一時間目の授業が始まってしばらく経つと、柚子は異様なアナルの疼きと、なによりも破裂寸前の尿意にすっかりと追い詰められていた。
絹香や真夫たちが立ち去ってから、これまでの時間をどうやって耐えてきたのかも朦朧としてよく覚えていない。
とにかく、真夫にかけられたらしい「暗示」は本物だった。
柚子がなんとかして、教室から逃亡としようとしても、柚子の意思に反して柚子の身体は。柚子が教室の外に出ることを許してくれなかった。
逃げようと考えるだけで、身体が金縛りのようになり動かなくなるのだ。
そうこうしているうちに、だんだんと教室に生徒が集まってきて、やがて、ホームルームが始まってしまった。
それについてはなんとか懸命にやりすごしたのだが、いまは一時間目の授業が始まったところである。
授業開始してからまだ十分間余りではあるが、柚子には途方もない長い時間のような感覚だった。
そして、いつ終わることが許されるのかわからないこの苦行の残り時間のことを思うと、泣き出したくなる。
柚子はもうどうしていいのか完全にわからなくなっていた。
許されるのは、ただただ耐えることだけだ。
怪しげな「暗示」により教室の外に出られなくなってしまった柚子は、激しい尿意と真夫に塗布された媚薬クリームの痒みに耐えて、自分の席で大人しくしている以外の方法を探すことはできなかった。
明らかにおかしい柚子の様子に、さすがに、クラスメートの女生徒たちが何度も声をかけてくれたが、それにどう応じたかも覚えていない。
特に、隣の席の田中麻美は、陸上部の朝練を終えて教室に入ってくると、柚子の異常な様子に幾度も心配そうに声をかけてくれた。
しかし、柚子はその麻美の言葉にも、ろくに応じることもできなかった。
とにかく、必死に時間が過ぎるのを待つことしかないのだ……。
でも……。
教室の前側で授業をしている男性教師がなにかを喋っている。
しかし、なにひとつ頭に張らない……。
痒い……。痒い──。もうだめ……。
おしっこも漏れそうだけど、お尻が痒いいい──。
真夫が最後にアナルに塗り去ったアナルへの媚薬についても、いよいよ抜き差しならないものになってきていた。
ただ、いまはすでに授業中だ。
スカートの中に手を入れて、喰い込まされている貞操帯を手で揺すって刺激を作るわけもいかず、柚子にできるのは、挿入されているアナルディルドを懸命に締めつけて少しでも痒みを癒すことと、椅子の上でお尻を座椅子に押しつけて腰を動かして揺することくらいだった。
だが、そんなものでは痒みを癒す刺激にはほど遠く、柚子は俯いたままぼうっと視線を彷徨わせ、だんだんと息が荒がるのを防ぐことができなかった。
そして、アナルの痒みに増して、尿意も柚子を追い詰めている。
とてもじゃないが我慢できるとも思えなかった。
アナルの痒みもそうなのだが、利尿剤を飲まされて激しい尿意を覚えてからかなりの時間が経っている。いまだに放尿をしないで済んでいるのが奇跡のようなものだ。それでも大勢のクラスメートのいる教室の中で失禁しないためには、歯を喰いしばって我慢するしかない。
いつワイヤレスイヤホンを通じて、暗示を解いてくれるかわからないが、メトロノーム音とともに暗示を解く声を流してもらえることを必死に待つことしか、柚子には許されていないのだ。
だが、ホームルームが終わり、一時間目の現国の授業が始まると、柚子はもはや尿意をこれ以上耐えることは不可能だということを悟るしかなかった。いよいよ、耐えられる限界を越えてしまっている。
もうほんのちょっとも我慢できない。
柚子は席に座って、スカートの上から両手で強く股間を押さえたまま、俯いた顔からおびただしい脂汗を机の上に垂らし続けている。
だから、横の席にいる麻美が小さな声で柚子を呼び掛けていることに気づくことができなかった。
「どうした、立花?」
柚子の様子がおかしいことに、柚子に声をかける隣席の麻美の声で気がついたみたいだ。
教壇側から中年の男性教師が柚子に声を掛けてきた。
柚子ははっとして顔をあげた。
「あっ、い、いえ……、な、なんでも……」
どうすればいいのかわからなかった。
柚子はとにかく、首を横に振って平静を装おうとした。
しかし、そんな小さな仕草さえも、耐えに耐えている尿道の崩壊に通じそうだった。
それに、柚子を追い詰めているのは尿意だけではない。
ずきんずきんと抉るようなアナルの痒みもまた、柚子を追い詰めている。それを我慢するために、股間を押さえる両手の爪を立てて、スカート越しに太腿に喰い込ませているのであるが、男性教師の呼び掛けで教室全員の視線が集まったことで、羞恥でかっと身体を熱くさせてしまった。
いずれにしても、いてもたってもいられない程のアナルの痒みである。
柚子を追い詰める苦悶が尿意とともに複数であることは、ある意味痒みだけに意識を集中しないですむことに通じているかもしれないけれど、もはやこっちも耐えられる限界を突破している。
もしも許されるなら、アナルに刺さったまま動かない細いディルドを貞操帯ごと激しく揺らして、痒みを癒したかった。
授業中であることを忘れて、腰を揺らしてディルドがアナルの中で動く快感を味わいたい。
その結果、柚子は成績優秀な優等生の立場を失うかもしれないけど、この痒みから救われるのであれば、それでもいいかとさえ思ってきている。
「……ねえ、ねえ……、柚子ちゃん、凄い汗よ。保健室に行こう……。先生、あたし、柚子ちゃんを連れて行きます──」
隣の席の麻美が柚子の腕を抱えるように、両手で柚子の腕をとった。
余程に柚子の様子が尋常ではなかったのだろう。
麻美が身を乗り出すようにして、柚子の顔を覗き込んでいる。
そして、ぐいと腕を引っ張られて、麻美に体重を預けるように腰をあげさせられた。
そのときだった……。
ずっとアナルの中で存在を主張していたアナルの中のディルドが突然に動きだしたのだ。
「ひあああ──」
なにが起きたかわからないまま、柚子は麻美の腕を振りほどいて、その場にしゃがみ込んでいた。
ディルドは細いが、柚子は痒さのあまり、それを力いっぱいにお尻の中で締めつけていた。その状態でディルドが振動をしたものだから、振動で激しく刺激を受けるかたちになってしまい、痒みにただれたようなアナルの中の粘膜を擦られる心地よさに、柚子は思わず腰が抜けてしまったのである。
「ああ、だめえ──」
そして、柚子はお尻を床につけたまま泣き声をあげてしまった。
一瞬、ディルドの振動に完全に気を取られてしまい、ついに必死に締めていた尿道口の力を抜いてしまったのだ。
気がついたときには、柚子は床に尻もちをついたまま、その場で放尿をしていた。
「きゃあああ──」
「うわっ」
「ゆっちゃん──」
「えええっ──?」
周りが騒然となった。
だが、一度始まった放尿は途中でとめることもできない。
耐え続けた分だけ、猛烈な勢いで柚子の股間は放尿をスカートの中で迸らせ続ける。あっという間にスカートの前部分がびしょびしょになり、腰の下の床にできたおしっこの水たまりがどんどんと拡大していく。
それでもまだ終わらない……。
気が遠くなるような羞恥に見舞われて、柚子はくらくらと眩暈さえ覚えた。
同時に、迸り続ける失禁に身を委ねることで、全てを失ったような途方もない安堵感にも見舞われた。
一方で、長々と続く柚子の教室の中での失禁に、教室内から次々に悲鳴が沸き起る。
でも、気持ちいい……。
なんという恍惚感……。
クラスメートのいる教室の中で失禁をさせられる痴態と絶望感のなんという心地よさ……。
「あっ、ああっ、ああっ」
そして、動き続けるアナルのディルドがき起こす大きな歓喜に、柚子は甘い声をあげて快感を駆けあがらせた。
もうどうなってもいい……。
柚子はぶるぶると身体を震わせている。
「なにをしていているの──?」
そのとき、教室の外の廊下側から鋭い叱咤のような声がかかった。
「あっ、理事長代理──」
男性教師の声が耳に入ってきた。
柚子はほとんど無意識で顔を向けていた。
廊下から入ってきたのは、膝上丈のスカートスーツ姿の美しい女性だった。直接に接するのは初めてだが、さすがに顔は知っている。
最近になり、理事長代理として学園に常駐するようになった工藤玲子という美女だ。
どうやら、たまたま各教室の廊下を歩いていて、この教室の騒ぎに接して入ってきたみたいだ。
また、気がつくと、やっと放尿も終わり、貞操帯に包まれているアナルディルドの振動も止まっていた。
しかし、振動がなくなれば、たちまちにアナルの痒みが蘇ってくる。
一度癒される快感を覚えてしまっただけに、それが消滅したときの焦燥感はすさまじい。
柚子は荒れ狂うような欲情に見舞われ、さっきまで耐えることができたことが信じられないくらいに、あっという間に追い詰められてしまった。
「なんの騒ぎかししら、先生?」
その工藤玲子が柚子がしゃがんでいる前に立ち、慌てて寄ってきた教師に事情を確認するように視線を向ける。
「いえ、それが……。どうも、この立花さんの具合が悪かったみたいで、それで倒れてしまって……」
男性教師が緊張した様子で説明をしている。
ただ、しどろもどろだ。
当然だろう。
この教師にもよくわかってないのだ。
「……いいわ。わたしが彼女を保健室に連れて行きましょう。清掃員はすぐに寄越します。先生は授業を続けてください」
理事長代理の彼女が柚子の腕をとって立ちあがらせる。
スカートもびしょびしょだし、柚子の失禁の痕が床に大きく拡がっている。
改めて、羞恥でかっと熱くなる。
そして、酔いのような不思議な心地よさも……。
「さあ、いらっしゃい、立花さん」
理事長代理の工藤玲子に腰を抱かれるようにして、廊下に向かう扉に押し促された。
柚子ははっとした。
いまだに柚子には、真夫の暗示がかかっている。
それを解いてもらわないと、教室の外にでることができないのだ。
「あっ、あの……」
扉に向かって歩かされながら、柚子は理事長代理の顔を見上げる。
説明不可能であるが、なんと言って教室から出られないことを納得させればいいのか…。
すると、突然に片耳にしているワイヤレスイヤホンから、カチカチというメトロノーム音が響きだす。
「……いいからいらっしゃい、柚子。今度はわたしの命令に従うのよ……。一緒に外に出なさい」
そして、工藤理事長代理が反対の耳に顔を使づけてささやく。
「えっ?」
柚子は唖然として、理事長代理の工藤玲子を見る。
金縛りになることなく、柚子の身体はそのまま教室の外の廊下に導かれた。
暗示が解かれた?
柚子は訝しんだ。
偶然?
それとも、偶然ではない……?
「ついていらっしゃい」
理事長代理が柚子から手を離す。
そして、スマホを出して、どこかに指示をしながら歩き始める。
柚子は考えることなしに、それを追っていた。
メトロノーム音とともにささやかれた「今度はわたしの命令に従え」という言葉が暗示として、柚子の身体に刻まれたみたいだ。
やはり、なにかの催眠術のようなものを掛けられている……。
メトロノーム音とともにかけられた「言葉」に、なぜか逆らえなくされているようだ。
でも、そんな催眠術が可能なのか……?
そして、ふたつほどの一年生の教室を通り過ぎて、理事長代理が一階と三階に繋がる階段に向かう曲がり角に曲がった。
この二階には一年生の一般教場が並んでいて、まだ一年生の教室は廊下沿いに続いているが、この階段から一階に降りたところに、保健室のひとつがある。
また、学園内には診療所もあり、それは学園寮が並ぶ区域に建てられてはいる。
ただ、柚子は別段、具合が悪くて倒れたわけではない。
どうやって誤魔化すか……。
「あ、あのう、理事長代理様……。ありがとうございます。でも、もう大丈夫です……。ひとりで寮で休みたいと思います……。ですから……」
「黙りなさい。わたしのことは玲子でいいわ。真夫様がペットとして、あなたをSS研に入れるそうね」
工藤理事長代理……、すなわち、玲子がぴしゃりと柚子の言葉を遮った。
いまなんと?
「えっ、どういうこと……?」
柚子は思わず呟いた。
もちろん、この学園に怪しい秘密があることは、おかしな記録映像が学園のホームシステム内にあったことで気がついてる。
理事長代理の工藤玲子も学園側の人間だ。
彼女にも、もしかしたら秘密があるのではないかとは、薄っすらと怪しんではいた。
だが、柚子が驚いたのは、理事長代理の彼女が、あの坂本真夫のことを“真夫様”と呼んだことだ。
「だったらペットとして扱うわ。ここからの移動は四つん這いで進みなさい。それと、その汚れたスカートはここで脱ぎなさい。真夫様のところまで連れて行きます」
玲子がなんでもない口調で言った。
しかし、柚子は耳を疑った。
ここから四つん這い──?
しかも、スカートを脱ぐ──?
果たして、どこまで移動させられるのかもわからないが、いまは授業中だ。この教場棟では大勢の生徒が教室で授業を受けているのである。
「命令に従いなさい、ペットの柚子」
玲子が手に持っているスマホを差し出して、柚子の顔に近づけた。
すると、そのスマホからカチカチというメトロノーム音がが流れ出した。
またしても、柚子は頭になにかの力が注がれるのがわかった。
暗示だ──。
そして、柚子の手は勝手にスカートのホックを外してしまう。
スカートがその場に落ちた。
「きゃああ」
柚子は貞操帯が喰い込んでいる股間を思わず両手で覆った。
だが、柚子の身体は勝手に動いて、その場で四つん這いの姿勢になる。
「あっ、そんな……」
柚子は狼狽した。
「ペットなんだから、膝は地面や床につけないのよ。ついてきて。まあ、ほかの生徒や先生の見つからないようにね」
玲子が柚子が脱いだスカートを掴んで階段を下り始める。
暗示のかかっている柚子の身体は、それを追いかけるように、階段をおり始める。柚子の意思とは関係なく……。
「ああ、ま、待って……。待ってください、玲子様。こ、こんなの……」
柚子は焦った。
授業中であるため、ほとんど廊下には人影がないとはいえ、スカート無しの貞操帯だけの下半身を露出して、四つん這いで学園内を歩くなど……。
それに、痒い……。
緊張感とともに、アナルの痒みが襲い掛かる。
柚子はいつしかかなり激しく腰を振ってしまっていた。
「あらあら、みっともないわね。もっと腰を大人しくできないの?」
「で、でも我慢できなくて……」
柚子は痒みの苦悶で泣き声のような声をあげてしまった。
しかし、玲子の歩みはとまらない。
そして、踊り場にあるごみ箱の中に、柚子のおしっこがまみれたスカートを無造作に捨てて、さらに進み続ける。
柚子の身体もまた、進み続ける。
四つん這いで痒みにただれている腰を振りながら……。
下半身を露出している姿のままで……。
柚子はあまりの羞恥に気が遠くなる心地さえした……。
「……理事長代理と柚子……?」
麻美は白いお尻を振りながら、四つん這いで階段を下りていく柚子と、その前を平然として進む理事長代理の工藤玲子の姿に愕然としてしまった。
目の前で起きたことが信じられない。
授業していた男性教師の許可をもぎとり、具体が悪そうだった柚子を追ってきたのだが、そこで見たのは、理事長代理の工藤玲子女史が、柚子を破廉恥にいたぶり、淫らな恰好を強要している光景だった。
麻美は、少し離れた場所から物陰に隠れて、それを見守りながら、それでも咄嗟に思い出して、証拠として自分のスマホにその映像を記録した。
やがて、ふたりはそのまま階下に降りて見えなくなった。
麻美は、それ以上追いかける気にはなれなかった。
目の前で起きたことの異常さに、頭も身体もついていかず、どうしていいかわからなくなってしまったのだ。
しかし、だんだんと冷静になるに従い、判断力も戻ってくる。
「どういうこと……?」
麻美は呆然となったまま、ふつふつと怒りを覚えた。