※この作品はR-18です。

拍手お礼文(小話集)   作:夢枕 七変化

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目次

ヒロイン視点
ルフィ視点
ミホーク視点
マルコ視点
ロー視点
ドフラミンゴ視点
クロコダイル視点
イゾウ視点
シャンクス視点
カタクリ視点

線で区切ってあるだけです。飛んだりは出来ません。予めご了承ください。


覚悟(色々な視点)

【ヒロイン視点】

 

 いつものように窓を開けて、私はクーちゃんを招き入れた。クーちゃんは新聞を差し出し、私は書き上げた原稿を託す。

 そうして金銭のやり取りを行い、他にもある雑多なやり取りを終えると、作り過ぎてしまったスコーンを包んでクーちゃんに差し出した。それを見て首を傾げるから、皆で食べてと言えば頷いてくれたけど、その直後に思い出した様子で取り出した果物をくれたので、結果的に交換になってしまったけど。

 

 「いつも配達してもらってるお礼のつもりだったのに」

 

 言えばクーちゃんは気にするなとジェスチャーして来たので、ありがとうと言ってそれを見送る。振り向くと何故か果物を睨んでる人がいて、食べたい?なんて聞いてみた。

 

 「流石に鳥から貰った物まで奪えねェ」

 「ふふ、半分は私が今食べちゃうけど、残りの半分で何か作りましょうか。パイでもどう?」

 

 そんな私の言葉に頷いてくれたから、取り敢えずパイの生地を作る仕込みをしつつ、果物を半分に切ってパイ用と今食べる分に分ける。そしてその果物を味見も兼ねて齧って見れば美味しくて頬が緩んでしまう。

 この味なら砂糖はいらないかしらねと思いながら、果物を刻んでいたら目の前が歪む。なんだろうと思った直後転んでしまった私に、慌てて伸ばされたその手をすり抜けて落ちて行く。

 そして、2人の悲鳴が轟いた。その後大騒ぎになったけど、何とか調べてみたら普通は無いけど、1億個に1個、食べた人を子供にしてしまう実が生まれるらしいと知り、小さくなった体を更に小さくしている私。

 それを何故か彼は楽しそうに撫で回して来ている。数日で治ると分かってから、ただ愛でられているのだ。

 

 「もうっ!止めて!私、中身はそのままなのよ!?子供扱いしないで!」

 

 叫ぶようにいった私に、彼はニンマリと笑う。それに嫌な予感がした直後抱き寄せられて、重なる唇。

 ジタバタともがいてみても、その力の差は歴然で涙が滲んでくる。そんな私の耳元で、大人扱いしてやっただけだと悪びれも無く言い放つそれに、思わず全体重をかけて股間に飛び乗れば離されたその手。

 

 「バーカ!大人に戻ったら、覚えてなさいよ!」

 

 姿が子供になったら、精神的にも少し幼くなっているらしく、そんな事を言ってその場から逃げ出す。その背後で戻ったら覚悟するのは、どっちだろうなと不穏な言葉を呟いていた気がするのは、きっと気の所為だろう。

─────*

【モンキー・D・ルフィ】

 

 梯子を上り測量室に入れば、またカモメと戯れている姿が見えた。優しげな顔で何かをやり取りしていて、その中で何か見た事のない果物を手にする。

 勿論その前に何か食い物を渡してたんだから、ある意味当然かも知れねェけど。でもよ、なんで俺に寄越さねェで鳥にやってんだよ。

 それなら、その果物が俺のかと考えてじっと果物を睨んでいたら、くるりと振り向いて困ったような顔をされる。その空気は穏やかで優しい。

 

 「ルフィも食べたい?」

 「流石に鳥から貰った物まで奪えねェ」

 「ふふ、半分は私が今食べちゃうけど、残りの半分で何か作りましょうか。パイでもどう?」

 

 パイ……良いかもなんて思って頷いたら、クスクスと笑いながらキッチンへ向かう。その背後について歩けば、サンジに何か言ってキッチンの端っこで粉を捏ね始めた。

 それを眺めていたらサンジが飲み物とグラタンを用意してくれて、大人しく待ってろよなんて言うから味見したいだけだと胸をはれば、粉物は腹壊すからダメだと言われちまう。……俺は、腹壊さねェのに。

 そしてふと視線を戻したら、果物を半分に切って、綺麗に剥いていた。その1欠片を齧って頬を緩ませてるから、多分甘いんだろうなと分かる。

 その後残りの半分をパイ用に切り始めた所でその体が崩れ落ちて、俺は慌てて手を伸ばすけど間に合わずに倒れて行く。いや、すり抜けた……?

 よく見ればその姿が小さくなっていて、下着みたいなのしか着てなかったから全て脱げてしまっていて……。俺は悲鳴を上げつつ、慌てて赤いシャツを脱いで掛けながらチョッパーを呼んだ。

 そして診てもらいながら、ロビンに調べて貰えば果物のせいで身体だけ縮んだのだと分かる。……にしても、俺はこの頃の姿でも勝てなかったから、あんまり問題無い気がするぞ。

 そう思って撫でていたら、時々ビクッと身体を震わせるからイタズラ心が刺激される。……普段の姿なら、襲ってたかもな。

 

 「もうっ!止めて!私、中身はそのままなのよ!?子供扱いしないで!」

 

 その言葉に俺は嬉しくなる。だってよ、大人扱いしても良いって事だろ?

 そうしてくれと言われたからには、そうしてやるさ。そう思って奪うように唇を重ねれば、元々弱いのに更に弱くなったその力で抵抗して来るが、それは俺を煽るだけだ。

 唇を離して、そっと耳元で囁く。本当に、今すぐ欲しくなるから煽るなよと願いながら。

 

 「望み通り、大人扱いしただけだぞ」

 

 その直後俺の大切な息子に全体重をかけて来て、真っ赤な顔して逃げて行く。にしても、攻撃する時に覇気まで纏う事、無くねェか?

 

 「バーカ!大人に戻ったら、覚えてなさいよ!」

 「……姿が戻ったら、覚悟するのはどっちだろうな?」

 

 その背中を見ながら思わず呟けば、ロビンが笑顔で手を生やしてきて、突然クラッチ!とか言いながら攻撃して来る。それにぐェーとか言いつつ、俺は早く元に戻れよと内心で笑っていた。

─────✤

【ジュラキュール・ミホーク】

 

 窓から入って来たニュースクーと戯れる姿に、視線が奪われてしまう。俺が先日あまり甘くないのだなと呟いたスコーンを、気に入らなかったと判断したらしくニュースクーに惜しげも無く与えている。

 代わりに返された果物を手に振り向き俺が果物を睨んでいるのを見て食べたい?なんて聞いてくる。それが妙に苛立たしく感じた。

 

 「流石に鳥から貰った物まで奪えぬ」

 「ふふ、半分は私が今食べちゃうけど、残りの半分で何か作りましょうか。パイでもどう?」

 「甘目に作るなら」

 「心得ております」

 

 そんな軽口を叩きながら共に厨房へ降りれば、パイの生地を作りながら果物を半分に切り、器用に皮を剥くとその場で少し齧っている。その頬が緩むのを見れば、どうやら美味いらしいと判断できて、パイへの期待が膨らむ。

 そんな時突如倒れるその身体に慌てて手を伸ばすも、手をすり抜けて倒れるそれに内心でどれ程慌てた事か。2人の悲鳴が直後に谺響したのは、その身体が明らかに小さくなっていたからだ。

 その後調べてみれば、たまにある大当たりの実に当たっただけで、数日で元には戻るらしいと分かる。もし、恋人や夫婦となっていて、娘がいたならこんな様子だろうかと考えれば、自然と笑ってしまう。

 余りの愛らしさに思わず撫で回していたら、嫌そうに手を振り払われた。ツルペタな姿で、ムッとした表情で、俺を見上げるそれのなんとあどけない事か。

 

 「もうっ!止めて!私、中身はそのままなのよ!?子供扱いしないで!」

 

 叫ぶような言葉に、俺の口角は自然と上がる。そうか、大人扱いしても良いのだな。

 そう思い重ねた唇。無駄な足掻きとわからぬ筈も無いのに暴れるそれを押さえ込み、少し楽しんでから解放してやる。

 

 「主が望むように、大人扱いしてやっただけだが?」

 

 俺の言葉に真っ赤になったと思った直後、全体重を股間に向けて放ち、その衝撃に呻く隙に逃げ出した小さな身体。そして、俺に向けられたのは愛らしい悪態。

 

 「バーカ!大人に戻ったら、覚えてなさいよ!」

 

 その背を見送りながら、クツクツと笑ったのは仕方ない事だろう。何せ……。

 

 「元に戻ったら覚悟するのは、どちらだろうな」

 

 もう、逃がしてやるつもりは無い。その姿の幼子を愛でる日も、そう遠くは無いだろうと俺はその日を指折り数え始めた。

─────*

【不死鳥マルコ】

 

 俺と想い人が使う部屋の窓にニュースクーが止まっているのが見えて、何か変わった情報でもあるのかと部屋に戻る。そこではただいつものやり取りをしているだけだと分かり、何事も無いならそれでいいかと思いつつ静かに見詰めた。

 スコーンを差し出したそれに応えるように、ニュースクーが果物を差し出せばそれを受取り楽しそうにしているのが何とも平和な光景だ。……俺の心中を除けば、だがねぃ。

 

 「……食べたい?」

 「流石に鳥から貰った物まで奪えねェよぃ」

 「ふふ、半分は私が今食べちゃうけど、残りの半分で何か作りましょうか。パイでもどう?」

 

 振り向いて笑う姿に少し心が癒された気がして、俺は素直に頷いた。そのままキッチンへ向かうので、それについて行けば楽しそうに果物を扱う。

 元々料理が好きなのか、それとも果物が好きなのか。そんな事を思いながら眺めていると、突然その身体が倒れて行く。

 慌てて手を伸ばすも、何故かすり抜けたそれにより支えられず、身体を起こしたその姿が縮んでいる事でその場にいたコック達と共に大騒ぎとなった。親父やイゾウ、サッチやビスタを巻き込んで調べれば、運の悪い事に奇跡の果実を食ったらしいと知る。

 身体が縮んで幼くなっても中身は変わらず、エースに聞けば幼少期の姿と言動そのままだと言うから、これは確かに神童だろうと思う。それにしても可愛くて、つい色々やりにくいだろうとの言い訳をしながら撫で回していたら、不愉快そうな顔をされちまう。

 特に身体に害もなく、数日で戻るらしいからいいと思うんだがねぃ?

 

 「もうっ!止めて!私、中身はそのままなのよ!?子供扱いしないで!」

 

 叫ぶように言われたその言葉に、俺はニンマリと笑うと小さなその身体を抱き寄せてそのまま唇を奪う。動揺して即座に抵抗してくるものの、元より俺に力で敵う筈もない所に今は幼い姿になっているのだ。

 そっと唇を離して、その耳元で声をかける。この状態で、理性が働いてる俺を褒めて欲しい位だよぃ。

 

 「大人扱いしてやっただけだよぃ」

 

 その刹那股間に走る衝撃。思わず離した手から抜け出して、逃げながら言葉を向けられる。

 

 「バーカ!大人になったら、覚えてなさいよ!」

 

 その逃げる姿に思わず零れたのは、本音だろう。俺はもう、我慢してやるつもりはねェよぃ。

 

 「戻った時、覚悟するのはどっちだろうねぃ?」

 

 想いを伝える前に貪りそうだと大人気なく思っちまう程度には、余裕なんて俺には無かった。部屋には蜜柑の香りが残されている。

─────✤

【トラファルガー・D・ワーテル・ロー】

 

 熱が籠りすぎて船内が臭くなった為、嫌々ながらも浮上させた。その時待ってましたとばかりに飛んでくるニュースクーに、どうなってんだよ発信機でもうちの参謀に取り付けてんのかと内心で舌打ちをする。

 まさかカモメに八つ当たりする訳にもいかず、だが気分は悪い。それが仕事でもあるのだとわかっていても、1応オスだろう相手に笑いかける事そのものが心を苛立たせる。

 様子を見ていると、手作りの菓子と果物を交換してる姿にこの阿呆めと思う。何か作ったのならば、俺にまずは寄越すべきだろうと思うが、その菓子をクルー全員に配ってるのを見て、気に入らないからと受け取らなかったのは俺だ。

 ……伝えてもいない想いが伝わる筈も無く、ただ嫉妬と呼ばれる感情に振り回される。そんな俺に振り向き、悪戯に笑うそれは妙な色気がある為に喉が鳴るのを自覚した。

 

 「……食べたい?」

 「流石に鳥から貰った物まで奪えねェ」

 「ふふ、半分は私が今食べちゃうけど、残りの半分で何か作りましょうか。パイでもどう?」

 「俺にしか作らないなら、食ってやる」

 「ハイハイ、お望みのままに」

 

 本当に望みのままにしていいのならば、迷わずその身体に歯を突き立ててやるのに。そう思う俺の目の前で果実を切り、それを齧ったりしながら楽しそうにする。

 俺も果物が食いたいと言っても、通じないままに今手にしているそれを差し出されるのは目に見えている。そんな事を思った時、目の前で崩れ落ちたその身体に手を伸ばす。

 だと言うのに、能力まで使ったにも関わらずすり抜けて落ちる身体。その直後起こした身体は、明らかに縮んでいた。

 検査や治療を行った結果、奇跡的な確率の元大当たりの果物にかち合っただけとわかり、小さくなった姿に少し心癒される。素直に可愛くて、襲いかかろうとする凶暴性を自らに感じないのをいい事に撫で回していれば不機嫌そうに手を叩かれた。

 

 「もうっ!止めて!私、中身はそのままなのよ!?子供扱いしないで!」

 

 叫ぶようなそれに、ならば大人扱いしてやろうと唇を奪えば、あえかな力で抵抗して来る幼い身体。涙の滲むその瞳を確認して、そっと耳元で囁いてやる。

 

 「大人扱いしてやっただけだろ」

 

 その瞬間男の急所を迷いなく攻撃して逃げるそれを、思わず手が追い縋る。何をされても、求めているのだとそれにより自覚されられちまった。

 

 「バーカ!大人に戻ったら、覚えてなさいよ!」

 「……元に戻った時、覚悟するのはどっちだろうな?」

 

 思わず零れた言葉は俺の本音。元に戻ったら、想いを伝えつつ貪ってやると、俺は1人静かに唇に弧を描いた。

─────*

【ドンキホーテ・ドフラミンゴ】

 

 庭に用意してあるサマーベッドで転寝をしていたらしい俺は、やはり手の届く範囲にいて貰えると安眠できるのだと再認識した。軽く伸びをしてから部屋に入れば、何やらニュースクーと楽しそうに戯れるその姿に小さく笑みを零す。

 だが、ニュースクーに餌付けして、そのお返しにとなにやら貰っているのを見れば良い気はしねェ。そんな俺に気が付いたのか、ニュースクーを見送ると同時に振り向き悪戯に笑う。

 

 「食べたい?」

 「流石に鳥から貰った物まで奪えねェ」

 「ふふ、半分は私が今食べちゃうけど、残りの半分で何か作りましょうか。パイでもどう?」

 「お前が作るなら、食ってやるよ」

 

 俺の言葉に嬉しそうに笑い、即座に果物を軽く水洗いしてから粉を捏ね始める。昔から何でも作る奴だとは思ってたが、俺が本当に食いたいのは……。

 そんな不埒な事を考えていたからだろうか。果物を齧った直後に倒れて行くその身体。

 即座に支えようとしたのに、すり抜けるそれに違和感を抱き、直後にその理由に気付く。明らかに縮んだその姿により、俺の悲鳴が轟きファミリーが揃って顔を出す程の事態となった。

 その後すぐに残った果実を元に調べあげ、確認した所1億分の1と言う奇跡の割合で数日間子供の姿に変わるのだと分かった時の安堵感。それにしても、初めて見るその姿に、いつか二人の間に娘が出来ればこんな姿なのだろうかとつい、撫で回してしまう。

 可愛いな、全てが小さい。幼少期の俺を愛でていたのは、こんな気持ちだったのだろうかと思えば、撫で回された分を取り戻そうとでも言うように、今その頭や身体を抱き締めたり撫で回したりしている。

 

 「もうっ!止めて!私、中身はそのままなのよ!?子供扱いしないで!」

 

 叫ぶようなその言葉に、ふと笑みが零れるのは都合の良い言葉だったからだ。落とさないように、そして逃げられないようにしっかりと抱き締めて、唇を重ねれば元々弱かったのに更に弱くなった力で抵抗して来る。

 その内涙が滲んでるのに気付きそっと唇を離してやり、その耳元で囁く。そう、これを望んだのはお前だろ?

 

 「大人扱いしてやっただけだぜ?」

 

 その直後、体重をかけて急所に飛乗る事で攻撃して来る。それに思わず手を離せば逃げる小さな身体。

 

 「バーカ!大人に戻ったら、覚えてなさいよ!」

 「元に戻ったら、覚悟するのはどっちだろうな……?」

 

 まずは脱がせてベッドに沈めてから、想いを理解する迄舐め回してやるかと遠くない未来に思いを馳せる。理解して貰えたら、その後は楽しくも淫らな宴が幕を開けるだけだ。

 ん?

 理解したなら受け入れるに決まってる。YESかはいのどちらかしか、俺に対する答えなんて物は存在し得ねェんだからな。

─────✤

【英雄・サー・クロコダイル】

 

 仕事も区切りになったからと部屋に戻れば、カモメと戯れる女が1人。俺の所有物ではあるのだから、手を出して問題なんてある筈もねェ。

 その上俺は紳士な海兵では無く、欲望に忠実で、自由を愛する海賊だ。そう考えて、無邪気に笑う女に手を伸ばそうとして……怯えられたり泣かれたりする未来を連想し、その手を降ろした。

 やりにくいな……。恐ろしく甘い女だから、嫌うとか憎むとかはねェだろうし、大人びた奴だから騒ぎもしねェだろうが……。

 気が付けば果物片手に俺を見ていて、俺はその果物を睨み付ける。すると食べたい?なんて色気を含んで聞いてくるから、お前を……と言いかけて辞めた。

 

 「流石に鳥から貰った物まで奪えねェ」

 「ふふ、半分は私が今食べちゃうけど、残りの半分で何か作りましょうか。パイでもどう?」

 

 こいつが作るなら、不味い物は出ないだろう。そう判断して素直に頷けば、嬉しそうに笑って生地を捏ねたりし始める。

 そして、果物を味見の為か1口食べたと思ったら幸せそうな顔をするから甘いらしいと気付く。甘いらしいそれに小さく笑ってから、次の行動に移ろうとしたらしいその体が突然倒れて行けば慌てて手を伸ばしたのも当然だろう。

 だが……俺の手をすり抜けて落ちる身体に何が起きているのかと思った直後、明らかに縮んだその姿に流石の俺も叫び声を上げ、ニコ・ロビンが飛んで来る騒ぎとなった。その後部下達を使い調べた所理由が分かり、身体に問題は無く数日で戻るとなればそれらを散らしたのも当然だ。

 そうなれば幼くなったそれを撫でるのも当然。流石に襲う気にはならないが、娘がいたらこんな感じだろうかと思っちまうのは仕方ないだろう。

 

 「もうっ!止めて!私、中身はそのままなのよ!?子供扱いしないで!」

 

 叫ぶように言われたそれに、成程と笑えば微かに震えたその身体。だが、望んだのはお前だ。そう思い重ねた唇の甘さに、酔いそうになるのは俺の方か。

 無駄に暴れようとするそれに、腕の拘束を強めれば抵抗できないままに涙を滲ませる。溺れちまう前にと唇を離して、その耳元で囁く。

 

 「大人扱いしてやっただけだ」

 

 直後に急所へと迷わず攻撃して、逃げの1手を繰り出すその姿。その上捨て台詞まで、俺を望んでるとしか思えねェ。

 

 「バーカ!大人に戻ったら、覚えてなさいよ!」

 「……元に戻ったら、覚悟するのはどっちだろうな」

 

 仕方ねェ、バラ風呂とベッドに花弁を散らすくらいは準備してやるか。元に戻り次第、俺のモノにしてやる。

 戻るまで待つだけ、感謝しろよと内心で笑う。それから近くにあった新聞に手を伸ばし、自ら俺の元へと帰ってくるのを待つ事にした。

─────*

【十六番隊隊長イゾウ】

 

 食事を食べに来ないとサッチに嘆かれて、仕方無く様子を見に行けば楽しそうにカモメと戯れるその姿。何やら受け取った果物を楽しそうに見ているから、どう調理するかを考えているのだろうと気付く。

 微笑ましいと思う反面、憎たらしい。その微笑みは、俺にだけ向けてくれたらいいものだろう。

 とは言え、逃げられても困るからと思えばこそ想いを上手く伝えられずにいる。普通に伝えたんでは伝わらなかった為に、直接的な伝え方をする他無いのが手間取ってる理由だ。

 

 「食べたい?」

 

 お前さんを食べたいよ。とは、言えずに別な言葉を返す。

 

 「流石に鳥から貰った物まで奪えねェ」

 「ふふ、半分は私が今食べちゃうけど、残りの半分で何か作りましょうか。パイでもどう?」

 

 食事もさせないとだからちょうどいいかとそれに頷く。すると楽しそうにしながらキッチンへ向かうから、到着と同時にサッチから軽く何か食えと言われてしぶしぶ食事をした。

 そんな様子を眺めていたら、食事終了と同時にパイを作り始める。その様子を四番隊の奴らが微笑ましそうに見ているから、俺もそんな感じなんだろうなと思う。

 果物を1口齧って頬を緩ませた後、そのまま倒れて行くその姿に慌てて腕を伸ばした。だと言うのに、すり抜ける身体に恐怖しか抱けない。

 そして……何故か小さくなったその身体を見て2人で悲鳴をあげれば、遅れて気付いた四番隊も巻き込み大騒ぎとなった。結局調べてみれば、果物の当たりを引き当てただけで、それ程たたずに治るらしいと判明する。

 なので行動を取りにくいだろうと手を貸し、ついでに暇な時はその体を撫で回していた。何せ可愛いからね。

 将来的に子を孕んだとしたら、きっとこんな感じの姿に育つのだろうと思えば、愛しくなるのも当然。髪の色が俺と揃いでも良いかもな。

 

 「もうっ!止めて!私、中身はそのままなのよ!?子供扱いしないで!」

 

 その言葉と同時に振り払われれば、成程大人扱いしていいのかと思い笑ったのも当然だろう。なので当然の事として、振り払われた反動を利用して抱き寄せそのまま唇を奪えばジタバタと藻掻く小さな身体。

 流石にこの身体の状態で、無体を強いるつもりは無いがね。そう思って唇を離せば潤んだ瞳が見える。

 

 「大人扱いしてやっただけさね」

 

 言葉を落とすと同時に急所を迷いなく攻撃して逃げ出す。そして、僅かな距離の向こうで子供らしい言葉を投げ捨てる。

 

 「バーカ!大人に戻ったら、覚えてなさいよ!」

 「戻った時、覚悟するのはお姫さんだろうに……」

 

 俺の言葉に気付かないのか、気付いていて逃げたのか。どちらにしても、戻ったら実力行使に出ても良さそうだねと考えて、俺は小さく笑った。

─────✤

【赤髪のシャンクス】

 

 ニュースクーが飛んで来るそれに合わせて、視線が机の上から窓に移動したのに気付く。ニュースクーにだけ甘すぎねェか?

 書き上げたばかりの原稿等を封筒に入れて託し、代わりに受け取る金品や書類。その様子にプロなんだよなと、思わされる。

 ただ、子供がお使いに来たついでに何かを与えるような様子で、菓子を与えてるのを見ればお前幾つだよと問いたくもなる。お礼のつもりなのか、果物を返されそれを受け取った時の笑顔が優しい。

 俺が何かやっても困った顔する癖にな。だが振り向いて食べたい?なんて聞かれればそれに頷く事も出来やしない。

 

 「流石に鳥から貰った物まで奪えねェ」

 「ふふ、半分は私が今食べちゃうけど、残りの半分で何か作りましょうか。パイでもどう?」

 

 その笑みが少し悪戯で!お前を喰いたいと少しでは無く思うが、とりあえず今はパイで我慢してやるかと頷く。すると即座にキッチンへと向かい、生地を作ったりし始めるからその手際の良さに笑っちまう。

 お前、航海士だよなと呟くクルーにそうよ?なんて首を傾げる##name_1##に敵わねェなと思う。本当に、価値が高過ぎて困っちまうな。

 その時果物を切って味見するのと同時に、幸せそうに笑ったのが見える。それにより、果物だけで生きようとすんなと本気で思う。

 だが、その直後に倒れる姿を確認すれば支えようと手を伸ばすのは当然で……。だと言うのに、俺の手をすり抜けて落ちて行くその身体。

 倒れた筈の身体が起こされた時、明らかに縮んでるその様子に叫び声が谺響したのは当然だろう。出会った頃のような姿に、当時を知る者は懐かしそうに、知らない者は珍しそうにその姿を見詰める。

 いつか子供ができたとしたら、こんな感じなんだろうか。と言うか昔もそうだったが、身体は幼くても中身が大人過ぎるよな。

 そんな事を思いながら、小さいと不便だろうと手伝うフリして撫で回していたら、その瞳に怒りを滲ませて俺の手を振り払う。そして、叫んだ。

 

 「もうっ!止めて!私、中身はそのままなのよ!?子供扱いしないで!」

 

 その言葉の意味を理解してないんだろうとわかっていながら、言質は取ったとその唇を塞ぐ。深く重ね、奥まで犯すように舌で蹂躙すればジタバタともがく小さな身体。

 しかしその瞳に涙が滲んだのが分かれば、仕方ないかと解放する。どうしてこいつはこう、可愛いんだろう。

 

 「大人扱いしてやっただけだ」

 

 耳元でそっと囁けば股間に攻撃を仕掛けてくるそれに、油断していた為にダメージを受けちまう。わざわざ、足に覇気纏ってやがった……!!

 

 「バーカ!大人に戻ったら、覚えてなさいよ!」

 

 俺から逃げてそんな事を言う愛しい女に、ニンマリと笑っちまったのは仕方ないだろう。俺みたいなのに、言質取らせて……逃げられると思うなよ?

 

 「戻ったら覚悟するのは、どっちだろうな」

 

 俺の言葉が聞こえたのか聞こえなかったのか。逃げる背中にクツクツと笑いながら、元に戻る日を指折り数え始める俺がいた。

─────*

【シャーロット・カタクリ】

 

 羽音が聞こえて視線を向ければ、当然のように居るニュースクーに、これは既に飼ってると言っても良いのではないかと考えさせられる。金銭や原稿を受渡し、そのついでとばかりに俺に先日くれたスコーンの残りを渡しているのを見た。

 楽しそうに笑うそれに心のささくれが溶けていくような気がして小さく笑った時、代わりにと差し出された果物を見てつい睨んでしまう。特定の相手からの物以外口に出来ないのに、ニュースクーはその特定の相手に含まれるのかと思えば不快にもなる。

 

 「食べたい?」

 

 俺が睨んで居たのを勘違いしたのか、悪戯に笑うそれに溜息が落ちる。こんな、自分の半分も生きてない小娘に翻弄されてどうするつもりなのか。

 

 「流石に鳥から貰った物まで奪えねェ」

 「ふふ、半分は私が今食べちゃうけど、残りの半分で何か作りましょうか。パイでもどう?」

 

 その言葉に頷けば、即座にパイを作り始める姿を眺める。楽しそうに作るその手際は恐ろしく良く、味見の為に果物を齧ってる姿が妙に色っぽい。

 だがその直後に倒れる姿を見れば、慌てて能力を使ったのも当然だ。だが倒れる前に支える予定だったそれをすり抜け倒れるから、床にクッションのように用意していた餅に倒れさせるのが精一杯だった。

 驚いたような顔で身体を起こしたその姿が縮んでいた事で、俺達の悲鳴が谺響すればブリュレが姿を見せて、そこから話が1気に家族全員に知れ渡る騒ぎとなった。その結果、果物の当たりを引いただけと分かり、戻るまではとその生活をサポートしてやっている。

 そのついでに、少しばかりその小さな姿を堪能しているのは当然と言えるだろう。いつか俺との間に子を成せば、産まれる命はこんな姿だろうか。

 

 「もうっ!止めて!私、中身はそのままなのよ!?子供扱いしないで!」

 

 いくら言葉を重ねても通じない愚かなそれが言うには、挑発的過ぎる言葉。子供扱いしなくて良いと言った己の愚かさに気付いていないのか……と、そう考えるのと同時に重ねた唇。

 元々抗った所で無意味と言える力量の差があると言うのに、小さなその身体でジタバタと無意味に暴れる姿。涙を滲ませたのに気付き唇を離せば、泣くのを耐えるイタイケな少女がいる。

 

 「大人扱いしてやっただけだ」

 

 その刹那、股間に攻撃を仕掛けられ拘束していた腕が微かに力を緩めた。その瞬間に逃げ出した小さな身体。

 

 「バーカ!大人に戻ったら、覚えてなさいよ!」

 

 逃げていく温もりに、小さく笑ったのは、確実に手に入れると決めたからかも知れねェな。愚かで可愛い、俺の子猫。

 

 「覚悟するのは、どっちだろうな」

 

 低く呟いたそれが届いたのかは、この際どうでもいい。手に入れると決めた俺の顔は、恐らく海賊らしいものになっていただろう。

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