筆だ──。
絹香は宙吊りになっている自分の身体を小筆が這いまわり始めたことに気がついた。
しかも、全ての意識を集中させているアナルに対してである。
「ああっ、だめえっ、だめええ──。いやああ──」
絶叫した。
「なんだ、文句があるのか? 絹香の全存在は俺のものなんだろう? 俺のものを俺がなにをしようが勝手だと思うが、絹香はそれを否定するのか?」
真夫がくすくすと笑う。
そして、小筆が離れた。
「あっ、いえ……、申し訳ありません……」
「じゃあ、くすぐっていいんだな?」
「……は、はい……」
「ならば、口に出すんだ。アナルをくすぐってくれってね」
「ああ……、絹香のお尻をくすぐってください……」
「わかった」
再び、真夫の操る筆が絹香の尻たぶを這いまわりだす。
「ひいっ、ひんっ、ひいいい」
みるみると絹香のお尻の緊縮力が低下していく。
「あっ、あああ……」
次の玉が外に出ようとしているのがわかる。
背中をそらせながら、絹香はアナルに筋力を注ぎ直す。
「ほらほら、頑張らないと、球が外に出るぞ」
だが、お尻の表面を動き回る真夫の動かす小筆がそれを邪魔する。
懸命にお尻を閉じて、球を押し戻していく。
だが、絹香は気がついた。
アナルビーズを挿入するときに使って、絹香を苛む痒みの原因になっているローションがいまは溶けて出して、潤滑油となって球体に滑りをよくしている。
だから、球体を襲い戻すためには、最初に比べて、数倍の力が必要とするようだ。
「また、次の球体が外に出てきたな……。出れば、十分間追加だ。そもそも絹香は俺の命令に逆らうのか?」
「い、いえ──」
真夫から叱りの言葉をかけられて、慌ててすべての余力をアナルに注ぐ。
じわじわと球体がお尻の中に戻っていく。
すると、真夫が飽きてくれたのか、やっと小筆が離れた。
それもあり、なんとか完全にお尻の中に押し戻せた。
絹香の中にやり遂げたという安堵の感情が拡がる。
すると、いきなり無防備な脇の下にお筆が襲い掛かった。
しかも、左右同時にだ──。
「いやああ、んふうう、やめてええ──」
絹香が身体を捻り足をばたつかせてしまった。
つるんと球体がアナルの外に出てしまった。
「また出たね」
「ああ……」
絹香は吊られたままの裸身を揺すり、歯を喰いしばって最後の力をお尻に注ぐ。
だが、もう力が入らない……。
「ひあああっ」
また、アナルの入口を小筆でくすぐられた。
左右から二本でだ──。
呆気なく、次の球体が外に出てしまう。
「また出たな。さっきのと合わせて、二十分延長だ。いいね──」
「は、はい……、真夫様……」
絹香は朦朧しながら言った。
しかし、ついに、全身の力は抜け切り、絹香はがくりと首を垂らしてしまった。
意識が急速になくなっていくのを感じた。
はっとして、絹香は顔を持ちあげる。
どうやら、意識が飛んでしまっていたようだ。
どのくらいの時間なのかはわからない。
だが、そこにあるのは苛酷な現実であることには変わりない。
いまだに身体は両腕で宙吊りにされており、痺れきって一切の力は入らない。目隠しもされているので、真夫の存在もわからない。
「ま、真夫さん……?」
声をあげた。
すると、モーター音がして身体がさがりだした。
足の裏が床に着く。
「あんっ」
しかし、支えられなくて、身体を崩してしまう。
鎖はゆっくりと降下し、やがて、絹香の両膝が床に着いた状態でとまった。
とてもじゃないが、絹香の身体は両手を吊られている状態でなければ、身体を支えられなくなっていたのだ。
さらに鎖は下がって、上半身が横に近い格好になったときにやっと再び静止した。
身体は疲れ切っている。
絹香は膝をついて身体を前に倒し、吊る挙げられている両手に体重を預けるようにして身体を支えている恰好だ。
「気絶するまでよく頑張ったな」
真夫の声がお尻側から聞こえた。
すると、いきなりアナルビーズが真下に向かって、一気に引っ張られた。
「はあああっ」
絹香は目隠しをされている顔を上にあげて、悲鳴のような嬌声をあげてしまった。
身体の内側を抉られるような、それでいて、あまりにも鮮やかすぎる快感だった。
しかも、その快感が消えていかない。
学園の図書館でアナルビーズを挿入されて以来、ずっと存在し続いていた快楽の疼きがずっとそのままで居残っている。
淫具がなくなったはずのアナルだったが、まるでまだ苛まれているように燃えるような強烈な疼きのうねりはそのままだった。
「やはり、絹香はアナル奴隷に決まりだな。アナルの感度が抜群だ。だから、ついつい苛めたくなる」
尻たぶに真夫の両手がかかり、左右に押し広げられる。
そして、真夫の怒張が絹香のアナルにあてがわれたを感じた。
「あっ、いやっ」
「じっとしてろ──。ゆっくりと息を吐け──」
「は、はい──」
慌てて、言われた通りに息を吐いていく。
すると、ゆっくりとアナルの中に真夫の男根が侵入してきた。
潤滑油のようなものを改めて塗っているのだろう。
それを利用して、ずずずと滑るように入ってくる。
さっきまで異物の入っていた絹香のアナルは、しっかりとそれを受け入れている。
「ああっ、あぐっ、ああああ……」
絹香は声をあげていた。
激痛の苦痛はある。
しかし、それと同時に、なんとも言えないむず痒いような感覚も襲ってくる。
ぐいぐいと腸が押し広げられて、途轍もない圧迫感を感じる。
ついに、真夫の肉棒を根元まで受け入れたと思った。
すると、抉られた肛門を逆に抜かれていく。
それが繰り返す。
「あっ、ああっ、ああ……」
律動が繰り返される。
痛みはだんだんとなくなり、快感の方が強くなっていく。
怒張が侵入してくると、腸の粘膜が強く擦られて圧迫感の苦悶が訪れる。抜かれるときには明らかに気持ちいい。
排便のときの解放感に似ている。
「あんっ、あっ、くう……」
苦痛と快感が交互に繰り返し、絹香は錯乱してきた。
「気持ちのいい場所がわかってきたぞ。ここだね」
すると、真夫の怒張に侵入の角度が変わった。
膣に近い一点が強く亀頭で擦られたのがわかった。
「ひあああっ」
すると、背骨が砕けたのかと思うほどの衝撃が駆け抜け、絹香は全身をがくがくと震わせて背中をのけ反らせてしまった。
「ひあああっ、ひああっ、あああ──」
なにも考えられない。
激しい痺れのような衝撃が続く。
想像もできなかった感覚に、絹香は悶え狂った。
そして、奥まで挿し込まれる。
すぐに、さっきの快感の場所を擦られながら、怒張が引き抜かれていく。
全身が砕けるほどの気持ちよさが襲い、思考が奪われる。
「ああっ、あっ、ああっ、おおっ、んああっ、ああっ」
なにも考えられなくなり、絹香は沸きあがる快感に身を任せて悶える。
「はじめてのアナルセックスでそれだけ感じることができればすごいぞ。し、締めつけも凄いな……」
律動を続けている真夫もまた、吐息のような息をしながら愉しそうに言った。
気持ちよさそうな声だ。
それだけで、絹香も嬉しくなる。
そして、律動が繰り返す。
沸きあがる痺れのまま快感をむさぼる。
気がつくと、絹香からお尻を突き出して、腰をうねらせ、真夫の男根を必死に締めあげていた。
「あああ、だめええ──」
津波のような官能の大波が襲い掛かる。
衝撃が込みあがり、一気に脳天と足先に抜けていく。
「ああああ、いぐうう──」
絹香はついにがくがくと身体を痙攣させながら絶頂した。
「だ、出すぞ……」
真夫もまた精を放ったのがわかった。
「あっ、ああ……」
熱い柄精がアナルの奥底に注がれるのを感じながら、再び意識が消えていくのを感じた。
「最初のアナルセックスで気絶するほどの快感に浸るなんて、できすぎだろう……」
真夫が揶揄うような声を聞きながら、絹香は完全に無意識の中に引き込まれてしまった。
気怠さとともに、意識を戻した。
しかし、怠さだけではなく、同時に快感の余韻のようなものにも浸っている。
薄っすらと視界がはっきりする。
どうやら、目隠しはないようだ。
乳首の激痛は消滅していた。
まだひりひりとした鈍痛は残っているものの、あのクリップは外されていた。それについてはほっとした。
「やっと目を覚ましたか? アナルセックスで絶頂して気絶するとは、本当に絹香はアナル奴婢の才能があるな」
真夫だ。
それでわかったが、絹香はどうやら、真夫に横抱きにされているようだ。
「ま、真夫さん……。あれ?」
身体を動かそうとして、絹香はいつの間にか、今度は縄掛けをされていることに気がついた。
上半身を後手縛りにしっかりと緊縛されている。
また、真夫は下着だけを身に着けた半裸だ。絹香はその真夫の膝に横抱きにされているのである。
「よく頑張ったな。俺の精を注がれたから、もう痒みはないだろう?」
「は、はい……。でも、まだ違和感は……」
アナルを犯された疼きはまだ残っていた。
官能は、まるでとろ火にかけられているように、いまだに絹香の身体の芯でくすぶっている。
絹香は、ふつふつと沸く妖しい痺れに包まれたままだ。
「真面目な優等生で知られている生徒会長様も、アナルでよがる淫乱マゾ奴隷だな」
「は、はい……、絹香は真夫さんのマゾ奴隷です……」
屈辱も羞恥も、そして、アナルで快感を覚えることも、結局のところ絹香にとっては我を忘れるような欲情に繋がった気がする。
だんだんと淫らで、恥ずかしいことや屈辱的なこと、そして、痛みさえも快感を覚える女に変えられていく……。
そんな感じがする。
そして、それは、絹香にとって、好ましいと思うような変化には違いなかった。
「さて、休んだな。じゃあ、第二限目だ──。まだまだ休めないぞ。ひかりちゃんたちは、もう少し遅れるらしいから、またたっぷりと頑張ってもらおうか」
真夫が絹香を膝の上からおろして立たせた。
絹香は愕然とした。
「えっ、そんな……」
「そんなじゃないだろう。本来は三十分以上の宙吊りが残ってたんだ。それを勘弁してやったんだから、それに代わる罰は受けないとな。いずれにしても、体力作りだ」
真夫は棚から枯れた草を丸めたようなものを編んでゴルフボールくらいの球体にしたものを一個持ってきた。
それを絹香の股間にあてがうと、無理矢理に押し込んでくる。
さらに、その上から真っ赤なふんどしをされて、股間を締めあげられる。
「ああっ、あんっ」
ふんどしの布の喰い込みで、思わず恥ずかしい声をあげてしまった。
しかも、ふんどしが喰い込んだ股間は、さっそく妖しい疼くを発生させ、ぞわぞれとした甘い痺れのようなものを絹香に与えてくる。
「こっちのエアロバイクが次の調教の課題だ」
真夫は部屋の一角にある自転車漕ぎのトレーニングマシーンに絹香を座らせる。
勝手におりることができないように、脚や腿に革ベルトをかけられる。
そして、横にトレイに乗せた機械を運んでくると、まずはエアロバイクにコードを繋ぎ、さらに機械からそ伸びた電極のようなものを絹香の両乳首に繋げてしまった。
「えっ、えっ……?」
いきなりのことでなにがなんだかわからない。
「つまりは、電撃付き自転車漕ぎだ。速度が十キロ以下になると、自動的に乳首から電撃が流れるようにセットするぞ。十秒後に開始だ」
真夫が笑って、トレーニング機器の横の機械になにかを入力してスイッチを押す。
一瞬、呆然としていたが、すぐに言われたことの意味がわかり、絹香は悲鳴をあげて、慌てて自転車のペダルを全力で回し始める。
すでに疲労困憊だが、絹香は電撃の恐怖をばねにして必死に脚を気力と体力を注ぎ込む。
あっという間に、全身が真っ赤に染まり、滝のような汗が流れ出した。
まだまだ、真夫の絹香へのマゾ調教は続くようだ……。