「うああっ、よ、四十……よんじゅう……」
絶叫の迸りに次いで口にしようとした鞭打ちの数は、数がわからなくなってしまって、喋ることができなかった。
数を間違えれば最初からやり直し……。
背中にどっと冷たい汗が流れたのがわかった。
「ま、待って、ください……。四十……に……、い、いえ、三……」
柚子は懸命に数を言い直そうとしたが、もはや、どうしても数を思い出すことができない。
また、吊られている鎖にしがみついているが、両脚は脱力して完全に腰は沈んでいる。
もうまったく力が入らない。
「立ちなさい──。とりあえず、最初からね。じゃあ、また、左脚から始めましょうか、梓」
「そうですね。金属クリップも付け直しましょう。今度こそ、クリトリスにも……。そうすれば気合も入ると思いますね」
前後に分かれて乗馬鞭で鞭打ちを続けている絹香と梓がくすくすと笑うのが聞こえた。
柚子はぼろぼろと涙をこぼした。
「も、もう許してください──。謝ります──。もう、鞭はいやああ──」
柚子は泣き叫んでしまった。
もう狂いそうだ。
全身の肌は灼けるように熱いし、身体はくたくただ。身体は芯から疲れ切っている。視界はうすぼんやりとしているし、頭も朦朧となっていた。
なによりも、凄まじいほどの尿意が襲っているのに、失禁もできなくて痛みさえ感じる。
絹香によれば、意識のない間に真夫が柚子に施した催眠術だというが、催眠術で尿道を封印することなどできるのだろうか。だが、現実にそうされている以上、真夫の催眠術とやらで身体まで操られているということを信じるしかない。
「ふふふ、ほら、気合入れるのよ。こんなものでは、SS研に喧嘩を打った報復は終わらないわよ」
すると、いつのまにか乗馬鞭から電気マッサージ器に持ち替えていた背中側の梓がスイッチを入れたマッサージ器のヘッド部分を股間に押しつけていた。
「ひあああっ、それもいやああ──」
激しく振動するヘッド部分を股間で受け留めさせられ、柚子は悲鳴をあげて身悶えする。
鞭打ちとともに、時折加えられる強制絶頂だ。
頭がおかしくなる。
「ああっ、だめえっ、それもいやですうう──」
後ろからだがクリトリスを潰すようにヘッドに捉われ、刺すような快感の衝撃が全身を突き抜けていく──。
「あぐううっ、いやああ──」
柚子は股間を前に突き出すようにして全身を痙攣させて果ててしまった。
電気マッサージ器による強制絶頂はすでに五回を数える。
敏感になりすぎた柚子の身体は、もはや簡単に絶頂をむさぼってしまう。
出る──。
絶頂を極めながら、柚子は緩んだ股間から失禁を覚悟した。
だが、出ない──。
猛烈な尿意はあるし、もはや我慢していない。
それなのに、排泄だけがなぜか堰き止められているのである。
その苦しさは言葉に尽くしがたい。
「ああっ、あぐうう──。もういやですうう──。許してください──。ゆるじでええ──」
柚子は泣きながら絶頂して叫んだ。
顔からは涙だけでなく、湯誰も鼻水も垂れ流れて、おそらく、とんでもなくみっともない顔になっていると思うが、いまの柚子にはそれを斟酌することもできなかった。
「許して欲しければ、自分が淫乱豚だと言いなさい。お前は豚よ」
梓が電気マッサージ器を操りながらくすくすと笑う。
やっと股間から離れてくれたが、身体からは離れずに、乳頭や乳房の周り、脇の下や脇腹、さらに膝裏などを次々に刺激してくる。
「ああん、ひああ、ぶ、豚です──。あ、あたしは豚です──、お許しを──」
「ふん──、豚なら、豚の声をあげながらいきなさい。そしらら、許してあげるわ」
マッサージ器が再び股間に戻る。
今度は潰すような刺激ではなく、クリトリスを触れるか触れないかの距離を保っている、背中を電流のようなものが駆け抜けていく。
快感の槍が一気に身体を突き抜た。
「ああっ、いぐう、ぶううっ、ぶううっ、いぐうっ、ああっ、それ、だめええ、ぶうう──」
もう恥も外聞もない。
この苦悶から逃れられるためなら何でもすると思った、
がくがくと身体がふるえながら、大きく反り返る。
そして、それが全身に拡がり、必死に豚の鳴き真似をしながら、またもや絶頂を極めてた。
「まあ、傑作──。本当に豚の声を出しながら絶頂するなんて──」
梓のけらけらという笑い声が響く。
本当に心からの嗜虐癖な度だと思った。
なんて、いやな女……。
柚子は連続絶頂による息切れを懸命に整えながら歯噛みした。
すると、急に梓が電気マッサージ器のスイッチを切断して、柚子の後ろから前に回って、絹香の横に移動した。
横でおろおろと見守る感じだった双子の梓も絹香の横に立つ。
柚子は訝しんで彼女たちを見た。
だが、柚子は絹香たちが柚子ではなく、柚子の後ろに視線を向けていることに気がついた。
誰か来たのか──?
柚子は振り返ろうとした。
だが、突然にがらがらと音がして、上に吊られていた両腕の鎖が緩んだ。
身体の支えを失い、柚子はそのまま跪いてしまった。
両腕の鎖はしゃがみ込んだ柚子の頭の少し上で留まる。
すると、いきなり背後から尻たぶをわし掴みをされた。
「ひゃん」
柚子は思わず悲鳴をあげてしまった。
「梓に苛められたか?」
声は男の声だ。
後ろから柚子のお尻を掴んだ彼が愉しそうな口調で柚子に声をかけた。
「えっ、あっ、いやあっ」
柚子は狼狽した。
その背後の男がさらに手を伸ばして、柚子の肛門に触れてきたのだ。
しかも、指先で円を描くように、ゆっくりと揉み解してくる。
「や、やあっ、そ、そんなところ、いやあ──」
「嫌だと言ってもねえ……。その嫌なことをされるのがSS研だ……。逆らいたいのに、逆らうことを許されずに、嫌なことをされ、やらされる……。そうされたかったんだろう?」
肛門を揉み解される。
必死にすぼめようとするが、指になにかを塗っているらしく、指はその潤滑を利用して、だんだんと柚子の肛門の中に少しずつ潜ってくる。
だが、それが気持ちいのだ。
排泄の場所をいじられておぞましいはずなのに、逆に快感を覚える。
柚子は狼狽した。
「真夫様、しっかりと躾けましたわ。まだまだですけど」
梓だ。
「そうだね、だけど、時間切れだ。このクラスのほかの生徒もそろそろ登校するだろう。罰の続きは授業の後かな。とりあえず、SS研の洗礼を味わってもらおう」
やってきたのは真夫だった。
そして、目の前の三人は、完全にその真夫にかしずくような表情だ。
柚子はいまこそ、やはり、この真夫がSS研の支配者であることを悟った。
「どら、柚子へのお仕置きはひかりちゃんからもあるだろうけど、とりあえずのお仕置きはこのアナルだ。指を入れるぞ」
真夫が指先に力をいれ、じわじわと指を縫うように柚子の肛門を貫いてきた。
柚子は悲鳴をあげた。