※この作品はR-18です。

儚き女神(上)と伴に崩壊世界で…   作:マンションの1室

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今回はかなり短めです。おやつカルパスくらいの感覚でどうぞ↓


とある石像だった者の記憶①

「もし?そこの貴方?」

 

トラックの近くで今の世界となってからは希少となったタバコを吸っていると、突然後ろから声をかけられた。

後ろを振り返ると少女の姿が見えた。

パッと見て、映える髪の色は黒ではないし、長い。きっと外国人なのだろう。

 

「女の子…?ここは子供が来るところじゃないよ。とっとと家族のもとへと帰んな」

 

「家族は…」

 

少女が憂いをおびた表情をする。

しまった、地雷だったか。確かにこの世界では前と違って人間はたやすく死んでしまう。それを忘れていた俺のミスだ。

 

「ああ、いやごめんな。そんなつもりじゃなかったんだ」

 

「いえ、それはこちらもわかっていますわ」

 

「それじゃあ…なんでここに来たのかな?」

 

「どこかに行きたいの。安全な人のいる場所へ」

 

「安全な場所かぁ…」

 

言われて考え込む。

確かに安全な場所はこの年齢くらいの子だとまだ必要だろう。しかも『安全なところ』に行きたいとなると、今までいた場所に何かがあり、そこから逃げ出してここまでここまで来たのだろう。

とは言っても俺はこれから積(・)荷(・)を運ぶ仕事がある。移動している最中は『財団』の拠点を経由するわけだが、この子に必要そうな場所を通る予定は無い。

仕方ない、次の拠点の連中にこの子を任せることにしようか。少なくともこの場所よりは人もいる。安全かどうかは若干怪しいが…

 

「仕方ねぇな…嬢ちゃん。トラックに乗りな。人のいるところへは行ってやるからよ」

 

「あら、本当にいいの?」

 

「おう、安全な場所へはそいつらが案内するだろうよ」

 

「それじゃあお言葉に甘えさせて貰うわね?」

 

そう言いつつトラックの助手席に乗り込む少女。

そろそろ時間だ。積(・)荷(・)も乗せ終えた頃だろう。

 

「おーい!積荷は?」

 

「ああ!乗せたぞ!早く出してくれ!サーヴァントに見つかってはかなわん!」

 

よし、出発だ。タバコを足元に捨てて、踏んで消しながら思う。

…俺に娘が生きていればこのくらいの姿をしていたんだろうか?

気にしても仕方がない今夜もたっぷり酒を飲むか。明日は休みだ。

 

 

 

 

 

トラックを止める。

次の奴へ引き継ぎだ。この次のエリアは俺の担当じゃあないからな。これで今日の仕事は終わり。あとは部屋でくつろぐだけ。

 

「嬢ちゃん、悪いがここまでだ。トラックを降りてくれ。愚痴を聞いてもらって悪かったな」

 

「いえ、退屈しのぎにはちょうどよかったですわ。それではお先に」

 

少女はトラックを降りた。

次は積(・)荷(・)を下ろす作業だ。中身についてはこちらも少しは知っている。中身は『マスター』。財団が捕まえた人間とのことだ。

こんな世界になってから突然現れた『マスター』とかいう存在。ここ(葛城財団)に協力すればもしかしたらマスターが従える存在、『サーヴァント』が俺の手に入るかもしれない。

そう言われて俺は入ることに決めた。自分の身は自分で守らなければならない。そのためにサーヴァントが欲しい。

『積荷』を別のトラックヘ移した。後はトラックを所定の位置に停めれば今日の仕事は終わりだ。

少し心が晴れて若干今までより軽い足取りで仮拠点のあてがわれた共同部屋ヘ向かう。

生憎同居人は今は仕事のようで部屋に入ってもいなかった。

部屋に見つからないように隠してある酒瓶を握り、酒をあおるように飲み始める。過去の嫌な思い出を流すように。

 

「あら、良い飲みっぷりですわね」

 

「ん?……嬢ちゃんか。こんなところには来るもんじゃないぜ?とっとと失せな」

 

「そういうわけにはいかないわ。だって貴方は関わってしまったのですから」

 

「俺が一体何に関わったって?」

 

何故か飲んでいる酒の味がなくなっていく感じがする。

 

「ええ、そう、関わってしまったの。関わってはいけない組織に。そして、私達というマスターとサーヴァントに」

 

咄嗟に振り返ろうとするが体が動かない。

何故だ?辛うじて下に顔は向けられたが、信じられないものを目にして驚愕する。

体が服ごと石(・)になっている。石になっている部分は意識して力を込めてもピクリとも動かせなかった。その侵食は足にまで及んでおり、動かせない。

 

「うっうぉぉぁぁぁ!!」

 

「黙ってくれるかしら」

 

侵食が止まらない。首まで来てしまった。発声器官まで動かせなくなったのか、急速に声が出せなくなった。

結局振り返ることができないので相手(少女)の姿さえ見ることは叶わない。

 

「全く、他の人が来たらどうしてくれるのかしら?面倒くさいじゃないの」

 

何故だ。何故俺がこんな目に?関わったから?知らない、俺は命令が下されてやっただけだ。

俺の意思でやったわけじゃない。だから…

 

「まぁ…せっかく作った家族という幸せを自(・)ら(・)壊(・)し(・)た(・)お人にはちょうどいい末路かしらね?」

 

あれは俺のせいでもあるが、大半はあいつらのせいだ。毎日毎日怒鳴られて…限界だったんだ。家族に手を上げたことは覚えているさ。それが過度になったこともな。

でも今は関係ないだろう。だから…

 

「力を誇示するのは別にいいとは思うの。私のいた時代(古代ギリシア)ではそういう時代だったもの。でも時代は違うのですからその方法はしっかり考えないとね?その点マスターは安心なんだから。出会って半年以上なのに私に触れる時、未だに緊張しているのです。そんな臆病な人間が手を上げれるわけないわ?」

 

どうでもいい。早く…早く…

目が見えなくなった。

 

「無駄話にも飽きてきたわ。それでは、さようなら。運転手の人。退屈しのぎぐらいにはなったわ。つまらないお話でしたけど」

 

 

助けてくれ

 

 

 

 

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後日、我々の小さな仮拠点の部屋で酒瓶を持った石化した男が発見された。同居人は別の仕事で数日空けており、戻ってきたら発見したとのこと。

石化された男の状態は、欠損があり、風化した石のようだった。

残念ながら司法解剖をする前に輸送中に石が崩れてしまい、死因は不明となってしまった。

おそらくではあるがサーヴァントの仕業と考えられる。どのようなサーヴァントであるかは情報が全く無いため、断定は不可能である。

 

 

ここまで書き終えて一息つく。

 

「全く…情報が無いのにまとめろとか無茶だろ…ここまでが限界だっての」

 

実際、情報が少なすぎる。

いくら前職が病院勤務だったからってやれることなんざたかが知れてる。司法解剖なんざしたことないっての。

いちおう、関係性は高いと思われる事例がいくつかあるが、証拠が無い。無理矢理こじつけてもいいが正直面倒くさい。

 

「仕方ない、これじゃ足りないとか言われるだろうからもう少し付け足して、内容はほぼこの状態でこれで提出するか」

 

かなりあやふやでふわふわした文章だけど情報が無さすぎるとでも言っておけばなんとかなるだろ。

よし、寝るか。




今回2699文字でした。
普段と同じくらいの時間かけてるのに今までの平均の半分とか恥ずかしくないのかよ?(自虐)

そういえば新イベント来ましたね。やっぱりステンノ様は来ませんでした。
いつになったらイベント登場してくれるの…?(遠い目)
え?弧月館ではメインヒロインだったろって?



………足りないんだよぉ!(慟哭)

リクエスト箱いる?

  • いる(鋼の意思)
  • (いら)ないです
  • そんな事よりおうどん食べたい
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