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「所で、皆って普段どれくらいヤッてるの?」
日曜日、居住区のダイニングにて奈津乃が言った。
日曜と言っても今の太陽暦はかつてのそれとは本質的な意味が異なるが、大事業を行うのに休息は必要という事で、休日は初期に整備されたものの一つだ。
そして今は開拓だけではなく、育児に対しての休みでもある。根っこが1985年や45年の人間が殆どなので、育児の負担は女性に偏りがちになり、一度徹底的な討論が行われた後、週に一度は母親が完全に休みを取れるという形に落ち着いた。
ちなみに玉緒はまだ隆俊と司で三角関係に決着がついておらず、今も3人で休日返上で仕事中である。行き過ぎたら周囲が止めるが、さっさと決着をつけて欲しいので3人だけの時間を増やそうというのが皆の思惑だった。
「ぶほっ、ごふっ、ちょ、なっちゃん!」
飲んでいたお茶が気管に入りむせる由貴。当の奈津乃はカラカラ笑って、
「えー、気にならない? うちは子供ももう四六時中付きっ切りって程でもなくなってきたしさ、夜のプロレスごっこをする時間も取りやすくなったから、回数も増えてきて」
「あーあーきこえなーい」
自分も子持ちのくせに奈津乃に対する幻想が消えない由貴が耳をふさぐ。
「夜のプロレスごっこ! ホントにソレ言うんだ! 初めて生で聞いた!」
肩より少し上ほどの長さの髪を揺らし、兎美が笑い転げた。
「や、私も漫画とかでしか見たことなかったけどさ。実際やってみると意味がよく分かるよね」
「まーねー。スプリング式のベッドだったら子供起きちゃう所だったわ」
そこに、聞き耳を立てていたのか既に顔が赤い五百里が口をはさんだ。
「えっ、み、皆そんな激しいの……?」
恋バナが大好物の女子高校生から一足飛びに『大人』になってしまった後遺症か、いつかの森村先生のように豊満な肉体に育った今も、こうして度々好奇心が顔をだす。
「えっ? どうだろ、ねえねえ、恵は?」
平然とカップからお茶をすすっていた恵は、カチャリとソーサーに置いた後、
「うちはちゃんと寝室防音してるわよ」
と本気すぎる対策を明かして皆を唖然とさせた。
「でもそれだとちょっと怖くない? 子供の声も聞こえないわけでしょ」
「マイクとカメラで何かあったらアラートが来るようにはしてるわ」
「はー、すご……ていうかやり方教えてよそんな便利なの」
「はいはい、後でね」
そして、五百里は次に顔を背けている諒子に目を付けた。
「諒子さんはどう? 蓮也さんとは」
問われた諒子は、フンと鼻で笑った。
「アイツはセックスなんて文字通り子作りのための行動としか思っちゃいないわよ」
定期的なやさぐれ期に入っているようだった。と言っても構ってもらっている時は見て分かるくらいに機嫌がよくなるので、皆大して心配はしていない。
「ユキちゃんとこは? 愁くんってそういうのマメそうだけど」
顔を真っ赤にしてへの字口の由貴に、奈津乃はあっけらかんと水を向ける。
「い、いーじゃんよウチの事なんて……!」
由貴は視線を泳がせてごにょごにょと呟くが、はっきりしたことは言おうとはしなかった。
「ちぇー。いや、話が脱線した。そんで皆、頻度はどの位よ?」
唇を尖らせて残念がったが、さっさと切り替えて他のメンバーに向き直る。
「このひと月、手も触られてないわよ」
頬杖を突きながら諒子。
「……えっ、つぎ私!? う、うちはその、週にいっぺん……く、くらい、かな?」
隣の諒子が発言したせいでなんとなく自分の番になってしまった感を漂わせ、目を泳がせながら探り探りで答える五百里。
「えっそんだけ? うちは最近は2日おき位かな」
そっぽを向いたつもりの由貴の視線を受け流しつつ奈津乃が答えると、五百里が目を丸くした。
「ふ、2日!? そ、そんなに……」
「そうでもないわ。私も毎日しているし」
五百里はしれっと言った恵にぐるんっ、と顔を向け、あんぐりと口を開けた。
「えええっ!? じゃ、2人とも、き、昨日も……したの?」
「や、昨日はしてない。今日する」
「昨日も今日も明日もするわよ」
平然と返してくる2人に、五百里は顔を真っ赤にして黙ってしまった。
恵はぴっ、と人差し指を上に立て、
「あのね、男性にとっては射精は心身共に必要なんだから、毎日ヌいてあげた方が健康的よ?」
「だ、だって、その、子どもとか忙しかったでしょ? そういう時は……」
「そうね。育児が重なった時はしょうがないから口だけで済ませる事もあったわ」
「く、くちだけ!? それは、その、愛してるよーみたいな、言葉のやり取りでは……」
「? オーラルセックスに決まってるじゃない」
五百里の頭にぽかん、と疑問符が浮かんだ。
「オーラ? はあーーっ、ギュインギュイン、みたいな?」
疑問符が倍々で増えていきそうな事態に、理解できた兎美が苦笑いで答えた。
「バトル漫画じゃないんだから。フェラとかだけしたってことでしょ」
「ふぇ、フェッ……! お、お口でって事!? め、恵ちゃんすごい……!」
恵はニッコリと笑い、誇らしげに胸を張った。
「夫の射精……いえ健康を管理するのも妻の務めよ」
「あはは。まあそこまで行かなくても、フェラぐらいするでしょ?」
奈津乃の発言に、兎美が苦い顔をした。
「あー、うちのはやたらせがむのよね、フェラ。毎回飲ませようとするし。まっ、私が歌姫として魅力的だからしゃーないけど? うちもまあ、回数的には週に2、3回位かな? だるい時は断るし」
そういいつつサラリとノロケを混ぜてくる兎美に微笑ましいものを見る視線を向ける奈津乃。
「やっぱ稔二君のが積極的なんだ? そこはちょっと羨ましいな。ウチの慶太郎はぜんぜん誘ってこないからさ、殆ど私から誘うのよね。体位も上になる事多いし」
「たっ、体位!?」
真っ赤になりながらも興味津々に五百里が聞いてくる。由貴も横目だが見開かれた目が充血していた。
「あによ、五百里。正常位とかバックとか騎乗位とか、それくらいはするでしょ?」
口元に両手をあてて、信じられないとばかりに赤面して見せる子持ちの巨乳女に、兎美が呆れたとばかりにかぶりを振った。
「だ、だって、瑛くんはぎゅってしてくれて、愛してるって言いながら優しく……あ、あわわ……私ってばなんて破廉恥なことを……わ、忘れてぇ……」
お腹を痛めて産んだ子供だってもう赤ん坊ではないのに、まだまだ初々しい二人のようだった。
「えー、マジ? さすがにヌルすぎない? 私ならちゃんとイけなかったらイライラしちゃうけど」
「そ、そんな事無いもん、ちゃんと気持ちいいもん。瑛くんがぴゅっぴゅってしてくれると、くぅーっ! って感じで胸がいっぱいに……ってわーっ! なしなしなし!」
反論しようとすると性生活の暴露になってしまうループに陥った五百里をニヤニヤと奈津乃と兎美が眺める。五百里は両こぶしをぷるぷるさせて言いたくても言えないジレンマに悶えるばかりだ。
「ユキちゃんは? 愁くんとどの位してるの?」
「えっ!? 私も答えなきゃダメか!?」
ニコニコと無言の笑みを見せる奈津乃に屈する形で、頬杖を口元に持ってきてもごもご言いながら由貴が喋り始めた。
「うちも、その、週に4、5回位……い、いや! 誤解すんなよ、あいつがお願いお願いってしつこいから……!」
生暖かい周囲の視線に抗議するように、テーブルに手をついて立ち上がる由貴を、どうどうとなだめながら奈津乃がまとめに入った。
「一部除いて皆結構やることヤってんのねえ」
「妻の務めよ」
「まっ、私らもまだ若いしねー」
「な、なっちゃん! そう言う事を皆の前で言うのははしたないって……!」
「皆すごすぎる……」
「ふん、あんな奴……」
「よっし、今日は諒子の愚痴聴き大会といきますか。ちなみに、蓮也さんってヤッてる時はどんな感じなの?」
諒子はハッ、と鼻で笑って、
「ローターとかバイブとか、道具使うの好きなのよ、あいつ。きっと男としての自分に自信が無いのね」
さらっと性生活を暴露し始めた。
「縛ったり目隠ししたり、毎回本当よく考えるわよね男って」
これは長くなるやつだ、と思いながら……結局6人して夕暮れまで愚痴ともノロケともつかないとりとめのないお喋りを続けるのだった。
「で、なんでこんな所で酒飲んでるの……ふゆ……五百里さん」
学ランの十郎が、セクター4の……明日葉のほうの自宅に帰ってきた時、何故か五百里がテーブルに突っ伏して一升瓶を小さめのコップに傾けている所だった。
もちろん、自分と同じく高校生の容姿をしている。そもそも十郎は仕事のスケジュールの都合で妻子と1日近くずれた帰宅となったので、久々にこちらの家で一日のんびりしようかと思ってここに来たのだが、完全に予想できない来客に立ち尽くしていた。
「じゅーろーくーん! 瑛くんがひどいのーーーっ!」
赤ら顔で酒臭い息を吐く女子高校生はどこかには需要があるのだろうが、十郎にとってはひたすらに意味不明なだけの存在だった。
「ええ? 君らうっと……ものすごく夫婦仲良いよね?」
「私だって瑛くんともっとエッチしたいのにー! はしたないとか言うんだよ!? やんわり断られたー! 私の身体には飽きたんだわ、もうおしまいよ、捨てられるんだわー!」
極めて面倒な酔い方をする五百里に十郎は深いため息をついて、同じくテーブルに座った。
「分かった、分かった……聞いてあげるから、ね? お酒はもうやめとこう」
社会が安定していれば夫婦喧嘩は犬も食わぬと流す場面だろうが、残念ながら事態は見た目より極めて深刻だ。対応を誤れば最悪もあると考え、十郎はこのしょうもない酔っ払いに付き合う事にした。
「で、何があったって?」
「ううー、十郎くんやざじい゛……」
ぐずる五百里から辛抱強く聞き出したところ、奥様方のお茶会で猥談をして、他の夫婦の性生活が充実しているように見えたので夫にねだったらすげなく断られたというのだ。
(僕にどうしろっていうんだ……)
それ以外の感想を持ちようがない問題だったが、彼女に何らかの納得を得てもらって元鞘に収まって貰うために行動しなければならなかった。
「いいよね、恵ちゃんは。十郎くん毎日してるんでしょ?」
「うっ……恵、そんな事まで話したのか……」
矛先が自分に向く予感に反射的に目をそらした十郎に、五百里が絡んでいく。
「お口とか、胸とか、お、お尻の穴まで使うんでしょ?」
「ううう……」
赤ら顔の女子高校生が卑猥な事を口走り、男子高校生は恥じらって顔を伏せる。どっちが辱められているのか分からない。
「瑛くんとそういう事したいのにー! なんでことわるのー!」
「そ、それはまあ、いきなりはちょっと難易度高いんじゃないかな……」
ぐいっ、と五百里が十郎に顔を近づける。鼻が触れ合うような距離で見つめられてドキッとする十郎に、
「じゃあ、十郎くんが教えてよ」
「ええ!? い、意味分かってるの!?」
制服姿の女子高校生にそんな事を言われては、十郎も冷静ではいられない。
「わかってるもん。瑛くんが断るのがわるいんだもん。わたし十郎くんとエッチする!」
「いやいやいやいや! 恵にばれたらとんでもない事に……!」
「いーじゃん、ここでなら夢みたいなもんだし! 子供も出来ないから! ノーカン! ノーカン!」
酔いと自棄の相乗効果でとんでもない方向に暴走した五百里はすぽーんと服を脱ぎだした。
「ちょっと! 困るって!」
既に下着姿の五百里から顔を背けている十郎は力づくでどけるわけにもいかず、あっという間に五百里は一糸まとわぬ姿になり、十郎は押し倒されて学ランを脱がされようとしていた。
「うへへへへー、よいではないかー!」
「良くないだろ……!」
「そんな事言って、十郎くんのがおっきくなってきてるよー?」
成熟して出る所が出まくっている五百里も、もちろん美しいが……花開く直前の蕾のような、16歳の五百里もまた、輝くばかりの美しさを誇っている。
制服の下の胸のふくらみは、既に「着痩せ」という言葉で表現するべきボリュームを備えていたし、それが在りし日の自宅で夕焼けに照らされる姿は十郎の目を奪うに十分だった。
「えっ? うそ、まだおっきくなるの……」
調子に乗ってズボンまで下ろし始める五百里だが、その下のブリーフで引っかかった。十郎の勃起したものが大きすぎて脱がし辛くなっていたからだ。
「はあ……分かったよ。ここまでされたらこっちも我慢できないし。後で文句言わないでね、五百里さん」
「えっ、えっ」
自分で下着を下ろして全裸になった十郎の眼が急に据わったので、何事かを予感し急速に酔いが醒めていく五百里だったが、もはや十郎は止まらなかった。座布団に胡坐をかいたまま五百里の華奢な腕を引き、脚の上に座らせる。そして、夕日に照らされる形のいい胸を、肩を抱くように回された腕から掴んだ。
「んんっ♥」
その絶妙な力加減に、五百里の背筋にぞくりと快感の電流が走った。その隙にもう片方の手で早速性器を弄り始める。
「まったく……あんな事言っておきながらまだ濡れてないじゃないか。ほら……こう?」
手のひらで包むように全体を刺激され、一方で乳首には羽根でくすぐるような繊細な愛撫をされて、混乱に陥りながらあっという間に性感を引き出されていく五百里。
「ちょ、あっ♥ だめ、こんなのっ♥」
「何が駄目なの。君の言う通り教えてあげようっていうのに」
にち、と愛液が漏れ出ているのを確認し、さっさと膣に指を入れてかき回す十郎。
「んんーーーっ♥♥♥」
その指先が即座に気持ちいい所を探りあて、執拗に擦り上げるのに五百里は悶絶した。
「うそっ、うそっ♥ こんな、ああっ♥」
「五百里さん濡れやすいね。ま、さっさとやっちゃうか」
指を抜いて眼前に持ってきて確認し、ねっとりと糸を引く愛液を見る。五百里の赤面はもう酔いよりも羞恥のほうが主になろうとしていた。そのまま畳の上にコロンと寝ころばされて、黒のソックスの上から足首を持った十郎によって五百里の細く白い脚が開かれる。女子高校生の五百里の、少しお手入れが甘く外陰唇の全周と肛門まで生えているが、生来体毛が薄いおかげで助かっている陰毛が十郎の面前に晒された。
「~~~~~~~~~!」
羞恥のあまり顔を覆う五百里だが、股を閉じようとはしない。夫とは全く違う、激しい快楽を感じさせる愛撫に頭の芯まで痺れてしまったようだった。
「さ、行くよ」
一応、枕として座布団を二つ折りにしたものを五百里の頭に敷いて、十郎がスムーズに膣口を探りあてて即挿入をした。粘液に満ちた穴が割り拡げられるささやかな水音が、昭和末期の夕暮れの居間に響く。
「あっ、あっ、あーーーっ♥」
がくん、がくん、と五百里は折れそうに身体をのけぞらせて肉棒を迎え入れた。
「うあ……すご……」
一番奥に到達するまでに、既に絶頂を迎えている。十郎も暇を見ては女子高校生の恵と何度もセックスを重ねたが、それと比べても勝るとも劣らない膣の具合だった。さすがに三擦り半という訳にはいかないので歯を食いしばって射精感に耐える。
「ふーーっ、ふーーっ♥」
目の前には、絶頂の余韻に浸りきってうっとりしている五百里がいる。ぼーっと天井に視線を向け、手のひらから少しはみ出す胸の先には乳首が先ほどよりも大きく勃起していた。さらさらと広がる長く美しい髪が、居間の畳とひどくミスマッチに思えた。
(やっぱ若い子が気持ちよさそうにしてる顔って滾るなあ)
妻が聞いたら向こう一ヶ月は毎日3回は絞られるような感想を持ちながら、十郎は膣を探るように腰を使い始めた。
「あっ、あああっ♥ だめっ、だめっ♥ こんなの、知らないのっ♥」
五百里の身体は実に素直で、ほどなくして一番奥のツボを探りあてる。あまり派手にすると射精が堪えられないし、五百里は慣れていないようなので、小さく、一定のリズムで動き続ける。
「んおおーーっ♥ おっ、おおーーーっ♥」
ぐり、ぐり。単調な動きを十分続けるだけで、五百里はドロドロのグチャグチャに蕩けていた。発情期の獣のように腹から声をだし、汗だくで十郎にしがみついてくる。ギチギチだった膣も粘つくような本気汁がたっぷりと分泌され、ねちゃねちゃと絡みつく別タイプの名器に変貌していた。
腰を振るたびにねっちりとヒダが絡みついて、即座に射精を促すものではないがとにかく気持ちがいい。
顔をのけぞらせて喉元を晒している五百里を見下ろして、ふと悪戯がしたくなった。
きゅっ、と乳首をつまみ上げる。
「んぎっ♥ いひいーーっ♥」
がくん、がくんと五百里が全身を痙攣させ、派手に絶頂した。急に膣圧が上がり、十郎も一番奥で射精してしまう。周期的に膣が収縮し、まるで精液を貪欲に絞り上げているような、ひどくいやらしい動きだった。
「ででりゅっ、すっごいたくさんでてりゅっ♥」
茹だった頭で五百里が叫ぶ。十郎は
(近所の人絶対聞いてるよなこれ……終わったらロールバックしなきゃ……)
と、五百里の大きすぎるよがり声が閑静な住宅地に響き渡っている事を気にしていた。
(でも、まだ全然萎えない……)
どうやら自分と五百里の身体の相性は抜群らしいと、これまでの膝を掴んだ安定重視の正常位から本気のセックスへと移行した。
「はひ……はひ……」
息も絶え絶えで、不倫セックスで人生最大の絶頂を迎えた罪悪感を感じる暇もない五百里に十郎が覆いかぶさる。そのたわわに実った胸にしゃぶりついた。
「えっ、うそっ、続けて2回目なんてっ♥」
五百里が何か言っているが、十郎はもう聞いていない。コリコリに勃起した乳首を吸い、先ほどよりも大きく腰を振る。じゅぷっ、じゅぷっ、と愛液が掻きだされる音と、密着状態から下腹部が打ち付けられて空気が押し出される、ばふっ、ばふっというどこか間の抜けた音をたて、本気セックスが始まった。と言っても、
「あああーーっ♥ あひいいいーーっ♥」
言葉にならない、すすり泣くような悩ましげな五百里のよがり声のほうがよほど大きかった。十郎は五百里が膣に集中し始めると乳首を弄り、乳首で絶頂するとピストンを強め、ひたすら翻弄し続ける。
女子高校生の身体はとても素直で、面白いように五百里は反応し、思うように十郎に絶頂をコントロールされてくれた。小さいものまで含めれば何十回とイッた五百里は、ついに十郎の背中に手を回し、両脚を腰に絡め、自分から抱き着いた。さらに驚く十郎に唇を重ねた。
「んぐっ、んんーーーっ♥」
即座に十郎の舌が五百里の口内を蹂躙し、導かれるように五百里も自分から十郎に舌を絡める。学生時代に一目惚れしてから瑛くん、瑛くんと常にイチャイチャしていた五百里がついに、セックスだけで十郎に完全に屈服してしまった。
どちゅっ、どちゅっ、と真上からたたきつけるような乱暴なピストンも、今の五百里にとっては背骨から全身に快楽が響く最高のセックスと化している。ここがセクター4だという事もあり、十郎も遠慮なく目の前の女に自分を刻み込むべくクライマックスへ持っていく。
「んっ♥ んんーっ♥」
射精寸前の膨らんだ肉棒で一番奥をえぐり、五百里はそれを受けてギュッと強く抱き返す。本気の膣内射精を他人の妻に了承させ、二人は上下でぴったりとくっついて、溜まりにたまった性欲を解放するべく一番奥で深くつながり、十郎の射精と同時に五百里も絶頂した。
「んぐっ、んむ、んんーーーーーーっ♥」
唇をふさがれて、鼻息を荒くしながら五百里が絶頂する。ギリギリと十郎の背中に爪を立て、離れることを許さないという風に腰に絡めた脚に力が入る。十郎も一番奥から動くことなく、すべての精液を五百里の膣内に叩き込んだ。
「うわー……どうしよ」
惨状を前に十郎は頭を抱えた。縁側の戸も開けっ放しのままで思い切りヤってしまった居間には、むわっと甘酸っぱい五百里の性臭が満ち、だらしなく開いた股からぼたぼたと精液を流す五百里が絶頂の余韻に浸るように天井をぼーっと見つめて寝そべっている。
リセットなどという都合のいいものは存在しない現実を直視して、十郎は泣きたくなった。恵は土下座すればお仕置きで赦してくれるかもしれないが、瑛に本気で殺されるかもしれない。ここまでぐっちょぐちょにしてしまっては五百里のほうは無かったことにはしてくれないだろう。迫られたのは確かに十郎だが、応じたのも十郎だ。
「やっぱ、良いよなあ」
肩より少し長い、灰がかったふわふわの髪。大きな瞳に、花の髪飾り。ツンと天井を向いた胸と、その頂点にぷっくりと主張するピンクの乳首。
多少肉付きは良いがくびれた腰に、安産型とでもいうのか広めの下腹部には長めだが薄い陰毛が茂っており、さっき散々弄って、まだ勃起しているクリトリスは控えめな大きさで、その下に広がる性器は本気汁でぬらぬらとテカり、充血してピッタリ閉じていたものが少し開いている。
ぽっかりと十郎の肉棒の大きさに開いた穴からはトロトロとまだ精液が流れ落ち続けていた。すらりと美しい太ももはまるでセックス相手がいるかのように開いていて、ふくらはぎから下を覆う黒のソックスだけが、五百里が女子高校生だったことを主張している。
どうも記憶のせいか、この身体には反応してしまう。
「んんっ……」
いつの間にか息が落ち着いた五百里が身体を起こした。
十郎は全裸のまま正座した。
「ご、ごめんなさい」
土下座する十郎に、びくりと反応し、五百里も全裸のまま正座して、足裏に精液を落っことしつつ土下座で応える。
「あう……こちらこそごめんなさい……私、酔った勢いでなんてことを……」
「い、いや、酔った女の人に手を出すこっちが最低で……」
「いやいや、男の子の家に上がり込んで酔って絡んだ私が……」
謝り合戦になる気配を感じて、全裸で顔を見合わせて苦笑する。
「とにかく、無かったことにする方向で……」
「そ、そだね。そうしよう」
そう言って立ち上がろうとする五百里がふらついて、膝立ちでテーブルに手をついてしまう。
「大丈夫?」
「あ、うん……ちょっと、まだ腰に力が入らなくって」
「ごめんなさい……」
言葉をやり取りするたびに自分のしでかしたことに恐れおののいてしまう十郎だった。だが。
「ううん、いいの。だって……セックスがこんなに気持ちいいなんて、知らなかったんだもん」
モジモジと恥じらいながら、さっきまでの快感を思い出したように熱っぽい声色で、十郎に精液が垂れる膣と白くて丸い、畳の跡がくっきり残った尻を見せびらかしながらそんな事を言う五百里に、十郎の肉棒が反応してしまった。
「あっ……」
振り返り、いきり立った十郎のソレを見た五百里は、無言で顔をそらし、十郎に背中を向けた。
結局、膝立ちバックと騎乗位での腰の振り方まで五百里に完全に覚え込ませて、とっぷりと日が暮れて月が上るまで二人は夢中になってお互いの身体を貪った。
「やば……私たち、身体の相性よすぎ……」
「うん……もう煙も出ない……」
畳の上でずっと寝転んで、尻や背中には二人とも跡がくっきり残ってしまっている。五百里は十郎に抱かれるように寄り添って寝そべり、もう二人は親密な恋人としか見えなかった。
「ていうか五百里さんは時間大丈夫?」
「ん、瑛くんは明日の昼くらいに帰ってくるはずだから……」
「恵は朝って言ってたな……ゴメン、そろそろ戻らなきゃ。ていうか、これから徹夜で痕跡を抹消しなきゃ」
「あー、そだった。私も手伝うね」
明かりも付けずにいた二人がむくっと起き上がり、十郎はそそくさと服を抱えて2階の自室に行った。着替えて戻ると、五百里も見慣れた制服姿に戻っていた。蛍光灯で照らされた白い首筋には、自分がさっき付けたキスマークがくっきりといくつも残っている。空っぽなのに勃起しそうになり、慌てて目をそらした。
「じゃ、じゃあ五百里さん、先に出ておいて。外のコンソールをいくつも使うと怪しまれるし、僕は内部のユニバーサルコンピュータの所で操作するから」
「ん、分かった」
緑がかった青の光と共に、五百里がログアウトする。十郎はこれからの事を思い重い溜息をついた。
「お疲れ様、十郎」
「ひいいいいいいいいっ!?」
五百里がログアウトした直後に背後から声をかけられ、ひっくり返った声をあげて十郎がすくみ上った。
「めめめっ恵!? ち、違うんだこれは本当僕が悪いですごめんなさい赦してください捨てないでください」
マッハの勢いで後ろに居る人物に土下座する十郎。
もちろん、妻の恵……の高校生の姿だった。
「そんなに怯えなくても、取って食ったりはしないわよ」
あくまでも穏やかな声が頭の上から降ってくるが、十郎は顔をあげなかった。
上げろと言われていない。
「こ、これは。その。つい。出来心と言いますか」
「何回?」
「えっ?」
「何回射精したの?」
「……………………」
ここで詐称すると本気で取り返しのつかない事になる空気を感じた十郎は、正確に答えた。
「ご、5回、です……」
「じゃあ、これから1ヶ月間、毎日私と6回しましょう。そしたら赦してあげる」
「はい」
ここは仮想世界だからこの回数できる、とか、30日連続は、とかいう愚にも付かない反論を、十郎はしなかった。恵がするというからにはするのである。
「ふふ……本当に、そんな怒ってないのよ? あの夫婦、前からちょっと淡泊だったみたいだし。刺激の強すぎる猥談しちゃったのは私たちのほうだしね」
「…………」
柔らかな声が上から降ってきて、ひやりと冷たい手が十郎の頭を優しくなでた。
「顔をあげて、十郎。……私を、見て」
顔をあげると、最愛の妻の若い姿があった。その瞳は潤み、頬は紅潮している。
「ね、さっきの、前倒しにしても良いわよ」
「前倒し?」
するりと恵の腕が十郎の首に絡み、唇が微かに触れ合う距離までお互いの顔が迫った。静かな夜中に、女子高校生の制服の衣擦れの音がいやに大きく聞こえた。
「今ここで射精した回数、免除するの。ねえ……どう?」
「ヤる」
簡潔に答えると、十郎は恵の身体を抱えて八畳の部屋に移動した。恵がかつて押しかけてきた時に私室にしていたところだ。押し入れから敷布団を引っ張り出していると、後ろから声がかかった。
「ちゃんとユニバーサルコンピュータからは十郎が操作してるように見えてるから安心して。調べようとしても私たちがシてる記録が出てきたら深くは掘り下げないでしょ」
本当に妻には頭が上がらないな、と苦笑しながら、コマンドを走らせて体力を回復する。使うなとは言われていないし、回復のエフェクト光を見ても恵はニコニコしていた。
結局、1日当たりの回数を1回以上減らすまで頑張った十郎は、物理的、社会的な死を辛くも回避するのだった。