「おやっ?」
加賀豊が下半身を露出して階段の途中でうずくまっている絹香に視線を向けたのがわかった。
「ひあっ」
「うわっ」
「なんだ?」
取り巻きの四人もまた同時に悲鳴のような声をあげた。
一方で、絹香は羞恥で震えながら必死に顔を俯かせている。
だが、そのときには、真夫は加賀を含めた五人の精神に接触することに成功していた。
操心術を使って、暗示を受けやすい状態にしてやった。
「犬が迷い込んだみたいだね──。首輪がしているから野良犬じゃなさそうだけど」
真夫は声に操心術を込めた。
加賀たちの表情がかすかにぼんやりとなり、すぐに元に戻ったのがわかった。
これで、加賀たちは絹香を「犬」だと認識したはずだ。
「犬……?」
「犬か?」
「犬だな」
訝しんでいる様子はない。
ただ、犬だと暗示をかけただけなので、どんな犬かがわからずに戸惑っているだけだ。
真夫はさらに口を開いた。
「かなり大きなコリー犬だね。綺麗な茶色の毛並みだ」
「コリー犬か……」
真夫の言葉に加賀たちが頷く。
「……だが、なんでこんなところに……?」
加賀の取り巻きのひとりが言った。
当然だろう。
下半身を露出した女性生徒にしろ、大型のコリー犬にしろ、こんなところにいるのはおかしいのだ。
「問題ないよ。俺が連絡をして引き取ってもらうから……。そもそも、ここに犬がいても不自然じゃないしね」
真夫はそう言って、絹香のいる場所までおりていく。
自然と加賀たちもついてきた。
また、真夫がここに犬がいても問題ないと発言したことにより、加賀たちの顔から不審そうな表情は消え去っている。実際、不自然極まりないのだが、操心術で操っているために、おかしいと思うことができないのだ。
「ひっ」
だが、真夫だけでなく、加賀たち五人にも囲まれる形になった絹香は顔を引きつらせた。
そして、剥き出しの脚をぎゅっと縮めて、さらに身体を小さくする。
真夫は絹香の横に屈むと、絹香の生尻を手でさすった。
「んっ」
絹香は必死に声を殺して身体を捩る。
真夫は、さらに制服のブラウスの中に手を入れ、ブラジャーに手を差し入れて乳房を揉んだ。
絹香の身体がびくんと跳ねる。
「……声を立てない限り、犬だと暗示されている。だけど、声を出すと加賀たちは我に返るよ……」
絹香の腰と胸を加賀たちの目の前で愛撫しながら、真夫は絹香だけしか聞こえないくらいの声でささやいた。
真夫が操心術を使えるということを知っているのは、玲子さんくらいだ。だから、そんな風に言われてもなんのことかわからないだろうが、絹香も加賀たちが絹香の破廉恥な姿を知覚している気配がないのはわかっているだろう。
納得したのかしないのかはわからないが、真夫の言葉に従うように、絹香がぐっと歯を喰い縛るのがわかった。
「じゃあ、コリー犬の背中とお腹にマッサージだ──」
真夫は、暗示を込めた言葉を口にしてから、加賀たちの目の前で堂々と絹香の身体を愛撫する。
「うっ、くっ……」
絹香が必死に声が出るのを我慢しながら、後手拘束の身体を捩る。
真夫はお尻側からさらに指を進ませ、股間側の方に愛撫の場所を移動していく。
「んはっ」
絹香の口から声が漏れる。
露出狂の気もある絹香の身体も、しっかりと反応しているようだ。
真夫が触れたことで新しい粘液がどっと股間の外にあふれ出てきたのだ。
絹香は身体を小刻みに震わせながら懸命に耐えている。
心の底では嫌がっていない。
真夫は確信して、愛撫を継続することにした。
絹香は一生懸命に声を我慢している。
もっとも、声を出すなとは言ったが、実際にはその程度では真夫の操心術が解けることはない。
だが、絹香としては、声を出すとばれると信じているので必死に声を耐えているのである。
「まあ、大人しくて可愛いわねえ。ぴくぴくして気持ちよさそう。あたしも撫でていい?」
そのとき、取り巻きのうちの女子生徒が手を伸ばしてきた。
絹香がはっとしたように恐怖の身体を竦ませる。
「いや、危ないよ──。噛みつくかもしれない。俺には慣れているけどね」
真夫は咄嗟に声をかけた。
「きゃっ、噛みつかれるわ──」
真夫の言葉で噛みつかれるかもしれないという暗示のかかかったその女生徒が慌てて手を引っ込めた。
絹香がほっとしたのがわかった。
真夫は、胸を揉んでいた手を下腹部に移動させて、クリトリスに這わせる。
絹香は下腹部の前からと後ろからの両方から責められるかたちになった。
「んんんっ」
絹香が全身を小刻みに震わせながら全身を硬直させる。
だが、真夫は愛撫の手を緩めない。
まずは、股間で動いていた指を亀裂の中に挿入した。
さらに、今度は後ろからの指も戻して、絹香のお尻の中に挿入していく。たっぷりと絹香の愛液がまぶしてあるので、潤滑油としては十分だ。
膣に挿入した指とともに、アナルにも指を入れて、交互にゆっくりと抽送する。
「はっ、あっ」
絹香の呼吸が激しく乱れて、がくがくと身体が震えだす。
膣とともに、アナルに入っている指がすごい力で締めつけられた。
「んん──」
「まあ、坂本君には慣れているのねえ」
さっきとは別の女生徒が明るく声をあげた。
彼女たちには、目の前に絹香がコリー犬にしか見えないのである。そして、真夫がそのコリー犬のお腹や背を撫でているように知覚しているのだ。
絹香の全身が突っ張る。
絶頂しそうなのだろう。
真夫は、床に落ちていたハンカチを絹香に咥えさせた。
再び前後の穴に指を挿入して激しく律動させる。
「んぐっ、んんっ、んんん……」
絹香の身体の悶えがさらに激しくなる。
「んんんっ──」
そして、ついに絹香が全身を大きく震わせて絶頂した。
しばらくのあいだ、身体が反り返るようにして突っ張っていたが、やがて、絹香ががっくりと脱力した。
真夫は愛撫をやめて、それぞれの指を抜く。
「ところで、坂本……。お前、このあいだの話だが、考え直す気はねえか?」
すると、加賀が不意に言った。
「このあいだの話?」
真夫は顔をあげて加賀を見る。
「サロンだよ──。俺のサロンに招待してやる。だから、顔を出せ──」
加賀はなんとなく苛立っているようだ。
だが、これに関する真夫の返事は決まっている。
「悪いけどその気はないよ。誘ってくれたのは嬉しいけどね」
「ちっ、行くぞ──」
すると、加賀が舌打ちして立ち去っていった。
取り巻きたちも去り、再び真夫と絹香だけになる。
真夫は、まだ足腰がふらついている絹香をその場に立たせて、横に置いていたスカートをはかせてやった。
ブラウスのボタンも戻してやり、服装の乱れを整えてやる。
ただし、後手拘束についてはそのままだ。
絹香は息を整えながら、腕を掴んでいる真夫の手に支えられるようにして、なんとか立ちあがっている。
「どうだった。彼らの前で絶頂した気分は……?」
真夫は意地悪く言った。まだ咥えさせたままだったハンカチを取る。
絹香は涙目で真夫を睨んだ。
「ひ、ひどいです……。あ、あんなこと……。でも、どうして、彼らは……?」
「俺は催眠術が使えるんだ。知らなかったろう?」
「催眠術?」
絹香はきょとんとしている。
実際には操心術と催眠術は異なるものだと思うし、催眠術はあんなに簡単に術に陥ったりはしない。
だが、絹香からすれば、目の前で起きたことなのだから、信じるしかないだろう。
「ああ、催眠術だ……。それはいいだろう。どころで、加賀は随分と機嫌が悪かったな。やっぱり、サロンを断り続けているのが気に喰わないんだろうね」
真夫は言った。
さっきの最後の加賀の態度を思い出したのだ。
絹香が頷いた。
「そ、それはそうだと思います。いままで、なんかんだで、この学園でもっとも人気のあって影響力があるのは加賀君ひとりでした。双璧と言われていたひかりさんはサロンなど開かなかったし、学生に求心力を発揮できる存在は加賀君の独壇場だったんです」
「それがどうかしたの? ひかりちゃんがサロンを開くようになって、そっちにも人が集まるようになってのは面白くないってこと?」
加賀の苛立ちがどこにあるのか、まだわからない。
ほかのところにも、人気が集まるようになったのがなんだというのか。
それはともかく、どうでもいいけど、実は絹香は真夫に責められて、マゾモードに入っているときには、真夫に敬語になる。
さっきから、ずっと敬語モードだ。
「学園の勢力図という意味では、求心が三個になったことで、自分の求心力が低下している気分になっているんじゃないでしょうか。実際にはそうでもないと思いますけど……」
「勢力図ねえ……。つまり、一番でなくなりそうで嫌だってこと?」
真夫は言った。
この学園で一番の存在になったからなんだというのは理解できないが、これまでずっと目立つことはしなかったひかりちゃんがサロン活動をすることになったことで、自分の人気の保持に危機感を抱いているということか……。
だが、真夫は、少し前の絹香の言葉に違和感をやっと覚えた。
「いま、三個の求心と言った? 加賀とひかりちゃんの二個じゃなく?」
真夫は訊ねた。
すると、絹香がくすりと笑った。
「三個目の勢力は、真夫さんです。最近は真夫さんに近づきたいという生徒がすごく多いんです。真夫さんのサロンにどうやったら入れるのだろうって、結構、学園内でも話題みたいですよ」
「俺のサロン? そんなものないぞ」
真夫は驚いた。
「SS研ですよ……。最近は人が増えて、明日香に、ひかりさん、七生さんも出入りするようになりましたしね。自分も入りたいっている生徒……。特に女生徒が多いみたいです。特に、ひかりさんの存在が大きいですね。ひかりさんそのものが、真夫さんの派閥の一員のようになってますので、加賀君が独占していた地位を脅かす勢いです……。少なくとも彼はそう思っているのも……」
「派閥? そもそも、SS研はサロンじゃない。俺の調教部屋だ」
「そんなことは一般学生は知りません……。加賀君からすれば、真夫さんが加賀君のサロンに来れば、真夫さんもひかりさんも、自分の派閥に属してるのだとも喧伝できますし……。と、ところで、さっきから痒いんですけど……。真夫さん、もしかして、なにか塗りましたか?」
絹香はいつの間にか、スカートの中で太腿を擦り合わせ、階段の上で小さな足踏みを繰り返すような仕草を始めている。
いよいよ、掻痒剤が本領を発揮し始めた違いない。
「塗ったな。これだ」
真夫はズボンのポケットから掻痒剤のチューブを出して見せながら、白い歯を出す。
「ああ、やっぱり……。そんな……。痒いんです……。なんとかしてください……」
「ははは、じゃあ、予定通りに図書館の資料館に向かうか。絹香の股間の痒みを解決するのは、絹香が俺の精液を飲み干してからだ。痒みを消して欲しければ、頑張って、誰もない場所を探すんだね。そして、少しでも早く、俺の精液を飲み干すことだ。そしたら、精を注いであげるよ」
真夫は笑った。
今回使った掻痒剤は、時子婆ちゃんが合成してくれた特別性であり、真夫の精液の成分に反応して、痒みがなくなるようになっている。
そうでなければ、痒みは一日続く。
ほかに痒みを消す方法はない。洗っても擦っても、痒みは消えることはない。
絹香もそれはわかっている。
「うう……。い、意地悪……」
「それが調教だよ」
真夫はそうそぶいた。
そして、図書館の二階を司書のいるカウンターに向かって歩き進む。
やっと図書館の受付のあるカウンターに辿りつく。
一階のロビーはそれなりに人が多かったが、架設図書のある二階は生徒が数名いる程度だ。
カウンター越しに、年配の女性司書と向かい合う。
「あ、あのう……資料室で生徒会の調べものをしたんですけど。彼も一緒に……。資料室に入らせてもらっていいでしょうか」
絹香が平静を装い、司書に告げている。
だんだんと股間の痒みが切羽詰まったものになってきたのか、カウンターの下の両脚がせわしなく動いているが、表情は必死に繕っている。また、資料室の利用そのものは慣れた感じだ。
だが、顔は脂汗まみれだし、真っ赤だ。
「ああ、いつも大変ねえ……。でも、そちらは初めて見るかしら? 生徒会の人? あっ、S級なのね。これは失礼しました。どうぞ、奥になってます」
司書の女性は当初は訝しむ雰囲気だったが、真夫がS級であることに気がついて、急に態度を改めた。
S級生徒というのは、この学園の特権階級だ。
およそ利用できない施設はないと玲子さんから聞いていたが、その通りみたいだ。
とにかく許可を受けて、カウンターの横にある資料室に入る。
中には誰もないようだ。
「こ、ここなら……多分、誰も来ないと……。ね、ねえ、真夫さん……。もう我慢できません──。痒いんです──」
資料室に入って、真夫が後ろ手に扉を閉めると、激しく腿を擦り合わせながら絹香が泣くような顔で訴えてきた。
真夫は、その絹香のスカートのホックを再び外して、下半身を丸出しにしてしまう。
絹香の股間は可哀想なくらいにおびただしい蜜であふれていた。
膝どころか足首まで愛液が伝って落ちている。
真夫はスカートだけでなく、絹香のブラウスのボタンを全部外して、ブラジャーも剥ぎ取ってやった。
真夫の奴婢たちは、全員がストラップレスのブラなので簡単に外せる。
「奥まで行くんだ。さっきも言ったけど、痒みをなんとかしたければ、少しでも早く俺から精液を絞り出すんだね。絹香を犯すのはその後だ」
真夫は絹香から取り上げたスカートなどを持つと、半裸の絹香を一番奥の書架の奥に追いたてた。
「ああ、お願いします──。痒くて──」
突き当りの壁まで辿り着くと、再び絹香が訴えた。
真夫はその場に絹香をしゃがませる。
後手拘束はそのままなので、絹香は両手を後ろに回した状態で、真夫の前に跪く格好になる。
「だったら、頑張るんだね。口で俺の性器を引っ張り出すところからやってもらおうかな」
真夫は意地悪く、まだファスナーの閉まったままのズボンの下腹部を絹香の顔の前に押しつけた。