※この作品はR-18です。

淫魔王のいる学園【完結】   作:ドン・ドナシアン

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123話 見学者と理不尽な命令

 やっと文化部棟に辿り着いたときには、絹香はすでに朦朧となっていた。

 いまだに、絹香のアナルにはアナルビーズが挿入されているし、股間には魚肉ソーセージを入れられているのだ。

 ノーパンなので、股間からは抜け落ちたら遮るものはなく、絹香は懸命に前後の穴を締めつけ続けなければならない。

 それは、絹香にずんずんと絶えることのない快感を与え続けていた。

 すでに、体力も気力も限界を感じている。

 

 だが、一方で絹香は異様なほどの感情の昂ぶりも感じていた。

 股間とアナルに淫具や異物を挿入されて、学園の中を歩かされるのは、耐えられないような羞恥と屈辱だ。

 それに変わりはない。

 

 だが、それと隣り合わせで、絹香は奇妙な充実感に包まれてもいた。

 真夫に躾けられて理不尽な辱める受けさせられる……。

 自由を奪われて、人のいる場所で無理矢理に快感を昂らされる……。

 股間に掻痒剤入りの媚薬を塗られて、性感を破壊され、お尻の穴を快楽の場所として無理矢理に開発される……。まあ、今日のアナル調教については、半ば絹香からお願いしたのだが……。

 

 それはともかく、これらは忌避すべきことであるはずなのに、それを悦ぶ絹香が存在している。

 まるで、恥辱感が快感となって、真夫に服従することを嬉しがる別の人格に作りあげられていくようであり、それは間違いなく生まれ変わるような解放感に違いなかった。

 

 未知の自分になる──。

 真夫によって、心を作り替えられる──。

 理不尽な辱めを与えられ、とてもじゃないが受け入れることのできないことをするように要求される。そして、それを無理矢理にやらされるのだ。

 その快感……。

 絹香は酔うような淫欲の中にいた。

 

 いずれにしても、絹香はもうふらふらだ。

 胸の鼓動は激しく、股間からは絶え間のない果蜜を溢れさせている。股間に挿入されているソーセージは蜜の噴出を助長することはさせても、垂れ流れる愛液を堰き止める役にはあまり立っていないきがする。

 

「頑張ったな。だが、罰は罰だぞ」

 

 文化部棟に辿り着くと、汗びっしょりになり、呼吸を荒くしている絹香に真夫が言った。

 

「は、はい……」

 

 絹香は小さく頷いた。

 罰というのは、ショッピング・モールで与えられた三周を二分以内で回るという真夫から与えられた課題のことだ。

 結局のところ、とてもじゃないが二分では回れなかった。倍以上の時間がかかり、絹香は真夫からは、SS研に到着したあとで罰を与えることを宣言されてしまっていたのだ。

 

「罰はきついぞ。かなり厳しくする。覚悟しろ。その代わりに、全部が終わったら優しくしてやろう。だから頑張るんだ」

 

「わ、わかってます……。どうか、絹香に存分に罰をください」

 

 絹香は言った。

 すると、なぜか心に不思議な震えが走った気がした。

 真夫に罰を与えられて苦しめられる……。

 どうして、絹香はそれに悦びを覚えているのか……。

 

 SS研の部室は、文化部棟の二階にある。

 文化部発表会が来週に控えていることもあり、文化部の集まっているこの棟はかなり賑わっていた。その人混みを抜けて、絹香たちは二階にあがっていく。

 SS研では、真夫の発案で『拷問と刑罰の歴史展』の企画展示を予定しており、その準備が進められているが、すでにほとんどの準備は終わっていて、あとは最終的な仕上げをするくらいだ。

 すると、展示準備をしているそのSS研の前の廊下に、ひとりの女生徒が立っていることに気がついた。

 

「おっ?」

 

「あれ?」

 

 そこにいたのは、二年生の相場(あいば)まり江だった。

 相変わらず日本人離れの美しい体形をした美少女だと思った。マスコミにもネットにも、よく取りあげられる有名な女子高生モデルである。多くの雑誌に載り、写真集も出していたはずだ。

 母親が英国人のハーフである。だから、髪は綺麗な黒髪なのだが顔は異国風の端正な顔立ちである。

 もっとも、両親は離婚しており、彼女の母親はもう日本には住んでいない。確か、そんな生い立ちだったと思う。

 

 彼女が見ているのは、SS研の企画展示のために廊下に掲示している幾つかの絵画だ。

 SS研の『拷問と刑罰の歴史』展示では、室内でこそ、さまざまな刑罰・拷問器具が展示してあるが、廊下には羞恥責めを連想させるような絵画のレプリカ画をわざと飾ってあるのである。

 たとえば、まり江がいま見入っているのは、壁に鎖で繋がれた全裸の女性の絵だ。その隣には、奴隷市場がテーマのジェロームの絵である。

 彼女がよく、この廊下に絵を眺めために訪れることは知っていた。

 もちろん、真夫が彼女に奴婢候補として興味を抱いていることも……。

 

 ただし、世間でも名前と顔が売れているまり江は、当然ながらこの学園でも有名人である。

 だから、彼女はじっと絵の前でたたずむことはなく、短い時間やってきて、目だないようにすぐに帰ってしまう。

 とはいっても、毎日のようにやってくるので、SS研の者たちからすれば、まり江が真夫が並べさせたテーマの絵に興味を抱いていることは明白ではある。

 もっとも、あまりにもすぐにいなくなってしまうので、その現場にぶつかるのは、絹香も今日が初めてだ。

 

「そこにある絵に興味を持ったみたいだね」

 

 真夫が声を掛けた。

 

「あっ、坂本さん、会長さんも……」

 

 まり江がはっとしたように視線を向ける。

 

「ここにある絵に興味を抱く女子は、多分、特別な感情を持つ者だよ。そういう女生徒を探すために、ここに並べてるんだ。罠に掛かったのは三人目……、いや、四人目かな。七生も興奮を隠さななかったからね」

 

「興味ってわけでも……。ちょっと、なぜか見入ってしまいたくなって……。でも、いま、罠って言いました? あっ、わたしは、二年の相場まり江です」

 

「知っているよ。有名人だしね……。中にどうぞ」

 

 真夫が部室に入る扉の電子ロックを解除する。学園内のすべての部屋は、学園のシステムによって指紋登録された者がそれぞれの部屋の電子ロックを解除できる仕組みだ。

 例えば、絹香は寮の自室のほか、生徒会室及び生徒会倉庫については指紋で解除できる。最近になって、この部室も登録されたので、絹香も開けることはできる。

 

「あっ、でも、わたし、あまり時間がなくて……」

 

「大丈夫だよ。すぐに終わる。大事な話がある。そして、いいものを見せてあげるよ。ほんの五分だ。君がその場所に立つはずだった時間の範囲で終わる。絹香次第だけど、多分ね……」

 

 真夫は中に入っていく。

 まり江が断るとは思っていない感じだ。

 だが、絹香次第──?

 どういう意味だろう。

 中に並んでいるのは、今度の文化部発表会で展示予定の刑罰具と拷問具のレプリカだ。

 中心には晒し刑用の実物大のギロチン台があり、あとは国別、時代別にレプリカや説明版などが飾ってある。

 

「さあ、相場さん」

 

 よくわからないが、絹香はまり江を室内に促した。

 真夫は、この場でまり江を監禁してしまうつもりだろうか?

 とにかく、まり江を入れてしまわないとと思った。

 

「あっ、でも……」

 

 いきなりのことでまり江にはかなり躊躇いがあるようだ。

 しかし、絹香は半ば強引にまり江を部屋に誘う。

 

「多分、大丈夫よ……。わたしを信用して……」

 

 絹香はまり江を安心させるように微笑んだ。

 そして、心の中でまり江に謝る。

 まり江はまだ迷っている感じのまま、それでも、部室に入っていく。絹香はその後ろから進む。

 

「扉を閉めてくれ、絹香」

 

 真夫は入ったすぐのところでこっちを向いて待っていた。

 絹香は扉を閉めてから、指紋によって鍵をかける。

 それにしても、こうやって動くたびにソーセージとアナルビーズによって性感が刺激されてしまう。

 またもや、外に出ようとしている玉をお尻で引き戻す。

 いまや、かなり鋭い感覚になっている込みあがる疼きをまり江にばれないように、懸命に表情を隠した。

 

「わあ、中はこんな風になっているんですね」

 

 室内に展示してあるものを一瞥して、まり江が声をあげた。

 廊下には絵画を飾ってあるものの、文化部発表会以外には部室は解放しないので、頻繁に通っているまり江も、室内展示を見るのは初めてなのだ。

 

「飾り物を解説してももいいけど、時間がないというから、それは別の機会にね……。ところで、外にある絵だけど、どういう絵を集めて並べているかわかる?」

 

 真夫がまり江に顔を向けて訊ねた。

 まり江と絹香は入口を背にして立つかたちであり、真夫は部室の奥側でこっちに身体を向けている。なお、絹香たちがいまいるのは廊下側であるが、奥側には隠し扉があり、そこに入るとエレベータールームになる。

 そのエレベータで繋がってる地下が真夫が使う「調教室」だ。

 

「え、え? 歴史画……ですか……? サビニの略奪の絵とかあったし……。あっ、でも違うものも……」

 

 急に質問されたまり江が戸惑った様子で応じる。

 すると、真夫が白い歯を見せた。

 

「あそこに並んでいるのは、全部、囚われた女、あるいは、辱められる女だ──。理不尽にも拘束され、身に着けていたものを奪われて、尊厳を辱められ、それとも、侮辱されて恥ずかしい姿を晒されることになって女性たちだ。それに興味を持つということは、まり江さんもそんな風に扱って欲しいということだろう?」

 

 真夫が言った。

 

「えっ、なにを言って……。もちろん違います──」

 

 まり江は後ろから見ている絹香から見ても、かなり動揺していた。

 その声はとてもか細い。

 絹香は真夫の言葉がまり江の心の核心を突いたということを悟った。

 そして、絹香もまた確信した。

 このまり江は、こちら側の人間だと──。

 

「そうかな……。まあいい。今日はたまたま偶然に会ったから、まり江さんを迎え入れる場が整ってない。だから、誘い言葉だけ告げることにするね……。最初に言っておくけど、これは罠だから」

 

 真夫は微笑みを浮かべたままだ。

 

「先ほども、そう言われましたね」

 

 まり江が応じる。

 

「そうだね。なにしろ、俺の誘いを受ければ、まり江さんの人生は確実に変わる。だから、罠だということさ」

 

「……あのう、どういう……」

 

「俺の女のひとりになれ、相場まり江──」

 

 真夫はまり江の顔をじっと見つめるようにしながら言った。

 

「えっ、告白……ですか……?」

 

 まり江はびっくりしたようだ。

 だが、はっと気がついたように、絹香に振り向く。

 告白かと思ったことで、ここにいる絹香の立場を訝しんだのだろう。

 

「いいから、真夫さんの話を……」

 

 絹香はまり江を促す。

 

「いや、そのまま、絹香を見ながらでいい。俺の話に耳を傾けるだけでいいよ。いま、返事は求めてないから。ただ、その気になったら、いまから送る俺のスマホのアドレスに返信してくれればいい。別に、返事じゃなくてもいい。困ったことがあれば、それがなんであっても解決してあげる」

 

 真夫が内ポケットからスマホを出して操作をした。

 まり江がびくりとして、慌てたようにスマホを出した。

 そして、画面に視線を落として唖然となった。

 

「なんで、わたしの連絡先を……?」

 

「なんで知っているかはどうでもいいよ。とにかく、大事なのは、それが俺への連絡先だということさ。まり江が俺の女になりたくなったときに必要になる」

 

「もっと優しい人かと思ってました。でも、随分と自信家なんですね……。あっ、返事はいまします。無理です──。ご承知かと思いますが、モデルをしてるんです。芸能事務所にも所属してます。恋愛は契約で禁止されてるんです。ごめんなさい」

 

 まり江が真夫に向かって頭をさげた。

 だが、真夫は笑って首を横に振り、まり江の頭をあげさせる。

 

「契約なんてどうにでもなるよ。それよりも、自分の心に正直になることだね。正直になったら連絡をくれればいい」

 

「いえ、連絡はしません」

 

「どうかな?」

 

 真夫は自信があるようだ。

 

「しません──。交際はできません。事務所との契約に外れます。それに、会ってまだ五分です……。あっ、もう五分経ちましたね。確か、約束は五分でした。失礼します」

 

 まり江が絹香を押しのけて扉を開こうとした。

 だが、さっき絹香が電子ロックで施錠をしているので開けない。

 

「開けてください、会長──」

 

 まり江が絹香を見る。

 

「俺の話が終わるまで出られない。まだ、罠の話をしてない。まり江が俺に返信して、俺の女になる決心をしたら、どんな扱いを受けるか教えておく」

 

「いえ、必要ありません──。返事はしませんし──」

 

 まり江はかなり苛立ってきたようだ。

 絹香は黙って見守る。

 しかし、実のところ、こうやって黙って立っているだけで辛いのだ。絹香はアナルと股間の疼きを歯噛みして耐える。

 

「外に飾ってあった絵の女たちと同じだ。理不尽に拘束され、身に着けているものを奪われ、尊厳を辱められる。そうやって、俺に支配される」

 

「ええっ──?」

 

 まり江がびっくりしている。

 真夫がまり江の横を通過して、絹香の隣に立つ。

 廊下に出ていく扉は絹香と真夫の背中側だ。

 

「支配されて、辱められたくなったとき、連絡をするんだ……。まり江はそうなりたいはずだ……。外にある絵に魅入られる女……。それは、そういう欲望を心の奥底に隠しているんだよ」

 

「勝手に決めないで──。外に出して──」

 

 まり江が大きな声をあげた。

 

「わかった。だが、もうひとつ……。実際に、囚われの女を見てもらおう……。絹香、スカートをめくれ。命令だ──」

 

 真夫が突然に言った。

 絹香は耳を疑った。

 

「えっ?」

 

 絹香は思わず真夫を見た。

 すると、真夫が絹香に鋭い視線を向けてきた。

 

「早くしろ──。命令だ──」

 

 強く怒鳴られる。

 

「は、はい」

 

 絹香は慌てて両手でスカートの裾を握った。

 

「な、なに言ってるのですか──。やめてください──」

 

 まり江の顔が真っ赤になり、下を向いて眼をそむける。

 

「視線を外すな。見るんだよ……」

 

 真夫が諭すようにまり江に告げた。

 その瞬間、まり江の身体が硬直したようになり、彼女の顔が真っ直ぐに絹香に向く。

 眼も見開くように大きくなった。

 

 これは、もしかして、図書館のときと同じように催眠術……?

 まり江の顔はまっすぐに絹香を向いているが、それが彼女の自分の意思とは思えない。

 まるで無理矢理に見させられている感じだ。

 

「さあ、絹香、いつまでそうしている。早くめくるんだよ」

 

 真夫が言った。

 

「はい……」

 

 絹香は頷いたが、さすがに実行はできなかった。

 スカートの中には下着もはいてない。ノーパンだ。

 ただのノーパンじゃない──。

 股間に異物が入れられ、お尻にはアナルビーズが挿入されていて、そのうちの一個がしっぽのようにお尻の外に出ているような状態だ。

 これを見せる──?

 いや、そうでなくても、人前でスカートをめくって股間を露出するなどできるわけがない──。

 

「やるんだ。命令だ」

 

 真夫がさらに言った。

 

「は、はい、真夫さん……」

 

 絹香は震える手でゆっくりとスカートの裾をぐっと握る。

 

 だが……。

 できない……。

 

 首を横に振った。

 さすがに絹香は、真夫に哀願の顔を向けた。

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