※この作品はR-18です。

淫魔王のいる学園【完結】   作:ドン・ドナシアン

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107話 父親からのお祝い

 真夫は、文化部棟の二階の男子トイレで小用をしながら、ひかりちゃんのアナルプラグを遠隔で振動させるスイッチを入れた。

 これで二回目になる。

 

 サロンでお茶会を開くというひかりちゃんがどういう状況にあるかというのは、SS研の隠し部屋にもあるモニターで確認している。どうやら、お茶会そのものは終わり、世良(せら)七生(ななお)という女生徒と話をしているようだ。

 だから問題ないと判断し、遠慮なく悪戯を仕掛けた。

 その世良七生については、ひかりちゃんが推薦するというなら、強引にでも奴婢に引き込むと決めている。

 従って、最終的にその七生も仲間にするのだから、最悪、なにかを感づかれてもひかりちゃんの評判を落とすということはないのだ。

 

 しかし、ほんのちょっとの作動時間だけで、すぐにスイッチを切ってしまう。

 あとは、なにもせず、いつ振動させられるのかという不安に晒しておくつもりだ。その方が幾度も繰り返し責められるよりも、ずっとひかりちゃんを追い詰めることができる。

 いつ仕掛けられるかわからないという不安に苛まれ続けると、人というのは、逆に苛められることに安堵する気持ちになっていくのだ。

 責められているあいだは、いつ襲われるのかという不安が発生しないからである。

 そうやって、マゾに仕上げていくというわけだ。

 真夫はトイレの外に出た。

 

「よう」

 

 すると、トイレの前の廊下で秀也が待っていた。

 ただし、制服姿ではない。カジュアルなジャケットを身に着けている。

 そして、秀也の横には、見知らぬスーツ姿の女性がいた。

 

 誰だろう……?

 いかにも秘書という感じだ。秀也と並んでいて、ビジネスバッグのようなものを肩から提げている。

 

「秀也君……」

 

 木下秀也……。

 真夫が現れるまでは、豊藤財閥の後継者として決まっていたという少年だ。玲子さんの元の調教係であり、真夫とは後継者争いをしている間柄である。

 少なくとも、そう教えられている。

 その秀也と会うのは久しぶりだ。

 前回は、真夫が龍蔵のところに会いに行って、龍蔵から豊藤の総帥の座を引き継ぎたいのであれば、十人の奴婢を支配に入れろと命じられたときである。そのときに、秀也が立会していたのだ。

 そろそろ、一か月くらい前になる。

 

「物騒だな。ひとりか? 豊藤の後継者候補ともなれば、絶対にひとりになるな。時子が周辺を護衛で囲ませているとはいえ、豊藤の総帥は常に世界中の暗殺者から命を狙われていると思え。奴婢でいい。襲撃を受けたときには、まず奴婢を盾にしろ。そのあいだに護衛が来る……。もっとも、この学園内で滅多なことは起きねえとは思うが……」

 

 秀也は壁を背にして立っていて、真夫に対して不機嫌そうに言った。

 

「えっ、護衛?」

 

 護衛が周りを囲んでいるというのはどういうことだろう?

 時子婆ちゃんが手配──?

 周りを見回すが、そんな存在を見つけることはできない。でも、見えないように、いまでも、そういう連中が真夫を見張っているということか?

 

「気にするな。空気と一緒だよ。だけど、離れて見張っているんで、急な奇襲には対応できないかもしれない。だから、いつも奴婢を連れておけということだ。女が死ぬあいだに、周囲の護衛が襲撃に対応できる……。まあ、できれば、護衛能力のある奴婢をそばに置くのが一番だけどな」

 

「そういうもの? ええっと、ところで、正人(まさと)さんは一緒じゃないんだね?」

 

 真夫はちらりと秀也の横の女性を見る。

 だが、真夫には無反応だ。

 この女性が誰だか知らないが、真夫が豊藤の後継者候補だということをべらべらと喋っていいのだろうか?

 

「正人は、龍蔵のところで、毛唐(けとう)の調教にかかりっきりにさせられているよ。それで、俺の護衛ができねえのさ。まったく、あの伯父貴にも困ったものさ」

 

 秀也が乾いた声で笑った。

 

「それで、その人は?」

 

「正人がいないあいだの護衛だ。時子がうるせえんでな。気にしなくていいぞ。お前の姿も、俺たちの会話も、こいつには知覚できねえ。だから、遠慮なく喋っていいぜ」

 

 操心術か……。

 もう一度、その女性を見る。

 確かに、秀也の目の前にいる女性は、真夫を認識している気配はない。だから、秀也は、豊藤のことを普通に会話にしたのだろう。

 

「まあいい……。ところで、これだ」

 

 すると秀也が、懐から真っ黒いカードを取り出した。アルファベットの記号がある。

 真夫に手渡してきた。

 

「伯父貴からの贈り物だ。プリペイドカードというものらしいぞ。クレジット決済ができるところならどこでも使えるそうだ。二億円入っている。お前の小遣いだとよ」

 

「二億──?」

 

 真夫はびっくりしてしまった。

 すると、秀也が大笑いした。

 

「二億程度でビビんじゃねえよ。お前がどこの総帥になろうとしているのか理解してねえのかい。それと、なんに使ってもいいが金は使えよ。金持ちが小金を貯め込んだって、経済は回らねえんだ。派手に使ってやるのも、世間への奉仕ってやつだ」

 

「で、でも、二億って……。そもそも、なんでいきなり?」

 

「ああ、あれらしいぜ……。ご褒美だ。伯父貴はそう言っていた」

 

「ご褒美?」

 

「学年で三位だったんだろう? 中間試験とやらでな。豊藤の後継者に必要なのは、本人の脳みそじゃなくて、能力のある者を道具として操る支配力だが、頭がいいことに越したことはねえ。伯父貴からのお祝いだ……」

 

「お祝いって……」

 

 真夫は呆気に取られている。

 成績三位のお祝いが二億というのは途方もないことだが、そもそも、この前、真夫の実の父だという龍蔵に会ったときのことを真夫は忘れてない。

 操心術に目覚めた真夫は、そのとき、しっかりと龍蔵の感情を読んでいた。

 真夫に対する肉親の情のようなものは皆無だった。

 その龍蔵が成績くらいのことで、わざわざお祝いを……?

 真夫は、プレペイドカードとやらを持ったまま、唖然とした。

 

「じゃあな。とにかく、渡したぜ。なんで、俺がこんなものを運ばなけれりゃならないかわからねえが、まあ秘書だから仕方ねえ……。女たちと仲良くな。それと、常に奴婢を連れて歩くことを忘れるな。必ず、操心術で支配した者を横に置け」

 

 秀也は真夫に背を向けた。

 だが、すぐになにかを思い出したように振り返った。

 

「忘れてたぜ。成績三位のお祝いは、時子もしたいそうだ。なにか欲しい物はないかってよ。して欲しいことでもいいって言ってたぜ」

 

「えっ、時子婆ちゃんが?」

 

 時子婆ちゃんとは、真夫の実の父親である豊藤龍蔵の愛人にして、内縁の妻のような女性だ。もうすっかりと老女だが、まだまだ元気であり、玲子さんなどは、時子婆ちゃんのことをものすごく怖がっている。

 だけど、真夫に対しては、「真夫坊、真夫坊」と可愛がってくれる優しいお婆ちゃんだ。

 

「まあ、子供のいねえあいつにとっては、お前は子供も同じだしな。いや、孫かな」

 

 秀也がけらけらと笑った。

 真夫は思わず相好を崩した。

 

「時子婆ちゃんには、淫具作りでおねだりしてばかりだから、いつもいっぱいもらってるよ」

 

 時子婆ちゃんには本当にお世話になっている。女たちを責めるための責め具について、こんなのがあったらいいなあとか、こういうアイデアはどうかなあとか話すと、しばらくすると試作品が送られてくるのだ。

 どうやら、時子婆ちゃんは、そういうことをさせる工場や研究所を幾つか抑えていて、そんな真夫の思いつきを最優先で作らせるみたいだ。

 今日も面白いものがやってきたので、絶賛試験中である。

 

「それがあの(ばばあ)の道楽だ。遠慮なく我が儘言ってやりな。あれは、それが嬉しいんだ」

 

「だったら、日曜日の夕方に寮の部屋に来て欲しいって伝えてくれるかい。新しく奴婢が増えるから身内だけで小さなパーティをするんだ。それに参加して欲しいってね」

 

「お前の乱交パーティに、あの婆を参加させろってか?」

 

 秀也が眉をさげた。

 

「乱交パーティじゃないよ。集まって、食事して、飲み物を飲んで、ゲームとかして……。それだけだよ」

 

「なんのゲーム知らねえが、わかった。伝えとくよ。多分、喜ぶぜ。ところで、新しい奴婢っていうのは、あの女子サッカー部の主将の三年生と金城家の御曹司のことか?」

 

「いや、もうひとり増える予定……」

 

「もうひとりだあ? 誰だ──? あっ、いや、やっぱ、誰でもいいや。じゃあ、残り三人か。まあ、どんな女を集めるかで、お前の器量を試されると思いな。あんまり時間がねえんだ。さっさと十人集めろや」

 

「時間がない? 龍蔵さんに示された期限は半年だよ。まだ五か月以上ある」

 

「そうだったな……。だが、そんなに簡単にいくかな? せいぜい、俺から足元をすくわれねえよにな。お前が総帥になれなけりゃあ、俺が頭になる。そのときには、お前が集めた女は全部、俺の後宮に入れようかな。なにしろ、俺は他人に惚れている女を自分の女として躾けるのが大好物でな」

 

 秀也が笑った。

 

「渡さないよ。誰ひとりも……」

 

「だったら、お前が総帥になるんだな。じゃあな──」

 

 秀也は再び真夫に背を向け、そのまま立ち去っていった。

 真夫はしばらくのあいだ、困惑する感情を抑えられずにその場に立っていたが、やがて、部室に向かって戻っていった。

 

 文化部発表会があと十日余りに迫っているということもあって、文化部の集まるこの階は週末というのに賑やかだ。

 真夫たちのいるSS研も、廊下には玲子さんに集めてもらって責め絵や羞恥絵を連想させる絵画などの模写が並んでいる。

 部室には、歴史上有名な拷問具や刑罰具が時代や国ごとに解説版とともに展示されてる状態だ。

 まだ、完成ではないが、一応は見せられる状態に近い状況である。

 部屋の中心には、目玉となる体験展示だ。

 結局のところ、首と両手首を板に挟んで晒す「晒し台」というものを置くことにした。

 ひかりちゃんを堕としたときに使ったものだ。

 中世ヨーロッパでは広く使われていた侮辱刑の刑罰具であり、これに拘束された犯罪者を広場に晒し置くのだという解説版と当時の絵を横に置いている。

 

 ただ、ここには、部員たちは誰もいない。

 そのまま奥の隠し口から地下に向かうエレベータ室に向かい、そこからさらに下に降りた。

 地下には、この学園における真夫たちの「SMルーム」があり、エレベータの扉が開いた途端、のたうち回る絹香とかおりちゃんの呻き声が聞こえてきた。

 

「んんんっ、んんぐううっ」

 

「んんっ、んんっ、んんんっ」

 

 真夫の姿を認めると、床で丸くなっていたふたりが哀願の顔を同時に向けてきた。

 ふたりの口には穴あきのボールギャグを嵌めている。

 あんまり悲鳴が凄まじかったのでさせたのだ。

 ふたりとも、涎と涙と鼻水と汗で顔がぐしょぐしょであり、この責め具がいかに辛いものかということを物語ってくれる。

 

「あ、あのう、真夫様……。絹香様と、かおり様がもう大変で……」

 

 控えめな心配の言葉を伝えてきたのは、絹香の双子侍女のうちの(なぎさ)だ。

 もうひとりの侍女の(あずさ)が活発で嗜虐癖なのに対して、渚はちょっと大人しい感じである。

 

「そうなのか?」

 

 真夫は梓に視線を送る。

 双子には、絹香とかおりちゃんには手を触れるなと伝えており、ふたりとも部屋にある長椅子に並んで座っている。

 ただし、渚がおろおろするような表情に対して、梓はにこにこと愉しそうだ。

 

「絹香様は、真夫様のいないあいだに、一度失禁しました。もう掃除しましたけど」

 

 梓だ。

 視線を送ると、確かに絹香の股間は確かに失禁をしたような痕がある。ただ、ふたりとも、そもそも汗でシャツとショーツがびしょびしょで、床も濡れているので失禁をしたといわれば、ああそうなのかと思う程度だ。

 

「ひかりちゃんは、もう少し遅くなるって連絡が入ったよ。ひかりちゃんが来たら、責め具の体験を交替させてあげるから、それまで我慢だ」

 

 真夫はふたりが転がっている床の真ん中くらいに胡座で腰をおろした。

 ふたりとも、後手縛りにしていて、足首も縛っている。ふたりが着ているのは真っ白いアンダーシャツと下着だ。

 だが、これが責め具なのだ。

 時子婆ちゃんから渡された「責め着」というものである。名前は仮なので、いい名前をつけてくれと伝えられていた。

 

 それはともかく、一見なんでもないシルクのシャツとショーツに見えるのだが、実は内側に細かい繊毛が無数についていて、それを着せられたら最後、全身を死ぬほどにその繊毛にまさぐられるという仕掛けらしい。

 時子婆ちゃんに言わせれば、SM具というよりは拷問具に近いものなので、着せたまま放っておけば、ひとときも休ませてくれない繊毛のくすぐりに、眠ることもできずに、最後には発狂するかもしれないと言っていた。

 もちろん、そこまではすりつもりはないので、ふたりに与えたのは、ひかりちゃんが来るまで、これをテスト体験してくれということであり、まだニ十分くらいのものだ。

 

「んふううっ」

 

「んぐううっ」

 

 ふたりが訴えるような視線を向けてくるが、真夫は素知らぬ顔をする。

 そして、手を伸ばして、すっとふたりの下腹部に手を添える。

 ただ着ているだけでも、繊毛が獲物の肌を激しくまさぐるのだけど、こうやって手を添えると、さらにその部分の繊毛が集中的に動くらしい。

 

「んっふうう──」

 

「んんんっ」

 

 ふたりが激しく首を横に振りながら身体を突っ張らせた。

 そして、ぶるぶると身体を震わせる。

 しかし、この責め着を装着させられているときに、身体を震わせる反応は命取りかもしれない。

 おそらく、それに反応して、一斉に繊毛が肌をまさぐるはずだ。

 

「んっぐうう」

 

「ほごおお」

 

 ふたりの身体が突っ張る。

 もしかしたら、この刺激で一気に絶頂したかもしれない。

 そして、かおりちゃんの股間の下にみるみると水たまりが拡がる。

 かおりちゃんも失禁したみたいだ。

 

「本当にすごいねえ。もう少しだから我慢だよ」

 

 真夫は意地悪く、ふたりのお尻をショーツの上から撫でる。

 ふたりとも、水の中にいたかのように、全身を濡らしていた。

 真夫はふたりのお尻の穴を探して、布の上から指で押し抉った。

 

「んっふうう」

 

「んんんっ」

 

 ふたりが涙目で首を振って、なにかを真夫に訴えてきた。そして、まずはひくひくとかおりちゃんが小刻みな震えをして、またもや昇天したような仕草をした。

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