※この作品はR-18です。

淫魔王のいる学園【完結】   作:ドン・ドナシアン

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 12話 都合のいい女

「うう、真夫ちゃん、恥ずかしいよう……」

 

 あさひ姉ちゃんが小さな浴室の洗い場で素裸の身体を壁に着け、大きく股を開いている。

 両腕は背中側で腰の括れで重ねさせ、縄掛けをして腰の括れにしっかりと固定させていた。両脚は特に縄掛けをしていないが、あさひ姉ちゃんは、真夫の命令で膝を立てた股を大きく限界まで拡げてくれている。

 いわゆるM字開脚というやつだ。

 

「さあ、始めるよ、あさひ姉ちゃん」

 

 真夫は石鹸と湯桶をあさひ姉ちゃんの脚の間に置き、さらに女性用の安全カミソリをその横に置いた。

 まずは、湯で濡らした左手にたっぷりと石鹸の泡をつけて、あさひ姉ちゃんの黒い陰毛に擦りつけていった。

 

「あっ、んんっ、や、やっぱり真夫ちゃんの手、き、気持ちいい……。こ、声が出ちゃう……。ねっ、さ、猿ぐつわを……猿ぐつわしてよ、真夫ちゃん」

 

 あさひ姉ちゃんが懸命に声を低めて訴えた。

 なにしろ、このあさひ姉ちゃんのアパートの浴室は、アパートの廊下に面している。

 ちょっとでも派手な声を出せば、たちまちにあさひ姉ちゃんの恥ずかしい声が外に漏れてしまう。だけど、両手を背中で括られているあさひ姉ちゃんは、自分で手で口を押さえて声を我慢することもできない。

 だから、あさひ姉ちゃんは必死な表情だ。

 

「だめだね。あさひ姉ちゃんと俺が恥ずかしいことをしていることがばれたって、俺はちっとも困らないよ。俺はあさひ姉ちゃんのことが好きだし、もう、あさひ姉ちゃんの恋人のつもりだしね」

 

「そ、そりゃあ、あたしだって、真夫ちゃんのことが知られても困らないけど……。うう、や、やっぱりだめえっ……。は、恥ずかしい、くううっ」

 

 恥毛に手で石鹸を擦り付けられるあさひ姉ちゃんは、真夫の手が股間に触れるたびに、ぶるぶると身体を震わせて、噛みしめた口から甘い声を洩らしていく。

 そんなあさひ姉ちゃんは、本当に色っぽくて可愛かった。

 

 あさひ姉ちゃんのアパートの浴室だ。

 いまの時間は、そろそろ午前中の十時を過ぎようとしているところだ。

 

 昨夜は、あさひ姉ちゃんと遅くまで愛し合い、朝は少し遅めの目覚めとなった。

 目が覚めると、すぐにあさひ姉ちゃんと愛し合い、朝食を食べて、また愛し合った。

 だけど、午後には、あさひ姉ちゃんの知り合いの滝田さんという人と、聖マグダレア学園の顧問弁護士の工藤さんという人と会うことになっているので、身体を洗おうということになった。

 それでいま、あさひ姉ちゃんが沸かしてくれた朝風呂にふたりで入っているところだ。

 風呂に入るときにあさひ姉ちゃんを縛りたいとい頼むと、あさひ姉ちゃんは大人しく縄で縛らせてくれた。

 

 そして、真夫は浴槽で一度温まってから、今度はあさひ姉ちゃんの陰毛を剃りたいと頼んでみた。

 あさひ姉ちゃんはちょっと驚いたようだったが、やっぱり嫌だとは言わなかった。

 真夫ちゃんがそうしたいのであれば……と恥ずかしそうに頷いてくれたのだ。

 

「じゃあ、いくよ。動かないでね」

 

「う、うん……」

 

 真夫はあさひ姉ちゃんの股間に剃刀を当てた。

 軽いが硬い抵抗感が手に伝わってくる。

 だんだんと茂みが小さくなっていく。

 

 ざくっ……ざくっ……。

 

 気がつくと、あさひ姉ちゃんの内腿が小刻みに震えていた。

 しかも、股間の亀裂からは、明らかにあさひ姉ちゃんの興奮の証拠である樹液がじっとりと溢れ始めている。

 どうやら、マゾ体質のあさひ姉ちゃんは、縛られて陰毛を剃られるという行為にすっかりと欲情しているようだ。

 真夫は、なんだか嬉しくなった。

 

 無言の時間が流れる。

 

 剃刀が真夫姉ちゃんの股間を滑る音に混じって、だんだんとあさひ姉ちゃんの息の声が大きくなっていく。

 一方で、真夫は手を動かしながら、真夫は昨夜から繰り返し心に浮かぶ言葉を再び思い浮かべた。

 

 もしも、自分にお金があれば……。

 

 そのことを昨夜から何度思ったかわからない。

 

 もしも、あさひ姉ちゃんが背負わされた闇金の借金を代わりに支払うだけの蓄えが真夫にあれば、いまのこの時間は永遠に続く、真夫とあさひ姉ちゃんの幸せの始まりになるはずだったと思う。

 

 だけど、これは終わりの始まりだ……。

 

 あと十日もすれば、あさひ姉ちゃんは、お父さんの借金を支払うために、暴力団の息のかかっているような売春組織に身を任せて、身体を売ることになる。

 

 一千万円……。

 

 その金がなければ、借金を払えないあさひ姉ちゃんのお父さんは、闇金に追い込まれて殺されることになる。

 人によっては、なんでもない額かもしれないけど、孤児である真夫やあさひ姉ちゃんにとっては、途方もない大金だ。

 

 闇金の人は、あさひ姉ちゃんとお父さんが親娘とは程遠い関係であることを知り、あさひ姉ちゃんには逃げても追わないとまで言ってくれたようだ。

 

 だが、あさひ姉ちゃんは、逃げないことを選んだ。

 お父さんを見捨てることができなかったのだ。

 かつて幼いあさひ姉ちゃんを犯し、そして、あさひ姉ちゃんを捨て、まったく断絶した状態だったのにかかわらず、あさひ姉ちゃんが二十歳をすぎると、勝手に書類を偽造して、自分の借金の連帯保証人にするようなクズ男のことをあさひ姉ちゃんは見捨てることができなかったのだ。

 

 優しいあさひ姉ちゃん……。

 そのあさひ姉ちゃんはいなくなる。

 

 あと十日で……。

 

 もしも、真夫に金があれば……。

 金で済むことなら……。

 

 真夫は思念を振り払った。

 

「きれいになってきたよ、あさひ姉ちゃん……。もっと、脚を拡げてくれる。谷間にも少し生えているしね」

 

 真夫は一度剃刀を置いた。

 あさひ姉ちゃんの股間は、すっかりと陰りを失い童女のそれに近くなった。

 もう少しだ。 

 左手で石鹸を足す。

 

「んんふううっ」

 

 相変わらず敏感なあさひ姉ちゃんは、真夫の手が股間に触れると、まるで電撃でも浴びたように身体を震わせる。

 

「大袈裟だなあ、あさひ姉ちゃん」

 

 真夫は思わず笑った。

 

「ち、違うの、真夫ちゃん。ほ、本当にあたし、こんなんじゃないの。だけど、真夫ちゃんの指、なんか、おかしいのよ。触られると、とってもじんとして、そして、なんか、安心するというか……。とにかく、本当に幸せな気分になるの。それで、どうしても我慢できなくなって……」

 

 泣くような口調であさひ姉ちゃんは訴えた。

 その必死な物言いが、なんとも言えずにおかしかった。

 

「はいはい。とにかく、剃るよ」

 

 真夫はあさひ姉ちゃんの柔肌を指先でつまんだり、押し広げたりしながら、安全カミソリを動かしていく。真夫の指があさひ姉ちゃんの股間に当たるたびに、あさひ姉ちゃんは身体を剃らせて、妖艶に腰を捩った。

 真夫は、一本の剃り残しもないように、すべてをきれいに剃り落し、やがて、背を伸ばした。

 

「とっても、可愛くなったよ、あさひ姉ちゃん。あと、十日……。俺が毎日剃ってあげる。だから、別れてからも、自分で剃ってよ。このなんにもないあさひ姉ちゃんの股は、あさひ姉ちゃんが俺のものである印だよ。だから、毎日剃るんだ。いいね」

 

 真夫は言った。

 すると、あさひ姉ちゃんは股を開脚にしたまま、薄っすらと眼に涙を浮かべた。

 

「うん、剃る──。恵はずっと真夫ちゃんのものだよ。ほかの男の人に抱かれないといけないかもしれないけど、あたしは真夫ちゃんのもの。いつもきれいにしておく。絶対にそうする」

 

 あさひ姉ちゃんはぐっと涙をこらえるように息を吸った。

 真夫は満足して頷いた。

 そして、真夫はあさひ姉ちゃんに近づくと、指先をすっと無毛になった亀裂に埋めた。

 

 すべすべとした肌の感覚だけだ。

 しかも、しっとりと濡れているあさひ姉ちゃんの股間はとても肌触りがよかった。

 

「あううっ、んんっ」

 

 大きな声を洩らしかけたあさひ姉ちゃんは、慌てたように口をつぐんで声を殺した。

 真夫は構わず指を前後に抽送していく。

 あさひ姉ちゃんは小刻みに身体を震わせながら、ぐっと身体を軽くのけ反らせた。

 

「ねえ、あさひ姉ちゃん、俺、決めたことがあるんだ……」

 

 真夫は指をあさひ姉ちゃんの股間に出入りさせながら言った。

 

「あ、ああっ……。き、決めたことって……?」

 

 あさひ姉ちゃんは目を細めて恍惚の表情を浮かべながら言った。

 真夫は、仏様のようなあさひ姉ちゃんのこの表情が大好きだった。

 我慢できなくなって、狭い洗い場のタイルの上にあさひ姉ちゃんの身体を押し倒した。

 そして、上から跨るように、あさひ姉ちゃんの股間に勃起した怒張を沈めていく。

 

「ん、んんんっ──。だ、だめえっ、声、声、出ちゃうの──。あ、あはああっ」

 

 あさひ姉ちゃんの身体がぶるぶると震えた。

 真夫は上から叩き付けるように、あさひ姉ちゃんの股間に男根を沈め、沈めてはあげ、あげてはまた突き沈める。

 

「お、俺、あさひ姉ちゃんが……で、出ていっても……こ、ここに……住む。ここに住んで……あさひ姉ちゃんが……戻るのを……待つ……。だ、だから……あさひ姉ちゃんも……ここで……俺が……待っていることを……忘れずに……必ず……も、戻って……来て」

 

 真夫は上からあさひ姉ちゃんを犯しながら言った。

 あさひ姉ちゃんは、真夫の股間の突き沈めによがりくねりながらも、真夫の言ったことに驚くように、眼を大きく開いた。

 

「そ、それだけじゃ……ない……。あさひ姉ちゃんの……借金は……俺も返す……。ふ、ふたりで……か、返せば……、かかる時間は、は、半分になるかもしれない……。だ、だから……」

 

「だ、駄目よ。そ、そんなの──、あっ、あっ、ああっ」

 

 あさひ姉ちゃんは一瞬抗議するような言葉を吐きかけたが、その声はすぐに大きな喘ぎ声に飲み込まれた。

 

 真夫はあさひ姉ちゃんの股間に律動を続けた。

 もう、あさひ姉ちゃんがどんな風に突かれれば感じるのか、どんな風に真夫が動けばよがるのか、しっかりと覚えている。真夫は、あさひ姉ちゃんが一番感じる角度と深さで怒張を突きまくった。

 あさひ姉ちゃんは、子宮の入り口付近を少し乱暴なくらいに突かれて、さらに、抜く前にぐりぐりと擦られるのが大好きだ。

 それを繰り返す。

 あさひ姉ちゃんはすっかりと狂乱した。

 

「いぐうっ、真夫ちゃん、いぐうっ」

 

 そして、喉を突きあげるようにしながら、大きな声を出して身体を震わせた。

 真夫は苦笑した。

 声が出ると恥ずかしいとか言っていたが、あれだけの派手な声なら、アパートの廊下どころか道路まで聞こえたかもしれない。

 まあいい……。

 あさひ姉ちゃんは、真夫のものなのだ。

 

 あさひ姉ちゃんが達するのに合わせていき損ねた真夫は、そのままあさひ姉ちゃんのヴァギナを突き続けた。

 あさひ姉ちゃんの中はとても気持ちよかった。

 驚くほどに潤いに満ちていて、真夫の怒張を絡みつくように適度に締め付け、そして、吸い込んでくる。

 肉棒全体が溶けていくような気持ちよさだ。

 

「あうううっ」

 

 あさひ姉ちゃんに二回目のエクスタシーがやってきたとき、真夫は今度こそそれに合わせて、最深部に押し当てた傘の先から興奮の印である白濁液をあさひ姉ちゃんの子宮に注ぎ込んだ。

 

「はああ、ああ……はあ、はあ、はあ……」

 

 あさひ姉ちゃんはしばらくがくがくと身体を揺らしていたが、やがてがっくりと脱力した。

 さすがに今朝だけで三回目だ。

 真夫は幹が萎えていくままに余韻に浸り、あさひ姉ちゃんの中から肉棒を引き抜いた。

 

 抜いてもあさひ姉ちゃんはすぐには動かなかった。

 ただ、胸を上下させて荒い息をするだけだ。

 

「う、動けない……。ま、真夫ちゃんの意地悪……。こんなに感じさせるなんて……」

 

 やがて、ちょっと拗ねたような顔をした。

 真夫はあさひ姉ちゃんの上体を引きあげてやった。

 

「それより……、だ、だめよ、真夫ちゃん……。さ、さっきのこと……」

 

 すると、あさひ姉ちゃんが満足そうに微笑んでいた表情から一変して、きりっとした真顔になった。

 

「だめ?」

 

 なんのことかわからず、真夫はきょとんとした。

 

「さっきの話……。あたしを待つという話……。それはだめ……。あたしなんか忘れて……。お願い。このひと晩、あたしは十分すぎるほどの幸せをもらった。そして、あと十日もいてくれるって言ってくれた……。それで十分。あたしは、その思い出だけで、残りの人生を幸せに生きていける……。でも、真夫ちゃんを犠牲にはできない。ましてや、あたしのお父さんの借金を真夫ちゃんも払うなんて──」

 

「それは俺が決めたことだよ。俺があさひ姉ちゃんをここで待ちたくて、待つんだ。あさひ姉ちゃんが一日でも早く戻って来られるように、俺が金を払いたいから払うんだ。俺は朝から晩まで働く。大した額にはならないかもしれないけど、それで一箇月でも、二箇月でもあさひ姉ちゃんが早く戻れるなら、それでいいんだ。いいね──。これは決めたことだからね」

 

 真夫はきっぱりと言った。

 でも、あさひ姉ちゃんは悲しそうに眼に涙を浮かべて、首を横に振った。

 

「無理よ……。あたしは汚れるわ……。多分、戻ってきたときには、もう真夫ちゃんの知っているあたしじゃなくなっている。すっかりと汚れて、真夫ちゃんをがっかりさせるだけよ。戻れればの話だけど……。それに、本当のこと言うと、あたし、真夫ちゃん以外の男の人が怖いでしょう? だから、お客をとるためには、頭がぼっとする薬を飲まないといけないかもしれない。多分、身体もぼろぼろになるわね。だから、無理なのよ……」

 

「そんなこと──」

 

 真夫はあさひ姉ちゃんの言葉を否定しようと思ったが、あさひ姉ちゃんはそれを遮って、さらに言葉を続けた。

 

「……ねっ、だから、お願い。真夫ちゃんはあたしのことは忘れて、新しい人を見つけてよ……。いまだから言うけど、真夫ちゃんて、とってももてるのよ。施設のときだって、真夫ちゃんのこと好きだっていう女の子はたくさんいた。ねっ、真夫ちゃん」

 

 あさひ姉ちゃんがまるで子供を諭すような物言いで真夫に訴えた。

 最後はわざと軽口のような口調だったけど、あさひ姉ちゃんの顔からはつっと涙がこぼれている。

 とにかく、真夫は腹がたった。

 あさひ姉ちゃんことを忘れろ──?

 そんなことができるわけがない。

 

 汚れた女──?

 あさひ姉ちゃんが汚れるわけがない。

 そんなことはないんだ。

 

 真夫はすっくと立ちあがった。

 あさひ姉ちゃんの顔に向かって性器を向ける。

 

「うわっ、いやっ」

 

 あさひ姉ちゃんが悲鳴をあげた。

 真夫はあさひ姉ちゃんの顔におしっこをかけたのだ。

 最初はびっくりしたみたいだけど、すぐにあさひ姉ちゃんは顔をおしっこのする方向に向けて、自ら真夫の尿が顔に当たるようにした。

 これには、真夫は驚いた。

 そして、おしっこがとまる。

 あさひ姉ちゃんの髪と顔はすっかりと真夫の尿にまみれた。

 

「汚れるんなら、いまあさひ姉ちゃんは俺のおしっこで汚れた。だから、これ以上汚れることなんてないよ。あさひ姉ちゃんが汚れるなら、俺も一緒に汚れてあげる。あさひ姉ちゃんが苦しいなら、俺も一緒に苦しんであげる。だから、ここで待たせて。そして、あさひ姉ちゃんも俺がここで待っていることを忘れないで。俺はいつまでも待っているよ」

 

 すると、あさひ姉ちゃんは、ぼろぼろと泣き出した。

 

「ば、ばか……真夫ちゃんのばか……」

 

 あさひ姉ちゃんは縛られた後手のまま肩を揺らして泣き始めた。

 真夫は湯桶で湯をすくうと、あさひ姉ちゃんの頭と顔に湯をかけて、おしっこを洗い流してあげた。

 

「大丈夫だよ。ふたりで頑張れば、きっと一千万円くらい、一年もかからずに返し終わるよ。そうしたら、ここで一緒に暮らそう」

 

 真夫は屈み込むと、あさひ姉ちゃんの身体をぎゅっと抱き締めた。

 そのまま、あさひ姉ちゃんは、しばらく泣き続けた。

 

 あさひ姉ちゃんが落ち着いたのは少ししてからだ。

 真夫の胸から顔を離して、真夫を真っ直ぐに見た。

 

「あ、ありがとう。あたし、真夫ちゃんの気持ちに甘えることにする。うん──。真夫ちゃんが待ってくれるというなら、それを信じる。あたし、真夫ちゃんのことを忘れないようにする。真夫ちゃんがもしも忘れても、あたしは忘れない。約束する」

 

「俺が忘れるわけないよ」

 

 真夫は微笑んだ。

 しかし、あさひ姉ちゃんは首を横に振った。

 

「……だけど、これは絶対の条件よ。これを受け入れてくれないなら、あたしは真夫ちゃんの提案は受け入れられない。真夫ちゃんは、ほかにも女の人を作って──。あたしがいるからって我慢しないで。だったら、あたしは真夫ちゃんのところに返ってくる。いつになるかわからないけど、お父さんの借金を返し終わったら戻る」

 

 あさひ姉ちゃんはきっぱりと言った。

 だが、真夫は首を傾げざるを得なかった。

 

「どういうこと?」

 

 真夫は言った。

 

「だから、真夫ちゃんも女の人を作るの。真夫ちゃんが、あたしがいるからって、女の人を我慢するのはいや。真夫ちゃんって、とってもエッチなんだもの。あたしがいなくなってから、ほかの女の人とエッチしないなんて死んじゃうよ。可哀想。ねっ、本当はあたしが代わりの人を見つけてあげたいくらいだけど、それはもうできないから、今度は自分で見つけて」

 

 あさひ姉ちゃんは真面目な顔で言っているが、その内容のおかしさに、真夫は吹き出してしまった。

 そういえば、養護施設であさひ姉ちゃんと愛し合った日々の後、あさひ姉ちゃんは、高校の寮に入るために施設を出ていくにあたって、真夫の性の相手だと言って、次の女の子を真夫の前に連れてきた。

 

 どうやら、あさひ姉ちゃんにとっては、真夫は病的な精力家だということになっているらしい。だから、そんな発想になるのだろう。

 でも、真夫は施設を出てから、二年間男子校の寮にいたから、女の子との付き合いとは無縁だった。バイトも男ばかりの場所だったので、考えてみれば、女性とは二年間無縁の生活をしていた。

 とにかく、笑いながらそう言った。

 だが、あさひ姉ちゃんはさらに首を横に振った。

 

「それはたまたま、真夫ちゃんの周りの女の子がいなかったからよ。真夫ちゃんには不思議な力があるのよ。あたし、思うんだけど、多分、真夫ちゃんがいいなあ、と思った女の子はみんな真夫ちゃんを好きになる気がする。その代わり、真夫ちゃんが嫌だなあと思ったら、その子は近づかないの」

 

「そんな、都合のいいこと……」

 

 真夫は笑った。

 

「ううん──。そうよ。都合がいいのよ──。それが真夫ちゃんの力……。真夫ちゃんの前では、女の子はみんな“都合のいい女”になるの。そうよ。きっとそうよ。そうなのよ──。だって、あたしだってそうだもの──。それが、真夫ちゃんの不思議な力……」

 

「不思議な力?」

 

「あたし、ちっとも、真夫ちゃんがあたしひとりのものになって欲しいと思わない。だけど、あたしは、真夫ちゃんだけのものになりたいと思う。そうだわ。そうなのよ」

 

 あさひ姉ちゃんは、なにか納得できたみたいなことを口走っているが、真夫にはよくわからない。

 そもそも、あさひ姉ちゃんは、真夫のことをそんなに知らないだろう。

 あさひ姉ちゃんが知っているのは、施設にいる頃の小学生の真夫だけだ。

 

「じゃあ、仮に俺があさひ姉ちゃんのほかに女の子を作るとして、あさひ姉ちゃんが戻ってきたらどうするのさ? その子とは別れるの? そんなの可哀想だよ」

 

「そんなの、その子と一緒に、あたしを愛してくれればいいじゃないの。当たり前じゃない。なに言ってんのよ、真夫ちゃん」

 

 あさひ姉ちゃんはあっけらかんと笑った。

 真夫はちょっと驚いた

 

「そんな都合よくいかないでしょう」

 

「都合よくいくのよ。真夫ちゃんにはね」

 

 なにを根拠にそんなことを言っているのか意味不明だが、まあ、ここはそれ以上、追及しないことにした。

 真夫が、あさひ姉ちゃんをここでひとりで待てばいいだけのことだし、真夫はあさひ姉ちゃんが早く戻れるように、それこそ、昼夜を忘れて働くつもりだから、女の子と付き合う余裕などあるわけない。

 

「わかったよ、あさひ姉ちゃん。あさひ姉ちゃんが、それでいいなら」

 

「うん」

 

 あさひ姉ちゃんが明るく頷いた。

 真夫は首を竦めた。

 まあ、いいや。

 

「ところで、俺ばっかり、おしっこをするのを見られたのは不公平だな。あさひ姉ちゃんがおしっこするのも見せて。いまここで」

 

 真夫は不意に思いついて言った。

 そういえば、見てみたい。

 あさひ姉ちゃんは、真っ赤な顔になった。

 

「そ、そんな、恥ずかしいよ、真夫ちゃん」

 

 あさひ姉ちゃんは嫌がったが、真夫が強く言うと、おずおずと洗い場にしゃがみ直して、大きく股を開いた。

 

「ああ、見ないで、真夫ちゃん。本当に恥ずかしいのよ」

 

「見ないで、どうするんだよ。食い入るように見てるからね」

 

「ああ、真夫ちゃんの意地悪」

 

 あさひ姉ちゃんはぐっと目をつぶった。

 

「だめだ。しっかりと眼を開けろ、恵──。俺の顔を見て、おしっこをするんだ」

 

 真夫はわざと強い口調で言った。

 すると、あさひ姉ちゃんは、興奮したように、ぶるぶると身体を震わせた。

 そして、顔がとろんと欲情したような表情に変化する。

 

「ああ……。し、します……。命令に従います……」

 

 マゾのあさひ姉ちゃんが酔ったような口調で言った。

 そして、ちょろちょろと尿が流れ出し、すぐにまとまった噴流となった。

 じょろじょろとあさひ姉ちゃんのおしっこが流れ出す。

 恥ずかしそうにしているあさひ姉ちゃんの姿を見ていると、もっと意地悪をしたくなった。

 真夫は尿を続けているあさひ姉ちゃんの股間に手を伸ばすと、おしっこが出ている付近をぐりぐりと指で刺激してやったのだ。

 

「う、うわあっ、なにするの、真夫ちゃん──。いやあっ」

 

 あさひ姉ちゃんが悲鳴をあげる。でも、やっぱりあさひ姉ちゃんは真夫のやることから逃げようとはしない。

 真夫の手で、あさひ姉ちゃんの尿が飛び散り、ふたりでおしっこまみれになりながら、なんだか楽しくて、真夫はけらけらと笑ってしまった。

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