ルフィ
ミホーク
マルコ
ロー
ドフラミンゴ
クロコダイル
イゾウ
シャンクス
カタクリ
線で区切ってあるだけです。飛んだりは出来ません。予めご了承ください。
【ルフィ】
何の気なしに脱衣所に入った時、お風呂上がりらしいルフィとかちあった。当然ルフィは何も着てない訳で、私はあらまぁと思いながらボーッとその姿を眺める。
悲鳴をあげるような事でもなく、でも他にどんな反応をしたら正しいのか、徹夜明けの私の脳は上手く答えを出してくれない。
「……大丈夫か?頭働いてるか?」
「あ、ごめん」
慌てて後ろを向けば、背後からルフィの笑う気配を感じる。どうしたのかと思ったら、ルフィが揶揄うように言葉をむけて来た。
「ヨッキュウフマンか?じっと見てたけどよ」
「今更ルフィの裸見たからって何もないわよ。それとも……ルフィは見られて何か困るの?」
揶揄うように言葉を返すと、ルフィに肩を掴まれて背中から床に倒れこむことになった。何事かとルフィを見れば、その勢いのまま裸のルフィに押し倒されていて……。
「力じゃ勝てねェんだから、あんま男を挑発するなよな。何されても知らねェぞ」
唇だけで作られた笑みは、その瞳が笑ってない事も重なり恐怖となる。私は慌ててルフィを振り払うと、ばね仕掛けの人形のように飛び起きて、脱衣所から逃走をはかる。
背後から笑ってるらしいルフィの声が聞こえたけど、今は逃げる事しか出来なかった。妙に早いこの心臓の動きは何なのか。
こんな形で恋愛って始まるもの?
恋って、叩き落とされるものだった……?
─────☆
【ミホーク】
針路を確認して、嵐から無事に逃げて、とりあえずもう大丈夫だと1息ついたところで、思いっ切り波を被った私はシャワーを借りようと脱衣所に入り、船の持ち主と遭遇した。冷静に考えれば、部屋に居なかったんだからここに居るのに、どうして気付かなかったのよ。
自分に溜息をつきたい気持ちになりながらも、シャワー浴びたいしもう、脱いじゃダメかなとか本気で考えてる辺り多分終わってる。目の前にいるミホークは明らかに裸で、この世界の男達は皆いい筋肉よねとのんびりした気持ちで観察する。
「見られて困るものは無いが、少しは恥じらえ」
言われてからそれもそうかと後ろを向けば、ミホークは喉の奥で笑ったらしかった。
「男の裸が珍しいと言うわけでもあるまい。俺に見惚れてでもいたのか?」
「そうね、年齢を感じさせない肉体美だと思って、観察させて貰っただけだけど……恥ずかしい思いをさせたのなら謝るわよ?」
クスクスと笑いながら答えれば、その瞬間視界がグラりと揺れて目の前にミホークの顔が映り込んだ。その瞳が獰猛に輝いたのを見て、体がゾクリとする。
「素肌を晒すより色気のある姿で、挑発する等自殺行為だとは思わぬのか?望むなら……相手をしてやるが」
私は咄嗟にミホークを振り払い、服を着たまま自ら袋小路ならぬ風呂場へと逃げ込む。中から鍵をかけてしまえば、とりあえずの安全は確保される。
脱衣所からはミホークの楽しげな笑い声が聞こえてくるから、それを聞こえなくするために張り付いている衣服を脱ぎながらシャワーを出す。水音で声が聞こえなくなったところで、高鳴る鼓動を抑えようと深呼吸を繰り返す。
……恋って、叩き落とされるものだった……?
海水を洗い流すついでに、この気持ちも流してしまえたら良いのにと、半ば本気で考えていた。
─────*
【マルコ】
サイクロンの発生を感じ取って表に飛び出した私は、咄嗟に叫ぶように指示を出す。それに即座にその日の見張りの隊が反応してくれて、随分と馴染んだななんて思う。
初めのうちは嫌々な雰囲気がありありと浮かんでいた人も少なくなかったけど、今では皆すぐに動いてくれる。それに感謝しつつサイクロンからの脱出に成功した頃には、私も対応してくれた人達もずぶ濡れだ。
風呂1緒に使うか?なんて巫山戯てくれる位に壁は無くなっていて、私は部屋にあるのを使うからと断る。それに皆も頷いてくれて……部屋にある脱衣場のドアを開けたところだ。
まさになう、今、なうである。大切な事なので2度言いました。
私から海水が滴り落ちてるけど、目の前に居る裸体の人からはお湯が滴り落ちてるのだ。それにしても本当に見事な筋肉で、そして見事な刺青だと思う。
「……ああ、サイクロンでも来たかよぃ?」
「えぇ、無事に逃げられたから損傷は無い筈よ。でも、対応してくれた人達は皆私と同じような状態になってるわ」
「成程ねぃ。それで、風呂に来たのは理解したが……少しは恥じらえよぃ」
揶揄うように言われて、成程いくつになっても裸体を異性に見られるのは恥ずかしいものなのかと理解する。だからその場でクルリと体の向きを変えて、マルコさんを視界から外す。
「恥ずかしがると思わなかったから……ごめんなさい?」
明らかにごめんなさいの所は、挑発的なものになってると自分でわかった。それでもそれを改めるつもりは無いけど。
だってマルコさんが恥じらうなんて誰が想像……そこまで考えた時、私の体が1瞬浮かび上がったかのような浮遊感に襲われた。何が起きたのか理解するより早く体に訪れたのは、床に叩き付けられた衝撃でそれと同時にマルコさんの顔が目の前に現れた。
「あんまり大人を揶揄うもんじゃねェよぃ。抑え込むのは、簡単なんだからねぃ?」
そう言って首筋にマルコさんの唇が近付く。喉に食いつかれると分かっていて、狼に爪で抑え込まれた兎が抵抗出来ないのと同じように私も身動きを取れずに居る。
微かな痛みに顔を顰めるとマルコさんの楽しそうな笑みが見えて、私はその顔を見た瞬間自分でも驚く程の力でマルコさんを押し退けて風呂場へと逃げ込んだ。その後を追うようにマルコさんの笑い声が響いたけど、それを気にしてる余裕も無い。
マルコさんの唇が触れていた所に手を当てて、ズルズルと座り込んだ私は、赤くなる顔と不整脈のような心臓に混乱する。恋って、叩き落とされるものだった……?
─────☆
【ロー】
ベポと仲良く甲板でお昼寝していたのは覚えてる。なのに何故か私は全身ずぶ濡れになっている。
明らかにおかしい現状に少し笑いが込み上げてくる。ワタワタしてるコラさんに気にしないでいいから、ベポの方お願いねと言ってローの部屋にあるシャワーを借りようと脱衣所のドアを開ける。
その瞬間、私は暫し硬直する。これだけハートを意識した刺青を入れてあると、それはそれで卑猥に見えるものねと思いながら立ち尽くす私に、嫌そうな声が降ってきた。
「……少しは恥じらうとかしろ。マジマジと人の裸体を観察するな」
「あら、ごめんなさいね。キャプテンが乙女だとは思わなかったから、つい」
笑って言いながら体の向きを変えると、その瞬間に肩を掴まれて引き倒された。咄嗟に覇気で背中は守ったけど、目の前に迫る整った顔に思考が止まりかける。
「乙女かどうか、試してみるか?」
言いながら私の胸に手をゆっくりと伸ばしてくるのが見えて、私はそれを振り払うと表に飛び出してコラさんの部屋にあるシャワー室へと逃げ込んだ。恐らく今は、ここが世界で1番安全だと思ったから。
信じられない速度で脈打つ心臓に、耳どころか項まで赤いのが見なくてもわかる自分の状態に泣きたくなる。それにしても、恋って、叩き落とされるものだった……?
─────*
【ドフラミンゴ】
いつもの夢を見て飛び起きる。情けない、まだ……引きずってるなんて……。
助けられて、保護されて、大切にして貰ってる。でも基本的に忙しいのもあるし、ドフラミンゴは私を保護してるだけだから、広い部屋に1人の生活が続いてる。
体力の限界まで、執筆してたのにな……。疲れ果てて落ちるように眠れば、問題なんて無い筈だったのに……。
嫌な汗でベタベタするからとお風呂場に向かう。そのドアを開けた時……裸の男が立っていた。
場所を考えたら何もおかしくない。寧ろ正しい。
風呂の為かサングラスも外していて文字通り産まれたままの姿を晒すその男の肉体美は、既に彫刻家とかが大絶賛しそうな程。足の細さが少し勿体ないけど、糸で飛ぶ為には仕方ないのかな?
「……そんなに見つめられると、穴が空きそうだなァ?」
その言葉で慌てて後ろを向いたけど、続いた言葉に少しイラッとした。
「飢えてるなら、相手してやるゼ?」
「……御生憎様、私、そんなに安くないのよ」
その瞬間視界が回った。背中に痛みが走り、引き倒されたと気付いた直後ドフラミンゴの顔がアップで飛び込んでくる。
「……確かに、安くはねェな。なら、あの時と同じだけまた、支払ってやろうか?」
全身が粟立つような感覚に襲われて、あの時とは抱いてる感情に大きな変化があると気付く。伸ばされたその手に噛み付いて、怯んだその隙に逃げ出す。
ベッドの中に慌てて潜り込んで、亀のように丸くなると、異様な速度で脈打つ心臓にいっそ止まれと念じる程。だって、おかしい。
恋って、叩き落とされるものだった……?
─────☆
【クロコダイル】
ガシャンと言う硝子音で飛び起きた私は、辺りを見渡して汗を拭う。どうやら、うたた寝をしてしまっていたらしい。
心臓が嫌な動きをしている。精神的ストレスによる心臓の過剰な負荷が原因だと、分かってる。
……まだ、私の中に残っているのかと、情けなくて悔しくて、泣きそうになる。泣いたら余計に情けなさが増すのだろうけれど。
気持ちを切り替えたくてお風呂に入ろうと脱衣所へ向かえば、そこには先客がいた。その珍しさに思わず凝視すれば、見られている男はあからさまな溜息を落とした。
「恥じらえとは言わねェがせめて視線を反らせ」
「あ……ごめんなさい」
慌てて背を向ければクロコダイルはクッと揶揄うように笑い、言葉を向けて来た。
「珍獣はお前の方だろうに、自覚もねェとはな」
「ロギアの中では随分使い勝手の悪い能力で頑張ってらっしゃるサーは、言うことが違いますね」
思わず嫌味ったらしく言葉を返せば、肩を掴まれて引き倒された。咄嗟に受身を取ったけど、瞬間的に裸の男に上から抑え込まれては流石に動揺もする。
「このまま、ここで相手して欲しいって……?」
火事場の馬鹿力とはこれ正にと言わんばかりの力で持ってその場を抜け出すと、クロコダイルの使っていた筈のふろ場に服を着たまま駆け込む。先程とはまた違った変な動きをする心臓に、静まれ馬鹿者と怒鳴りたくなる。
だって……理に合わないじゃない。恋って、叩き落とされるものだった……?
─────*
【イゾウ】
エースがまた親父様に挑んで落ちた。飽きないなぁと思いながらも微笑ましく見ていたら、たまには姉なら助けてやれよとサッチさんに海へ突き落とされ、エースを抱えてモビーに戻ったら、今度はマルコさんにその姿は頂けねェよぃなんて言われて、部屋に戻って来たところです。
そう、その筈。だから当然の事として、部屋にあるシャワーを使う為にそのドアを開けたのだけど……。
……どうしたらいいの?
女として負けてるって位美しい人が立ってるのよね。私の目の前に。
「そんなに見られると、流石に恥ずかしいね。それとも……俺が欲しいか?」
「ご、ごめんなさい!」
慌てて後ろを向けば、背後で小さく笑う声が聞こえた。なんだろうと思っていたら、イゾウさんは言う。
「水も滴るいい女……には、まだ早いな」
「……そうね、イゾウさんの方が明らかに艶のある〝いい女〟だと思うわ」
その瞬間視界が回る。床に体がつく直前に腕で支えられてそっと降ろされてから、動けないように肩を押さえたイゾウさんは、優しいのか優しくないのか分からない。
「……いい女か、試してみるか?」
言いながらその指先が胸に伸びて来て、声にならない悲鳴を上げつつイゾウさんを振り払い、奥のシャワー室へと逃げ込む。そのドアの向こうから、可愛いもんだなんて声が聞こえてくるけど……それに答える余裕は無い。
だって、心臓がおかしい。顔が、熱い。
恋って、叩き落とされるものだった……?
─────☆
【シャンクス】
サイクロンが来るからと叫び、船を移動させて貰った先で今度はハリケーンの発生に気付いてまた移動して貰い、そうして難所を抜け出した。それでも波は高く、新人の数名が船から落ちたのを見て浮輪を投げ込んだけど、流されて行く人を見れば咄嗟に助けようと船縁に足をかける。
そんな私にベックが下がってろと言うから、素直に頷いて様子を見ていたらまさかの船長たるシャンクスが飛び込んで行く。それに悲鳴をあげればルーに笑われてしまった。
「お前が飛び込むよりずっと心臓に優しいよ!」
「お頭なら大丈夫だから、安心してろって」
続け様にヤソップまでそんな事を言うから、私は怪我人の治療をしつつ溜息を落とす。それから間も無くシャンクスの無事を確認出来たので、シャンクスは自室のシャワーを使うだろうと判断してベックの部屋にあるシャワーを借りようと決める。
その為に自室に帰り入浴セットを手にしてベックの部屋にあるシャワー室へ続くドアを開けたら……シャンクスがいた。様子を見るに、これから入ろうという所だろうか。
1糸まとわぬ姿のシャンクスに、無駄な所のないその体は1部の層からは絶大な人気をはくしそうねと思って見ていたら、シャンクスが困ったような顔をした。
「流石に、そうマジマジと観察されると反応に困るな」
「あ、ごめんなさい」
思わず後ろを向いた私の髪にシャンクスはそっと触れて、耳元に囁くように声を届けて来る。でもそれは、明らかに揶揄いの色を宿していた。
「なんなら、1緒に入るか?」
「結構よ。シャンクスは自室のを使うと思ってたけど、やっぱり〝恋人〟の部屋の方が落ち着くのかしら?」
昔のネタを引っ張ってやれば大人しくなるかと思って、ふんっと鼻を鳴らしてそんな言葉を口にした直後に、髪に触れていた筈の手が肩を掴み私を引き倒す。咄嗟に覇気を纏い受身を取った私にシャンクスが覆い被さってきて、その勢いのまま耳に噛み付かれる。
「やっ……!」
「あまり、挑発してくれるな。俺はそれ程紳士じゃねェ。寧ろ……飢えてる」
「シャンクス?」
「……ここで、俺のものになるか?」
恐ろしい程の色気を振りまきながらそんな事を言われて、私は何も考えられずに全身に覇気を纏ってシャンクスを振り払うと、1目散にシャンクスの部屋まで逃げて行く。背後で逃げられたかと笑う声が聞こえたけど、そんなのはどうでもいい。
シャンクスの部屋にあるシャワー室へ逃げ込んで、ヘナヘナと座り込むと阿呆みたいに脈打つ心臓にいっそ止まれと念じる。だって、だって、こんなの可笑しい。
恋って、叩き落とされるものだった……?
─────*
【カタクリ】
執筆の区切りがついて、私は少しシャワーでも浴びてから海図を描こうかなと思い脱衣所に向かった。何の気なしに開けると、そこには本来の家主であり上司のカタクリさんがいた。
ただ問題は、カタクリさんの背が高すぎて、顔より先に視線の目の前には男性の証があった為に、1瞬誰なのか認識出来なかったことにある。引き締まった武人の肉体美を褒めるべきか、それともこの場合何も言わないのが正解なのか。
「悪いが、そう無言で見詰められると俺も反応に困る」
「ごめんなさい!」
慌てて後ろを向いた私に、カタクリさんは揶揄うように言葉を降らせてきた。
「男の裸を見たことがないのか?海賊の女としては、奇跡のような存在だな」
「……私が何処で誰とどんな関係を持っていても、カタクリさんには関係ないでしょ?ただの上司と部下でしかな」
言葉の途中で肩に圧を感じたと思ったら、後ろに倒されていた。でも、背中を痛めたりしないようにお餅でガードしてくれてはいたみたいだけど。
何が起きたのか分からなくてカタクリさんを見つめれば、その手がゆっくりと伸ばされる。
「俺は何も着てない。すぐにでも相手をしてやれると分からないのか?」
「なっ……!」
私は咄嗟にその場から転がるように移動して、剃で逃げ出す。けれども他に行き場も無く逃げ場を失った私は、とりあえずクローゼットの中に隠れたけど、その背後から声が追いかけて来る。
「挑発するなら、時と場所を選べ。次は、容赦しない」
それによりクローゼットの衣服の影に隠れて、私は身を小さくする。私は洋服です。
どうか構わないでください。そう本気で貼り紙でもしたくなる。
だって、心臓がおかしい。呼吸が苦しい。
恋って、叩き落とされるものだった……?