「ひいっ、雌奴隷のナスターシャは、ご主人様に可愛がってもらってます……。ひっ──。め、雌奴隷のナスターシャは、ご主人様に乗馬鞭でお豆を苛められて、マゾ女の悦びを感じています」
ナスターシャが大声で龍蔵に向かって、自分が受けている責めを叫ばされている。
正人は壁にもたれて立ったまま、朝からずっと続いている龍蔵とナスターシャのそんな姿を静かに眺めていた。
このナスターシャの調教の手伝いというのが、このところ与えられている正人の役割だ。
ずっと、秀也の付人を兼ねた護衛をしていた正人だったが、正人が真夫に手を出したことが、龍蔵の愛人頭の時子の逆鱗に触れたようであり、どうやら、正人が秀也の付人として学園に戻ることを阻止している気配だ。
たかが愛人あがりの老女とはいえ、時子はずっと龍蔵のそばで豊藤の権力の一端を担ってきた女だ。
龍蔵の内縁の妻ともいえる関係であり、龍蔵に意見が言えるのは、おそらく時子くらいだろう。だから、龍蔵も時子の言葉にはなかなか逆らわない。
その時子が正人を学園内に戻すことをまだ許さないので、正人はこうやって、龍蔵が雌奴隷を調教するのを手伝うことをやらされているということである。
まあ、龍蔵が調教の手伝いを求めたというのもある。この隠れ家には余人を入れたくないので、目の前の毛唐を責めるのに誰かを助手にするとすれば、正人しかいなかったということだ。
どうして、正人がそんなことをしなきゃならないのだとは思うが、なんだかんだで正人を雇っているのは総帥の龍蔵だ。
しばらく、学園内からは離れて、こっちを手伝えというのであれば、そうするしかない。
生徒たちがいる場所とはかなり離れており、実際には学園の外ともいっていい場所だとはいえ、ここもまた、学園の敷地内ではあるのだ。
正人が本来仕える秀也も、今日はたまたま学園側に赴いているが、このところ、ほとんどの時間をこの別宅で過ごしている。
「ひゃあ、ひゃああっ──。そ、そんな風にクリトリスをくすぐられると、ナスターシャはおかしくなりそうです。あああっ」
ナスターシャはいま四肢を別々に枷を嵌められて、仰向けの状態で大股開きで天井から吊られている状態だ。
たぬき吊り──、あるいは、けもの吊りという格好に近いが、四肢を別々に吊っているのが本来のたぬき吊りとは異なるところだろう。
龍蔵は、朝からその恰好のナスターシャを乗馬鞭でいたぶりながら、さまざまな屈辱なことを命じては、ナスターシャの尊厳をなぶっているというわけである。
いまは、全身に媚薬を塗って放置気味に責めているところだ。
「ははは、すっかりと大きくしよって。ここを鞭で思い切り打たれたいのではないか?」
下着一枚の龍蔵がナスターシャの股の前に立ち、乗馬鞭の先でクリトリスをかすかに揺り動かす。
ナスターシャの乳房は豊乳手術により奇妙なほどに大きくなっているが、クリトリスもまた、龍蔵の連日の調教によりかなり成長している。いまや、大人の男の親指の先ほどもある。
クリトリスの皮はとっくの昔に切断処置を受けており、そこを鞭先でいじくられ、ナスターシャは泣きじゃくっている。
そこには、渡航したばかりの頃の日本人への差別意識も垣間見られた気の強さの片鱗も感じることはできない。
「ああ、ご主人様、お許しを……。心から服従しております。もうお許してください。お慈悲を──。お慈悲をお願いします──。ああ、だけど、鞭先でなぶってください。どうかしごいてください」
ナスターシャが泣きながら腰をもじつかせる。
「叩かれたいのではないのか? さっきから責めて欲しいのか、放っておいて欲しいのかさっぱりとわからんぞ」
龍蔵が鞭先で股間をくすぐるようにこすりながら笑う。
「う、打つんじゃなくて、激しく動かして欲しいのです。強くこすって……。そうでなければ、ご主人様のおちんぽ様で犯してください──」
四肢を吊られて仰向けの状態で宙に浮いているナスターシャが腰を揺らす。
無理もないだろう。
ナスターシャの股間とクリトリス、そして、アナルには、少し前に、たっぷりと掻痒剤を塗っている。
かなり強い媚薬なので、ナスターシャは狂うような痒みの苦悶を味わっているはずだ。
それもあり、目の前のフランス女は苦悶の泣き声をあげているというわけだ。
「ふはは、そう簡単には、わしの男根はくれてはやれんぞ。痒みを消したければ、鞭を強請れ。それとも、そのまま気が狂うまで腰を振るかだ。好きにせよ」
「ああ、そんな……。痒いいい──。では、ラビナを……。左右のラビナを……。ああっ、でもクレバスも……。クリトリスも痒いいい──。やっぱりお叩きください──。お願いでございます──」
「ラビナとか、クレバスとか言われてもわからんのう。おまんこで説明せんか──。わしは外国語はわからん」
龍蔵がげらげらと笑う。
「おまんこを打ってください──。その周りの襞の部分を……。割れ目そのものも──」
ナスターシャが悲鳴混じりに言った。
多分、もう痒みでわけがわからなくなってきたのだろう。
「ケツの穴はいいのか? ケツの穴も痒いのではないか?」
「ああ、ナスターシャのケツの穴もお叩きください──」
「クリトリスは?」
「クリトリスにも鞭をお願いします──」
ナスターシャが叫んだ。
次の瞬間、龍蔵の乗馬鞭がナスターシャの股間に炸裂した。
「ひぎゃああ──」
ナスターシャが吊られている四本の鎖を引き千切らんばかりに暴れさせて悲鳴をあげる。
そのナスターシャの股に、龍蔵が容赦なく鞭を叩きつけ続けた。
「ぎゃあああ──。お許しをおお──。お慈悲をおおお──」
股を叩かれ続けるナスターシャが号泣を続ける。
しかし、その股間は愛液でぐしょぐしょだ。乗馬鞭が当たるたびに、蜜のしぶきが周りに飛び散るほどだ。
そういうマゾの身体に、ナスターシャは調教されてしまっているのである。
やがて、あまり反応をしなくなったところで、龍蔵が乗馬鞭を投げ捨てた。
「正人、少しさげろ──」
龍蔵が下着を脱ぎながら言った。
正人は壁のスイッチを操作して、ナスターシャの腰の位置を龍蔵の股間までさげた。
すでに龍蔵の股間は勃起している。
その男根を龍蔵はナスターシャの股間に押し入れた。
「ほおおおっ」
ナスターシャの身体が反り返る。
龍蔵がナスターシャを激しく犯す。
やがて、精を放ったのか、満足したように、龍蔵がナスターシャから離れた。
「正人、見張っておけ。湯を浴びて、軽く食事をしてくる……。だが、この雌奴隷には、そのあいだはなにもするな。まだまだ痒みの苦悶はなくならんだろうしな。わしが戻ってきてから続きをする。そのあいだは苦しめておく」
「わかりました」
正人は頭をさげた。
龍蔵は精を放ったばかりの性器を露出したまま上機嫌に、部屋を立ち去っていった。
やれやれ……。
ナスターシャとふたりきりになる。
すると、宙吊りの彼女が、口の中でなにかを呟き続けていることに気がついた。
なにかの呪文のようだな……。
ちょっとした好奇心で、正人はナスターシャの顔側に近づいた。
「……“赤ずきんは白い谷の上で狼とコニャックを愉しむ。つまみはクラッカーとチーズ”……」
ナスターシャが呟いていたのはロシア語だった。だが、まったく意味をなさない言葉の羅列だ。
しかし、それを聞いた瞬間、正人は急に激しい嘔吐と頭痛に襲われて、その場で頭を抱えた。
「……起きろ……。覚醒しろ……」
さらに呟かれる。
すると、急に身体が楽になった。
正人の中に封印されている人格が表に出た。
「スカーレット……」
目の前にいたのは、ナスターシャではない。
スカーレットだ──。
豊藤の壊滅をもくろむ組織が送り込んだ刺客……。操心術の影響を避けるために、操られるための人格であるナスターシャの人格の裏に、刺客者としての人格を隠したスカーレットだ。
そして、そのスカーレットに洗脳支配を受けているのが正人……。
普段は封印されているそれらの記憶が呼び起こされる。
(唇を見ろ……)
仰向けに宙吊りになっているスカーレットが唇の動きだけで、正人に言葉を伝えてくる。
今度はフランス語だ。
もちろん、正人は理解できる。
(はい……。見ている……)
正人もまた、フランス語で唇だけで言葉を返す。
(龍蔵の後継者候補の少年には、無事に罠をつけたか?)
罠というのは、前回のスカーレットの覚醒のときに、彼女から指示を受けたことだ。
正人は頷く。
(奴婢のひとりとしてつけることに成功している。いまのところ、気がつかれてない)
(わかった。では、そのままにしておけ。豊藤の中にいる操心術者は全部同時に殺さねばならない。ひとりでも残っていれば、操心術で反撃される。絶対に気づかせるな。気がついたかもしれないと判断したら、すぐに罠は殺せ。発覚される前に……)
(了解……)
(それと武器の準備を……。罠に武器を渡しておけ……。いつ実行となるかわからん。始めれば一気にやる)
(了解……)
(それと龍蔵を調べろ……。調べ直せ。もしかしたら、あれは龍蔵ではないかもしれない)
(龍蔵ではないというのは……?)
正人は面食らった。
スカーレットの発言の意味が理解できなかったのだ。
(あれには操心術はない……。豊藤の総帥の特徴は類まれな操心術……。それが世界の有識者を恐怖させているのだ……。だから、どんな組織も、日本人の豊藤に逆らえない……。だが、あいつは、いま現在、ナスターシャに一度も操心術を使ってない)
(一度も?)
正人は驚いた。
龍蔵といえば操心術ですべてを操り、世界を支配してしまう超人だ。だが、女癖の悪さも群を抜いていて、若い頃から操心術で多くの女を支配して、自分の身の回りを囲ませているというのは有名な話だ。
最近では、このナスターシャのみが相手だが、そのナスターシャの調教に、操心術を使ってないだと?
(操心術を掛けられていることに、気がついてないだけでは?)
正人はスカーレットに訊ねた。
龍蔵の操心術の怖さは、まさに操られていることさえ相手に気がつかせないことだ。
だが、スカーレットは宙吊りの首を小さく横に振る。
(それはない……。ナスターシャの人格は、わたしが常に見張っている。ナスターシャへの操心は絶対に、わたしには影響しない。完全な別人格だ。あの龍蔵に操心術は感じない。だから調べよ。あるいは、本物の総帥がどこかに隠されているかもしれない。それがわからないと、暗殺は実行できない)
(わかった……)
(頼むぞ。もう少し時間はかけていい。あれは、まだナスターシャで遊ぶことに夢中だ。当分は、まだこの身体は処分されないだろう……。ところで鞭で打ってくれ。ナスターシャがやられたのと同じように、わたしも打ってくれ)
「はい?」
正人は唇で伝えるのを忘れて、思わず声をあげてしまった。
すると、スカーレットの顔が真っ赤になった。
正人は唖然とした。
(人格は別だが、身体は同じだ。だから、マゾにされた身体が苦しいのだ。ナスターシャが責められても、スカーレットのわたしには、悶々としたマゾの欲情が消えない。だから、スカーレットのわたしを責めてくれ。わたしを満足させてくれ)
スカーレットが顔を真っ赤にしたままそう伝えた。
半分呆れたが、スカーレットの命令には、どんなことでも逆らってはならないという暗示が心の奥底に刻み込まれている。
正人は頷いた。
(龍蔵がいつ戻るかわからない。数発しかできないぞ。それと、放置してろという命令だから、声は出すな)
(それでいい。感謝する。性器……アナルも……。クリトリスも打ってくれ。頼む……。だけど、声を出すなと言うのは、お前も鬼畜だな)
スカーレットがくすくすと笑った。
(なにが愉しい?)
正人は、龍蔵が投げ捨てた乗馬鞭を拾う。
そして、スカーレットの股側にまわり、力の限り彼女の股間に乗馬鞭を打ち据えた。
スカーレットが無言のまま、大量の汗とともに、蜜の飛沫を股間から吹き出した。