絹香は四つん這いになって、地下の調教部屋を進む。
真夫が女生徒たちを責めるための器具が壁際に並んでおり、壁の一角にはさまざまな責め具が置かれている棚もある。
さらに、奥は身体を洗うための入浴設備なども完備されていた。それだけではなく、浴室には浣腸プレイもできるように排泄物を洗い流す設備までついている。ここはそういう場所なのだ。
さらに、この地下ルームからは、どこかに繋がる地下通路とも連接してあり、移動のためのシャトルまであるみたいだ。そんな地下通路が学園の地下にあるとは知らなかった。
それはともかく、真夫が絹香に示したのは、大きな調教ルームの真ん中だ。
天井のフックに繋がる鎖が垂れている。
すると、真夫がその鎖に先端に革製の手枷を繋げた。
「今日はハードなお仕置きでも文句はないと口にしたね?」
「あっ、はい……。お願いします……」
真夫の問い掛けに、絹香は四つん這いのまま頷く。
「もう一度、訊ねるけど覚悟はいいね?」
「もちろんです。存分に苛めてください……。もう絹香は真夫さんのものです」
絹香に依存はない。
それに、正直にいえば、なにをされるのだろうという怖さとともに、期待のようなものもある。
辱めて欲しい……。
苛めて欲しい……。
絹香の心の奥底には、淫らで陰湿な責めに対するぞくぞくするな欲望がうごめいている。
「よし──。なら、徹底的に調教してやろう。ハードにね。自分が口にしたことを後悔するなよ──。立て──」
絹香は手枷付きの鎖の下で立ちあがる。
真夫が両手を挙げさせた絹香の両手に手枷を嵌めた。
そして、リモコンが操作されて、モーター音とともに両手の鎖が天井に巻きあげられていく。
「うくっ」
両手が真っ直ぐに伸び切っても、鎖の巻き上げが止まる気配がなかった。
体重が手首と肩に一気にかかる。
絹香は天井を仰ぐようにして、反射的に枷の嵌っている両手で鎖を握りしめた。
それでも、さらに頭上に吊りあげられていった。
絹香のアナルにはアナルビーズ、股間には魚肉ソーセージを挿入されたままである。
「ああっ──」
絹香は悲鳴をあげた。
鎖はさらに上昇していく。
爪先立ちになった身体がさらに浮き、ついに足先が完全に床から離れた。
二本の腕に重圧がのしかかってくる。
絹香は体力のある方じゃない。
腕と肩が痛い──。
引きつるような痛みが身体に走った。
足先を床に伸ばそうと、両脚をもがかせたが、それにより背筋に激痛が加わり、すぐにもがくのをやめた。
鎖は、十センチほど床からはなれたところで静止する。
「う、うう……、痛い……」
絹香は思わず呻いた。
その瞬間、ぱんと平手が絹香の乳房を横殴りに炸裂した。
「きゃん──」
強い力じゃないが、叩かれたことに衝撃を受けてしまう。
同時に、なぜか不思議な酔いのようなものが身体を包む。
「勝手に喋るな──。調教中だ──。それよりも、外に出ているアナルビーズの玉が二個になっているな。最初はひとつしか出てなかったはずだ。どうして、勝手に外に出してるんだ?」
「あ、ああ、申し訳ありません……。出てしまいました……」
絹香は謝罪の言葉を口にした。
「悪いと思っているか?」
「お、思っています」
「わかった。じゃあ、罰を与える」
真夫は棚から黒いクリップを取り出してきた。
それをつんと上を向いていると乳房の先端で開く。
はっとした。
開いた口の中に乳首が挟まれる。まだ口は閉じてないが、乳首の付け根までクリップが完全に挟まれた。
「覚悟はいいね、絹香」
「は、はい……」
真夫が指を離して、三センチほどのクリップに乳首が押し潰された。
「んぐうっ──」
激痛が走る。
強く噛んだ歯の隙間から声が漏れる。
「もうひとつだよ」
反対側にもクリップが装着される。
「あぐうっ」
痛みでどっと全身から新たに脂汗が流れ出す。
「おまけだ」
さらに真夫は十センチほどの細い鎖のついたゴルフボールほどの金属の球を持ってきて、それぞれのクリップに繋げてぶら下げる。
「あああ──」
乳首が重みで下を向く。
絹香は呻いた。
「これは、さっき厚生棟で二分以内に三周するという課題を果たせなかった罰だ。そして、アナルビーズを一個外に出してしまった罰は、この宙吊りだ。一個につき十分だな。十分間、そのままだ」
「は、はい……」
絹香は宙吊りと乳首の痛みに耐えて頷く。
すると、真夫が絹香の背後に回った。
眼の上になにかを巻かれ、視界が消滅してしまう。
「あっ」
思わず声をあげた。
目隠しをされたようだ。
頭の後ろで留め具のようなもので締めつけられた感覚があった。
そして、真夫が離れる。
あとは、なにもされずに、そのまま宙吊りのまま放置された。
時間が流れ出す。
真夫もそばにいるのだと思うが、その気配が完全になくなる。絹香は、まるでたったひとりでここに取り残されているような気分になった。
刻々と時間だけが進んでいく。
だんだんと恐怖のようなものを感じてきた。
「ま、真夫さん……?」
そして、名前を呼んでしまった。
だが、返事はない。
にわかに不安が拡がっていく。
「あっ、真夫さん……。お、おられますよね……?」
再び言った。
さっき勝手に口を開いたことで、頬をはたかれたが、放っておかれるよりも罰を受けたかった。
なにもされないというのが、だんだんと絹香の恐怖を拡大していく。
「う、うう……」
時間だけが過ぎていく。
そのあいだに、革枷を嵌められている手首と、両腕に全体重がのしかかり、容赦なく体力と気力を奪い続けていく。
汗は全身から流れている。
かなりの汗だというのはわかる。
顔や耳の横、顎から乳房、そして、脇から横腹へ……。さらに内腿から……。
全身のあちこちから玉の汗が滴り落ちていくのを感じる。
やがて、ぽたっ、ぽたっと足の指の先から床に向かって汗が落ちる音が聞こえだす。
そして、なによりも、アナルからアナルビーズの球が外に出そうだった。
必死に力を入れる。
だが、足が宙に浮いていると、あまり力が入らないのだ。
脚を踏ん張れなくて、どうしてもアナルが緩みそうになる。
なによりも、痒い……。
ぶるぶると腰を動かす。
すると、じわじわと球体がアナルの外に出ていく気配を感じた。
急いでお尻を今まで以上の力で締めつける。
「あう……、うう……」
必死にお尻に力を入れ続けている。
身体が痙攣のような震えを始めた。
「はあ、はあ、はあ……。だ、だめ……」
いよいよ、絹香の息が荒くなり、その息の音が大きく響きだす。
「ま、真夫様──」
耐えられなくて、今度は絹香は大きな声をあげた。
不意に、左右の脇の下を同時に撫でられた。
汗びっしょりの脇から身体の側面に向かって真夫の手が滑り落ちていく。
「ひゃああん──」
絹香は奇声をあげて身体を悶えさせてしまった。
途端に身体への重圧が増す。
「あくっ」
今度はまたもや呻き声をあげてしまう。
「勝手に何度も喋ったな。罰として十分追加だよ」
「うう……」
いまどのくらいの時間が経過して、残りがどのくらいなのかはわからない。しかし、少なくとも、十分追加ということは、これまで吊られていた時間以上をさらにこうやって過ごさないとならないということだろう。
とても耐えられるとは思わなかった。
「さて……。ところで、ソーセージはどうなっている?」
真夫の声が前から聞こえた。
そして、指が絹香の股間の中に押し入ってきた。
「んんんっ」
絹香はその刺激に宙吊りの身体をそりあげる。
挿入された指が絹香の気持ちのいい場所をまさぐる。それでわかったが、絹香の股間は信じられないくらいに濡れていた。
「あっ、ああ……」
力が抜けそうになり、必死にアナルを踏ん張る。
そして、真夫は挿入した指を無造作にくるくると回してから、すっと挿入されていたソーセージを外に抜いていった。
「ふわあああっ」
絹香は甘い声をあげた。
「ほら、おやつだ」
すると、べっとりと絹香自身の体液のついたソーセージが口の中に押し込まれた。
「んぐうっ」
さすがに思わず吐き出しそうになる。
「……もしも、吐きだしたら、明日の朝まで宙吊りだぞ」
さらにソーセージを押し込まれながら、真夫が冷たい声で言った。
その瞬間に、絹香から抵抗の気持ちが消滅する。
「う、うう……」
絹香は気持ち悪さを我慢して、必死にソーセージを喉の奥に呑み込む。
やっと全部食べ終わる。
「じゃあ、今度はご褒美だ」
目隠しをしている頭の後ろに手を置かれて、少し下を向かされる。
真夫の唇がぴったりと唇に当てられて、少しずつ液体が口の中に注がれてきた。
ウーロン茶だ。
絹香はそれを飲みくだす。
続いて、真夫の舌が絹香の口の中を蹂躙した。
かっと身体が熱くなり、頭の芯が灼けるような感覚に陥る。
なにがどうなっているかも、一瞬、頭の中から消える。
ただただ、真夫の舌にふるいつく。
口の中の粘膜が舌で愛撫される。
頭が真っ白になるような快感だ。
お尻から力が抜けそうになっていることに気がついて、慌てて絹香はアナルを急いで締めつけた。
「キスが好きか? こんな風に苦痛に喘いでいるはずなのに、絹香の股間からははしたない蜜が垂れ続けているぞ」
口づけをやめた真夫が揶揄うように笑う。
「き、気持ちよかったです……。ありがとう……ございます……」
なにも考えられずに、絹香は本心からそう言った。
「そうか。じゃあ、しばらくそうしてても耐えられるね」
いつの間にか、真夫は再び背後に立っていた。
後ろから乳房を両手で包んで、揉みしだき始めたことから、それがわかった。
「んはあっ、んぐうっ──。ああっ、いやあ──」
揉まれると快感も走るが、クリップと重りによる激痛も絹香の身体を貫く。
気持ちいいのか、痛いのかわからなくなり、絹香は拒絶の言葉を口にしていた。
「おや? 俺は絹香のご主人様だぞ。俺のすることに文句があるのか?」
すると、真夫が胸を乱暴に揉みながらちょっと不機嫌そうに言った。
「あっ、いえ……、も、申し訳ありません……き、。絹香の身体は……全部……、真夫さんのものです……。ぞ、存分になさってください」
「そうだろう?」
今度はお尻を掴まれて揉まれる。
「ひんっ、くうっ」
全力でアナルを締めつけている力が緩みそうになり、必死に力を入れた。
「んふううっ」
お尻から手が離れたかと思ったら、次いで、花芯に指を挿入された。
快感が一気に拡大する。
「あああっ」
すると、さらにクリトリスが優しく刺激される。
快感の槍が絹香の全身を貫く。
一方で、真夫が空いている手で乳首の重りを持ちあげてから、宙で離した。
「あううう──」
乳首に走った激痛に、絹香は高い声を放って、身体を捻らせた。
そのあいだも、真夫の指は膣をいじり、クリトリスを揺らしている
痛みと疼きが混ぜこぜになって、身体の芯を焼く。
「ああっ、いやああっ、だめえ──」
絶叫した。
アナルから新たな球体が滑り出てしまったのだ。
背をのけぞらせてお尻を締めたが、もう遅かった。
完全に数珠玉が一個外に出たと思う。
「また、勝手に外に出したね。十分追加だ」
「そ、そんな……。もうお許しを……」
「逆らうなら、十五分延長だ──」
「ああ、そんな……」
「嫌なら、二十分だね──」
「い、嫌じゃありません──。十五分でお願いします──」
「ははは、じゃあ、そうしよう。その代わりに、また玉が出たら時間追加だぞ」
「う、うう……。わかりました、真夫さん……」
絹香は絶望に陥りながら、アナルの筋肉を締めつけた。
だが、一方で宙吊りの身体のあちこちに激痛が走る。
どんどんと体力が抜けていき、力が入らなくなる。
絹香は、アナルに込める筋力がもはや限界に近付いていることを予感していた。
いや、そもそも、巨大な苦悶に意識まで遠くなりそうだ。
「くっ、うう……」
絶望感とともに、手枷を嵌められている両手で天井から伸びる鎖を握る。
だが、もうほとんど指にも力が入らない。
「耐えろ──。苦痛の向こうに快感が見えるまでな……」
真夫は絹香の汗びっしょりの全身に愛撫を続けている。
胸を揉んで重りを揺らして乳首に耐えられない激痛を与え、股間に指を挿入しては律動させ、クリトリスを撫でていじくり悶えるほどの快感を注ぎ込む。
快楽に混ぜられた苦痛は、強い快感に置き換わる。
しかも、それはどんどんと大きくなる。
痛みや辛さがおかしな感覚に変化していく。
一方で、絹香は必死にお尻を詰めつけている。ほぼ感覚が消えていく中で、ここだけは意識を集中させていた。
「ああっ」
また、次の球体が外に出そうだった。
絹香は何度も繰り返しているアナルの引き締めをやる。
だが、真夫はそれを狙うように、鼠径部から太腿の付け根をくすぐって、絹香から力を抜かせさせるような愛撫を加えてくる。
天井から脱力させている身体をぶら下げられながらも、刺激を受けるたびに身体を反応させてしまう。
しかし、その動きさえも、絹香から最後の力を抜き取っていく。
「うう、ああああっ──」
絹香は吠えるような大声をあげた。
限界が近いことを悟ったのだ。
ちょっとでも、力を加え直そうとして吠えたのだ。
そのときだった。
なにかがアナルの入口を撫でた。
「ひゃっ」
指ではない──。
もっと、繊細なものだ──。
「ひゃん──」
悲鳴をあげた。
まただ──。
しかも、離れていかない──。
執拗にアナルビーズの存在のために大きく開いているアナルの周りをくすぐられる。
はっとした。
筆だ──。
真夫はどうやら、小筆のようなもので絹香のアナルをくすぐっているのである。
渾身の力を込めているお尻の筋肉が一気に抜けていく……。
「うあああっ、やめてください──」
ちょっとでも筆のくすぐりから逃げようと、絹香は腰を突き出すようにして叫んでいた。