「ま、真夫さん、恥ずかしいです……。ね、ねえ……」
絹香は図書館に向かって歩き出したものの、前からほかの生徒がやって来ると、すぐに尻込みして立ちどまってしまい、羞恥に顔を染めて俯き、壁に寄って少しでも目立つまいとするような恰好になった。
だが、むしろ目立つだろう。
真夫は、前からやってくる男子生徒たちを身体で隠すようにして、絹香の横に立ち、今度は本当にスカートのホックを外してしまった。
「あっ」
ずり落ちるスカートを後ろ手のまま、絹香が慌てて背中側で掴む。だが、それだけだと前側は垂れ下がってしまう。
だから、絹香は必死に後ろ側にウエストの部分の布を集めて引っ張り、前がさがらないようにもがきだした。
真夫は、その慌てぶりを意地悪く、そばで見守った。
なかなかに大変そうだ。
なにしろ、後手に拘束された手で鞄を持ちながら、さらにスカートを引っ張って押さえていないとならないのだ。
しかも、スカートの中では真夫がお尻が出るくらいに下着をずりさげてしまっているので、それについても、スカート越しに支えないと下着がずり落ちてしまう危険もある。
しかし、手伝わない。
まあ、いざとなったら、操心術で気にしないようにすることもできる。
記憶を操作するようなことはやったことはないが、以前に玲子さんをホテルのレストランで羞恥責めにしたとき、ホテルの従業員や周囲の客に集団で操心術をかけて、気にしないようにすることはできた。
あまりに数が多いと、さすがに手に余るかもしれないが、通り過ぎる生徒ひとりひとりに、操心術で細工をするくらいは問題ない。
やがて、やっと絹香は、前からやってくる生徒たちが来る前に、なんとかスカートがさがらないように後ろ手で固定できたみたいだ。
「あっ、会長、お疲れ様です」
「ごくろうさまです」
横を通り過ぎたのは、二年生の男子生徒たちだった。
生徒会長の絹香に挨拶をして、真夫にも会釈をして通り過ぎる。
絹香は真っ赤な顔で会釈だけを返していた。
ふたりが遠ざかると、真夫はもう一度絹香に寄っていく。
「早く図書館に行くんだよ。さもないと、もっと恥ずかしいことをするよ」
「で、でも、見られます……」
「だったら早く進むんだね。それともっと胸を張って──。後ろに腕を組んで、前屈みじゃあ、いかにも連行される囚人だよ。胸を張ってないと、不自然だ」
「でも、胸が見えてしまいます……」
絹香が涙目で真夫を見る。
真夫の悪戯で制服のブラウスは上ふたつまで外している。
ブラジャーの上側が露出するまで開いているので、絹香はどうしても前屈みになってしまうようだ。
「……それとも、やめる? だけど、やめたら、もうこんなことはしてあげないよ。マゾの絹香が実はかなり興奮していることは知っているんだけどね」
真夫は絹香の前に立ち、スカートの裾を持った。
ゆっくりと上にあげていき、太腿を露出させていく。
「ひっ、や、やります。歩きますから……」
近くに生徒たちがいないだけで、無人の廊下ではない。
そこでスカートをまくられていき、絹香もさすがに狼狽している。
だが、面白いのは、やめてもいいと真夫が口にしても、じゃあやめるとは言わないことだ。
絹香の心情の奥底には、「いい子」だと言われ続けた反動による一種の破滅願望のようなものがある。人のいるところで辱められたいというのも、実は絹香の隠れた心からの性癖なのだ。
いや、隠れてないか……。
ともかく、真夫としては、絹香の中にある刹那的な欲望をこうやって発散させてあげているくらいのつもりだ。
その証拠に、なんだかんだで、絹香は嫌だとは口にしない。
「じゃあ、行こうか。前を進むんだ」
「はい……」
どうしても顔をあげられないのか、絹香が俯いたまま歩きだす。
真夫はすぐ後ろからついていく。
生徒会長である絹香は学園内ではかなり目立つ。挨拶をする生徒も多いし、進んでいるあいだにも、かなり声を掛けられていた。
しかし、こんなに恥ずかしい格好で歩かされているときに、声を掛けられるのは晒し者になっているような気分だろう。
一方で真夫は、操心術ですれ違う生徒たち全員に、絹香の破廉恥な恰好が気にならないように心に細工をし続けている。
真夫としても、羞恥プレイで絹香の立場を悪くするつもりはまったくない。
だが、そんなことは絹香にはわからない。
恥ずかしい目に遭えば逢うほど、マゾの血が滾る絹香は、いつもの凛とした表情は消え失せ、顔を淫らに蕩けさせ、スカートの中の太腿をこすりわせるように歩いていった。
階段をおりて、授業のあった教場棟から外に出る。
図書館は三棟の教場棟に隣接しており、公園のようになっている中庭を挟んで向こうにあり、真夫たちはそこまで歩き進んだ。
図書館棟は、五階建ての立派な建物だ。
一階はロビーに加えて、美術品や工芸品を展示する美術館のような様相になっており、図書館は受付を含めて二階から上だ。
とりあえず、真夫たちは入口から一階の中央ホールに入った。
そのときだった。
「ま、真夫さん……。だ、駄目……。た、助けて……」
絹香が急に歩くをやめて、その場に膝を折って中腰になってしまった。
ちょうど。図書館の玄関を入ったばかりのところだったが、図書館棟の一階ロビーにはそれなりに人はいる。ロビーにあるソファーで会話をしている生徒たちもいるし、教師らしき者も見える。また、清掃作業員も動いていた。
ただ、こっちに注目する者まではいない。
真夫は、急にどうしたのだろうかを絹香に視線をやって、にんまりとしてしまった。
スカートの裾から絹香の下着が覗いている。
どうやら、最初に真夫がスカートの中で絹香が身に着けている下着をお尻を全部出るほどにずりさげていたため、だんだんと歩いているうちに下がってきて、ついに腰から落ちてしまったようだ。
それで膝を曲げて、落下しないように腰をさげたようだ。
「そこまで下がったら、脱ぐしかないんじゃないか」
下着はずり落ちて膝に引っ掛かってとまっている。スカート丈は膝よりも完全に上なので、膝に引っ掛かっている下着は完全に見えている状態だ。
真夫は絹香の腕をとって、真っ直ぐに立たせる。
「あっ」
絹香はちょっと迷ったような素振りをしたが、周囲をさっと見回し、誰にも見られていないこと悟ると、すぐに脚をばたつかせるようにして、一気に下着を足首まで落としてしまった。
そして、さっと足首から抜く。
そこまで落ちてしまったら、もう脱ぐしかないという判断なのだろう。
「危なかったね」
真夫は笑って、その下着を拾って、手の中に隠した。
だが、あることに気がつき、にんまりとしてしまう。
「奥の階段だ」
真夫は、ほとんどの生徒たちが使う正面玄関に面する中央階段ではなく、裏口に近い階段を使って二階に向かうように絹香に指示した。
操心術で人の気配を探り、そっち側に誰もいないことを認識したからだ。
「脚を開くんだ」
踊り場まで来ると、真夫は絹香を壁に寄せて命令した。
絹香が真っ赤な顔で俯いて、脚を開く。
真夫は、さっき拾った絹香の下着を見せつける。
「あっ、いやっ」
絹香は小さな悲鳴をあげたが、後手に拘束されているためになにもできない。
真夫は、絹香の下着を拡げて、股間の部分を絹香の顔の前に持っていく。
そこには、大量の絹香の愛液がべっとりとついていた。
「びしょ濡れだね。そんなに興奮した、絹香?」
真夫は微笑みながら訊ねた。
「う、うう……。し、しました……」
絹香は耳たぶまで紅潮させて顔をそむける。
「正直だね……。ご褒美だ」
真夫はポケットからハンカチを取り出すと、絹香に咥えさせた。
制服のスカートの中に手を入れ、亀裂に指を侵入させる。
ただ、指を入れただけじゃない。
実はズボンの中に掻痒剤のチューブを隠して持っていて、それを気がつかれないように、たっぷり指先につけた。
水分に反応して強烈な痒みを呼び起こす媚薬なので、これだけ濡れていればかなり激しい痒みがすぐに襲い掛かってくるはずだ。
「んんっ」
絹香ががくりと膝を崩しかける。
真夫は踊り場の壁に絹香の背中を押しつけるようにして真っ直ぐにさせた。
絹香の股間は信じられないくらいに濡れている。もっと濡らすための愛撫も必要ない。
真夫は、一度指を抜き、ズボンのポケットの中の油剤を指につけ足してからさらに奥に指を侵入させた。
「んんんっ」
絹香が身を捩る。
指で絹香の膣の中を掻き回す。
淫らな水音が奏でだす。
「淫乱な生徒会長様だ」
真夫は右手で絹香の股間を愛撫しながら、左手を絹香の制服のシャツの中に差し入れた。
ブラジャーごと揉みあげる
「んぐうっ、んんっ」
絹香の乱れ方が激しくなる。
すでに鼻息も荒い。
上体が小さく震え出し、乱れた呼吸とともにしっかりとハンカチを咥えている口から声が漏れ出してくる。
「……絹香は露出狂だ……。こういう場所でなぶられるのが好きなんだ……。感じるだろう……」
耳元でささやていてから、突き上げるようにしている喉の横の首筋に舌を這わせた。
股間と乳房への愛撫を続けながらだ。
また、操心術で絹香の感情に触れる。
激しく反応している線を刺激して、さらに太くしてやる。
おそらく、これが刹那的な露出で快楽を感じている線だろう。
同時に小さくなったり大きくなったり、やたらに激しく変化をしている線もあった。こっちはこんな場所で性愛をしている罪悪感と羞恥の心情に違いない。それをちょっとなだめてやる。
さっきの快楽線が一気に膨れあがった。
その状態で神経を固定してしまう。
すると、こんな場所にもかかわらず、快楽に負けて享楽に応じる淫女の完成だ。
「んんんんっ」
絹香の震えが大きくなる。
真夫は指を抽送に変え、胸を揉む指先で乳首を撫でまわしてやった。
唇を絹香の唇に重ねる。
舌を唾液とともに挿入して、絹香の舌を絡めとるように舐めまわす。
「んんっ、ふううっ」
絹香の身体が思い切りのけぞって突っ張る。
大きな音がして、絹香が後ろ手に持っていた鞄が床に落ちたのがわかった。それだけでなく、ばさりと制服のスカートが床に落下した。
ずっと支え持っていたのを瞬間的に話してしまったようだ。
「んあっ、ああっ」
さすがに我に返った絹香が真夫から口を離して狼狽した。
咥えていたハンカチも床に落ちた。
真夫は苦笑して絹香の身体から手を離す。
まだ、ぎりぎり達してなかったはずだが、絹香はスカートが脱げてしまったことで、動顛して蹲っている。
「ああっ、どうしよう」
絹香は一生懸命にスカートをあげようともがいている。
しかし、すでに足首まで落ちているものをうまく拾えないみたいだ。
真夫はまだ床にある絹香のスカートを拾い奪った。
「あっ、どうして」
絹香がしゃがみ込んだまま真夫に声を掛ける。
だが、構わずに真夫は階段をあがっていった。
絹香のスカートと鞄と拾いあげたまま……。
「先に行くよ」
「ま、待ってください」
絹香は慌てて立ちあがり、後を追ってきた。
しかし、上側の階段から数名の人影が階段をおりてこっちに向かってくる気配があることに気がついた。
真夫たちは一階から二階にあがる階段の途中だが、三階から降りてくる人の気配はすぐそばだ。
「あっ」
絹香は小さく悲鳴をあげると、再びその場にしゃがみ込んだ。
なにしろ、下半身はスカートも下着も身に着けてない完全な裸体なのだ。
真夫はどうなることかと、先に二階にあがって三階を見上げた。
意外なことに、降りてくるのは、あの加賀豊だった。
四人ほど引きつれていて、ふたりの男子生徒とふたりの女子生徒だ。
二階にいる真夫と眼が合った。
「あれっ、お前か……」
加賀が真夫の存在に気がついた。
そして、真夫が女生徒用のスカートを腕に持っていることにも気がついて、怪訝そうな表情になる。
階段の途中で小さく蹲っている絹香と加賀たちのあいだには、なにも遮るものはない。
「おやっ?」
そして、加賀が必死に蹲って小さくなっている絹香に視線を向けるのがわかった。
真夫は、さらに絹香を辱める方法を思いついてほくそ笑んでしまった。