※この作品はR-18です。

淫魔王のいる学園【完結】   作:ドン・ドナシアン

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132話 ロックオン2

 日付が改まる刻限の深夜、真夫は学園内にある教職員用の宿舎に来ていた。

 同行するのは、時子婆ちゃんとあすか姉ちゃんとかおりちゃんであり、合わせて四人だ。

 時間も時間なので、最初は真夫と時子婆ちゃんだけで仕掛けるつもりだったが、ひとりで行かせるわけにはいかないと、あさひ姉ちゃんとかおりちゃんが強引についてきたのである。

 目当ての部屋の前に到着すると、真夫は玲子さんから事前に預かっていたマスターキーのカードを扉のセンサーに当てた。

 音もなく、扉のロックが解除されるのがわかった。

 

 室内に入っていく。

 部屋は電気がついたままだった。

 女性教師の伊達(だて)京子は、リビングの椅子の背もたれに身体を預ける体勢で寝息を立てている。ジャージの上下姿だ。

 彼女の前にはテーブルに乗ったノートパソコンと、体育課目の教科書などが置いてあり、多分、授業の準備をしていたのだろうと思う。

 パソコンの横には、キャップを開けたままのペットボトルの入りのミネラルウォーターもある。

 

「相変わらず、スタイルのいい女ね。さすが体育教師。口惜しいけど、プロポーションじゃあ、かなわないわね」

 

 かおりちゃんが京子先生に近づいて言った。

 

「しっ──。静かにしないと起きちゃんわよ、かおりちゃん」

 

 あさひ姉ちゃんがたしなめる。

 すると、真夫の横にいる時子婆ちゃんが笑い声をあげた。

 

「心配せんでいい。玲子の仕事なんだろう? 部屋に睡眠ガスを流したうえに、このペットボトルにも睡眠薬を入れたはずだよ。朝まで、なにをやっても起きやせんよ。万が一、起きるようなことがあれば、玲子にはお仕置きをしないとねえ」

 

「時子婆ちゃん、玲子さんのお仕置きは俺の役目だよ。ほかの人にはさせないし」

 

 真夫は口を挟んだ。

 また、京子先生が完全に眠っていることは、隠しカメラで確認済みだ。眠ったのはもっと前だが、睡眠ガスが空調で抜けるのを待っていたから、この時間になったのだ。

 

「そうだったのう。すまんすまん」

 

 時子婆ちゃんがにこにこしながら、真夫に白い歯を見せる。

 

「さて、じゃあ、すぐに仕事にかかるかのう? それとも、折角だから、真夫坊が味見をするかい?」

 

「いや、いずれはそうするけど、今夜は仕掛けるするだけにするよ。眠っている先生を犯しても面白くはないしね。それにしても、時子婆ちゃんが、(はり)師ができるなんて知らなかったよ。こういうことができる人がいないかって、玲子さんに相談しただけなんだけどね」

 

 真夫は時子婆ちゃんに視線を向ける。

 

「少しでも龍蔵を助けることができればと、学んだ技さ。とはいっても、あの龍蔵だから、自分の身体の健康のことよりも、女を調教する闇鍼ばかりをさせられたけどねえ。おかげで、いつの間にか、表の鍼よりも、闇鍼ばかりに精通しちまったということさ」

 

「闇鍼って、なんですか?」

 

 かおりちゃんだ。

 

「鍼というのは、本来は治療であり、健康のためのものさ。およそ、数百あるツボを刺激し、免疫力を高めて、病気の予防をする……。だが、人の身体にあるツボには使ってはいけないツボもある……。例えば、お嬢ちゃんのここを鍼で刺せば、数秒で死んでしまう。まあ、そういう使ってならない隠されているツボを扱うのが闇鍼だね」

 

 時子婆ちゃんがかおりちゃんの首の横に手を伸ばして、とんと指で突く。

 

「ひゃん──。こ、怖いこと言わないでください──」

 

 かおりちゃんが顔を蒼くして、時子婆ちゃんから跳びのいた。

 時子婆ちゃんが声をあげて笑う。

 

「こらっ、かおりちゃん──。大きな声を出さないの──」

 

 あさひ姉ちゃんが叱咤した。

 

「い、いまのは、わたしのせいじゃないわよ。この時子さんのせいよ──」

 

 かおりちゃんが頬を膨らませた。

 

「まあまあ……。じゃあ、時子婆ちゃん、お願いしていい?」

 

 真夫は、椅子の手摺りに身体を預ける体勢の京子先生の体勢を背もたれに対して仰向けになるような形に変える。

 次いで、ジャージを下までおろす。

 Tシャツに包まれた胸の膨らみが露わになった。さらに、Tシャツをめくり、スポーツブラもずらして、乳房を露出させる。

 

「おうおう、しっかりと鍛えられている身体だのう。真夫坊の奴婢に相応しそうだし」

 

 時子婆ちゃんが京子先生の肩やお腹を撫でまわしながら言った。

 

「でも、大きい……。綺麗な人だし、エッチな真夫ちゃんの奴婢に相応しいね」

 

「確かに口惜しいけど、大きな乳ねえ……。乳首も小さいし……。あんた、こんなのが好き?」

 

 あさひ姉ちゃんとかおりちゃんだ。

 

「まあ、嫌いじゃないけど、どんなおっぱいも好きだよ。あさひ姉ちゃんとかおりちゃんのもね」

 

 真夫はふたりに近づいて、後ろから腰を抱く。

 

「へえ、じゃあ、いま玲子が捕獲の罠を仕掛けている、あのぺったんこのロリータも?」

 

 かおりちゃんが真夫を見上げるように視線を向けた。

 

「ロリータ?」

 

 テーブルの上に鍼を並べて準備していた時子婆ちゃんが顔を向ける。

 

「いま、こっちと並行的に玲子さんに捕獲を頼んでいる一年生のことだよ。学園の秘密のデータが不正アクセスされたことは玲子さんから聞いた?」

 

「ああ、調査中ということだったねえ……。詳細は後日、報告をあげると言っておったね」

 

「確定じゃないけど、その一年生の女子のやったことみたいなんだ……。立花柚子ちゃん──。随分と頭のいい子らしいよ。ハッカーみたいなこともできるようでね。ほかにも、密かにかなりの能力があるっぽい」

 

「ほう?」

 

「不正アクセスについては、いまのところ、玲子さんが調べた範囲では大きな問題はないみたい。その柚子ちゃんの単独犯みたいで……」

 

「そんな年端もいかない娘がかい? それが本当なら、大した人材じゃないかい。豊藤のセキュリティは、超一流の技術者が作ってるんだよ」

 

「奴婢としてじゃなくても、欲しい人材だよね。八人目の奴婢として十人資格があると思うんだけど。龍蔵さんは認めてくれるかな?」

 

「認めざるを得ないだろうねえ。そんな能力を持った娘ならね」

 

「だけど、変態よ……。自分を真夫の性奴隷にしろって、こっちを脅迫してきたんですから」

 

 かおりちゃんが横から口を挟んだ。

 

「自分から脅迫? そりゃまた、確かに変わってるねえ」

 

 時子婆ちゃんが目を丸くした。

 

「うん。だから、少なくとも明日一日は、そっちで遊ぼうと思って……。目の前の先生は、その後かな。ただ、仕込みまではやっておきたくて」

 

「なるほど……。じゃあ、始めようかねえ……」

 

 時子婆ちゃんが並べた鍼を手に取って、片側の乳房の乳輪あたりに鍼を突き刺した。

 さらに首と胸の真ん中あたりにも一箇所──。

 反対側の乳房の乳輪にも刺し、次々に胸を中心とした場所に、鍼を刺していく。

 全部で十数本は差し込まれた。

 

「次はこっちだね……。下半身のジャージをさげてくれるかい。膝まででいいから……」

 

 時子婆ちゃんの指示に従い、三人で眠っている京子さんの腰を持ってジャージをさげる。

 真っ白い無地の下着とともに、むっとするような女の匂いが嗅覚を刺激した。

 

「すっごい、びしょびしょ……」

 

「ほんと……」

 

 かおりちゃんとあさひ姉ちゃんが呟くように言った。

 真夫も同じように思った。

 京子先生の下着は、まるでおしっこを漏らしたかのように濡れて、股間部分に大きな分泌液の丸い染みを作っていた。

 京子先生の薄目の陰毛もはっきりと透けている。

 

「……そういえば、玲子が夕食にたっぷりと媚薬を混ぜたのに、自慰さえしないって驚いてたわねえ……」

 

「でも、夜の九時くらいに、学園内を走りに行ったそうだから、効いてないわけじゃなかったのね。運動で発散してたんだ」

 

 かおりちゃんとあさひ姉ちゃんだ。

 

「かなり我慢強いようだねえ。まあ、真夫坊なら簡単に堕とすだろうけどね」

 

 時子婆ちゃんが梁を内腿に刺していく。

 

「それにしても、この女も不幸ね。わざわざ、SS研の活動が怪しいって、よりにもよって、玲子のところに相談に行くなんて……。それこそ、雉も鳴かずば撃たれまいにってね……。ところで、あんた──」

 

 かおりちゃんが真夫を見る。

 

「んっ?」

 

「念のために訊ねるけど、のこのこと自分から飛び込んできたあのロリ一年生とは違って、こいつは無理矢理に奴婢にするのよね。良心の呵責なんてないでしょうねえ? あるんなら、いまのうちに言いなさい。そんなのどっかに捨ててしまえって、蹴とばしてやるから」

 

 かおりちゃんが言った。

 

「後悔も、後ろめたさもないよ。みんなを奴婢にした以上、俺はそれを守る責任があると思う。そのためなら、悪にでもなるさ」

 

「悪なんかじゃないよ、真夫ちゃん。最初は抵抗するかもしれないけど、この先生も、最終的には真夫ちゃんに性奴隷にされて悦ぶに決まってるんだから。大丈夫よ──」

 

 あさひ姉ちゃんが陽気な声をあげた。

 

「さて、じゃあ、終わったよ」

 

 時子婆ちゃんが突き立てていた鍼を抜いていく。

 全部の鍼が抜かれてから、真夫たちは京子先生の服装を整えて、ジャージもすべて元に戻す。

 

「ふふ、真夫坊の注文通りにやったよ……。これでこの子の乳房は陰部と同じ感覚になって、乳首はクリトリスと全く同じ感度になったさ。胸を刺激されれば、股間を刺激されたのと同じことになったということさ」

 

 時子婆ちゃんが抜いた鍼を収納袋に戻して言った。

 

「そんなことできるんですね?」

 

「まあ、実際にそうなるわけじゃないけど、脳がそう認識してしまうということさ。あたしが鍼を打ち直すまで、元に戻ることはないね」

 

 時子婆ちゃんが質問をしてきたかおりちゃんに応じた。

 

「可哀想ねえ」

 

 かおりちゃんがくすくすと笑う。

 

「問題ないわよ。多分、この先生は真夫ちゃんの責めが好きになるわ。だって、かなりエッチだと思うもの」

 

 すると、あさひ姉ちゃんが断言するような口調で口を挟んだ。

 

「エッチって、なんでよ。玲子に媚薬を飲まされたのに、オナニーもしないような女なのよ」

 

 かおりちゃんがあさひ姉ちゃんに向かって苦笑するような顔を向ける。

 

「あたしにはわかるわ。彼女は真夫ちゃんが好きになって、淫乱になってしまう。真夫ちゃんだもの。どんな女でも、真夫ちゃんにはかなわないのよ」

 

「あんたは、真夫を贔屓(ひいき)しすぎよ」

 

「贔屓じゃないわ。真実よ」

 

「それが贔屓っていうのよ──」

 

 かおりちゃんが呆れるような顔になった。

 

「さて、じゃあ、戻ろうか……。時子婆ちゃんもありがとう。送っていくよ」

 

 部屋を出ていきながら真夫は時子婆ちゃんに声を掛けた。

 だが、時子婆ちゃんが手を軽く振る。

 

「問題ないよ。無人車を呼ぶからね。真夫坊たちは、これから、さっき口にしていた子の仕込みがあるんだろう? そっちに行きな。そして、玲子によろしく伝えといておくれ。セキュリティが破られた件については、早めに資料を回せってね。どっちにしても、セキュリティが突破された事実には変わりないんだし」

 

「うん、わかった」

 

 真夫は頷いた。

 廊下に出る。

 自動的にロックがかかる。

 

「……ところで、真夫坊……。なにかあったら、必ず知らせておくれ。例えば、龍蔵におかしなちょっかいを掛けられたりね……。釘を刺しているから思うけど、あいつの女好きは病気だし……。真夫坊がなかなかの奴婢を集め出したから、もしかしたら、手を出す可能性もあるよ。そんな風になっても、あたしがいれば大丈夫だけど、変に遠慮はいいからね」

 

 廊下を進みながら、時子婆ちゃんが真夫に横に移動して小さな声で言った。あさひ姉ちゃんとかおりちゃんは少し前だが、そのふたりには届かないくらいに声量だ。

 

「ええ? 龍蔵さんが?」

 

 真夫は驚いた。

 あの龍蔵が真夫の女に手を出す?

 まさか……。

 

「万が一さ。奴婢は道具……。そんな思想に洗脳されているからね。しきたりのこともあるし……」

 

「しきたり?」

 

「あっ、いや、大丈夫だよ。いまさら、昔の慣習を持ち出さないことは説得してるから。だけど、あれはどうしようもない女好きだしねえ……。それだけは頭に置いといておくれ……。いや、余計なことを言ったよ。いまのはなしだ。真夫坊は一日でも早く、十人の奴婢を集めることさ。これはお願さ。時間も限られているしねえ」

 

「時間が限られている? 龍蔵さんに申し渡された期限には、まだ数か月あるよ」

 

「だから、お願いさ……。理由は言えないけど、時間がないんだ。一日でも早く、正式の後継者の儀式を済ませたい……。まあ、気には留めといておくれ」

 

 時子婆ちゃんが言った。

 首を傾げつつも、真夫はとりあえず頷いた。

 そして、思い出したことがあって、歩きながら時子婆ちゃんに顔を向ける。

 

「そういえば、このあいだの時子婆ちゃんに来てもらった内輪のパーティのときに伝えそこなったけど、学年三位の成績のお祝いに、龍蔵さんからご褒美をもらったよ。二億円のプレペイドカードだけど……。でも、どうしていいかわかんなくて……」

 

「二億円のカード? 龍蔵がかい? まさか。あれがそんな父親らしいことをするものかい。なにかの間違いだろう、真夫坊?」

 

 時子婆ちゃんは怪訝な表情になる。

 真夫は首を横に振る。

 

「いや、本当に……。秀也君を通じて渡してきて……」

 

「秀也さんから──? ああ、そういうことかい──。あれも、照れくさいんだろうさ」

 

 すると、突然に時子婆ちゃんが爆笑した。

 真夫はびっくりした。

 

「えっ、えっ? なにがおかしいの、時子婆ちゃん?」

 

「いやいや、なんでもないさ。まあ、あいつらしいとも思ってね……。息子に贈り物なんてしたことがないから、困って金にしたんだろうけど、二億かい……。まあ、好きに使ってあげな。気にすることない」

 

「でも、二億って、どうやって使うんだよ。この前、サイクルトレーナを買ってみたけど、まだほとんど余っているし……」

 

「いいから、いいから……。金を使うのも勉強と思いなさい。じゃあ、ここでいいよ」

 

 教職員宿舎の玄関に着いた。

 時子婆ちゃんが懐からスマホを取り出して、学園内を走行している無人カ―を呼び出すための操作を始めた。

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