじゃ、乳首ををしっかり咥えて……強う吸い込むのじゃ――っああン♡♡ 坊やの逸物が震えておる♡♡ 母のナカにたっぷりと注いでたも♡♡♡」

 

 愛する息子の射精の気配を感じたリリアーヌが、掻き抱いたボルボルの頭を強く抱き締めながら種付けを乞う。

 

「私の子を孕んでください、母さま。今夜は何時もの様に抑えませぬぞ……精が枯れ果てるまで母さまの子袋に注ぎ込みまする!」

 

――ブビュッルッ!! ビュルルルルルルルルル……ビュルッ!!

 

「くふぅぅぅぅン♡♡ いつにも増して凄まじい勢いじゃあ♡♡ 枯れるまでなどと……妾の子袋が破裂してしまいそうじゃのう♡♡♡ 」

 

 組み敷いたリリアーヌの股座に腰をしっかりと押し付け、巨根で押し拡げられてギチギチに伸び切った膣内の最奥、子宮口に密着させた鈴口から灼熱の精を迸らせるボルボル。

 しばしの間、母の胎内に精を絞り出す感覚に陶酔していたボルボルであったが、豚人の血を引き黒斗達に匹敵する力を持つ彼の精力は一回の射精でおさまる筈もない。

 

 当然の様に胎内でムクムクと復活した逸物を、そのまま引き抜く事無く抽挿し始めるボルボル。

 心なしか先程よりもやや野性的な動きで母の胎内を蹂躙するその様子を満足そうに眺めながら、リリアーヌは女としての幸福に満たされるのであった。

 

 

 同時刻、ゲストルームにて。

 

(ボルボル様とリリアーヌ様は黒斗様方よりも大分ノーマル寄りの嗜好の様ですね。リリアーヌ様は少々満足されていない様子でしょうか。協力して頂いている恩もありますので少々……お手伝いさせて頂くのも良いかもしれません)

 

 肉体の感覚器官を変異させ、周囲の状況を完全に把握可能であるシャロ。彼女にとって部屋を隔てる壁など存在しないも同義である。

 性的な奉仕を目的に造られたシャロの思考が一般的な人類種と同様である筈もなく、彼女はその桃色に特化した頭脳にて、自らに友好的な存在への恩返しを考えるのであった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 tips

 

《伝説の冒険者、その淫蕩に満ちた冒険と偉業》より抜粋。

 

 ショゴスと新生人類の邂逅

 

 後の世に知られる荒神夫妻とその一行による様々な偉業。その中でもとりわけ大きなものとしてショゴス達との友好的接触が上げられるだろう。

 謎に包まれた古代文明であるレムリア神王国。当時はその名前すらも判明していなかった国の、秘密のベールを取り去るきっかけとなったこの出来事は後の世に様々な影響を残したのだ。

 

 今日(こんにち)では人類の友、相棒(パートナー)といっても過言では無いショゴス達。奉仕を喜びとする彼等は嬉々として人類と共に歩み、そんな愛すべき彼等に人類は誠実と友愛、そして性愛を以て迎えたのである。

 

 ショゴス達の王として君臨するショゴス・ロードであるシャロ氏。愛らしい少女の姿をした彼の偉大なる存在は今なお、巨大都市(メガロシティ)ニューセーヌに存在するアンダーレムリアランドにて、日々人類種に快楽を提供しているのである。

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