いやね、ラムダさんでまさかとは思ったよ。でもね、スキルがあるからって思うじゃん…まさかまんまだと思わないじゃん……。
そんな設定粉砕覚悟ができた人からどうぞ↓
前回のあらすじ
なんか夢見た
あらすじ終わり
草を踏み、湖を見ながらゆっくりと歩く。
時刻は午前中、天気は晴れ、陽が出てから少し過った頃でまだ足元の草に朝露が付いている。
今はのんびりと散歩をしている最中である。もちろん隣にはステンノ様もいて、歩幅が違うのでゆっくりと俺が合わせている。
「やっと晴れましたねー」
「そうね。でも天気予報は晴れ後雨。これからまた雨になるらしいわよ。また雨雲が近づいて来てるらしいから」
「えぇ…洗濯物干した所ですよ…」
「あぁ。帰ったらすぐ洗濯物を入れないと。いつ降るかわかったものじゃないから、洗濯物が濡れちゃうものね」
そんなのんびりとした普段と変わらない心地よい会話を楽しむ。
空を見上げると、少しの雲と飛行機雲。
うむ、実に平和だ。しかし、しばらく眺めていると頭に疑問符が浮かんだ。
「……ステンノ様?」
「何かしら?」
「今、俺の見間違いじゃなければ空に飛行機雲できてません?」
「えぇ、くっきり残っているわね。まるで白い線をそのまま描いたよう。なんならその線がまだ伸びているようですけれど、それが何か?」
「ステンノ様って最近……いえ、俺に出会ってから飛行機雲って見た事あります?」
「うーん、出会ってから…ねぇ。……出会った頃はともかく、最近は見た覚えは無いわね。何?マスター、飛行機雲に何か思い出があるのかしら?」
「いえ違うんです。この世界になってから飛行機雲って見た事が無いなら、余計おかしくないですかね。飛行機なんて『飛ぶはず無い』のに」
そうなのだ。世界が崩壊してから半年、飛行機が飛んだとかいう話は未だに聞かない。
物資等の輸送なんかはサーヴァントと一緒にやっている所や、物の売り買いを専門とした企業がサービスとしてやっていたり等している。俺達がお世話になっているアマゾネス・ドット・コムもその1つ。来たお客からの噂によると関東のほうではワイバーンを使役して輸送手段としている主従がいるとか聞いた。だからこそ、もし飛行機か飛ぶ事ができたとしたらそれらに替わる、人をも運べる大量輸送手段が復活したとして速報ニュース並に報道なりなんなりされるだろう。だから今、飛行機雲ができている事がおかしい。
「飛行機雲って飛行機とかが飛んだ後にできるから飛行機雲って言うんですよね?」
「ええそうね。聖杯からの知識によると、水蒸気が冷やされてできるとか」
「……ええと、なら今こう考えるしか無いって事ですかね?
「……まぁそうなるんじゃないかしら?それくらいの高度ですと普通の人間は耐えられないはずだから、十中八九人外でしょうけど」
「うっそー…」
まぁ今この世界はエネミーやサーヴァントが闊歩する時代のため、有り得ない話では無い。いや、むしろ否定出来ない事実に若干引いた。
「ところで、あの飛行機雲の作り主がなんだか大きくなっているのは気のせいかしら?」
「いやそんなはずは…」
若干否定しつつもじっくり見て見ると確かに若干大きくなっていた。なんなら加速度的にどんどん大きくなってくる。姿形が確認できるくらいにまで、時間をかけた時にやっと何の存在が飛行機雲が存在を出していたのか理解した。
それは間違いなく竜だった。しかもその首に人間を連れていた。
しかし、その竜は間違いなくこっちに突っ込んで来ている。なんなら直撃コースだ。それを理解した瞬間に、隣にいたステンノ様を抱えて走り出す。もちろん足を強化して少しでも遠くに。
少し時間が経過した時、鼓膜が破れるんじゃないかと思うくらいのとんでもない爆音と風が巻き起こり、しばらく耐えるために強制的に立ち止まるしかなかった
音と風が止んだ時に少女の声が聞こえた。
「いやー!楽しかったね。ねぇマスター?」
「」
「むぅ。何気絶なんかしてるの?眠いからただのんびり散歩くらいの速度で飛行しただけじゃない。ほら起きて?おーきーてー?そうじゃないと聞く事も聞けないじゃない」
「ぶはぁ!このお馬鹿竜!お前にとって散歩の速度でも俺はただの人間だぞ!?体がバラバラになるかと思ったじゃないか!!」
「マスターならあれぐらいの速度慣れてもらわないと。これからもっと速くなるのに」
「やっぱりお前はお馬鹿竜だ!」
「そんな事も言いつつも私を見てくれるんだから、素直じゃないんのね。そんな所も好きよ。……おっと姿変えとかないと。マスター?お願い」
「はいはい。ちょっと待っててな。いてて…こりゃしばらく休まないと…」
少し光が見えたかと思うとその光はすぐに止んだ。
「うん、やっぱり人前にはこの姿のほうがいいね。変な誤解をされる事もないし」
「はいはい、これでもう大丈夫か?」
「うん、ありがとう。これで僕は良いと思うよ。ところで、そこの人、少し聞きたい事があるんだけどお時間ってあるかな?」
「……それって俺の事?」
「君もだけどそこの見目麗しい神様も含めてね」
「……とても派手に登場したものだから、誰かと思ったら妖精じゃないの。久しぶりね。元気ではありそうね」
「うん、それはもう空を自由に飛び回れるくらいには元気さ。そちらも元気そうで何より」
そう言って見た目が少女同士が視線を合わせる。見た目だけなら少女同士が話しているこの状況は微笑ましいものだが、片方は神様でもう片方は湖の騎士の名前を付けた妖精の騎士である。はっきり言って面倒な何かが起こる予感しかしない。
「おい、ランスロット。降りたのはお前だろ?聞く事があるんじゃないのか?」
「おっと失礼。早速聞きたい事があるんだけど、お時間とかそちらお二人にはある?」
「時間なら散歩をしてるくらいですもの。先を急ぐわけでもないから時間はあるわよ?」
「そう、なら単刀直入に聞こうか。ここの辺りに『種火』に関する事をしている人って心当たりあるかい?」
聞かれてステンノ様と顔を見合わせる。そして徐々に笑いが込み上げてきた。
「むぅ何がおかしいんだい?」
「いや失礼。たぶん探しているのって種火の島に連れて行ってくれる人の事の事かい?」
「そうなの?マスター?」
「聞いてないのかよ…まぁいい、詳細まではそこまで知らん。ただ、種火を管理してる人がいるって人から聞いてな。コイツに乗れば行けない距離でも無かったんで来た所だ。それを聞くって事は何か心当たりでもあるのか?何か特別な事情が無いなら教えて欲しいんだが」
「心当たりも何も、現在目の前にいますけど何か?」
「今?」
「うん」
「目の前…?」
「はい」
「「うっそだー」」
現在進行形で完全に疑っている目をされている。
確かに相手側からすれば、難航しそうな宝探しをしようとしたら丁度目の前にその目当ての宝があるようなものだ。疑いたくなる気持ちもわかる。だが残念ながら、この近辺に定住する人自体がシェルターぐらいしかろくにおらず、少ないのもあってか未だに俺達と同じ事をしている人間やサーヴァントは未だにいないので該当する人物は俺しかいない。
どう疑問を解消させようかと考えているその時、湖のほうから水をきる音が聞こえた。
何事かと思って見顔を向けて見ると、某艦隊をこれくしょんするアニメの雑コラ選手権みたいに、女性と見るからに幼い少年が牛の背に乗って水上を駆けていた。
女性がキョロキョロと何かを探している様子だったがこちらに顔を向けた途端に笑顔になって牛が急速に方向転換。
「ってまたかよぉぉぉ!」
そんな事を叫びつつ、ステンノ様を抱えて全力で後ろにあった人が1人なんとか隠れられる大きさの岩に向かってダッシュする。このままだと確実に突進コースだ。あんな勢いでぶつかられたらたまったものではない。
しかし、しばらく隠れて衝撃に備えていても、一向に衝撃や大きな音が来ない。不思議に思って岩から顔を出してみると、牛は既に地面に着地しており、上にいた女性と少年はその背に座っていた。どうやらあのスピードを落としきったらしい。それを見て恐る恐る岩から出てみる。
「あらあら、ここで人に会えるなんて素晴らしいわ!ね?マスター?」
「しつこい、いい加減離せ」
「いやよ、だって離したら逃げるでしょう?」
少年は女性から離されずに女性の膝の上に座っていた。どうやら女性は牛から降りる気が無いようだった。
「ああ!誰かと思ったらエウロペ!君か!」
「あらあら、なんて可愛らしい妖精。遠くからじゃあまり見えなかったけれどアル…いえ、この名前は止めておきましょう」
「そうして貰えると助かる。今の僕は騎士だからね」
「ランスロットの知り合いか、そしてその隣は……おーい、そこにいるのは子供か?ここの辺りは魔物は少ないとはいえまだ危険だぞ」
「うるさい!僕は
「おっ、おっさんだぁ!?俺はまだ…」
「で…デブ…いや否定はしないけどさ……」
「もう、口が悪いわよ?ごめんなさいね。おふたり様。この子ったら何度言っても口をついて出ちゃうらしいの。ほら、悪い事を言った時は?」
「う……ごめんなさい」
「いやいい、この坊主の言ってることは正論だからな!ああ、確かに自己紹介を忘れていた。すまねぇな、そこの…ええと……」
俺かと思って自分に指を指してみると首を何度も縦に振る。確かに俺も自己紹介を忘れていた。こんな事を見るからに子供の少年に言われるとは思っていなかった。
「俺は白島陸ですよ。そちらは?」
「俺は
「変ってなんだい変って、こんなに強くて頼りになる存在はそうそういないと思うけど?」
「……とまぁこんな感じだ。多少、いやかなり変な奴だが強さに関しては心配いらん。たぶん俺も含めてこの中にいる連中が束になった所で余裕でこいつは勝つだろうよ」
そんな言葉を言いながら地上に降りて、ランスロットの頭を撫でている悠理。ランスロットは特に嫌がるそぶりもみせず、目を細めて黙って撫でられている。
「そうなると残りは私だけかしらね。私はステンノ。女神よ。メデューサの姉と言えばどんな存在かわかるかしら?」
ステンノ様がそう言うと悠理は知っているようなそぶりを出したが、雷は頭にハテナが浮かんでそうに首を傾げていた。
「ああ、ごめんなさい。この子あまりギリシャに詳しく無いの。エウロペという私の名前も知らなかったくらいには…マスター?メデューサという名前くらいは知っているのかしら?」
「名前だけなら…ゲームとかで出て来たし…でも姉がいるなんて僕は知らない」
「そう……メデューサは今はそんな認識になっているのね。それならFGOというゲームはやっていたのかしら?」
「私が代わりに答えます。おそらくやってはいません。私もFGOというアプリから来た存在でもありません。私は完全に多くの皆様がやったようないきさつで来たサーヴァントでは無いのです」
「そう……ならいいわ。とりあえず、私は神様と理解しておけばいいわ。見た目こそ少年の貴方と変わらないですけどもね」
「さて、これでもう全員の自己紹介は終わりかな。実の所、僕は眠いんだ。寝たいんだけど休める所あるかい?」
「休める所ならあるけど…良かったら雷君達も来るかい?」
「やった!ほら、マスターも早く行って一緒に眠ろう?」
「僕も……いいの?」
「遠慮する事は無いわマスター。せっかくだからおじゃましちゃおうかしらね」
「それならこっちです。ちょっと散歩くらいの距離なのでそこまで遠くは無いですよ」
後ろを向いてのんびりと歩き始めて、それぞれついて来させるようにする。たぶん、ここの辺りでエネミーの脅威等を考えて安全な場所と言えば石化ドラゴンの家かシェルターくらいなものだろう。シェルターには少し距離があるし、この人数なら石化ドラゴンの家でも十分余裕だ。
「あんな速度で飛行してたくせに眠いって…本当にマイペースだなお前……」
悠理がランスロットに手を引かれ、肩を落としながら若干遅いツッコミを入れると周りが少し笑う。
そんなこんなで期せずして3人のマスター、そして3人のサーヴァントが揃ったのだった。
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時効は夕方、晩御飯には少し早い時間、種火を狩りに行ってその疲れを各々が癒している。
雨は降りそうで結局降らなかった。まぁ予報だしよくある事だ。
え?種火狩りの事?巨人が出現したりドラゴンが出てきたり、火柱やドラゴンブレスが薙ぎ払って種火量産して俺たちいらなくね?ってなってましたが何か()
「ところでマスター。大所帯になりましたけど食事はどうするおつもりなのかしら?」
「……まぁいつもの料理で良いんじゃないですかね。人数も多いからそこそこ多く作れるカレーとかシチュー辺りで」
「うん?食事の話?それなら僕のマスターが役に立てると思うな。ね?マスター?」
「まーた言いだしたよこのお馬鹿竜…言っとくが作らないぞ。どれだけの人数いると思ってんだ。パーティーみたいなもんだぞ」
「へぇ、作れないんじゃなくて
じっとランスロットが悠理を見ている。そして悠理もじっと見つめ返している。しかし、しばらくそんな時間が続いた時に悠理が心なしかちょっと震えているのが見えた。
「ざーこ♡ざーこ♡料理しか取り柄がない残念よわよわマスター♡」
「……は?やってやろうじゃねぇかよこの野郎!」
突如大きな声を出した悠理に、今まで陽が落ちようとする空を見ていた雷が驚いた様子で悠理を見た。
「あっはははははははは!!僕のマスターならそうじゃなきゃ!それで?僕は何をすれば良い?」
「あーちょっと待ってな。なぁ坊主。何が食いたいなんでも言ってみな。やれるものなら作ってやるよ」
「だから僕は……まぁいいや。食べたいものか……うーん。そういえば最近ハンバーグ、食べてないな……」
「良しそれで決まりだ。そして白島さん。ちょっと聞くんだが厨房借りても良いか?借りれないとわりと困るんだが」
「ステンノ様。どうです?」
「別に良いんじゃないかしら。それよりも、女神に料理を献上してくれるのです、期待しておくわ」
「目がそう言ってないのは気にしないとして、味については問題無いと思うよ。だって僕のマスターはさる料理店で若いながらも、厨房に立っていたらしいからね。大衆向けも何とか出来るさ」
「良し、じゃあ調味料はどれくらいある?」
「うーん…あくまで一般家庭なぐらい?」
「……まぁ見れば良いだけの話か。ランスロット、行くぞ」
「うん。桂剥き、千切り、乱切りなんでも言って?寸分の狂い無く全てこなしてみせる」
「その前に」
「洗浄、消毒だよね。わかってるさ。洗浄は既に済んでるからあとは消毒だけ」
「良し。白島さん。厨房へ案内してくれるか?人数もいるからな、これから少し忙しくなるぞぉ!」
そんな言葉を言った悠理は弾むような足取りで後ろを着いて来た。そんな俺も料理人らしい悠理の料理を楽しみにしていた。
悠理を厨房へ案内した後、俺はまた先程まで集まっていた部屋に戻った。というのも、手伝おうとはしたのだが『これから先は俺だけの秘密だ』とか何とか言われてしまって厨房から追い出されてしまった。このままウロウロとしても、今優先してやる事は無いので仕方なく部屋に戻って来たというわけである。
部屋の中にはステンノ様とエウロペと雷がいるのだが、なんだか全員浮かない顔だった。
「……戻って来て早々ですが何かありました?」
「あぁマスター。おかえりなさい。実の所少し困っているの。料理ができるまで待っているのも退屈だから少しお話をしようとしたのだけど、そしたらこの2人、会話できるような面白い話なんて無いと言うのよ」
「お許しください。女神ステンノ様。私達はここまで来たのは良いものの、道中や出会いにはあまり良い思い出はないのです。サーヴァントという私の体だけが目当てな存在の人達に追われたり、マスターが少年と見るや騙しにかかる人達が主でしたのでとても話せる内容のものでは……」
そう言葉を発したエウロペは俯いて、膝の上に乗せている雷の頭をゆっくりと撫で始める。そんな雷も特に言葉を発する事も無く、俯いていた。
「そう、貴方達が出会ったその瞬間も、きっとそうなのでしょうね。エウロペ、貴女が私達と出会った時もFGOから出たわけでは無いと言っていたもの、自然召喚されたと考えるなら今の状態から見てある程度推測はつくわ。悪い事を言ってしまったわね。ごめんなさい」
「いえ、ステンノ様が謝る必要は無いのです。悪いのはあの人達なのですから……」
「そういえば私達もそんなことあったわね。ねぇマスター?」
「あれから少し日は経ちましたけどね。最近は関わりありそうな人はめっきり姿は出さなくなりましたけど、何してるんだろうか」
「もしかしてデブの人も騙されたの?」
「まぁね。なんならどこかに連れ去られたし……というかデブは止めてくれ……」
「まぁ!そんな人達に連れ去られた上で無事だったのですか!?」
「えぇ、この話ならちょうどいいかしらね?あの時どんなことがあったのか暇つぶしに話をしてあげましょう」
そう言ってステンノ様は俺が葛城財団に連れ去られた事について話し始めた。時たま俺に話を振ったりして、あの時どうだったのか詳細に聞き出したりした。そしてそんな話を聞いたエウロペと雷はじっくりと聞いたり、ドン引きしたりしながら興味津々に聞いていた。でも俺は聞いてないぞ…トラックの運転手魅了させて相乗りしていただなんて。てっきりサーヴァント特有のワープか何かで来たものとばかり思ってたわ。
そんな話をしている途中、ランスロットがひょっこりと扉から現れ、話に参加して来た。悠理のほうは大丈夫なのかと聞くと後は俺でなんとかするとの事らしい。そしてどうやらランスロット達も狙われた事があるらしく、しかしやはりFate全体的においても戦闘力はかなり高いほうである龍種と呼ぶべきか、完全にランスロット単体の実力で危うげ無しに殲滅したらしい。その殲滅した本人は全く面白く無かったと不満を垂れ流していた。
一通り話を終えた少し後、廊下からガラゴロと俺達が買ったあまり使う機会が少ない台車を引く音が聞こえ、一通り料理料理を作り終えたであろう悠理が姿を現した。
「おうまだここにいたか。白島さん、台車借りてるぜ」
「ええそれくらいなら是非使ってください。それよりも料理のほうは?」
「あー…少し気合い入れてフルコースでも作ろうと思ったんだがな、材料も時間も無くてな。ありもの歯抜けフルコースと言うか、1品物の連続出しの方向で今作ってる最中だ。少し余裕が出来たんでな。ランスロットを呼びに来たのと前菜をついでに出しに来た所だ」
「フルコースって何?」
「おっ坊主は知らねぇのか。まぁその歳でフルコース知ってるってなかなか珍しいか。簡単に言うと…アレだ。ヨーロッパとかの映画で長い白い机のテーブルあるだろ?そこに王様とか座るだろ?そいつらに出すような特別な料理の献立や出し方の事だな……今はなんちゃってになってるが」
「王様!?確かにエウロペはなんか凄い人ではあるけれど…」
「そこまで気にしなくていいさ。久しぶりにやりたくなってやってるのと、ある意味王様より偉い神様なんかがいるしな。少し本気を出したくなっただけさ」
「へぇ……女神を前にそこまで言えるのですから尚の事期待しておくわ。そんな事より前菜よ。出しに来たのでしょう?」
「おっと失礼。本物の王族のサーヴァントがいたならもう失礼ポイントが貯まっちまう。マリーアントワネットとかならもうきっと辛口審査でボコボコだ。ランスロット手伝ってくれ」
ランスロットは軽く返事をするとすぐに悠理の元へ向かい、揃って一言。
「「それでは良いお時間を」」
それからの時間は非常に早く過ぎた。お高いホテルなんかで出されるであろう食事を一切味わっていなかった俺は、カルチャーショックを受けた。それは雷も同じらしく、次々に出される料理を1口食べては目を見開いていた。それとは逆にステンノ様とエウロペは手馴れた様子でじっくりと食べていた。
そして何より驚いたのは…
「種火入りハンバーグ?」
「ああそうだ。手に入れたからな。ついでに作ってみた」
「え?種火って食べられるの……?」
「ん?知らなかったのか?」
「……ステンノ様。知ってました?」
「…さぁ何の事かしら?光っているからってまさか食材を照明器具として扱うなんて想像してなくて、見えない所で笑ってなんていませんわ?」
「知ってましたね!?」
どうやら常に不足気味のはずの種火がアマゾネス・ドット・コムで安定し、値段がある程度変わらないカラクリがこんな時に分かると思っていなかった。もっと供給や値段も不安定になっていてもおかしくないはずなのにだ。イメージとしてだが今回の事を込みで食料品で例えるなら、世界が崩壊する前のカニぐらいだろうか。高い物はとんでもなく高いし、低い物でも少しは値段がかかる。まぁカニと例えたが種火は切って売れるものでは無いし、年によったら不漁なんかもあり値段も変わるので本当にほんのりなイメージだが。
そして消耗品だろうとは思ってはいたのだが、まさかの食料品扱いだとは思ってはいなかった。確かに何もしなくても長期間腐らず、光続けていたのでその時点で不審に思うべきだった。……いや食料品なら缶詰めでもないのに長期間腐らないのはおかしいとも思うのだが。
「あー…こりゃ失礼したな。しかも味もコレは俺でも保証できん」
料理人としてその発言はどうなんだと思いつつ質問すると、試したのはつい最近であり、なんなら今日が2度目。味もとりわけ旨いというわけでもないらしく、何が1番美味しく調理できるのかさっぱり不明とのことらしい。今回に関しては試食はしているので食えないというのは無いだろうとの事。
ちなみにここにいるサーヴァント全員に聞くと美味しいものじゃないの?と逆に質問されるくらいにはギャップが起きていた。カルデアから来ていないと言っていたエウロペでさえ他のサーヴァントと同じ反応だったため、きっと召喚の際に種火に関する何かしらのものを付与されるのだろう。
俺が食べた感想だが、とりあえずすすんでは食べないではおこうと決めた。思ってたより独特だったよ…。
そんなこんなで食べ終わり、空いた食器の必要な処理をある程度終えた悠理が戻って来て、食後の談笑に加わる事となった。
「それでな?その時のコイツがな?」
「ちょっとマスター、その時の話は止めてよぉ…」
「いいや話すね。だってたかが幽霊ごときに引っ付いていたのは事実だからな!」
「すぐ倒したからノーカン!それにその時マスターだって足ガクガクだったじゃないか!」
「ちょっおまっそれは今言う事じゃねぇだろぉ!?」
「先に言ったのはマスターじゃないか!?」
「うふふふふ!とても面白い旅路だったのね貴方達。デコボココンビなかなかどうして面白いお話なのかしらね」
「そりゃあ…やりたい事に突っ走ってるからな。俺達は。なぁランスロット」
「うん!おかげで毎日飽きる事ない旅になっているのさ。そういえば種火は手に入ったよね?次はどうするの?」
「うーむ。そうだなぁ……種火の旨みをもう少し引き出した調理方法をもっと検討したいところではあるけどな。他の手に入る食材に制限があって数が圧倒的に足りん。もっと大きな町か何かに行く必要があるかもな」
「ねぇマスター今度は僕の順番だと思うけど?」
「それもそうか。で?御要望は何でしょうか?妖精さんよ」
「私、『聖杯』食べてみたいなぁ。魔力リソースなんだよね。あれ」
やりたいことを聞かれたランスロットが思いもよらない
え?聖杯って黄金色のアレだよね?まさか直で?とかツッコミなのか質問なのかわからないものが頭の中を駆け巡る。
「……は?わかってて言ってんのかお前」
「もちろん。まぁ情報集めのついでにマスターのために町に行ってあげてもいいよ」
「いやいや無理だろ。まさか杯ごと食べるつもりじゃないだろうな?お前が良くても俺が無理だっての……ああいや?確か、器にとある人の血を入れるとそれが聖杯になるとか聞いたことあるぞ?もしかしたらライスペーパーか何かに入れて貰えればワンチャン…?」
「なら決まりだね!」
「よし決まりだ。なぁ白島さんよ。何か情報集めに良い町は無いか?」
「うーん?情報集めか…情報ねぇ……あ、物知りって訳でも無いし、すぐに望むものが手に入らないかもしれませんけど、とある人は知っていますよ」
「おっこの際だ、なんでも良い。多少距離があろうが大丈夫だ。俺には『妖精』がいるからな!」
「その人は探偵で、今は確か…」
そうして俺は前に少しお世話になった探偵の人を紹介した。あの時の瞬間は嵐のように来てすぐ去って行ってしまったが、未だに記憶に残るくらいインパクトが強かった。また何かの縁があればまた出会いたいものだ。
悠理には悪いが探偵への
「そういえば坊主、お前も俺達と同じように旅してるんだよな?」
「うん、まぁいちおうは…」
「ついでだから聞かせてくれよ。そうじゃなきゃエウロペなんかにゃ引っ付いて無いだろ?」
「やりたい事、かぁ……なんだろう。ねぇエウロペ。僕は君に助けられてから色々なものを見たよね」
「そうね。でもそれは……」
「ううん。言わなくていいよ。わかってる。たぶん君がこうしてくれなかったら僕はきっと今は死んじゃってる。敵にじゃなくて自分で……」
「マスター……」
エウロペは膝の上に乗せていた雷をそっと抱きしめる。その顔は悲痛な面持ちで、口を開くのははばかられた。
「だからね。今から言うことはきっと僕のわがままだと思うんだ。優しいお姉ちゃんみたいなエウロペのことだから付いてきてくれると思う。でも拒否してくれてもいいから」
「まさか。契約したサーヴァントですもの…断るはずがありません。何でも言ってごらんなさい?」
「僕は『綺麗なもの』が見てみたいんだ。前はテレビとかで色々見られたけれど、今はテレビなんかつかない。なんなら逆に気持ち悪いものばっかり見ている気がするんだ。だから…お願い」
「ええ、ええ、それくらいならお安い御用というものよ。でも今すぐというのはちょっと無理だから一緒に行きましょうね?」
それに雷は一言軽い返事で答えるとエウロペのほうを向き、その胸に顔をうずめた。その肩は静かに震えていた事からきっと泣いているだろう。
まだ声を上げて泣きたい年頃だと思うし、それだけの成長をさせてしまった何かに少し悲しくなる。確かに世界が崩壊し、既存のものが色々と崩壊している現在、こんな事があってもおかしくないのは想像が付くが、いざ目の前で見るのはやっぱり違う。何も言えなくなってしまう。
そんな空気にやぶ蛇をつついてしてしまったのを実感したのか、悠理は目を逸らして沈黙し、隣にいたランスロットは何かかける言葉を考えているようだった。
そしてそんな空気を打ち破ったのはまさかのステンノ様だった。
「綺麗なものね。ものじゃなくて綺麗なショーなら見れる場所は知っているわよ?」
「「綺麗なショー?」」
「そう、場所は確か東京に近かったかしらね。ここから少し遠いのですけれど、ここにくる人間やらサーヴァント達に行った人がいてね。それはとても綺麗で美しかったらしいわ。なんでも最近は少し派手にやっているそうよ?」
エウロペと少し復帰した雷の2人に質問をされるとステンノ様はそう返した。そうしてしばらく2人からの質問が数度繰り出され、ステンノ様が返すの繰り返しがいくつか行なわれた後、エウロペとすっかり立ち直った雷はお互いの顔を見て、決心した顔をしていた。
ついでだからとその場所の近辺にあるらしい孤児院の存在を教え、まだ年齢的にも幼いため寄ってみたらどうかしらと勧めていた。もし孤児院に入るのなら、その成長した心がこの世界で傷ついた孤児院の子供達の良いまとめ役になってくれるだろう。
「さてと、まぁ坊主はなんとかなったな。次は白島さんの番だぜ?」
ついに自分の番が来てしまい、言おうとしてはてと考える。
そういえば
では何かに向かって行動することか?いやこれも濃霧のようにはっきりとわからない。いちおう痩せたくはあるがやりたい事とはまた違うだろう。
ならばとやりたくないことから絞るとしよう。……ダメだ。これも絞込めない。もちろんステンノ様は何者にも盗られたりはしてはならないし、それは絶対だ。でもそれはやりたい事とは違う。
それにもう俺は死体漁りや人を殺す事をしてしまっている。あの時は必死だったがゆえ、目の前の事実から目を逸らせる事ができた。後々になってやってしまったと思ったりもしたが、ステンノ様が立ち直らせてくれた……きっと俺は必要があれば人をも殺せてしまうのだろう。だがきっとこれは好むことは無い。快感なんて無かったし、ジルドレェのマスターだった龍之介みたいに死の意味なんてどうでもいい。
思考がズレた。本筋に戻すとして、これらの事からそれほど1部を除いて何に対しても執着とも呼べるものも無いような気がする。いざとなれば、この家や種火関係も放り投げて逃げ出せば良いとも思っているから尚更だ。
ならば何もしたくはない?これも違う。崩壊する前に数少ない趣味とも言えるものもまだやる事がある。そしてこの仕事もある。
……そういえば崩壊する前、就職活動していた時、こんな質問に俺はどう答えていたっけか?ダメださっぱり思い出せない。
「なんでもいいんだぞ?くっだらねぇ事でも否定はしないさ。笑いはするかもしれんがな」
しばらく腕を組みながら考えていると悠理からヘルプっぽい言葉が出されるが、今の俺にとっては全く助けになっていないような気がする。なんなら逆にプレッシャーになってしまった感じが出た。
「やりたい事ねぇ…やりたい事……」
「……まさか思いつかないっていうパターンか?」
「あはは…そのまさかです。そういえば最近そんな事全く考えていなかったような記憶が」
「まぁこんな世界だ。今まであった事でもすっかり変わっちまったからな。今まで当たり前にあった事がなくなり、非現実的な事が今では叶いやすくなったりしている。人間にとっての敵が増えて、明日生き残れるかどうかさえも以前から確率は低くなった。そんなこんなだから変わるのも仕方ない。でも白島さん。老婆心かもしれんが、アドバイスするならやりたい事っていうのは案外近くに転がっているもんだぜ?今は見落としてるだけさ」
そう悠理は言い、すぐ切り替えて次の話題を出し、晩御飯の後のゆっくりとした時間は過ぎていった。
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眠れない。
そう認識したのは枕に頭を乗せてから30分は経過した所だった。窓の外の月もまだ空高く浮いている。
水でも飲むかと部屋を出て、廊下へ、窓の外から月明かりが差し込む。
ふと気がつくと、部屋の1つの電気が付いていた。不審に思って扉を開けると中にはステンノ様1人。何か小型の物を耳に当てているようだ。
「…?あら、マスターじゃないの。てっきりもう寝たかと思っていたわ?」
「いえ、単に寝付けなくて。それより1人で何をしているんですか?起きてる俺が言うのもアレですけどいつもならもう寝てる時間では?」
「うふふ。いやね?少し聞いていたのよ。この国では壁に耳あり障子にメアリーだったかしらね」
「ステンノ様、それを言うなら壁に耳あり障子に目ありです…」
「口ごたえするのはこの口かしら」
両側のほっぺを引きのばされる。爪を立てているのもあってわりと痛い。しばらくするとちょっとの怒りが収まったのか離された。終わった後もヒリヒリする。たぶん爪の跡も残っていると思う。
「まぁいいわ。それよりもほら、聞いてごらんなさい?あの人達、全員思っていたよりも愉快よ?」
何かと思い、小型の機械を耳に当てる。そうしたら音が聞こえて来た。
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「ねぇマスター?私を負かすんだよね?まだまだ私は満足してないよ?」
「ぐっ…うるせぇこのエロドラゴン。お前の中どれだけ締め付け強いと思ってんだ。動こうとしても刺激強すぎるんだよ…っ!」
「あっ♡また大きくなった♡ほらほらきちんと動いて?今度はきちんと同時にイケるように大きくね?♡」
「わーったよ。ちくしょう…いくら動いても余裕そうな顔しやがって。もう泣いて謝っても許さねぇからなぁ?」
「ちょっ!いきなり激しいよ♡んぅ、もっと、もっと♡」
「うっ…くっ…やっぱり、キツい…!中の刺激がダイレクトに来る…!」
「まだまだでしょ♡もっと締めてあげるから、ふぁっ♡私で感じて?♡」
「もっとキツく…!どれだけキツくできるんだこの淫乱ドラゴン…!でも…っ」
「ふぅ♡はぁ!♡あはっちょっと調子乗りすぎちゃったかな?♡もうちょっとでイキそう…♡マスター頑張って?♡」
「そりゃこれだけ密着させたら…っ!お前も感じるだろうよ。もっと…」
「うん!♡いいよ!♡…っ!♡中に、中に射して?♡中じゃなきゃいやっ♡」
「うっ…全く、中以外認めないくせに」
「当然、はぁ♡…でしょ?夜は体温が恋しいんだから♡それが精液でも冷たくなるのは避けたいの」
「じゃあたっぷり注ぐからな?全く…このメスガキドラゴンめ」
「うん!♡私にたっぷり…あん♡…おしおき…して?♡」
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小型の機械から耳を離す。ステンノ様を見ると同様に小型の機械から耳を離していた。
「とりあえず、感想から。ばちこりヤッてますよねこれ?」
「そうね。お互いを激しく求め合うって言うのはこういうことなのかしらね?」
「そうですね。なんなら水音とか肌の当たる音とか大きかったし……」
「……少し気に入らないのはさっきのを聞いて股間が大きくなっている事ね。私達以外で大きくするのは不愉快なのですけれど」
「許して下さい…本能というか無意識と言いましょうか、とにかくわざとじゃないですから……」
「まぁいいわ、それより次よ。これまた違った感じね。ギリシャらしいと思うわよ?」
ステンノ様が別の小型の機械を少しいじると耳に当てるよう促す。それに従うとまた音が聞こえて来た。
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「お姉ちゃん…動きたい。ダメ?」
「ダメよ♡でも私だって辛いのよ。私だって動いて満足したいのよ」
「うぅ…こんなことならやってみたいなんて言うんじゃなかったぁ」
「あぁ可愛いわ。でもよく頑張りました。後もうちょっとよ?♡あと5分くらいの我慢ね。もう私だって…ほら」
「さっきよりもびちゃびちゃだ…うっ……ちょっと動いて…!」
「ごめんなさい、ちょっとだけ動かしちゃいました♡でもこんなにお互いが苦しいのですから、時間が来た時とっても気持ちいいとは思わないかしら?」
「うん、きっとものすごく気持ちいいと思う。でも僕もう耐えられないよぉ」
「ねぇ、キス、しましょう?」
「うん……うむっ……はぁ……」
「……うふふ、あと4分ね。雷がこんなことしたいだなんて言った時はびっくりしたわ?」
「だって見つけちゃったから……誰もいなくなったコンビニで食べ物取る時に偶然大人の本があって、とっても気持ちいいって書いてあったから…」
「ええ、その本も私と一緒に見たことまだ覚えているわ。まさかポリネシアンセックスについてじっくり書いてあるなんて、雷のお年頃には刺激が強すぎるもの。というより雷が早すぎると思うの」
「先に襲ってきたのはお姉ちゃんだよね!?……うん?あれ?お姉ちゃんは……エウロペ…?……あれ?」
「いけない、少し話しすぎたかしら。マスター、少し目を見て…そう、私は貴方のお姉ちゃん。本当のお姉ちゃんと似てない双子の優しいお姉ちゃん。外では他人のふりをしているけれど昔から一緒に住んでいるお姉ちゃん。……そう、
「……あれ?エウロペお姉ちゃんだよね?今何か変な感じがあってね…」
「えぇ、えぇ、私は貴方のお姉ちゃんよ。言わなくてもいいわ。あの時の事は思い出さなくていいの。それより、もう後2分よ♡ちょっとイタズラしちゃおうかしら?♡」
「待ってっ!僕もうキツいんだから!乳首とそんなにふわふわのアソコでおちんちんを刺激しないで…!」
「えいえい♡もう私だっておへその下あたりがキュンキュンしちゃってる♡ねぇ残り2分、ずっとキスしましょう?お互い色々な所を触りながら…ね?♡」
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「……うんそこはかとなく香る近親感。どうなってんだこれ……?」
「たぶんあのマスターを
「途中で何か不穏な言葉言いませんでした?それに何ですかその2次元にありそうな展開は……それよりもギリシャ的ってまさか」
「……?近親で子供を孕むのはギリシャではよくある事よ?私としては懐かしくて良いって思うのよ。きっと馬の賢者もそう言うんじゃないかしら」
「この国では法律で禁止されてますぅ!ステンノ様は女神で近くに男性神はいないから大丈夫だと思っていますが…」
「そういえばメデューサの息子がいたわね?」
「いやマジで止めて下さい。わりと洒落になりませんから」
「冗談よ。今の私達は客人をもてなしはしますが、そういう事をするのはマスターだけと決めているわ」
「……嬉しい言葉をありがとうございます」
「それよりもマスター?大きくなったソレ、どうするおつもりなのかしら?」
「……我慢します。きっと情に負けて今ステンノ様を襲ったらきっと嫌われちゃいますから」
「別に嫌いはしないわ。なんなら好きな人に求められて嫌になる事なんてあるものですか。時と場合は考えて欲しいとは思いますけれど」
「今は乗り気では無いでしょう?」
「マスターにしては珍しく私の気持ちを読めたわね。褒めてあげましょう。他の
「ヒエッ…大人しく寝るとします。おやすみなさい。ステンノ様」
「えぇ、私はもうちょっと聞いてから寝るとするわ。おやすみなさいマスター」
コップに水を入れて1杯だけ飲む。その時、ふと頭の中に疑問1つ。
「…そういえばステンノ様?」
「何かしら?」
「その『盗聴器』っぽいの…いつ、そしてどれだけ仕込んだんですか…?」
「……黙秘するわ」
ささやか?な疑問は暗黒微笑で黙秘と返答されたため、問い詰めるわけにもいかず、そのまま少しムラムラした気分の中寝る事となった。
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「本当にごめんなさい!」
時刻としては昼近く、雷とエウロペのコンビに出会うなり唐突に謝られた。内容としては部屋の1部分を濡らしに濡らしまくった事。そして臭いが残ってしまった事。
「いやいや、こちらとしては料金さえ支払って貰えれば…まぁサーヴァントとマスターが揃えばこんなことなんてよくあることですし……」
「本当にね。寝床がほとんどが濡れている状態じゃない。まだまだ濡れているということはどれだけ出したのかしら?」
「それについては聞かないで下さい。女神ステンノ様…」
「じゃあ別な質問にするわ。満足したかしら?」
「えぇ、とっても」
今まで泊まりに来たサーヴァントとの男女コンビの場合、エッチでなんだかんだで部屋が大変な事になるのはよくある事だ。むしろならない場合のほうが珍しい。
元々は部屋数少し多いちょっと大きい公民館のはずがラブホみたいになっているのは気のせいだと信じたい…いや、俺達が不法占拠して私物大量に置いてるので今更感はある。
「それよりも、他のもう1組のコンビの行先って知らない?知らないよねぇ……」
「うん、そればっかりは……なんだよあのおっさん。何が『朝飯作ったからお代は勘弁してくれ』だって……」
そうなのだ。ランスロットと悠理のコンビは朝起きたら部屋はぐちゃぐちゃのままいつの間にかいなくなっていた。鍵なんかは置いてあったし、窓は空いていたからきっと窓から外に出たのであろう。
雷の言ったように、料理は厨房に4人分置いてあり、書き置きが1つ。内容としては、お代は持ってないから食事を作ったので勘弁してくれとの事だった。料理は冷えても美味しかったが見事な作り逃げ(?)である。
今度出会ったら必ず料金請求してやる。そう思って今まで料金未払いの名簿リストに名前をしっかり書いておいた。
「まぁ君達は料金はもらったし、もう行ってもらってもいいよ。片付けはこっちでしておくからね」
「わかりました。ありがとうございました!それでは僕達はこれで…行くよ、エウロペお姉ちゃん」
「えぇ、それではまたいつか。女神ステンノ様、白島さん」
部屋前の廊下から手を繋ぎつつ離れていったエウロペと雷のコンビ。その顔はどちらもにこやかに微笑んでいた。
「さて、それじゃあやりますか、ステンノ様」
「えぇ、いつものね。のんびりするのはそれからでもいいでしょう。今日はのんびりしましょうね」
そうして俺達はまだ臭いが残る2部屋の掃除を開始するのだった。
という訳で今まで諸事情であまり書かなかった他サーヴァントとの絡みでした。
ちなみに悠理のコンビはどこかでアルトリアとかを従えた料理人と出会って料理バトルを繰り広げたり、探偵とも一悶着あるのはここでは書かれない(他でも予定が無い)お話。
雷のコンビはショーのお姉ちゃんと出会ってエウロペがお姉ちゃんおばちゃんと覚醒したり、孤児院でまた色々とあるのはこれまた別の(他でも書く予定が無い)お話。
あっちなみに今回は17256文字でした。長スギィ!1つにまとめようとした私がバカでした()
最近めっきり崩壊世界シリーズも生まれなくなって更新も無く、潮時かなって…少し寂しくなってるマンションさんなのでした。まぁ私の亀よりも遅い執筆速度があって賑わいも見せない私が悪いのもあるのじゃ。本当に申し訳ない(メタルマン風)
さすがにテンプレを忘れたので省略。
(*´ω`*)ハヤル…?モウムリ…?
リクエスト箱いる?
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いる(鋼の意思)
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(いら)ないです
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そんな事よりおうどん食べたい